競馬サロン

覆面馬主7号
98
2010/01/01 00:00
◎老馬主vsツウ「ススキノ駅伝編」

金曜日に札幌に入り、ススキノのすし屋を2件ハシゴしてさらに夜中にジンギスカンを食すという初っ端から胃袋にストレスかけまくりの北海道遠征初日。
寿司→寿司→クラブ→ジンギスカン・・・。
なんて日だ!
のくだらない一日の話を書いておこう。
1件目のすし屋でご一緒した馬主さんは高齢の素敵な紳士。
なぜかこんなキチガイな俺を可愛がってくれる素敵な爺さんだ。
この紳士は常に時間の感覚が早い。
せっかちなのは金持ちの共通項なのか?と聞きたくなるほどにせっかちで、とにかくパパッとスムーズに物事が進まないことに関してはすぐに機嫌が悪くなる。
この日も、夕方千歳空港に到着するやいなや携帯が鳴る。
老馬主「おーい、着いたか?」
通「ハイ!着きましたよ!ていうか、たった今飛行機から降りたタラップのところですよ!ドンピシャですね?どこかに隠しカメラでも付けてるんですか?」
と、冗談をかましながら「後ほどよろしくお願いします」と挨拶をし電話を切る。
千歳空港の近くのレンタカー屋に車を借りに行き、手続きが終わった頃、早速煽りが入る。
老馬主「おーい、高速乗ったか?」
おいおいさっきの電話から20分くらいしかたってねーじゃねーか・・・と思いながらも、
通「いや、すいません。まだレンタカー屋で車借りたところですよ・・・。明日、老馬主さんを乗せるので、ロールスロイスを手配しといたんですが、ロールスロイスに合うスタッドレスタイヤが無いということで、普通のエルグランドになっちゃたんで、説教してたんですよ!(笑)」
老馬主「はははは!アンタ、あい変わらずおもしろいねー。じゃー待ってるよ」
と冗談をかましながらも、心の中で、ヤバイ・・・
これは、少々飛ばさねーと到着したころには不機嫌になるぞ・・・
と思いながら車を走らせていると「とぅるるるる・・・」
おいおい、また電話か、あれから20分しか走ってねーよ・・・次はなんだ?
老馬主「おーいどこだ?」
通「はい。今ちょうど恵庭あたりです。そういえば、恵庭の羊の大群は冬はどこに居るんですかね?」
などと、せっかちの人特有の「所在地確認電話」をはぐらかそうと、関係ない話を振ってみたのだが、そんなことお構い無しに、
老馬主「アンタ、どこで降りるんだ?北広か?札幌南か?北郷か?」
とたたみ掛けてきた。
通「今回は北郷で降りて菊水抜けていこうと思ってますよ!どこから降りた方がいいか?とかってありますか?ナビでは北郷で降りろってなってるんですが?」
老馬主「はははは!それじゃ、まだまだ時間かかるねぇ。悪いんだけど血圧が上がってきたみたいだから、薬局で血圧計買ってきてくれないか?」
通「・・・すいません。急ぎますんでそんな遠まわしにイジメないでください。」
老馬主「はははは!じゃー待ってるよー」
本当に、この爺さんのシュールな煽りには困らされる。
とはいえ、いそがねーとヤバイな。
つっても、19時待ち合わせで、まだ18時だぞ?
