競馬サロン

2024/12/21 18:00
有馬記念2024 最終結論【血統】印は3つだけ 「今年衝撃を受けた3頭」に1年の締め括りを託す

▼この条件ならチャンスあり!

皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では日曜日の中山メイン・有馬記念の最終結論をば。
■考察
有馬記念の予想なんて、普通に書いたらどうやったって文字数がトンデモなく長くなるのは明らかなので、出走全頭に対する考察は月曜に公開済みの展望記事をお時間がある時にご覧いただくことにして。
結論に至る過程を振り返る前に、まず触れるべきは大本命馬ドウデュースの回避だろう。新聞各社からリリースが出る前に早耳の関係者から教えてもらった時の衝撃たるや……。正に好事魔多し。
ただ「これほどの馬なので何かあっては困る」という陣営の話はごもっともで、与える影響の大きさにもひるまず、陣営が取り消しの決断を下したのは評価したい。ドウデュースの産駒から新たなスターが誕生することを願うのみ。
そんな絶対的主役がいなくなった有馬記念。果たしてどうやって予想を組み立てるか悩みに悩んだ……、かと言うとそうでもなく。
今年の有馬記念は「2024年の競馬で驚かされた馬」を買うことを特別登録が出た時点で決めていた。その観点で取り上げるのは3頭のみ。
まずはベラジオオペラ。
この馬で驚いたのは、勝った大阪杯ではなく3着だった宝塚記念。
「ロードカナロア×ハービンジャー」という2000mベストの配合のうえ、小回り巧者のアイドリームドアドリーム牝系出身。良馬場の内回り阪神芝2000mが舞台の大阪杯を機動力を活かして勝ち切るのは「そらそうよ」なのだが、反対に梅雨時かつ大箱の京都芝2200mが舞台となった宝塚記念では1円も要らないと思っており、実際に予想でも無印にした。
ところが終わってみれば強気に先行して3着に好走。しかも上位2頭は外から差してきた馬だったわけで。全く適性外と思っていた条件で好走したのは衝撃的で、ベラジオオペラが相当に力をつけているのを痛感したレースだった。
なので下半期の始動初戦となった秋の天皇賞でも、条件不向きとは知りつつ印を回したわけだが、夏負けの影響&ベストではない大箱コースで6着に敗戦。とはいえそれほど大きな差はなかったし、体調面の上積みが見込めて得意の小回りに替わるなら、距離は気にせず重い印を打てる。近親には有馬記念2年連続3着のエアシェイディ。中山適性は間違いない。
ダノンデサイルは今年の日本ダービー馬。
そのダービーではそこそこ高く評価していた(△筆頭)とはいえ、競走除外明けの一戦、しかも3歳最高峰のレースで2着馬に2馬身差をつける圧勝劇を演じるとは正直想像していなかった。しかも下した相手はとにかく強い皐月賞馬ジャスティンミラノなわけで。
ただダノンデサイルの走りで最も驚いたのは、勝ったダービーではなく敗れた前走の菊花賞。レースを振り返ると、勝負どころで前が塞がり位置取りをズルズル下げて4角では完全に勝負圏外。にも関わらず、最後は大外に持ち出して6着まで押し上げた競馬は衝撃のひと言。レースを見ながら「うわ、帰ってきた!?」と奇声を上げたのが懐かしい。
「8→9→14→15」という惨敗不可避な通過順ながら、あわや3着もあろうかというところまで盛り返したのは、この馬の能力の高さを示すものに他ならない。あれほどまでにインパクトのある敗戦もなかなかないだろう。勝ち馬アーバンシックよりも強い競馬をしたという認識で、見た目の着順で評価を下げるには至らないし、むしろ上げて然るべき。
プログノーシスは金鯱賞の圧勝と香港・クイーンエリザベス2世Cの結果が印象的。
古馬の有力どころが集うGIIの金鯱賞で菊花賞馬ドゥレッツァを5馬身ぶっ千切った内容もそうだし、香港の英雄ロマンチックウォリアーを相手に、出遅れ→早マクリの無茶苦茶な競馬でクビ差に迫った内容も評価できる。
加えて最も驚いたのがこの馬の血統。札幌記念の動画を編集していた時に改めて血統表を眺めてようやく気付いたのだが、この馬は"プリティーポリーの塊"なのだ。
プリティーポリーは1901年生まれの英国三冠牝馬で、繁殖牝馬としても後世に多大なる影響を与えたサラブレッド史上最高の名牝。この馬がいなかったらノーザンダンサーもブリガディアジェラードもバーイードも存在しなかった。というか今の血統地図は全く異なるものになっていただろう。この偉大な名血をひたすらに重ねているのがプログノーシスの血統の特徴だ。
