おみくじ的に発動したオフレコ馬券は不的中に終わったが、オフレコ馬券の◎と同じ生産者のヤマカツエースが中山金杯で圧勝してくれた。古参の読者ならこれがどういう意味なのかはわかるんじゃないかな。同じ厩舎、同じ騎手、同じ生産者、同じ馬主、同じ育成牧場などなど･･･、なぜか俺の◎は偏る時があるよね。

偶然か必然か、信じるか信じないかは、アナタ次第です！笑

って事で金杯の的中は有馬記念よりも嬉しい。

1着◎ヤマカツエース
2着〇マイネルフロスト
3着△フルーキー

ヤマカツエースはこれで重賞2連勝。
覚醒の予感をさせる勝ち方で、福島記念、中山金杯と◎を打ったのが報われた。
馬券的にもど本線的中でガッツリ儲けさせてもらい、オフレコ馬券の負けは十二分に逆転できた。

とはいえこの的中には実は物凄くホッとした。

時はさかのぼる事10時間前。

朝5時半。

トゥルルルルルル

７号「ハイもしもし、老馬主さんおはようございます･･･」
老馬「あ！おはようさん！７号君早いね！」

え･･･？？？
早いね？？？
嘘でしょ？起こされたの俺だよ？

早いね！じゃねーよ･･･、アンタからかけてきたんじゃねーかよ･･･。
馬の世界での朝イチの電話は「故障」を予感させるんだからやめてくれよ･･･。
とは言えるはずも無く･･･

７号「いえ、昨日早く寝たんで、起きてましたよ！それより、どうかされましたか？」
老馬「いや、今日競馬場行くんかな？と思ってさ！」
７号「いえ、昨日から仕事始めで、今日は会社ですよ･･･」
老馬「は？仕事？アンタちゃんと仕事してるんか？部下に任せておけばいいっしょ」
７号「いえいえ、僕だってちゃんと働いてますよ！働かざるもの食うべからずって言うじゃないですか」
老馬「そりゃ何かい？私が働いた事無いって事に対しての嫌味かい？」
７号「いえいえいえいえ！滅相も無い･･･。老馬主さんの事じゃなくて、私のような庶民の話ですよ･･･」

なに？なに？なに？なに？
な、なんで朝５時半から絡まれてるんだ？俺･･･
頑張れ！頑張るんだ俺！

７号「それはそうと、馬の故障でもなくこんなに朝早い電話という事は、なにか朝一の馬券ガッツリ買う気ですか？」
老馬「中山金杯買おうと思ってね！」
７号「え？それなら、午後イチとかでも良かったじゃないですか･･･」
老馬「アンタ、いつも折り返しの電話遅いし、買いそびれたらたまらないからね。着信残しておけば後からかかってくると思ったんだけど、出ちゃったからー！」
７号「･･････」

出ちゃったからーって･･･

老馬「もしもーし！」
７号「あ、スミマセン。まだ寝ぼけてて･･･。ところでどの馬から買っておけばいいですか？」
老馬「アンタ、何から買うのよ」
７号「え？僕ですか？」
老馬「そりゃそうっしょ、アンタ以外誰がいるの？」
７号「いや、そういう意味ではなくて、買う馬決まってて連絡してきたのかと思ったので･･･」
老馬「いや、決まってるんだけど、一応アンタの意見も聞いておこうと思ってさ」
７号「僕はヤマカツから入りますよ」
老馬「あ！そう！ヤマカツ！」
７号「はい･･･」
老馬「相手は？」
７号「ぶっちゃけマイネルの逃げ残りでど本線組んでますけど･･･」
老馬「あらあら！そうかい！私と全く同じだわ！」
７号「････････････」

嘘だ･･･
絶対に嘘だよ･･･
俺から予想聞きだして、ハナから乗るつもりだったんだわ･･･
これ、当ったら自分のおかげ、外れたら絶対に俺のせいにされるパターンのヤツだわ･･･