と思いつつも急いでススキノまで飛ばす。
着いたのは、18時40分。
ホテルにチェックインするとフロントで
ホテルマン「あ、通さま。老馬主様から『もうすし屋で待ってるよ!』と伝言をたまわっております・・・」
なんてこった・・・
ホテルにまで、急がせるための伏線張ってやがる。
すし屋じゃバカバカたばこ吸えないんだから、部屋に上がって一服くらいさせろ・・・ってんだよ。
と思いながらも、フロントに荷物を預け「部屋に置いといてください」と告げ急ぎ足ですし屋に向かう。
到着したのは、18時50分。
予定より、10分早く到着。
この日の札幌は異常に暖かく、寒い寒いと聞いてヒートテック&カシミヤのセーターで完全防備で向かった俺には暑いとすら感じる気温だ。
コートも羽織らず手に持ったまま歩いていたにもかかわらず、すし屋に向かう途中でもう汗だくだ。
ヒートテック恐るべし。
などとどうでもいいことを考えながら、溶けかけた雪に足を滑らせないようにズンズン歩き、ようやくすし屋に到着した。
すし屋の暖簾をくぐると、老馬主発見。
老馬主「ああ!よう来たね!ハイ、ココ座って!さっき血圧測ったら170超えてたよ!あはははは!」
とチクリとイジって来たその呂律が怪しい・・・。
ヤベー、既に、ひれ酒に突入してやがる。
待ちきれなくて一人で飲んでたんか・・・。
この爺さん何時から飲んでんだよ・・・。
3回目の電話あたりではもうすし屋に居たのかもしれない・・・と感じた。
もうこの時点で、俺の心も汗だくだ。
慣れない雪道をすっ飛ばしながら、合間合間にかかってくるシュールな電話に対応し、ようやく時間前に到着できたと思ったら、相手は既にいい調子。
まずビールで乾杯!と汗をぬぐいながら「何とか老馬主のペースに追いつかねーとな・・・」と、白身あたりから注文し始めたのもつかの間・・・
横から、
あれ食え、これ食え、もっと食え・・・。
あれ呑め、これ呑め、もっと呑め・・・。
無理っす・・・。
なんで年寄りというのは自分より若いやつをみると食わせたがるんだ?
「アンタ若いんだから食えるだろ!」が口癖だ。
確かに、老馬主から見たら俺も若いが、世間で言ったら俺は若くは無いぞ。
俺の前には、山盛りの刺身。
そして、ビール、冷酒、ひれ酒、ワインが並んでいる。
散々食べきれないほどの注文をし、まだ食い終わっていないのに、老馬主が衝撃発言・・・
老馬主「あ、もう8時だな。明日も早いから、帰りますか!」
・・・・・・
まだ、8時やん・・・。
会ってから、1時間やん・・・。
食い物残ってるやん・・・。
じゃー18時待ち合わせにすればよかったやん・・・。
とツッコミフレーズは散々頭に浮かんできたのだが、「ですよね!明日6時半にお迎えにあがりますね!」と伝えてタクシーに乗せて解散。
なんだこのセッカチなスケジュール感は。
と思いながら、とりあえずホテルに向かおうと歩き出してしばらくすると
「とぅるるるるる」
ん?老馬主だ。
通「ハイもしもし?先ほどはご馳走様でした!」
老馬主「ホテル帰るのか?」
通「はい、取り合えず、ホテルに戻ろうと思いますが、どうかされましたか?」
老馬主「いや、俺の知り合いの馬主の○○居るだろ、アイツが今別のすし屋で飲んでるんだとさ。アンタ行ってやればいいっしょ。」
通「・・・」
老馬主「あれ?聞こえてるか?もしもーし」
通「あ、スイマセン電波悪いみたいで・・・。○○さんすし屋に居るんですか・・・、わかりました今から向かって合流しますね。それでは、おやすみなさい。」
なんだ、なんだ?
「アンタ行ってやればいいっしょ」ってなんだ・・・。
今、すし食ったばかりなのに、もう一軒すし屋行って来いってどういう流れだよ。
しかも、次の○○さん・・・
すげー大食いなんだよな・・・
なんか嫌な予感がするな・・・
こんな流れで、またもホテルに立ち寄れず次のすし屋へ向かっていると、
「とぅるるるる・・・」
この人もセッカチだ・・・。
老馬主の友達だけあって所在地確認の電話が多い。
ヒゲを生やしているからヒゲ馬主としておこう。
ヒゲ馬主「ああ、通君どこだ?」
通「はい、今ちょうど6の4あたりに居りますので、あと5分ほどで到着しますよ!」
ヒゲ馬主「おお、待ってるぞ!」
またしても、急ぎ足ですし屋に到着。
すると、ヒゲ馬主以外にも馬主仲間やら牧場関係者やら5人ほどで飲んでいた。
あちゃー・・・
これは、めんどくさいことになったな・・・。
老馬主はこの会に参加したくなくて、俺に押し付けやがったのか・・・。
心の中で、「ヤラレタ・・・」とつぶやいたわ。
さっきのすし屋で一通り食っちまった俺はほぼ満腹だ。
にもかかわらず、ほれ食え、それ食え、もっと食え・・・。
やっぱりそう来たか。
俺はガチョウか!
