出走ハードルの高さが話題になった今年の桜花賞。中でも、阪神ジュベナイルフィリーズ2着のシンリョクカでさえ除外になるのではと思われましたが、リバーラの回避により出走が叶いました。

一方、紅梅Ｓを制したダルエスサラームとエルフィンＳを勝ったユリーシャなど、7頭が涙を飲むことに。これら2レースはいわゆるリステッド競走で、通常のオープンよりも収得賞金が200万円高く設定されていますが、それでも出走は叶いませんでした。

とりわけ、エルフィンＳは三冠牝馬デアリングタクトをはじめ、後のGI馬を多数輩出してきた重要な一戦。同レースの勝ち馬が賞金不足で桜花賞に出走できないというのは、かなり珍しいことだと思います。

さて、今回のように出走ハードルが高くなる要因ですが、おそらく直行ローテが主流になってきたからではないでしょうか。

かつては、2歳時に重賞を勝利した馬はもちろん、GIを制した馬でさえ本番前にひと叩きするのが一般的でした。しかし、近年は育成牧場の充実などでトレンドが変わり、そういった馬たちが本番に直行。今年の出走馬でいえば、リバティアイランドやラヴェルがそうです。

対して、トライアルでなんとしても優先出走権を獲得したいのは賞金不足の馬ですが、実績馬は本番に直行するため、それら賞金不足の馬が出走権を獲得できる可能性がアップ。逆に、それ以外のリステッドやオープンを勝利した馬（ダルエスサラームやユリーシャ）。もしくは、トライアル以外の重賞で2着となり（今年の除外馬でいえばメイクアスナッチ）収得賞金を加算した馬が、本番に出走できないというケースが起きます。

リステッド1着の収得賞金を200万円高く設定したのは、こういうことが起きないための策だと思いますが、今年は想定のさらに上をいくハードルの高さとなりました。とはいえ、もちろんルールの抜け穴とかそういうことではなく、現行の制度では仕方のないことです。

そうなると、エルフィンＳに関しては、1着馬に桜花賞の優先出走権を付与するくらいのことをしても良いかもしれません。他、2歳GI2着の収得賞金を上げるなど。もちろん、文章で書くほど簡単でないとは思いますが……。

一方、この原稿を書いているのが金曜日の午後で、どういう結果になったか分かりませんが、桜花賞を除外された馬が5頭、土曜日のニュージーランドＴに回りました。そのあおりを受けてか、こちらも7頭の除外馬が。

GIIIに格下げされる可能性が高いといわれながらも、なんとか踏みとどまった同レースが、一転して今年は2勝馬でないと出走できないというハードルの高さ。ミラクルティアラがマリーンＣか端午Ｓに回ることを表明したため、実際はそうなりませんでしたが、もし出走していれば、2勝馬でも1頭は除外されていたことになります。

そう考えると、久々に2歳GI馬が出走する今年のニュージーランドＴは、レース史上最高のメンバーだったといえるかもしれません。

かなり話がそれてしまったので、そろそろ予想に。

今回は、桜花賞の過去5年を深掘り調査。好走傾向から重視できそうな指標を探し出し、そこから予想組み立てます。

（1）前走人気
（2）今回の枠順
（3）生産牧場
（4）前走からの間隔
（5）前走馬番

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記5項目。例年、さほど荒れないレースで、好走傾向を探すのに、かなり苦労しました。その中で（1）は前走の人気です。
桜花賞は、前走重賞で1番人気に推された馬が強く［4-2-2-7/15］。勝率26.7％、複勝率53.3％。単勝回収率169％、複勝回収率112％と、文句なしの好成績です。

次は（2）。今回の枠順。
ご存知のとおり、近年の桜花賞は内枠有利。とりわけ、前走1600ｍのレースに出走した馬が今回1、2枠に入ると［1-1-3-5/10］。複勝率50.0％。複勝回収率153％と、こちらも素晴らしい成績。

また、前走重賞で2、3着と勝ちきれなかった馬が、今回8枠に入ったケースも［0-3-0-3/6］。複勝率50.0％。複勝回収率116％。サンプルは少ないものの、該当馬の半数が好走していました。

（3）は、生産牧場について。
クラシックの舞台でいっそう強さを発揮する「絶対王者」ノーザンファームの生産馬。その中でも、3月生まれの馬は［2-1-3-4/10］。勝率20.0％、複勝率60.0％。単勝回収率75％、複勝回収率114％と、超抜の成績です。

続いて（4）は前走からの間隔。
桜花賞は、ゆとりあるローテーションで臨む馬が強いレース。具体的には、前走からの間隔が中4週以上。かつ前走芝で上がり6位以下の馬が［2-1-2-5/10］。勝率20.0％、複勝率50.0％。単勝回収率70％、複勝回収率135％と、好成績でした。

そして最後は（5）。前走の馬番について。
前走内枠から中枠。もしくは、極端な外枠を引いた馬が強い当レース。具体的には、前走馬番が1から9番で、前走の馬体重が460kg以上。なおかつキャリア3戦以下だと［3-1-1-3/8］。勝率37.5％、複勝率62.5％。単勝回収率143％、複勝回収率122％と、超のつく好成績。

また、前走8枠に入った馬は、他に条件をつけなくても［0-1-2-3/6］。複勝率50.0％。複勝回収率123％と、こちらも素晴らしい成績です。

これら5つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎3　 リバティアイランド
○14　ペリファーニア
▲4　 ドゥアイズ
☆17　ラヴェル
△5　 ハーパー
△13　ドゥーラ
△2　 ライトクオンタム
△9　 コナコースト
△16　ムーンプローブ
△1　 ブトンドール
△6　 モズメイメイ
△7　 コンクシェル
△12　シングザットソング

【買い目】

・馬単マルチ　3＝1、2、4、5、6、7、9、12、13、14、16、17　計24点
・馬単マルチ　4＝14　計2点
・ワイド　3→1、4、6、7、9、12、13、14、16、17　計10点
・ワイド　4→14　計1点
・3連複フォーメーション　3、4、14→3、4、14→3、4、5、13、14、17　計10点

本命候補は、ドゥアイズ、ペリファーニア、リバティアイランドの3頭。非常に難しい選択ですが、リバティアイランドを本命にします。

直線競馬以外では史上最速となる、上がり3ハロン31秒4をマークした新馬戦で、一躍クラシック候補へと躍り出たリバティアイランド。続くアルテミスＳは直線で前が開かず2着と惜敗しましたが、前走の阪神ジュベナイルフィリーズは完勝。今回は、そこからの「直行ローテ」です。

ただ、非常に強かったと見られている前走は、道中かなりのハイペース。この馬向きの展開になったことも事実です。また、近年の桜花賞は内有利で、今年もそうなれば絶好枠ですが、前が詰まってしまう可能性も0ではないと思っています。

馬券的な妙味はありませんが、それでも実力は抜けているはず。私の心配など吹き飛ばして歴史的名牝へ。そして何より、POG指名馬だからとにかく勝ってほしい！（なぜ、前走本命にしなかったのか……）

ということで、馬券はまず、リバティアイランドからの馬単マルチとワイドを買い、タテ目もしっかり押さえて、○▲の馬単マルチとワイドも購入。

さらに、本命候補となったこれら3頭をフォーメーションの1、2列目に塗り、3列目には、これら3頭と2項目に該当した3頭の計6頭を塗った3連複も買って万が一に備えます。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。