競馬サロン

2022/04/23 18:09
【フローラS】「10秒4」が持つ計り知れない価値。GI級の能力秘めるアノ馬に◎。/マイラーズC/東京10R/福島11R

「勝った馬が強かったです」
新馬戦や世代限定の重賞レースで聞かれることがあるコメントだ。
その言葉の真意を読み解くと、さまざまな騎手心理が想像できる。たとえば「勝った馬が強かったんだから、負けても仕方ないでしょ」という少々言い訳じみた心理。もしくは「勝ち馬は強い。だから機会があればぜひ乗せてほしい」という勝ち馬の関係者の気分を上げてその存在を認識させる心理だ。
「新しいグランアレグリアですね(笑)」
C.ルメールがそう語ったラスール。面白いことに、新馬戦で敗戦を喫した陣営から「勝った馬が強かったです」とのコメントを確認することはできなかった。騎手の肌感と観る側の肌感が一致しなかったのか……一考の余地はある。
「伸びてはいるのですが、勝った馬が強かったです」
こちらはルージュスティリアが制した新馬戦における2着馬の騎手コメント。勝った馬に対する率直な感想がうかがえる。その2着馬はというと、2戦目であっさり未勝利を勝ち上がり重賞戦線でも好走を続けた。7人気の低評価を覆して桜の女王に輝いた2週前の出来事は記憶に新しい。
そう、ルージュスティリアが負かした馬はスターズオンアースなのだ。
毎年どの世代にも必ず現れる“物差し馬”という存在。今年でいえばスターズオンアースがその該当馬で、同馬に先着した馬にはナミュールの名前も挙げられる。ちなみに昨年の牡馬戦線ではタイトルホルダーが世代における物差し馬だった。
「反応が全然違いました。来年まで楽しみな馬です」
当時の鞍上・福永祐一も称賛を惜しまないルージュスティリアの新馬戦。1000m通過65秒9の超スローゆえ参考程度にとどめておきたいところだが、ラスト3Fは11秒1-10秒4-11秒4。とりわけ秀逸なのがラスト2Fめの10秒4で、この地点で10秒5以下を記録し新潟芝を勝利した主な2歳馬を挙げると、
・サトノノブレス
・ラッキーライラック
・ジャスタウェイ
・オルフェーヴル
・スマイルジャック
綺羅星の如く並ぶ名馬たち。出世馬を見極めるうえで重要な判断基準と言えるだろう。
6着に敗れたチューリップ賞は?
このレースを振り返ると、スタートした瞬間にジ・エンド。他馬との比較でおよそ5-6馬身は出遅れただろうか。道中は後方待機を余儀なくされたが上がり3Fは勝ったナミュールと同じ33秒9。メンバー中最速タイの上がり3Fを記録していた点は見逃せない。今回の鞍上は新馬戦と同じ、私が日本で一番スタートが上手い騎手だと思っている福永祐一だ。
左回り。
福永祐一。
高速馬場の東京。
どれをとっても新馬戦と瓜ふたつ。転厩初戦のラスール、上がりのかかる競馬しか経験していないルージュエヴァイユ、一気の距離延長ローテとなるマイシンフォニーらその他人気上位馬との比較で優位に立つことは明白と言えよう。
「今まで乗ってきた牝馬の中でもトップレベル」と鞍上が評価するルージュスティリア。今回がその言葉を証明する時だ。迷わず本命の印を託す。