と、心の中で叫びたいのを我慢し、
通「俺、いま、ガチョウの気持ちが少しわかった気がしますよ!」
と、話題のネタを使って丁寧なツッコミを入れ、フォアグラを生産するためのガチョウ君たちに思いをダブらせながら、寿司を口に運んでいき、もう食えません・・・というほど食って飲んだ。
そうこうしていると、盛り上がった先輩馬主の一人が「クラブに行こう!」と言い出し、お供することに。
ヒゲ馬主はその時点で撤収し、そのとき初めて知り合った先輩馬主に俺は引き渡された。
おいおい、何のリレーだよ。
俺はバトンか・・・?
それとも、タスキか?
なんで、俺が次々に引き渡されて行かなきゃならねーんだよ。
もう既に、第三走者じゃねーかよ。
タスキを途切れさせちゃイケネーなんてのは箱根駅伝だけだぞ。
行きたきゃ一人で行ってくれよ。
俺明日運転なんだよ・・・。
と、ボソボソつぶやきながらも、この時は、この後ジンギスカンを食わされることなど微塵も予想していなかったので、「まぁいいか。クラブでおねーちゃんでもからかって、1時過ぎくらいには解散だろ・・・、5時間くらいは寝られるな・・・」
とタカをくくっていた。
19時に老馬主と合流してから既に4時間。
時計は23時を指していた。
この間、馬主やら生産者やら競馬関係者ばかりで飲んでいるのに、一切競馬の話が出ていない。俺が、フォアグラの生産方法の話などを振ってしまったのも悪いが、北のすし屋でフォアグラ論争に花が咲き、農薬入り冷凍食品論争に花が咲き、一通り話がまとまると、その後は、まぁ、いつものことだが、孫の話やら、病気の話やら、どこどこの会社が倒産しそうだぞ・・・などといった話が中心だ。
ぶっちゃけ、このブログで書けるネタなど一つもない。
いや、書けるかもしれねーが、競馬に関する話題が無い以上、読者諸氏にとってはほとんど興味が無い話だろう。
競馬の話が出たのは、クラブに移ってからだ。
やはり、女性の前では見栄を張りたくなるのか、「俺は馬主だ!」的な雰囲気を醸し出し始める。
まぁ、ここはどれだけ年食っても男の性ってヤツなんだろうな。
ススキノのおネーチャン連中もそのあたりは見事に心得ていて、
「えぇぇえ!馬主さんなんですかぁぁぁ!」
なんて言って持ち上げる。
毎度良く見かける光景だが、満更でもない表情で自分の持っている馬の話を延々と始めるオーナーさんたちの表情は、さっきまで孫の話をしていた表情となんら変わらない。
まぁ、この人たちも馬の事は愛しているんだろうな。
と思いながら、馬の事で話が盛り上がると時間は早い。
気づいたら2時で閉店の時間。
次の日の運転を考慮して、12時前からはほぼウーロン茶で過ごしていたので酔いは醒めかけていたが、逆に睡魔に襲われていた。
あぁ、やっと寝られる。
今から帰ったら、それでも4時間は眠れるな・・・と思ったのもつかの間、バカなネーチャンが殺人的な一言を発する・・・
「えぇぇぇ帰るんですかぁぁ?私お腹空いたぁぁぁ」
・・・。
死ね。
頼むから死んでくれ。
こんな時間に食うからお前は太ってるんじゃねーか。
ワタシ胸大きいんっです!
って自慢してやがったが、お前は太っているんだぞ。
森公美子とタメセン張れるだろ?