老馬「あれ？もしもーし？もしもーし？」
７号「あ、スミマセン、なんか電波悪くて。そうでしたか！老馬主さん、有馬記念もゴールドアクターからガッツリ取ってたし、老馬主さんの予想とかぶったのは心強いですよ！」
老馬「じゃー、その馬券１点で買っておいて！」
７号「え？１点ですか？僕は他にも多少押さえますけど･･･」
老馬「良いの良いの、じゃー馬連１万円でいいわ」
７号「え？１万円だけですか？」
老馬「そ！当ったらアンタにお年玉として配当あげるよ！」
７号「え？マジですか？貰っちゃって良いんですか？」

え？どういうことだ？
なにたくらんでるんだ？
今までこんな事なかったし、どういう風の吹き回しだ？

老馬「いいの、いいの！それはそうとね、嫁が２００９年のラトゥール飲みたいって言うのさ。こっちにはなかなか無いから、アンタ東京で探してくれないかね？」
７号「え？ラトゥールってワインですよね？」
老馬「ワイン以外無いっしょ･･･」
７号「はははは、そうですよね･･･」

って、なんで怒ってるんだよー･･･
飲めないけども、ラトゥールっていう住友系のマンションだってあるじゃんかよ･･･

って、んんん？
確か２００９年って当たり年じゃなかったか？
当たり年のラトゥールなんて、１０万以上するだろ･･･。
マジか･･･そういうことか･･･。

この時既に俺の頭は音速並みの回転速度、俺の読みはこうだ。

１万円の馬券を頼み、当ったら配当あげるよ･･･と甘い提案をし、ワイン探しを断れなくさせる。その言葉を信じて、本当に探すだけじゃ「アンタ、変わったね･･･」とか言われちまうのはミエミエ。しかも馬券が外れりゃ俺のせいにされる訳で、どっちにしてもいつも世話になっている以上「お年賀でーす！」って感じで持っていかなきゃならない。そして「あれ？いいのかい？なんか悪いねー、でも嫁も喜ぶよ！」なんて言いながら老馬主さんはタダでワインＧＥＴ。もし、馬券が当れば、それはそれで「いい年こいて、お年玉なんて貰えませんよ･･･配当でワイン買って来ましたので飲んでください！」と言わせる戦略だよな･･･。

なんて日だ！
朝っぱらから、なんて日だ！

ここまで、0.1秒で想像出来ちまった･･･。
しかし、返す言葉は決まっている。
体育会系のノリで爽やかに･･･

７号「はい、ラトゥールですね！会社行ったら直ぐに秘書に探させますね！」
老馬「悪いねー頼んだよ！」



４時間後、午前9時半。
会社に着き、ネットで検索する。
２００９年　ラトゥール。

https://www.enoteca.co.jp/item/detail/0100201413A9

！！！！！！！！！！！！！！！

１５万８０００円だと？？？？

マジか･･･
しょうがねーか、いつも世話になってるしな。

そして、10時。
っておい、逃げろ！逃げろ！豊、突っ張らないで行かせてやってくれ！
あ、駄目だ、逃げられねー･･･こりゃオフレコ不発だ･･･

更に６時間後、15時半。
差せ！差せ！差せ！良し！

アブねー中山金杯当ったわー！
ん？老馬主さんの1点も当ったな。
配当は･･･

馬連１６７０円･･･

投資金１万円を差し引いて、利益１５万７０００円･･･

ええええええー！？！？！？

老馬主さん、神か･･･
ラトゥールの値段とほぼぴったりじゃねーか･･･

と思ってたら電話だ。
トゥルルルル

老馬「ほらね！わたしの言ったとおりだったっしょー！」

だったっしょー！じゃねー！！！！！
俺が予想したんじゃねーか！！！！！

と言えたとか言えなかったとか･･･

老馬主との戦いはまだまだ続く･･･

じゃーな！