相手本線にはパーソナルハイを。
近3走はすべて重賞を使われて16→6→6着。前走桜花賞は勝ち馬と0秒2差と及第点の走りだった。間隔の詰まったローテーションは不安だが、芝2000mは【1-1-0-0】と安定。スターズオンアース、ナミュール相手に2着の赤松賞を見るより左回りの適性も高く軽視は禁物だ。
ホウオウバニラも侮れない。
君子蘭賞組がフローラSと好相性とさきほど書いたが、同じ阪神芝1800m組なら同馬も当てはまる。牡馬混合戦のアルメリア賞から参戦をはたすが、当時の勝ち馬ピースオブエイトは毎日杯を制し、2着ジュンブロッサムもアーリントンC4着。一定のレースレベルは保証されており、牝馬限定なら重賞でも通用の可能性は十分だ。
さらにはルージュエヴァイユ。
新馬戦、デイジー賞と上がり3F最速の脚で勝利。前残り決着をただ1頭追い込んで勝ち切った前走内容は着差以上の評価を与えられるものだ。開幕週の馬場コンディションが脚質とマッチしない可能性を鑑みてこの位置としたが、ゆったりとした間隔で臨むローテーションは見逃せない。
【東京11R フローラS予想の印】
◎13 ルージュスティリア
〇3 パーソナルハイ
▲10 ホウオウバニラ
☆1 ルージュエヴァイユ
△7 ゴールデンアワー
△9 ラスール
△2 エリカヴィータ
△6 マイシンフォニー
【単勝】13(1点)
【馬連/ながし】13-3,10,1(3点)
【3連複/ながし】13-3,10,1,7,9,2,6(21点)
【3連単/フォーメ】13→3,10,1→3,10,1,7,9,2,6(18点)
【阪神11R マイラーズC】
7人気1着、4人気1着、11人気1着、9人気1着。
これは今年行われた古馬マイル芝重賞の勝ち馬とその人気だ。
グランアレグリア、インディチャンプ、ダノンキングリーとマイルGI勝ち馬が立て続けにターフを去った。この路線を引っ張る強豪が抜けたことで波乱決着が相次いでいる。
安田記念に向けた重要なステップレースとなるマイラーズC。今年の主なメンバーを挙げると、
・ホウオウアマゾン
・カラテ
・エアロロノア
・エアファンディタ
・ファルコニア
・ソウルラッシュ
・レッドベルオーブ
こんなところだろうか。出走馬を挙げるだけでは味気ないので、それぞれの馬の特徴を記す。
・ホウオウアマゾン(4歳馬)
・カラテ(転厩初戦)
・エアロロノア(昨年1人気)
・エアファンディタ(上がり馬)
・ファルコニア(ディープインパクト産駒)
・ソウルラッシュ(上がり馬)
・レッドベルオーブ(4歳馬)
GI馬の称号を持つ馬は不在。昨年の勝ち馬ケイデンスコールのように年内に重賞勝ちがある馬もいない有様だ。ああ、ますます混沌としてしまった。
ここで過去のマイラーズCを振り返ると、ディープインパクト産駒が4年連続で馬券内を確保。4歳馬にいたっては6年連続で馬券内と傾向としてはわかりやすい。良馬場施行年における勝ち時計は1分31-32秒台。高速馬場になりやすいレースであることが背景にあるのだろう。
……ん?
「ディープインパクト産駒」
「4歳」
「高速馬場」
この特徴、レッドベルオーブのすべてじゃないか?