周りは、寒い寒いって言ってたけど、俺とアンタだけ暑い暑いって言ってたよな。
俺はヒートテックだが、お前はドレスで薄着じゃねーか。
な、頼むよ・・・。
夜中の2時に腹減ったとか言うなよ・・・。
俺は腹なんて少しも減ってねぇんだよ。
すし屋2軒ハシゴしてきたんだぞ。
それを知ってる馬主連中が、アフターで飯なんか行くはずねーだろ。
バカな誘いしやがって。
と思っていると耳を疑いたくなるフレーズが・・・
先輩馬主「いいねぇ!じゃージンギスカンでも行くか!なぁ!通君も一緒に行くぞ!」
あのー・・・
先輩・・・
アホですか?
俺、明日、というかもう既に今日なんですが、6時半に老馬主迎えに行くこと言いましたよね?
俺、今日、ココまですし屋2軒ハシゴして満腹で食い物なんて見たくない状態なの知ってますよね?
こんな時間にジンギスカン食ったら、吐きますよ・・・。
と言いたかったが・・・言えない。
流石に初めて会った先輩馬主捕まえてそんなこと言えない。
笑顔で「イイッスネェ・・・!」
最後の最後に、スゲーきつい上り坂が待っていた。
今日の会合はまるで箱根駅伝だ。
俺を人質に撤収したヒゲ馬主と友人であるこの先輩馬主もまた、やはり物凄い大食漢だった。
ジンギスカンという山登りを終えて、ホテルに帰ったのが3時半・・・。
ブログをちょろっと更新して、寝たのが4時ちょっと前。
2時間睡眠か・・・。
仮眠をとって朝イチ老馬主を迎えに行くと爽やかな顔で
老馬主「はい。おはよう!昨日のすし屋で、太巻きをお土産で作ってもらっといたからね!はいこれ、朝ごはんね!」
通「あ、ありがとうございます・・・」
寿司→寿司→クラブ→ジンギスカン→寿司・・・
たった、10時間くらいの間に3度目の寿司・・・。
そしてたたみ込むように老馬主・・・
老馬主「昼は鵡川のシシャモ寿司でも食っていくかー(笑)」
もうええわ!
と言ったとか言わなかったとか。
この物語はフィクションです。
じゃーな。
寿司→寿司→クラブ→ジンギスカン・・・。
なんて日だ!
のくだらない一日の話を書いておこう。
1件目のすし屋でご一緒した馬主さんは高齢の素敵な紳士。
なぜかこんなキチガイな俺を可愛がってくれる素敵な爺さんだ。
この紳士は常に時間の感覚が早い。
せっかちなのは金持ちの共通項なのか?と聞きたくなるほどにせっかちで、とにかくパパッとスムーズに物事が進まないことに関してはすぐに機嫌が悪くなる。
この日も、夕方千歳空港に到着するやいなや携帯が鳴る。
老馬主「おーい、着いたか?」
通「ハイ!着きましたよ!ていうか、たった今飛行機から降りたタラップのところですよ!ドンピシャですね?どこかに隠しカメラでも付けてるんですか?」
と、冗談をかましながら「後ほどよろしくお願いします」と挨拶をし電話を切る。
千歳空港の近くのレンタカー屋に車を借りに行き、手続きが終わった頃、早速煽りが入る。
老馬主「おーい、高速乗ったか?」
おいおいさっきの電話から20分くらいしかたってねーじゃねーか・・・と思いながらも、
通「いや、すいません。まだレンタカー屋で車借りたところですよ・・・。明日、老馬主さんを乗せるので、ロールスロイスを手配しといたんですが、ロールスロイスに合うスタッドレスタイヤが無いということで、普通のエルグランドになっちゃたんで、説教してたんですよ!(笑)」
老馬主「はははは!アンタ、あい変わらずおもしろいねー。じゃー待ってるよ」
と冗談をかましながらも、心の中で、ヤバイ・・・
これは、少々飛ばさねーと到着したころには不機嫌になるぞ・・・
と思いながら車を走らせていると「とぅるるるる・・・」
おいおい、また電話か、あれから20分しか走ってねーよ・・・次はなんだ?
