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競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/07/13 18:00

函館記念2024 最終結論【調教】陣営が充実信じて中1週 武豊騎手騎乗デビットバローズで勝負【重賞深掘りPROJECT】

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※次週、中京記念週(7月15日-21日)は重賞プロジェクトチーム夏季休業のため、YouTube動画、コラムの掲載をお休みさせていただきます。

アイビスSD/クイーンS週(7月22日-)以降の動画/コラムにつきましてはお盆期間も含め通常通りの掲載を予定しております。

休載期間中は大変ご不便をおかけいたしますが、今後とも重賞深掘りプロジェクトをお楽しみいただければ幸いです。
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「函館記念」全頭追い切り診断動画はこちら!

【函館記念 2024|調教診断】心身充実&体調絶好の1頭を【S】評価!ここ最近で一番の動きの穴馬も要チェック

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明日の日曜日で函館競馬はいよいよグランドフィナーレ。メインの第11Rとして伝統のハンデ重賞「函館記念」が行われますね。

小回りかつ力を要する洋芝コースが舞台、プラス開催最終盤の馬場。さらにハンデ戦とあって力通りに決まらず大波乱……というイメージを抱きがちなレースで、実際に2020年は3連単343万円決着という超弩級の配当も飛び出しています。

しかしこと近2年で見れば1番人気馬が2着、1着。フタ桁人気馬の馬券圏内入りはなく、イメージほどは荒れていません。

マーメイドSの際に書いたかもしれませんがここ2年ほど、JRAのハンデ重賞はそこまで荒れなくなってきている傾向にあります。

「地力でなんとか」とふんわりした状態で出走させず、ハンデGIIIといえど各陣営ちゃんと狙い澄まして状態を整えて出走させるようになってきたという“出す側”のリテラシー向上。そして“買う側”も実力と勝負気配、状態面をしっかり見極め馬券を購入するようになってきたというリテラシー向上。

その両方が相まって大波乱が少なくなってきているのかなというのが自分なりの認識です。先週の七夕賞も1番人気馬がしっかり連対しましたしね。

もちろんその前の週のラジニケ賞では1番人気馬が崩れたわけで、なにがなんでも1番人気馬を信頼すべしということでもなく、あくまで傾向としてハンデ重賞は荒れにくくなっているし、肝心な勝負気配の見極めに調教診断はかなり有効な手段だと申し上げておきたいところです。

さて過去3年馬券対象馬の調教傾向を見ると、最終追いは函館芝併せ馬が3例、同単走が2例。函館ウッド単走が2例。そして函館ダート単走、札幌ダート併せ馬が各1例。やはり独特の洋芝に対するフィット感をしっかり確かめた馬が有利ということでしょうか。

以上を踏まえ、まずは「函館記念」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■オニャンコポン【7】
菱田騎手騎乗 函館ウッド単走 中1週を考慮し、終いの反応だけ見る内容。序盤は緩いペースのなかでも変に力まず、直線では素軽さを保ってスムーズに加速できていた。鞍上との意思疎通はピッタリといった印象。上々のデキだった前走時からさらに何段階か上の状態か。

■グランディア【7】
助手騎乗 函館芝併せ馬 古馬2勝クラスと併走し、終始手応えで圧倒。そのまま相手に合わせて併入としている。中間は楽に好時計を出せているし、休み明けの前走を使われ、グンと良化を果たした印象。

■サヴォーナ【7】
池添騎手騎乗 函館芝単走 1週前に栗東坂路でビシッと追われたのが実質の最終追い。今週は鞍上が本馬場で脚捌きを確認する程度となった。ラストで若干鞍上の手が動いたが、フォームにはブレはなくいかにも洋芝はフィットしていそう。中間は順調そのもので、大型馬の中10週でも能力はフルに出せる。

■サンストックトン【7】
藤岡佑騎手騎乗 函館ウッド併せ馬 3歳の有望株シュバルツクーゲルを外で先導する併せ馬。並び掛けられても集中を切らさず、むしろ気持ちをさらに高めてギアチェンジ。そのまま迎え入れた相手に合わせるように併入とした。あと少し鋭さは欲しかったところだが、高いレベルで安定と見ていい。

■チャックネイト【7】
佐々木騎手騎乗 函館ウッド単走 1週前に美浦ウッド3頭併せで速い時計を出しており、仕上げはほぼ完了。今週は鞍上が微調整を施す程度で14-14ペースの軽めの内容消化に留まっている。最後まで静に徹したため時計は平凡だが、力まず滑らかに走れており精神面でかなりいい状況のよう。立て直し成功で、能力全開に期待していい。

■デビットバローズ【8】
助手騎乗 函館ウッド併せ馬 函館2歳Sへ出走するヤンキーバローズと併せ馬。取り付いてからは先輩の貫禄を示すように手応えで上回り、気持ちをスッと上げまとまりのある走りで併走。そのまま相手に合わせて併入とした。間隔を詰めて使えること自体、充実の証と言えるし、文句なしの好気配。

■トップナイフ【7】
横山典騎手騎乗 札幌芝単走 1週前に本番で騎乗する横山和騎手が騎乗し、ダートコースで速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は横山典騎手が調整役を務め、反応や操縦性を確かめる内容だった。序盤からブレの少ないフォームで進んでいく。直線入り口で若干だけ左に張ったもののすぐに収まりがつき、ラストはスムーズに加速できていた。ここまでの乗り込み量は申し分なく、菊花賞以来でも持てる力はフルに出せそう。