2歳時に挙げた2勝はいずれもレコード勝ち。3着に敗れた朝日杯FSもレコード決着と、高速馬場への適性は世代屈指。近2走は稍重のタフな馬場コンディションに泣かされた印象を受けた。
レッドベルオーブが抱える最大の課題として挙げられるのが折り合い。2000mの皐月賞、1000m通過59秒0とマイルにしてはスローの流れとなった六甲Sは馬場と合わせて持ち味を削がれるシチュエーションだった事実は見逃せない。
「いつも乗っているジョッキーが、いい競馬をしてくれると思います」
そう語るのは藤原英昭調教師。一度も騎乗経験がないのでは……と思ったが、岩田望来にとってレッドベルオーブは2歳時から調教をつける“お手馬”。同馬の癖は熟知していることだろう。内めの枠なら折り合いもつけやすいはずだ。
良馬場では【2-0-1-0】。
ディープインパクト産駒。
ハイレベルな4歳世代。
これだけの条件が揃ったにもかかわらず“疑われた人気”のレッドベルオーブ。私は迷うことなくこの馬を本命に据える。
相手本線にはホウオウアマゾンを。
【2-2-0-2】の当舞台成績が示すとおりの阪神芝1600m巧者。なかでも5着に粘ったマイルCSは1-4着馬がすべてGI馬のハイレベルレースだから価値は高い。叩き良化タイプの馬が目立つ印象の矢作厩舎において、同馬は中2カ月以上の休み明け成績【2-0-1-0】。より好走率が高い条件を狙うと仮定したとき、狙いは次走安田記念ではなく今回だろう。
ファルコニアも軽視禁物。
マイル路線に転じた近2走は3.2着。馬券外に敗れた4戦中3戦が芝2000m超ということを考えると路線変更は正解と言えるのかもしれない。鞍上の川田将雅は2022年の阪神芝1600mで【4-0-4-1】。桜花賞のスターズオンアース、アーリントンCのダノンスコーピオンと2週連続で重賞勝ちと好相性の騎手が跨る点もプラス材料だ。
さらにはエアファンディタ。
ほぼ毎レースで上がり3F最速をマークする末脚を身上とする馬。その切れ味は申し分なく、前走は阪神芝1600mで1分31秒9と時計勝負への対応力も示した。昨年馬券外に敗れた3戦は道悪or左回りに限定。得意条件なら重賞の舞台でも侮れない。
【阪神11R マイラーズC予想の印】
◎5 レッドベルオーブ
〇7 ホウオウアマゾン
▲3 ファルコニア
☆9 エアファンディタ
△13 ソウルラッシュ
△2 ヴィクティファルス
△4 カラテ
△12 エアロロノア
【単勝】5(1点)
【馬連/ながし】5-7,3,9(3点)
【3連複/ながし】5-7,3,9,13,2,4,12(21点)
【3連単/フォーメ】5→7,3,9→7,3,9,13,2,4,12(18点)
次に、自信の一鞍。
【東京10R 鎌倉S】
前走この舞台を上がり3F最速の脚で制したレモンポップ。特筆すべきは4角2番手の位置から記録したことにある。前に行ってあの上がりを使われては後続に成す術はない。前走後は中山・阪神をパスして得意の東京ダート1400mまで待機。同馬とのコンビで【3-0-0-0】と負け知らずの鞍上を背に連勝の可能性は高い。
【東京10R 鎌倉S予想の印】
◎8 レモンポップ
〇12 ブッチーニ
▲6 イディオム
☆14 フィルストバーン
△4 オーマイガイ
△15 ダイシンイナリ
△5 デピュティプライム
△7 カルリーノ
【単勝】8(1点)
【馬連/ながし】8-12,6,14(3点)
【3連複/ながし】8-12,6,14,4,15,5,7(21点)
【3連単/フォーメ】8→12,6,14→12,6,14,4,15,5,7(18点)
最後に太鼓判レース。
【福島11R 福島中央テレビ杯】
逃げ・先行馬が多く、またその馬たちに騎乗する多くが若手騎手。乱ペースは避けられそうになく、差し・追込馬に食指が動く。
メイショウツツジは3走前に福島芝1200mで3着あり。当時は4角10番手以下から脚を伸ばし上がり3F2位の脚で上位入線をはたした。新馬戦を含め、馬券内に入った5戦中3戦が中2カ月以上の休み明け。得意ローテで臨める点もプラス材料だ。
【福島11R 福島中央テレビ杯予想の印】
◎11 メイショウツツジ
〇8 ルクルト
▲9 マッスルマサムネ
☆13 ラングロワ
△12 ステラダイヤ
△2 ヴィクトワールメイ
△14 ラストリージョ
△15 ジューンベロシティ
【馬連/ながし】11-8,9,13(3点)
【3連複/ながし】11-8,9,13,12,2,14,15(21点)
田原基成のプロフィールはこちら
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