そもそもプログノーシスのボトムラインの奥底にご本尊プリティーポリーが鎮座ましますうえ、4代母ラコニアはシビルスニース≒エレノアクロス2×2(ハイペリオン、ファラリス、プリティーポリー直仔モリーデスモンドなどが共通)というプリティーポリーを含む強烈なニアリークロスを抱えている。そこにプリティーポリー直系リュティエの産駒アッシュモアを父に迎えたのが3代母のヴァルデリカ。
さらに祖母ヴィアヴィゴーニの父マークオブエスティームはプリティーポリー直仔ベイビーポリーのクロスに加え、オリオールのドナテッロを介してプリティーポリーを引き、最後はディープインパクトのドナテッロで締めるという形。
ノーザンダンサーのニアークティック以外を用いてこれほどまでにプリティーポリーを重ねた配合形は衝撃で、「プリティーポリーの火を絶やすな!」という強い意志が感じられる牝系の血の重ね方に生産者の気概を見るわけだ。
さらに牝系にはハイペリオンやサンインローといったスタミナ豊富な血が重ねられていて、これで2500mが走れないわけがないだろうと思うわけで。有馬記念に重要なリファールのクロスを4×6で抱えている点からも舞台適性は高いと見る。三浦皇成がそろそろGIを勝ってもええじゃないか。
■有馬記念の最終結論
◎5 ベラジオオペラ
○10プログノーシス
▲1 ダノンデサイル
【馬連/BOX】5,10,1(3点)
【ワイド/BOX】5,10,1(3点)
【3連単/BOX】5,10,1(6点)
これだけの豪華メンバーなので他の馬を買おうと思えばいくらでも買えるだろうが、「今年衝撃を受けた」という観点でいくと筆者のテーブルに乗るのはこの3頭のみ。印を回すのも3頭だけで十分だ。
ちなみに印の順は「驚きの大きさ」順。ベラジオオペラの宝塚>プログノーシスのプリティーポリー感>ダノンデサイルの菊花賞、がインパクトの序列だったので。
馬券は馬連、ワイド、3連単の3頭BOX。馬連とワイドが本線で、3連単はビッグボーナス狙い。
それでは皆さま良い有馬記念を!
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断/有馬記念】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/有馬記念】調教ライター・西村武輝
【特別編・前編】覆面馬主7号&ドクトル井上
【特別編・後編】覆面馬主7号&馬体アナリスト・伊藤
この記事が参考になった方は
主宰者に「エール」を送ろう!(最大10回)
この主宰者をお気に入りに登録しよう!
マイページから確認できます
新着記事
-
UMAJIN.net編集部2025/04/26 19:15
【4/27(日)的中速報】昨年東西重賞W的中の岡井ら主宰者陣が躍動!当たればデカい香港も攻略!【フローラS/マイラーズC2025予想】
◆【前日4/26(土)的中一覧】青葉賞は3連単3370円的中の山田ら主宰者6名が的中!栗東R氏は推奨馬で6人気以下の穴3発!【青葉賞2025予想 ◆【Information】...
-
108
- 固定記事
-
シャト美2025/04/26 18:20
【太鼓判予想・福島1R】みんな“前に行きたい”から前に行けるジョッキーを選定 馬連4点+ワイド1点+3連複12点
【ユーザーアンケート/全員500pt(重賞予想1鞍相当)贈呈】あなたが競馬サイトにあったら活用したい機能は何ですか?(最大5つまで選択可)【※1日16時まで】 ■福島1R 3...
印買い目見解 -
50
- 固定記事
-
-
オペペ2025/04/26 19:25
【マイラーズC2025予想】「国際レーティング大丈夫?」と心配になるメンバーですが、馬券的に妙味あり/京都12R(サブスク)
皆様こんにちは、こんばんは。久々の東京開催で少し緊張していたものの、土曜日はなんとかそれなりの結果を出すことができてホッとしているオペペです。 欲を言えば青葉賞の1・2着が裏...
印買い目見解コラム -
160
-

人気主宰者の「重賞」「自信の一鞍」など複数の予想を30日間定額で!
先着800名様限定!
30日間無料キャンペーン実施中
月額コースはコチラ
ただいま30日間
無料お試しキャンペーン実施中!
全コラムが見放題
月額コースはコチラ
この記事のみをご覧になりたい方はコチラ
単品購入(500pt)に進む本記事は単品購入限定となります