■ハヤヤッコ【7】
浜中騎手騎乗 函館ウッド併せ馬 同じ函館記念に出走するプラチナトレジャーを追走。気迫十分に相手をロックオンすると仕掛けに力強く脚を伸ばし併入とした。稽古でまったく走らないタイプなのを考えると、珍しいほどの動き。美浦で出していた時計も速いし、万全の仕上がりと言える。

■ホウオウビスケッツ【7】
岩田康騎手騎乗 函館ウッド併せ馬 2勝クラスを大きく先行させ、序盤はリズム重視で追走。巧みなコーナーワークで併走に持ち込み、直線半ばの仕掛けで一気に突き抜け2馬身の先着を果たした。抜け出してからもフワッとさせないよう鞍上が肩ムチを入れたあたり、体調面への信頼があってこそか。休み明けで快勝した反動は感じられず、高いレベルで安定。

▼「函館記念」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18623/0/112

本命は最高得点【8点】のデビットバローズとします。

体質の弱さや精神面の脆さも抱えており3勝クラスでしばらく足踏みしていましたが、今年に入ってようやく充実期を迎えた馬ですね。

正攻法での立ち回りが板につき、前走も自在性を武器に初の函館を苦にせず2着。中1週で中間は最終追い1本のみですが、函館2歳Sに出走する有望株ヤンキーバローズを圧倒する動きを見せ、疲れを一切感じさせませんでした。

これまでは体質面を考慮し、ある程度間隔を取って使われてきた馬で近3走にしても中7週、中8週、中7週。それを考えれば今回の中1週は正直試金石。しかし、陣営が素質馬の心身の充実を確信しているからこその巴賞→函館記念連続参戦、そしてワンセットでの武豊騎手確保と言えます。巴賞上位組は函館記念ではパフォーマンスを落とす、というジンクスをこのあたりで破って欲しいですね。

対抗にグランディア。最有力調教パターンの「函館芝併せ馬」組で、実際の動きも上々でした。1週前の栗東CWでのラスト1F11秒2も評価できますし、寸評通り前走を使われグンと良化を果たした印象があります。洋芝は未知数も全兄ドレッドノータスが巴賞5着、函館記念4着ならやれていいでしょう。グランディア自身“ゴチャつくぐらいのほう集中できる”というコメントがあるぐらいで、ここで一気に水を得た魚状態になる可能性さえ。

サヴォーナの1週前栗東坂路追いは馬場が荒れた時間帯だったにも関わらず、ラスト1F11秒8(一杯)。今週の動きも体幹の強さを感じさせ、いい攻め気配でした。ハンデ57.5キロ、そしてここしばらく長丁場のゆったりしたレースしか経験していないのがどうか。そのあたりの兼ね合いで▲まで。

2022年の勝ち馬で昨年の5着馬ハヤヤッコに☆。稽古駆けしないことでお馴染みですが、この中間はどうしたの?と言いたくなるぐらいに動いています。間違いなく5着だった昨年以上の気配。理想は2022年のような渋りに渋った馬場で、そこまでにはならなさそうですが上位食い込みの可能性十分。

もう1頭の☆としてサンストックトン。前走はいかにも展開に泣いた感があり、ここは流れひとつで上位進出があっていい。距離も1800mより2000mのほうが向きそうです。

巴賞勝ち馬の分の悪さは承知したうえでホウオウビスケッツ、そして同4着オニャンコポンにそれぞれ印を回しました。いずれも好気配で、巴賞で出し切った感はありません。2着馬に◎を打っているわけですし、むやみに切り捨てられませんね。

チャックネイト、トップナイフは雰囲気は上々もハンデが厳しく感じます。2頭ともここを使って札幌記念が本線?という意図も透けて見えますし、能力の高さに敬意を表しつつ無印。

【6点】組から1頭ピックアップするならアウスヴァール。終いで一本調子になったためわずかに評価を下げましたが、コーナリングがとにかく見事でした。フルキチ(古川吉)騎手の手綱捌きも素晴らしかった。函館で走るにあたってこれはやはり大きなポイント。先週負荷を掛け、今週ゆったりと微調整に充てられており、巴賞を除外になったのがいい方に出たようです。過去洋芝戦では結果は出ていませんが、道中の不利などの影響で適性うんぬんが原因ではありませんでした。軽視禁物。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!


<調教ライター・西村武輝「函館記念」最終結論>

◎13 デビットバローズ
○4 グランディア
▲1 サヴォーナ
☆14 ハヤヤッコ
☆5 サンストックトン
△2 オニャンコポン
△12 ホウオウビスケッツ
△9 アウスヴァール

【単勝】13(1点)
【馬連】13=4,1,14,5,2,12,9(7点)
【3連複/フォーメ】13,4=13,4,1,14,5=13,4,1,14,5,2,12,9(30点)
【3連単/フォーメ】13,4→13,4,1,14,5→13,4,1,14,5,2,12,9(48点)


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<【重賞深掘りプロジェクト】 調教ライター 西村武輝>
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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