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競馬サロン

田原基成

2020/10/30 19:10

【スワンS】陣営が重視したのは舞台適性。狙いすましたローテで臨むアノ馬に◎。/アルテミスS/京都7R/福島11R

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【京都11R スワンS】

私は予想の際「当該距離プラス200m型のレースか否か」を考える。

距離は同じであっても馬場や展開、枠順や坂の有無などにより求められる適性はガラリと変わる。この前提がないと予想のスタートは切れない。

なお、距離に関する話は競馬予想における持ちタイムの比較でも用いられる。毎レース毎レース、競走馬が同じ時計で走ることができれば予想家は真っ先に廃業へと追い込まれることだろう。しかし、競馬はそんなに簡単じゃない。

天候。
馬場。
展開。
風向き。

これらのファクターが複雑に絡み合うことで【最終結論】という名のピラミッドは完成を迎える。仮にそれが単勝1倍台、誰もが想像可能な◎馬であっても結論に至るプロセスはさまざま。「秒で決まる予想」などあり得ないのだ。

話を冒頭に戻そう。

京都芝外回り1400mで行われるスワンSは典型的な当該距離プラス200m型レース。過去の勝ち馬を列挙すると、

・ダイアトニック
・ロードクエスト
・サングレーザー
・サトノアラジン
・アルビアーノ
・ミッキーアイル
・コパノリチャード
・グランプリボス

出走当時において、芝1600m以上で良績を残していた馬の名前がズラリと並ぶ。

かつてはダイタクヤマトやショウナンカンプといった名スプリンターが制した舞台だが、近年はプラス200m型優位へと変化。高速馬場の前残りを想像するのは難しい状況が生まれている点は見逃せない。

そして、コース適性。

昨年の勝ち馬ダイアトニックは戦前、京都芝外回り1400mで【4-0-0-0】。2年前の8番人気3着馬グァンチャーレも外回りコースで何度も馬券内があった馬だ。朝晩が冷え込むこの時季、秋競馬を飛び越した冬競馬の適性もある程度考慮したいところ。

1600mをこなせるスタミナ。
京都芝外回り適性。
寒い時季での良績。

3つの条件を満たす馬として白羽の矢を立てたのはサウンドキアラだ。

2勝クラスを勝ったばかりにもかかわらず、果敢に挑戦した昨年のヴィクトリアマイル。結果は7着も「可愛い子には旅をさせよ」とはよく言ったもので、その後は重賞3勝、リベンジを期した今年のヴィクトリアマイル2着と進化が止まらない。

牝馬限定戦・府中牝馬Sの選択肢もあったと思われるが、陣営が重視したのは舞台適性。馬場・枠・展開・季節不問で一切の大崩れなし……この条件のほうが高い確率で賞金を持って帰れると捉えたのだろう。

斤量54キロ。
京都芝外回り成績【4-1-0-0】。
2020年京都芝重賞4勝の松山弘平。

4度目の重賞タイトル奪取に死角なし。サウンドキアラが私の本命だ。

相手本線にはアドマイヤマーズを。

自身初の海外遠征帰りとなった前走安田記念。未経験の状況下において6着は及第点と言えるだろう。58キロは楽ではないが、今回は重賞勝ちのある京都芝外回り替わり。極端に評価を落とすことはできない。

ステルヴィオも軽視禁物。

叩き2戦目での成績【1-1-0-3】に対し、前走から中10週以上の休み明けでは【2-2-1-1】。次走は2年前に制したマイルCSが有力視されるが、当時は毎日王冠から参戦で適度な間隔をあけていた。次走想定されるメンバーでの好走は容易ではなく、メイチに近い仕上げで「賞金稼ぎ」を狙うなら今回だろう。

さらにはボンセルヴィーソ。

「3年前に参戦したこのレースは11着。本質叩き良化型でもあり、得意の京都芝1400mで行われるスワンSが陣営の大本線だろう」これは、前走京成杯AH時に記した分析コメントだ。狙いのひとつ前に好走されてしまったわけだが、今回が陣営の目論む大本線との見方に変わりはない。

【京都11R スワンS予想の印】
◎1 サウンドキアラ
〇2 アドマイヤマーズ
▲16 ステルヴィオ
☆10 ボンセルヴィーソ
△7 ベステンダンク
△5 メイショウオーパス
△9 カテドラル
△6 シヴァージ
△14 アルーシャ
△4 カツジ

【馬単/ながし】1-2,16,10(3点)
【3連複/フォーメ】1-2,16,10-2,16,10,7,5,9,6,14,4(21点)
【3連単/フォーメ】1-2,16,10-2,16,10,7,5,9,6,14,4(24点)


【東京11R アルテミスS】

あまり印象がないかもしれないが、アルテミスSは阪神JFの前哨戦だ。

リスグラシューやラッキーライラックのように前哨戦勝利の勢いそのままにGIで好走したケースもあれば、メジャーエンブレムやウインファビラスのように敗戦を糧に本番で着順を上げた馬もいる。ポイントは「陣営の意図」を見抜くこと。

キャリアの浅い2歳馬にとって、一戦一戦で得る経験は大きい。暮れのGIのみならず、来年のクラシックを見据えた試走の意味合いを持つレースであることを忘れてはいけない。

今年のメンバーを見渡すと、賞金面で余裕のある馬は3頭。

・ウインアグライア
・ソダシ
・ユーバーレーベン

特に人気が予想されるのはソダシとユーバーレーベン。予想に入る前にこの2頭が今回何を目的に使われるのか? その部分を考えていきたい。

まずはソダシ。

洋芝を連勝してきた馬だが、前走札幌2歳Sの勝ちタイムはレコード。淀みない流れを4角先頭で押し切ったのだから立派だ。

ただ、上がり3Fは36秒台と平凡。新馬戦も35秒台にとどまっており、ワンターンの東京芝1600mで切れ味勝負になった際の不安は残る。1800mデビューの時点でオークスを意識していると想像がつくが、それを踏まえると中団から差す競馬も覚えさせたいところ。諸事情を踏まえると、重い印を打つのは少々リスキー。

