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Q.血統やパドックって馬を観るのにそんなに重要なんですか？
　『1号さん、7号さん、のおかげで毎週の競馬が楽しみで、馬券の買い方が参考なっている初心者です。 質問ですが、馬券を買うにあたって血統は、重要なファクターなんですか？ また、血統やパドックって馬を観るのにそんなに重要なんですか？ 血統を勉強したいんですが、どこからすればいいのか 解りません。 初歩的な質問ですみません。』 

そりゃまあ、あまりにも初歩的な質問だね。

競馬の面白さは、血統以外にはほとんど無いと言っても過言ではないぞ。

そもそも血統ってなんだろう？
競馬が、ブラッドスポーツって言われるけど、そのブラッドって？？？

我々人間もそうだけど、生き物が持って生まれた資質ってあるよな。
背が高い、足が長い、頭の回転が速い、足が速い、腕力が強い、まあ、人それぞれ色々ある。
そして、そうした資質をいかに上手く引き出していくか、これが、教育だよな。ま、生きるための訓練とも呼ぶか。

競走馬も全く一緒で、資質+教育（トレーニング）で、その馬の競走能力が形作られていくわけだ。それは、日々刻々と変わっていく。

例えば、サクラバクシンオーって種牡馬がいるけど、彼の子供達って圧倒的に芝の短距離適性が高い。
サウスヴィグラスの子供達は、ダート短距離の適性がダントツよい。

これらの子たちが、いかに心肺能力を高める訓練をしても、長い距離になったら、ディープインパクトやハーツクライの子にはかなわない。
逆に、短距離なら、負けないパフォーマンスを出すことが出来る。

こういった感じで、資質ってのは、どのレース条件で開花出来るかを大きく左右する訳だ。
資質を見極めるための最重要な手段が、血統に他ならない。

よく馬体を見て、これは走る、走らない、と言う人も多いが、オレは、それはたまたま見た目の筋肉の付き方とかが良いだけで、その馬が、１２００ｍがいいのか、２０００ｍがいいのかなんて、全く分からない、いや、それ以前に、速く走れるかどうかすら怪しい。

もちろん馬体が良いにこしたことはないが、それだけではオレは絶対飛びつかないようにしている。

では、何をどう見るか？
それは、５代血統表や、更に遡った７代血統表だ。

この馬の資質は、どこからどんな風に来ているのか？
どれくらいのポテンシャルがその身体の中に眠っているのか？
奥手なのか？早熟なのか？

オグリキャップの両親は、たいしたことなかったが、彼は、父方の祖父ネイティブダンサーにそっくりだった。ネイティブダンサーは、「芦毛の幽霊」と言われ、２２戦２１勝という成績を残したとんでもない名馬だ。その子ダンシングキャップは、たいした成績を収められず、しかもその子たちもぱっとしなかった。が、突然、オグリキャップという名馬が現れた。
それは、極めて強烈な隔世遺伝だったのだ。

そう、馬の資質は、どこから来ているのか分からない。父、母からでなく、祖父、曾祖父、更にそのまた上の祖先から来ているかもしれない。
実際、父や母に全然似ていない馬も多い。
が、バクシンオーやサウスヴィグラスのように、確実に資質を伝える種牡馬もいる。

１頭のサラブレッド、それは、美しきパズルだ。
彼を形作るピースは、どこからどんな風にきたのか？その謎解きをするのが、血統分析なのだと思っている。

オレは、２頭の繁殖牝馬を持っているが、毎年、一体どの種牡馬のタネを付けたら、どんな子が産まれるのか、そのシュミレーションに明け暮れている。
ま、これがあるから楽しくてやめられないのだ。
それは、７号も一緒。
今年は、マクフィとジャスタウェイを付けた。

とりとめなくなったが、血統を学べば、競馬の楽しさが何倍にも大きくなるのは言うまでもない。
簡単なのを一つ紹介しよう。
それは、「母方の祖母が名牝だと、必ず爆走する」という法則。
それだけを調べてみても面白いと思うよ。
祖母から隔世でとんでもない能力が遺伝しているケースが結構あるからね。

まずは、血統の入門書を一冊買って読むことからオススメしたいね。

競馬は、勉強すればするほど奥深い事が分かると思う。