老馬主「おーいどこだ?」
通「はい。今ちょうど恵庭あたりです。そういえば、恵庭の羊の大群は冬はどこに居るんですかね?」
などと、せっかちの人特有の「所在地確認電話」をはぐらかそうと、関係ない話を振ってみたのだが、そんなことお構い無しに、
老馬主「アンタ、どこで降りるんだ?北広か?札幌南か?北郷か?」
とたたみ掛けてきた。
通「今回は北郷で降りて菊水抜けていこうと思ってますよ!どこから降りた方がいいか?とかってありますか?ナビでは北郷で降りろってなってるんですが?」
老馬主「はははは!それじゃ、まだまだ時間かかるねぇ。悪いんだけど血圧が上がってきたみたいだから、薬局で血圧計買ってきてくれないか?」
通「・・・すいません。急ぎますんでそんな遠まわしにイジメないでください。」
老馬主「はははは!じゃー待ってるよー」
本当に、この爺さんのシュールな煽りには困らされる。
とはいえ、いそがねーとヤバイな。
つっても、19時待ち合わせで、まだ18時だぞ?
と思いつつも急いでススキノまで飛ばす。
着いたのは、18時40分。
ホテルにチェックインするとフロントで
ホテルマン「あ、通さま。老馬主様から『もうすし屋で待ってるよ!』と伝言をたまわっております・・・」
なんてこった・・・
ホテルにまで、急がせるための伏線張ってやがる。
すし屋じゃバカバカたばこ吸えないんだから、部屋に上がって一服くらいさせろ・・・ってんだよ。
と思いながらも、フロントに荷物を預け「部屋に置いといてください」と告げ急ぎ足ですし屋に向かう。
到着したのは、18時50分。
予定より、10分早く到着。
この日の札幌は異常に暖かく、寒い寒いと聞いてヒートテック&カシミヤのセーターで完全防備で向かった俺には暑いとすら感じる気温だ。
コートも羽織らず手に持ったまま歩いていたにもかかわらず、すし屋に向かう途中でもう汗だくだ。
ヒートテック恐るべし。
などとどうでもいいことを考えながら、溶けかけた雪に足を滑らせないようにズンズン歩き、ようやくすし屋に到着した。
すし屋の暖簾をくぐると、老馬主発見。
老馬主「ああ!よう来たね!ハイ、ココ座って!さっき血圧測ったら170超えてたよ!あはははは!」
とチクリとイジって来たその呂律が怪しい・・・。
ヤベー、既に、ひれ酒に突入してやがる。
待ちきれなくて一人で飲んでたんか・・・。
この爺さん何時から飲んでんだよ・・・。
3回目の電話あたりではもうすし屋に居たのかもしれない・・・と感じた。
もうこの時点で、俺の心も汗だくだ。
慣れない雪道をすっ飛ばしながら、合間合間にかかってくるシュールな電話に対応し、ようやく時間前に到着できたと思ったら、相手は既にいい調子。
まずビールで乾杯!と汗をぬぐいながら「何とか老馬主のペースに追いつかねーとな・・・」と、白身あたりから注文し始めたのもつかの間・・・
横から、
あれ食え、これ食え、もっと食え・・・。
あれ呑め、これ呑め、もっと呑め・・・。
無理っす・・・。
なんで年寄りというのは自分より若いやつをみると食わせたがるんだ?