ユーバーレーベンはどうか。

こちらは東京芝デビュー組だが、雨降りしきる不良馬場かつ芝1800mだった。ブラックホール、サトノゴールドをはじめ洋芝巧者を多数輩出するゴールドシップ産駒。舞台・馬場替わりがプラスに働く可能性は見出しにくく、継続騎乗で好走を続けた馬が乗り替わりとなる点も引っかかる。

「マイル未経験」
「速い上がり勝負未経験」

2頭に重くのしかかる懸念材料。本命は上記特徴の対角線上にいる馬だ。

ここはウインアグライアから入る。

新種牡馬モーリス産駒の一番星を目論んだブエナビスタの仔・ブエナベントゥーラを下した初戦。「想定を超えていました」と師が語ったように、調教の動きは平凡で単勝オッズ100倍超え……送り出す側でさえ想定外だったのだから、観る側はそれ以上の衝撃を受けたことだろう。

コスモス賞は、またしてもモーリス産駒の良血カランドゥーラとの一騎打ち。

手応えは劣勢にも思われたが、稍重の洋芝で追えば追うほど伸びる一面を披露。上がり33秒8の脚だけではなく、持久力戦にも対応してみせた。この馬は本物だ。

「デビュー戦がフロックじゃなかったことを確信しました」

自信と不安が同居した2戦目のあと、師の心に去来する不安は消え去ったようだ。札幌2歳S組の2頭と同じく次走を見据える立場ではあるものの、試したいことは過去2戦ですでに消化済み。ならば欲張ってさらに賞金加算してしまえばいい。1週前にはポリトラックで5F63秒台をマーク……臨戦態勢は整った。

馬の適性。
陣営の準備。

2つを兼ね備えたウインアグライアの軸に迷いはない。

相手本線に抜擢するのはストゥーティ。

このレースと好相性を誇るノーザンファーム生産のクラブ馬。前走負かしたレッドベルオーブは次走レコード勝ちと、新馬戦のレースレベルも申し分ない。オール野芝かつ急坂コースの中京・中山で勝ち星を量産したモーリス産駒。侮れない。

ククナも要注意の1頭。

終始淀みない流れだった新馬戦から一転、前走はラスト3F12秒4-11秒4-11秒1の加速ラップを刻むスローの展開。ゆったりしたペースで脚を伸ばすタイプなのだろう。良馬場の東京芝1600mにおける父キングカメハメハ×母父ディープインパクトの成績は【2-2-1-5】複勝率50.0%。秋競馬で絶好調の鞍上C.ルメールの存在も不気味だ。

さらにはヴァーチャリティ。

良馬場札幌芝で勝ち馬とタイム差なしの2着→重馬場で6着→稍重とはいえオール野芝の中京で1着。時計のかかるタフな馬場は苦手なタイプなのだろう。Bコース替わりで高速馬場想定の土曜東京なら侮れない1頭だ。

【東京11R アルテミスS予想の印】
◎7 ウインアグライア
〇2 ストゥーティ
▲6 ククナ
☆16 ヴァーチャリティ
△14 ソダシ
△9 オレンジフィズ
△5 ユーバーレーベン
△15 モリノカンナチャン
△13 テンハッピーローズ
△1 タウゼントシェーン

【単勝】7(1点)
【馬単/ながし】7-2,6,16(3点)
【3連複/フォーメ】7-2,6,16-2,6,16,14,9,5,15,13,1(21点)
【3連単/フォーメ】7-2,6,16-2,6,16,14,9,5,15,13,1(24点)


次に、自信の一鞍。

【京都7R 3歳上1勝クラス】

春にフィリーズレビュー3着があるナイントゥファイブ。実績はもちろんのこと、今回は鞍上に川田将雅を配した点に勝負気配を感じる。2020年の川田×西園コンビ成績は【3-0-0-2】。3勝はすべて未勝利戦、競走馬の未来がかかったレースを託されていた点に信頼度の高さが窺える。軸不動。

【京都7R 3歳上1勝クラス予想の印】
◎1 ナイントゥファイブ
〇6 ヴィルトゥース
▲9 ムーンライト
☆12 マテンロウディーバ
△4 ダノンシティ
△7 ノーセキュリティ
△11 スワーヴドン
△14 クーファイザナミ
△5 アマービレ

【3連複/フォーメ】1-6,9,12-6,9,12,4,7,11,14,5(18点)


最後に太鼓判レース。

【福島11R フルーツラインC】

菊花賞にも登録があったココロノトウダイだが、適鞍を考えればこちらを選ぶのがベター。福島芝では【2-1-0-0】連対率100%、使われた3戦いずれも上がり3F最速の脚を繰り出しているのだ。

秋の福島・開幕週のシチュエーションは昨年きんもくせい特別を制した時とまったく同じ。高い再現性を見込める条件を陣営が狙った以上、中途半端な仕上げでは臨まないはず。デビュー以来ずっと手綱を握り続ける鞍上・丸山元気の手腕にも注目したい。

【福島11R フルーツラインC予想の印】
◎1 ココロノトウダイ
〇14 ハーメティキスト
▲9 ベレヌス
△12 ダンサール
△2 ジャコマル
△13 トータルソッカー

【3連複/フォーメ】1-14,9-14,9,12,2,13(7点)


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アカウント⇒田原基成@競馬ストーリーテラー

田原基成のプロフィールはこちら
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