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齋藤翔人

2022/09/24 18:30

【神戸新聞杯】 京都新聞杯の上位入着馬に、まとめて借りを返すかリカンカブール

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日曜中京のメインは、菊花賞トライアルの神戸新聞杯。2020年を除けば、近年は少数精鋭ともいえるメンバー構成でしたが、今年は頭数が揃いました。

一方、今年はダービー好走馬が出走せず、過去の傾向を重視する私としては、非常に困ったことになりました。というのも、過去5年の神戸新聞杯は、前走ダービーで4着以内を確保した馬が[5-3-0-3/11]。勝率45.5%、複勝率72.7%と、超のつく好成績だから。

昨年も、ダービー馬のシャフリヤールは道悪に泣き4着と敗れましたが、ダービー3着のステラヴェローチェが馬場を味方につけ逆転勝利。さらに、同11着のレッドジェネシスも、重賞を制した舞台で巻き返し2着に好走しました。

ところが、今年はダービー馬のドウデュースが凱旋門賞に出走を予定しており、2着のイクイノックスは天皇賞・秋へ。そして、3着のアスクビクターモアも先週のセントライト記念に出走済み(2着)と、いずれも神戸新聞杯には不出走。当時5着のプラダリアが、今年のメンバーでは最先着ということになります。

そうなると、どうしても注目したくなってしまうのが夏の上がり馬。上述したとおり、神戸新聞杯を勝つという意味では厳しい結果に終わっていますが、今年は十分チャンスがありそう。先週のセントライト記念でも、重賞初挑戦のガイアフォースが勝利しているだけに、なおさら注目したくなります。

そんな夏の上がり馬で思い出すのが、2000年の神戸新聞杯に出走したフサイチソニックです。

同じく菊花賞トライアルに位置づけられていた京都新聞杯が春に移行され、ダービーの前哨戦となったこの年。それまでは、やや手薄なメンバーになりがちだった神戸新聞杯に、早速ダービーの1、2着馬が出走してきました。

もちろん、人気を集めたのもその2頭。名手・河内洋騎手にダービージョッキーの称号をもたらしたアグネスフライトと、兄弟子にダービー3連覇を阻まれた天才・武豊騎手が騎乗する、皐月賞馬のエアシャカールです。

ご存知のとおり、テイエムオペラオー世代とジャングルポケット世代の間で、あまり評価が高くないこの世代。ただ、2頭と二人の天才が、互いの意地とプライド、そして夢をかけて叩き合ったこの年のダービーは、歴史に残る名勝負だったといっても過言ではありません。

神戸新聞杯に話を戻すと、1番人気に推されたのは皐月賞馬のエアシャカールで1.7倍。アグネスフライトが、やや離れた4.6倍でこれに続きました。

一方、前走900万条件(現・2勝クラス)を勝利したばかりのフサイチソニックも、ダービー馬とそれほど差のない6.8倍。さすがにこれは人気しすぎだろう・・・、そう思いながらテレビの中継を見ていたことを、20年以上経った今でもはっきりと覚えています。

そのフサイチソニック。デビューは3歳7月(当時の表記で4歳)と非常に遅く、しかも最初の2戦はダートのレースに使われ、3、2着と連敗スタートでした。

ところが、続く芝1800mの未勝利戦を勝ち上がると、一気に3連勝を達成したのです。しかも、その間に撃破した相手といえば、神戸新聞杯の1週間前にセントライト記念を制したアドマイヤボスと、この時点では知る由もありませんが、後に秋華賞を勝利するティコティコタックといった素晴らしい面々。典型的な夏の上がり馬ともいえるフサイチソニックですが、強力なライバルたちに勝利してきた実績からも、ダービー馬とさして遜色ない評価を得ていたのは、妥当だったといえるでしょう。

そして、いざレースが始まると、フサイチソニックはその評価をさらに上回るパフォーマンスを発揮しました。

ゲートが開くと、スタンド前ではややムキになって先行。半ば暴走ともいえる走りで2番手につけますが、向正面を通過し、勝負所に入っても手応えは楽なまま。4コーナーで、逃げるマイネルビンテージに並びかけると、すぐに単独先頭に立ち直線を迎えます。

騎乗した四位騎手は、道中の様子から、最後はバタバタになってしまうことも覚悟したそうですが、その思いとは裏腹に、ここからさらに末脚を伸ばすフサイチソニック。休み明けで反応の鈍いGI馬2頭を尻目にグングンと加速し、あっという間にリードを広げていきます。

直線半ばを前にして、2番手争いを映し出すテレビカメラ。しかし、数秒後に再びフサイチソニックの姿を捉えた時には、2番手との差がおよそ5馬身に広がっていたのです。

最後は手綱を緩められたため、差は2馬身に縮まったものの、恐ろしいほどの強さを発揮したフサイチソニックは、4連勝で重賞初制覇。一躍、この世代のトップクラスに名を連ねることとなりました。

ところが??

