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齋藤翔人

2022/09/18 18:30

【セントライト記念】 ダービー11着から巻き返すかセイウンハーデス

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グレード制が導入されて以降、6頭の菊花賞馬を送り出しているセントライト記念。以前は、関西で行なわれる神戸新聞杯や、以前は菊花賞トライアルだった京都新聞杯に比べると、やや分が悪いイメージがありました。

しかし、近年は本番でもしっかりと結果を出しており、昨年はワンツー。グレード制が導入されてからは、初の快挙でした。そんなセントライト記念を勝利した馬で思い出深いのは、やはりキタサンブラックでしょうか。

今となっては信じがたいことですが、3歳秋を迎えた時点で、キタサンブラックにはまだ距離不安が囁かれていました。もちろん、ダービーで大敗したこともありますが、母の父がサクラバクシンオーというだけで、やたらと敬遠されていた。

ただ、超がつくほど長距離の3000mは、嵐山Sがなくなった現在、すべての3歳馬が未経験の距離。言うなれば、すべての馬にとって不安材料でしかありません。

そんな中、迎えた秋初戦のセントライト記念で、6番人気の評価に留まったキタサンブラックは、4コーナー先頭から押し切り重賞2勝目。2着と小差ではあったものの、堂々たる内容でした。

で、続く菊花賞は、なぜか根拠のない自信がやたらとあって、レース1週間前から本命に。しかも、枠順が出てみると2枠4番の絶好枠。枠運に関しては、この頃から「もっている」馬でした。

さらに、単勝オッズも馬券が発売されてからレース直前までほぼ上がらず、最終的にはなんと13倍。これはおいしすぎるぞ・・・と、思ったところまでは良かったのですが、ここから私の勝負弱さが発揮されてしまいます。

神戸新聞杯の内容が今ひとつ。この馬こそ距離が長いのではないかという理由で、POGのエース的存在だったリアルスティールを、なんと軽視。変わりに、スティーグリッツとタンタアレグリアを対抗、単穴にし、キタサンブラックからこれら2頭の馬単、ワイドを買ってしまったのです。

そして、いざレースが始まると、スティーグリッツがまさかの大出遅れ。これにはずっこけました。

一方、キタサンブラックは絶好位を確保。2周目の向正面ではライバルたちが早目に仕掛け、一旦はポジションを下げる場面もありましたが、じっと我慢しているのが分かり、私自身も冷静に見ていました。

その後、迎えた直線。北村宏司騎手は、内回りとの合流点のスペースにキタサンブラックを誘導して一気にポジションを上げると、リアファルとミュゼエイリアンの狭い隙間を縫って差し脚を伸ばし、直線半ばで先頭に踊り出ました。

あとは、タンタアレグリアかスティーグリッツが来てくれるだけ。祈るような思いで残り200mの攻防を見守っていたのですが、そこに迫ってきたのは、なんとリアルスティールではありませんか!

もう、悲しいやら嬉しいやら、悲しいやら悲しいやら・・・。

最後はキタサンブラックが先着して単勝は的中したものの、この2頭の馬単は99.6倍。馬券的には、スッキリしない決着となってしまいました。

それにしても、取り立てて言われることはありませんが、このレースの北村宏司騎手は歴史に残る神騎乗だったと思います。特に最後の押し込みなどは、普段はクールに見える北村騎手の執念を感じさせるもの。魂を激しく揺さぶられるような、熱い熱い騎乗でした。

また、師匠の藤沢調教師の管理馬に多く騎乗していた北村宏司騎手が、関西馬とコンビを組んでいたのも斬新。それだけに、この後、負傷して乗り替わりとなってしまったのは、いろんな意味で痛かったですね。

もちろん、武豊騎手が騎乗したからこそ、キタサンブラックはあれだけの結果を残せたのかもしれませんが、もし北村宏司騎手がその後も騎乗していれば、どうなっていたのかなと思うところもあります。

その北村宏司騎手が、17日の土曜日、半年ぶりに復帰しました。近年は、度重なる負傷で長期離脱を余儀なくされていますが、大ベテランといえども42歳。まだまだ、老け込む年齢ではありません。

9月16日時点での通算1409勝は、現役では11位。歴代でもベスト20を十分狙える位置にいます。徐々に調子を取り戻し、なんとかGIをあと2、3勝はしてほしいと思います。

また、セントライト記念組に話を戻すと、菊花賞に直結する流れを作ったのは、この時のキタサンブラックだった気がしてなりません。産駒のブラックブロッサムが、屈腱炎で戦線離脱したのは残念ですが、ガイアフォースがセントライト記念に出走。ここで権利を獲得して菊花賞に出走し、産駒初のGIが親子制覇となれば、これもまたドラマですね。