「アンタ若いんだから食えるだろ!」が口癖だ。
確かに、老馬主から見たら俺も若いが、世間で言ったら俺は若くは無いぞ。
俺の前には、山盛りの刺身。
そして、ビール、冷酒、ひれ酒、ワインが並んでいる。
散々食べきれないほどの注文をし、まだ食い終わっていないのに、老馬主が衝撃発言・・・
老馬主「あ、もう8時だな。明日も早いから、帰りますか!」
・・・・・・
まだ、8時やん・・・。
会ってから、1時間やん・・・。
食い物残ってるやん・・・。
じゃー18時待ち合わせにすればよかったやん・・・。
とツッコミフレーズは散々頭に浮かんできたのだが、「ですよね!明日6時半にお迎えにあがりますね!」と伝えてタクシーに乗せて解散。
なんだこのセッカチなスケジュール感は。
と思いながら、とりあえずホテルに向かおうと歩き出してしばらくすると
「とぅるるるるる」
ん?老馬主だ。
通「ハイもしもし?先ほどはご馳走様でした!」
老馬主「ホテル帰るのか?」
通「はい、取り合えず、ホテルに戻ろうと思いますが、どうかされましたか?」
老馬主「いや、俺の知り合いの馬主の○○居るだろ、アイツが今別のすし屋で飲んでるんだとさ。アンタ行ってやればいいっしょ。」
通「・・・」
老馬主「あれ?聞こえてるか?もしもーし」
通「あ、スイマセン電波悪いみたいで・・・。○○さんすし屋に居るんですか・・・、わかりました今から向かって合流しますね。それでは、おやすみなさい。」
なんだ、なんだ?
「アンタ行ってやればいいっしょ」ってなんだ・・・。
今、すし食ったばかりなのに、もう一軒すし屋行って来いってどういう流れだよ。
しかも、次の○○さん・・・
すげー大食いなんだよな・・・
なんか嫌な予感がするな・・・
こんな流れで、またもホテルに立ち寄れず次のすし屋へ向かっていると、
「とぅるるるる・・・」
この人もセッカチだ・・・。
老馬主の友達だけあって所在地確認の電話が多い。
ヒゲを生やしているからヒゲ馬主としておこう。
ヒゲ馬主「ああ、通君どこだ?」
通「はい、今ちょうど6の4あたりに居りますので、あと5分ほどで到着しますよ!」
ヒゲ馬主「おお、待ってるぞ!」
またしても、急ぎ足ですし屋に到着。
すると、ヒゲ馬主以外にも馬主仲間やら牧場関係者やら5人ほどで飲んでいた。
あちゃー・・・
これは、めんどくさいことになったな・・・。
老馬主はこの会に参加したくなくて、俺に押し付けやがったのか・・・。
心の中で、「ヤラレタ・・・」とつぶやいたわ。
さっきのすし屋で一通り食っちまった俺はほぼ満腹だ。
にもかかわらず、ほれ食え、それ食え、もっと食え・・・。
やっぱりそう来たか。
俺はガチョウか!
と、心の中で叫びたいのを我慢し、
通「俺、いま、ガチョウの気持ちが少しわかった気がしますよ!」
と、話題のネタを使って丁寧なツッコミを入れ、フォアグラを生産するためのガチョウ君たちに思いをダブらせながら、寿司を口に運んでいき、もう食えません・・・というほど食って飲んだ。
そうこうしていると、盛り上がった先輩馬主の一人が「クラブに行こう!」と言い出し、お供することに。
ヒゲ馬主はその時点で撤収し、そのとき初めて知り合った先輩馬主に俺は引き渡された。
おいおい、何のリレーだよ。
俺はバトンか・・・?
それとも、タスキか?