フサイチソニックは、次走の天皇賞・秋に向けて調整されている過程で、左前浅屈腱炎を発症。これが結果的に最後のレースとなり、芝のレースでは全く底を見せないまま、翌2月に引退してしまったのです。

フサイチソニックの父は世界的名種牡馬のデインヒルで、この世代は、同馬が1年リースで日本に来ていた1996年に種付けが行なわれた時の産駒。他に、日本でデビューしたデインヒル産駒といえば、翌2001年の札幌記念と神戸新聞杯を制したエアエミネムや、無敗で秋華賞とエリザベス女王杯を制したファインモーションなど。夢を見させてくれるような名馬が何頭もいましたが、間違いなくフサイチソニックもそのうちの一頭だといえます。

タラレバの話をしても仕方ありませんが、もし脚元が無事だったら、果たしてどれほど活躍したのか。ちなみに、テイエムオペラオーが8戦8勝の無双状態で「世紀末覇王」となったのがこの年。もちろん、フサイチソニックも能力が高すぎたがゆえの故障かもしれませんが、予定どおり天皇賞・秋に出走していれば、テイエムオペラオーの快挙も、ひょっとすると・・・。

そんなロマンを抱きたくなるような素晴らしいレースを披露してくれたのが、2000年の神戸新聞杯でした。

それでは予想に。

今回は、過去5年の神戸新聞杯の傾向と、過去3年の当コースの傾向を深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、そこから予想を組み立てたいと思います。

まず、神戸新聞杯の過去5年の傾向から重視できそうな指標は、下記の6項目でした。

(1)前走上がり
(2)前走人気
(3)生産牧場
(4)前走馬体重
(5)種牡馬
(6)前走着差

まずは(1)。前走上がりです。
前走、上がり3位以内の馬が強い当レース。その成績は[3-3-5-16/27]で、勝率11.1%、複勝率40.7%。単勝回収率20%、複勝回収率112%と好調。

特に、前走条件戦組は上がり3位以内、かつ2着以内が必須で、この条件を満たせば[0-1-2-6/9]。複勝率33.3%、複勝回収率197%と、好走しています。

(2)は、前走の人気。
前走2番人気以内の馬が強い当レース。その成績は[3-2-4-12/21]で、勝率14.3%、複勝率42.9%。単勝回収率22%、複勝回収率126%。(1)同様、単勝回収率は低いものの、まずまずの数値でした。

次は(3)。生産牧場について。
牡馬クラシックの前哨戦だけに、「絶対王者」のノーザンファーム生産馬が強い神戸新聞杯。中でも、前走ダービーに出走していた馬は[4-4-1-7/16]。勝率25.0%、複勝率56.3%。単勝回収率58%、複勝回収率115%と、素晴らしい成績。

また、同場生産馬で、前走4コーナー7番手以下に位置していた馬も[2-4-2-5/13]。勝率15.4%、複勝率61.5%。単勝回収率33%、複勝回収率134%と、素晴らしい成績を収めています。

続いては(4)。前走の馬体重です。
前走480kg以上、500kg未満で出走していた馬が強い当レース。その中でも、前走1枠から6枠に入っていた馬は[3-3-2-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率47%、複勝回収率187%と、こちらも超抜の成績を残しています。

(5)は種牡馬について。
先週のローズSと同様、ディープインパクト産駒が強い神戸新聞杯。その成績は[2-1-2-6/11]。勝率18.2%、複勝率45.5%。単勝回収率34%、複勝回収率109%と、複勝回収率はやや低いものの、好走率は文句なし。中京芝2200mに変わった過去2年も、2頭が連対しています。

(6)は、前走の着差です。
前走1着馬の複勝率が40.0%。複勝回収率も105%の当レース。しかし、前走2着馬と同タイム差の接戦で勝利した馬は[0-0-0-6/6]。昨年のシャフリヤールも、これに該当していました。

一方、2着に0秒1以上の差をつけて勝った馬は[3-1-2-3/9]。勝率33.3%、複勝率66.7%。単勝回収率66%、複勝回収率175%と、サンプルは少ないものの尋常ではない成績です。

ここからは、中京芝2200mの過去3年の成績。重視できそうな指標は、下記の4項目でした(期間は、2019年11月30日から2022年9月19日まで)。

(7)種牡馬
(8)調教師
(9)生産牧場
(10)騎手

まずは(7)の種牡馬。1頭ピックアップしました(カッコ内は回収率。以下同じ)。

・エピファネイア[7-5-4-21/37] 勝率18.9%(217%)、複勝率43.2%(129%)