今回は、そんなセントライト記念の過去5年を深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、予想を組み立てたいと思います。

(1)前走クラス
(2)キャリア
(3)前走人気
(4)前走上がり
(5)枠順
(6)母の父の系統

過去5年の傾向から重視できそうな指標は、上記の6項目。まずは(1)。前走クラスです。
実は、夏の上がり馬がなかなか通用しにくいセントライト記念。対して、前走オープンか重賞に出走した馬が、今回1枠から6枠に入ると[4-2-5-14/25]。勝率16.0%、複勝率44.0%。単勝回収率244%、複勝回収率130%と、かなりの好成績でした。

(2)は、キャリアについて。
セントライト記念の出走馬をキャリア別に見ると、キャリア6戦と7戦の間に大きな断層があります。

好成績を残しているのはキャリア6戦以下で、なおかつ前走480kg以上で出走していた馬。[3-3-4-12/22]で、勝率13.6%、複勝率45.5%。単勝回収率255%、複勝回収率121%と、素晴らしい成績を収めています。

他にも、キャリア6戦以下、かつ前走4コーナー3番手以下に位置していた馬も[2-4-4-14/24]。勝率8.3%、複勝率41.7%。単勝回収率203%、複勝回収率112%と、好走していました。

(3)は、前走人気について。
具体的には、前走JRAのオープンか重賞で9番人気以内に推されていた馬が[4-3-5-11/23]。勝率17.4%、複勝率52.2%。単勝回収率266%、複勝回収率147%と、素晴らしい成績を収めていました。

(4)は、前走上がりについて。
当レースで好走しているのは、上述したキタサンブラックのように、前走ダービーや重賞で先行した馬か、力を発揮できなかった馬。

具体的には前走上がり4位以下、かつ今回1枠から4枠に入ると[3-2-3-10/18]。勝率16.7%、複勝率44.4%。単勝回収率307%、複勝回収率141%と、こちらもかなりの好成績でした。

(5)は枠順です。
内枠、特に1、2枠が強いセントライト記念。合計すると[1-1-3-9/14]で、勝率7.1%、複勝率35.7%。単勝回収率305%、複勝回収率143%と、なかなかの成績です。

最後は(6)。母父の系統について。
ノーザンダンサー系を中心とする、ニアークティック系の種牡馬を母の父に持つ馬が強い当レース。これらが今回1枠から4枠に入ると[3-1-1-5/10]。勝率30.0%、複勝率50.0%。単勝回収率553%、複勝回収率202%。サンプルはやや少ないですが、2頭に1頭が好走しています。

以上、今回はこれら6項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎5  セイウンハーデス
○6  オニャンコポン
▲7  アスクビクターモア
☆8  ショウナンマグマ
△1  ローシャムパーク
△2  ロンギングエーオ
△10 ベジャール
△4  ラーグルフ
△9  ガイアフォース
△13 ボーンディスウェイ
△11 キングズパレス


【買い目】

・単勝 5
・馬単マルチ 5=6、7、8、1、2、10、4、9、13、11 計20点
・ワイド 5→6、7、8、1、2、10、4、9、13、11 計10点
・3連複軸1頭ながし 5→6、7、8、1、2、10 計15点


本命候補は、3項目に該当したセイウンハーデスとオニャンコポン。迷いますが、僅か1頭分でも内に入ったセイウンハーデスに本命を打ちます。

2走前にプリンシパルSを勝っているセイウンハーデスですが、ディープインパクトの後継種牡馬の産駒が牡馬に出ると、キレない印象があります。

その典型ともいえるのが、キズナ産駒のディープボンド。キレ味鋭い末脚が使えないため瞬発力勝負には向きませんが、持久力勝負はお手のもの。その持ち味を活かせる舞台が、新潟外回りを除くローカル場や中山。そして阪神の内回りコースで、距離でいえば、4で割れない非根幹距離のレース。今年の京都新聞杯を制したアスクワイルドモアも、同じタイプだと思います。

そして、セイウンハーデス自身も、阪神芝1400mの新馬戦を勝利。中山芝2200mという、持久力が求められるトリッキーなコースもこなしてくれるのではないでしょうか。

また、セイウンハーデスが好走するかは別として、このレースを好走した馬が菊花賞はもちろんのこと、今後、有馬記念、AJCC、中山記念、日経賞、そして宝塚記念などに出走してきた際も、忘れずにチェックしておきたいと思います。

馬券は、単勝と馬単マルチ、ワイド。そして、セイウンハーデスから2項目以上に該当した6頭への3連複軸1頭ながしを購入。ベジャールやロンギングエーオあたりが絡めば、多少なりとも配当は跳ねるでしょうか。

それでは、月曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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