・ヴァンルーラー
フローラSと好相性を誇る君子蘭賞組。ただ、この馬の前走は1000m通過62秒9の超スローを逃げ切ったというレース内容だった。関東圏を使われた2戦はいずれも掲示板外。厳しい印象は否めない。

・エバーハンティング
超スローの新馬戦を逃げ切ったのち参戦した前走1勝クラスは掲示板外。一変を望むのは酷に映る。

・エリカヴィータ
2人気に支持された前走フェアリーSは10着。思えば新馬戦の走破タイムも平凡かつ、当時負かしたメンバーでのちに芝を勝ち上がった馬はゼロ。重賞では荷が重い印象だ。

・キタサンシュガー
デビュー戦、そして2戦目といずれも行き脚がつかず道中は後方待機。開幕週の東京芝向きの脚質とは言い難い。

・ゴールデンアワー
未勝利を勝ち上がったばかりの馬。さすがに相手関係が厳しいと思われそうだが、前走は出遅れ→マクリの強引な競馬で突き抜けてみせた。芝2000mでは【1-1-2-0】馬券外なし。父ロベルト系が連勝中というレース性質も含め、侮れない1頭だ。

・シンシアウィッシュ
オープンクラスでも大負けしていなかった馬。それを踏まえれば1勝クラスで連対の前走結果は当然と言えるのかもしれない。ただ、同馬が馬券内に入った2戦はいずれも稍重。キズナ産駒の東京芝2000mにおけるオープンクラスの成績【0-0-0-5】を含め、強調材料は乏しい。

・ストキャスティーク
2度使われた東京芝2000m戦は馬券外。スタミナ型のゴールドシップ産駒で、2000mですら短い印象だ。

・トゥーサン
フタ桁着順が続く近走。厳しい。

・パーソナルハイ
近3走はすべて重賞を使われて16→6→6着。前走桜花賞は勝ち馬と0秒2差と及第点の走りだった。間隔の詰まったローテーションは不安だが、芝2000mは【1-1-0-0】と安定。スターズオンアース、ナミュール相手に2着の赤松賞を見るより左回りの適性も高く軽視は禁物だ。

・ホウオウバニラ
君子蘭賞組がフローラSと好相性とさきほど書いたが、同じ阪神芝1800m組なら同馬も当てはまる。牡馬混合戦のアルメリア賞から参戦をはたすが、当時の勝ち馬ピースオブエイトは毎日杯を制し、2着ジュンブロッサムもアーリントンC4着。一定のレースレベルは保証されており、牝馬限定なら重賞でも通用の可能性は十分だ。

・マイシンフォニー
未勝利勝ち後に参戦したフィリーズRは4着。道中は後方に位置しており、距離不足の印象を抱かせた。芝1800mで勝ち上がった点から距離延長はさほど気にしなくて良さそうだが、左回りでは【0-0-0-2】と馬券内に届いていない。中心に据えるには躊躇してしまう。

・モチベーション
重賞では歯が立たない現状。もう少しクラス慣れが必要だろう。

・ラスール
「新しいグランアレグリアですね（笑）」と鞍上が振り返った新馬戦。シンザン記念こそスムーズさを欠く競馬で敗れたものの、1勝クラスをきっちり勝ち上がって再度重賞の舞台に挑戦する運びとなった。ポテンシャルは申し分ないが、ひとつ気になるのはローテーション。一貫してマイル戦を使われた馬が、スタミナ勝負の傾向が強いフローラSを選択したのは引っかかる。馬場次第で評価を変える必要がありそうだ。

・ルージュエヴァイユ
新馬戦、デイジー賞と上がり3F最速の脚で勝利。前残り決着をただ1頭追い込んで勝ち切った前走内容は着差以上の評価を与えられるものだ。とはいえ過去2戦はいずれも道中は後方待機。テンのダッシュ力に欠ける点は否めず、開幕週の東京芝替わりで差し損ねる可能性は想定しておきたい。

・ルージュスティリア
この馬で強調したいのは新馬戦。上がり3F32秒7の末脚もさることながら、2着に負かした馬はのちの桜花賞馬スターズオンアース。同馬に騎乗していた鞍上が「勝った馬が強かったです」と脱帽した一戦が持つ価値は計り知れない。前走チューリップ賞はスタートで大出遅れした時点でジ・エンド。新馬戦で好スタートを切っていた鞍上・福永祐一への乗り替わりもプラスに働きそうだ。