中京の芝中距離で、毎回のように出てくるエピファネイア。神戸新聞杯には3頭出走しますが、中でもヴェローナシチーは同じ舞台で行われた京都新聞杯で2着と好走しています。

次は(8)。このコースに強い調教師です。

・友道康夫調教師[9-10-1-10/30] 勝率30.0%(108%)、複勝率66.7%(126%)
・矢作芳人調教師[5-4-6-20/35] 勝率14.3%(205%)、複勝率42.9%(120%)
・池江泰寿調教師[3-6-2-10/21] 勝率14.3%(60%)、複勝率52.4%(101%)
・佐々木晶三調教師[3-2-0-7/12] 勝率25.0%(280%)、複勝率41.7%(115%)
・杉山晴紀調教師[2-3-4-7/16] 勝率12.5%(110%)、複勝率56.3%(111%)
・宮本博調教師[2-1-4-4/11] 勝率18.2%(33%)、複勝率63.6%(143%)

6名もピックアップしてしまいました・・・。が、いずれの調教師も好成績。外すわけにはいきません。特に、友道調教師はこれだけ出走数があってこの成績。もはや、訳が分かりません(笑)。

一方、サンプルが少ないため、吉岡辰弥調教師を入れませんでしたが、トータルで[1-1-1-2/5]。6名に負けず劣らずの、素晴らしい成績です。

終わりが見えてきました。(9)は、生産牧場について。3つの牧場を取り上げています。

・社台ファーム[15-10-18-82/125] 勝率12.0%(65%)、複勝率34.4%(122%)
・社台C白老ファーム[8-3-2-24/37] 勝率21.6%(223%)、複勝率35.1%(131%)
・辻牧場[1-3-1-9/14] 勝率7.1%(367%)、複勝率35.7%(124%)

125走して、複勝回収率が120%超の社台ファーム。間違いなく好成績といえます。一方、白老ファームは勝率の高さが魅力。辻牧場は、単穴、複穴をそれぞれ出しています。

最後は、このコースに強い騎手。3名ピックアップしました。

・藤岡康太騎手[4-6-3-18/31] 勝率12.9%(199%)、複勝回収率41.9%(109%)
・坂井瑠星騎手[2-2-3-10/17] 勝率11.8%(43%)、複勝回収率41.2%(109%)
・M.デムーロ騎手[1-3-2-5/11] 勝率9.1%(29%)、複勝率54.5%(105%)

いずれのジョッキーも複勝率が40%を超え、なおかつ回収率は100%以上。特に、藤岡康太騎手は騎乗数も多く、信頼できそうです。

今回は上記の10項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎1  リカンカブール
○4  コントゥラット
▲5  ヴェローナシチー
☆2  ボルドグフーシュ
△9  サトノヘリオス
△12 ジュンブロッサム
△7  ジャスティンパレス
△11 パラレルヴィジョン
△17 サンセットクラウド
△10 レヴァンジル
△14 プラダリア
△16 アスクワイルドモア


【買い目】

・単勝 1
・馬単マルチ 1=4、5、2、9、12、7、11、17、10、14、16 計22点
・ワイドフォーメーション 1、4→4、5、2、9、12、7、11、17、10、14、16 計21点
・3連複ボックス 1、4、5、2、9 計10点


前走条件戦組に該当しやすい項目ばかりになり、前走ダービーや重賞に出走した組の評価が下になってしまいました。そんな中、6項目該当のコントゥラットとリカンカブールが本命候補に。ただ、コントゥラットは今回が半年ぶりの実戦で、なおかつ、前走初勝利を挙げたばかり。

ということで、リカンカブールに本命を打ちたいと思います。

前走、1勝クラスを卒業したばかりのリカンカブール。とはいえ、同じ舞台で行われた2走前の京都新聞杯で4着と好走しています。

今回は、当時の1、2、3着馬との再戦にもなりますが、3頭ともが3ヶ月以上の休み明け。対して、こちらは夏場に1走しており、それがアドバンテージになると信じて、なおかつ成長力にも賭けたいと思います。

馬券は、いつもどおり馬単マルチとワイド、そして単勝を買いますが、最も現実的な馬券はワイドでしょう。また、これとは別にコントゥラットからのワイドも買います。

さらに、遊びで印上位5頭の3連複ボックスも購入。本当は、この3連複ボックスに、今年の注目馬ジュンブロッサムを加えたり、ヴェローナシチー、ボルドグフーシュ、サトノヘリオスの馬単やワイドのボックスも買いたいのですが、これ以上はキリがないので止めておきます。

穴馬を推しているだけに、多頭数の乱戦を期待したい一戦。また、このレースをもって、菊花賞の図式が見えてくることになります。

春の既存勢力か、夏の上がり馬か。果たしてどんな結末を迎えるのでしょうか。

それでは、日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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