なんで、俺が次々に引き渡されて行かなきゃならねーんだよ。
もう既に、第三走者じゃねーかよ。
タスキを途切れさせちゃイケネーなんてのは箱根駅伝だけだぞ。
行きたきゃ一人で行ってくれよ。
俺明日運転なんだよ・・・。
と、ボソボソつぶやきながらも、この時は、この後ジンギスカンを食わされることなど微塵も予想していなかったので、「まぁいいか。クラブでおねーちゃんでもからかって、1時過ぎくらいには解散だろ・・・、5時間くらいは寝られるな・・・」
とタカをくくっていた。
19時に老馬主と合流してから既に4時間。
時計は23時を指していた。
この間、馬主やら生産者やら競馬関係者ばかりで飲んでいるのに、一切競馬の話が出ていない。俺が、フォアグラの生産方法の話などを振ってしまったのも悪いが、北のすし屋でフォアグラ論争に花が咲き、農薬入り冷凍食品論争に花が咲き、一通り話がまとまると、その後は、まぁ、いつものことだが、孫の話やら、病気の話やら、どこどこの会社が倒産しそうだぞ・・・などといった話が中心だ。
ぶっちゃけ、このブログで書けるネタなど一つもない。
いや、書けるかもしれねーが、競馬に関する話題が無い以上、読者諸氏にとってはほとんど興味が無い話だろう。
競馬の話が出たのは、クラブに移ってからだ。
やはり、女性の前では見栄を張りたくなるのか、「俺は馬主だ!」的な雰囲気を醸し出し始める。
まぁ、ここはどれだけ年食っても男の性ってヤツなんだろうな。
ススキノのおネーチャン連中もそのあたりは見事に心得ていて、
「えぇぇえ!馬主さんなんですかぁぁぁ!」
なんて言って持ち上げる。
毎度良く見かける光景だが、満更でもない表情で自分の持っている馬の話を延々と始めるオーナーさんたちの表情は、さっきまで孫の話をしていた表情となんら変わらない。
まぁ、この人たちも馬の事は愛しているんだろうな。
と思いながら、馬の事で話が盛り上がると時間は早い。
気づいたら2時で閉店の時間。
次の日の運転を考慮して、12時前からはほぼウーロン茶で過ごしていたので酔いは醒めかけていたが、逆に睡魔に襲われていた。
あぁ、やっと寝られる。
今から帰ったら、それでも4時間は眠れるな・・・と思ったのもつかの間、バカなネーチャンが殺人的な一言を発する・・・
「えぇぇぇ帰るんですかぁぁ?私お腹空いたぁぁぁ」
・・・。
死ね。
頼むから死んでくれ。
こんな時間に食うからお前は太ってるんじゃねーか。
ワタシ胸大きいんっです!
って自慢してやがったが、お前は太っているんだぞ。
森公美子とタメセン張れるだろ?
周りは、寒い寒いって言ってたけど、俺とアンタだけ暑い暑いって言ってたよな。
俺はヒートテックだが、お前はドレスで薄着じゃねーか。
な、頼むよ・・・。
夜中の2時に腹減ったとか言うなよ・・・。
俺は腹なんて少しも減ってねぇんだよ。
すし屋2軒ハシゴしてきたんだぞ。
それを知ってる馬主連中が、アフターで飯なんか行くはずねーだろ。
バカな誘いしやがって。
と思っていると耳を疑いたくなるフレーズが・・・
先輩馬主「いいねぇ!じゃージンギスカンでも行くか!なぁ!通君も一緒に行くぞ!」
あのー・・・
先輩・・・
アホですか?
俺、明日、というかもう既に今日なんですが、6時半に老馬主迎えに行くこと言いましたよね?
俺、今日、ココまですし屋2軒ハシゴして満腹で食い物なんて見たくない状態なの知ってますよね?
こんな時間にジンギスカン食ったら、吐きますよ・・・。
と言いたかったが・・・言えない。
流石に初めて会った先輩馬主捕まえてそんなこと言えない。
笑顔で「イイッスネェ・・・!」
最後の最後に、スゲーきつい上り坂が待っていた。
今日の会合はまるで箱根駅伝だ。
俺を人質に撤収したヒゲ馬主と友人であるこの先輩馬主もまた、やはり物凄い大食漢だった。
ジンギスカンという山登りを終えて、ホテルに帰ったのが3時半・・・。
ブログをちょろっと更新して、寝たのが4時ちょっと前。
2時間睡眠か・・・。
仮眠をとって朝イチ老馬主を迎えに行くと爽やかな顔で
老馬主「はい。おはよう!昨日のすし屋で、太巻きをお土産で作ってもらっといたからね!はいこれ、朝ごはんね!」
通「あ、ありがとうございます・・・」
寿司→寿司→クラブ→ジンギスカン→寿司・・・
たった、10時間くらいの間に3度目の寿司・・・。
そしてたたみ込むように老馬主・・・
老馬主「昼は鵡川のシシャモ寿司でも食っていくかー(笑)」
もうええわ!
と言ったとか言わなかったとか。
この物語はフィクションです。
じゃーな。
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