毎週様々な事柄に対しての毒舌を吐く事をコンセプトにしているこのコラムだが、「プラス体重だったら駄目」と書いたオフレコ馬がプラス８キロで出走した件で厩舎サイドへの毒舌を吐こうかと思ってみたり･･･、穴で狙った阪神ＪＦのペプチドサプルがアルテミスＳに続いての４着だった事に、道中横でチョロチョロ動かれた岩田の騎乗に毒舌を吐こうかと思ってはみたが、香港での日本馬の活躍に溜飲を下げ、懐も暖かくなったおかげで怒りがどこかへ飛んでしまった。

儲けついでに、ここ最近ずっと「遊びに来たらいいっしょ」と連日電話攻勢にあっていた老馬主に会いに札幌に入った。

老馬主と俺の歴史を知らない人は以下のリンクを読んでくれ。

「覆面馬主７号vs老馬主（雨男編）」
「覆面馬主７号vs老馬主（わんこタラバ編）」

待ち合わせはいつもどおりのジャスマックの風呂場だ。
１７時に待ち合わせているのに、まずはいつもの所在地確認の電話が昼にかかって来る。

老馬「もしもーし。アンタ今どこ？」
７号「え？まだ東京ですよ･･･１３時の飛行機で千歳向かうって言ったじゃないですか･･･」
老馬「じゃー１７時に風呂で待ってるよ！」
７号「とりあえず空港に着いたら連絡しますね！」

いつも通りのやり取りとはいえ、こうなったらＧＰＳで俺の居場所を分刻みで確認できるようにしてやった方がいいのかもしれないと思ってきた。若いオネーチャンに「７号さん今どこにいるの！また女の所でしょ！」って言われるならまだしも、この歳になって８０歳に手が届きそうな元気なじーさんにこれだけ頻繁に所在地確認されるとは夢にも思って無かった。

札幌に着くと結構な雪が降っていてびっくりしたが、何とか待ち合わせの１７時にジャスマックの大浴場に入っていった。

老馬「やぁ、良く来たね、雪が凄かったけど飛行機大丈夫だったかい？」
７号「ええ、大丈夫だったのでここに居ますよ！」
老馬「そりゃそうだ、今日は寿司屋を１８時に予約してあるから、忘年会しよう！」
７号「はい、ありがとうございます。ただ、私、今怪我しておりまして、実は骨折してるんですよ･･･だから、いつもみたいには酒は飲めないかな･･･と」
老馬「え？どこを骨折してるの？」
７号「たいした箇所じゃないんですが、眼窩底骨折しちゃいまして･･･」
老馬「なんだって？癌で骨折ってなんだ？」
７号「いえ、癌ではなく、眼窩底ですよ、目の裏の骨」
老馬「え？そんな所に骨あるのかい？」
７号「はい、あるんですよ。その骨が無かったら、目が気持ち悪い動き方しだしますよ･･･」
老馬「アンタ普段から目つき悪いのは、その骨が折れてたからだったのかい？」
７号「あのう･･･折れたのは先週で、今までの目つきの悪さとは関係ないですよ･･･」
老馬「ん？そうなの？ところで、アンタ、イチモツ晒したまま突っ立ってないで、早く風呂入ったら？」
７号「･････････」

アンタ、早く風呂入ったら？じゃねーよ！
着いて早々、癌で骨折ってなに？とか聞くから、微妙に身体を洗いに行くタイミング逸してたんだよ！
身体も洗わないで湯船入ったら「アンタここプールじゃないよ･･･」とか言い出すくせに、なんなんだ！

そんなこんなで一通り風呂を済ませて寿司屋に。

老馬「おい大将、７号君には冷酒で私にはヒレ酒くれるかい？」
７号「え？あの･･･、人の話聞いてましたか？今日はあまり飲めないと･･･」
老馬「大丈夫っしょ、アンタ若いんだからすぐ骨くっつくよ。それより大将、キンキの煮付けと生牡蠣とタチポンと、あと・・・エビフライ食いたいから作って！」
７号「え？寿司屋でエビフライですか？」
老馬「そうだよ、エビフライ、なにかおかしいかい？」
７号「え？いや･･･っていうか、こんな一流店で寿司食わないでエビフライって･･･それならファミレスでいいじゃないですか」
老馬「どこのエビ使ってるんだかわからないエビフライなんか食えないっしょ。ここは最高級の車えびでエビフライ作ってくれるからね！」
７号「それはそうなんですが･･･。で、もう一つ良いですか？あの･･･、ここのキンキの煮付け、物凄いでかいキンキ使ってますけど、老馬主さん食べられるんですか？」
老馬「え？私？食べないよ･･･アンタが一人で食えばいいっしょ。あ！大将、やっぱり、生牡蠣やめてカキフライにして、あと白いご飯ね！」
７号「えええええええええ･･･？寿司屋来て生魚はおろか、酢飯も食わないで白いご飯っすか？？？？？」
老馬「こういうのもたまにはいいっしょ！」

良くねーだろ！そんな事なら、定食屋行けや！！！！

と、言えたとか、言えなかったとか･･･

折角久しぶりに寿司屋に行ったというのに、老馬主はエビフライ＆カキフライ定食、俺はキンキの煮付け定食をくって終了･･･。その時、時間は１９時前･･･、颯爽と帰る老馬主を見送りながら、これ、本当に忘年会だったのか？？？と頭に雪が積もるまで呆然としていた。

老馬主恐るべし。
老馬主との戦いはまだまだ続く･･･

じゃーな！