12日水曜日、栗東の森裕太朗騎手が3月31日付で引退することが明らかになりました。今後は、所属の高橋亮厩舎で調教助手になるとのことです。

デビュー10年目の森裕騎手は、坂井瑠星騎手や荻野極騎手、昨年引退した藤田菜七子元騎手と同期。栗東・鈴木孝志厩舎からデビューしました。
時に凄まじい穴をあけるのが魅力で、年間200レース前後騎乗した2019年と20年は複勝回収率が100％以上。単勝回収率が100％以上だった年も3度あり、「穴太郎」といえば美浦の野中悠太郎騎手ですが、私は森裕騎手のことを「西の穴太朗」と呼んでいました。

そんな森裕騎手が最も多く騎乗したのは「クリノ」の冠号でおなじみ栗本博晴オーナーの所有馬（博晴オーナーは昨夏逝去され、現在は栗本依利子オーナーが所有）。森裕騎手自身、クリノガウディーでハナ差2着に惜敗した2019年の中京記念を、思い出であり最も悔しいレースにあげられていますが、その半兄クリノサンレオとのコンビも印象的でした。
JRA通算62戦4勝の成績を残した同馬は、そのうち22戦（2勝）で森裕太?騎手とコンビを組み、9歳時には3勝クラスで3度も3着内に激走。これら3戦は連続しての好走ではなく、「忘れた頃のクリノサンレオ」が私の中での合い言葉でした。

引退まで3週間。今週は乗鞍がないものの、30日には親交の深い岡浩二オーナーの所有馬ゴメンネジローに騎乗が決定しているそう。劇的な幕切れを期待します。

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それでは予想に。

今回は、金鯱賞の過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、そこから本命馬を見つけます。

（1）斤量の増減
（2）キャリア
（3）前走着差（着順）
（4）父の系統
（5）馬番
（6）前走からの間隔
（7）市場取引価格
（8）前走人気
（9）前走馬体重
（10）前走3コーナーの位置取り

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記10項目。その中で（1）は斤量の増減について。
過去5年の3着内馬15頭中13頭は、前走から斤量が重くなる、もしくは2キロ以上軽くなる馬で［5-5-3-11/24］。勝率20.8％、複勝率54.2％。単勝回収率982％、複勝回収率183％。該当馬が20頭以上いるにもかかわらず、そのうちの半数以上が好走していました。
◇該当馬＝ホウオウビスケッツ

（2）はキャリア。
金鯱賞は、消耗の少ないキャリア10戦以下の馬が［3-4-2-8/17］。勝率17.6％、複勝率52.9％。単勝回収率34％、複勝回収率110％と、文句なしの成績を残していました。
◇該当馬＝クイーンズウォーク

次は（3）。前走着差（着順）です。
前走8着以下に敗れた馬は［0-0-0-17/17］と、厳しい結果に終わっている当レース。片や、前走1着か、勝ち馬との差が0秒4以内の惜敗。かつ、社台ファームかノーザンファームの生産馬は［3-3-3-6/15］。勝率20.0％、複勝率60.0％。単勝回収率1550％、複勝回収率252％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝デシエルト、クイーンズウォーク、ラヴェル

（4）は父の系統について。
過去5年の3着内馬15頭中11頭は、ロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒。そのうち、前走、東京か中京か海外のレースに出走した馬は［4-3-2-5/14］。勝率28.6％、複勝率64.3％。単勝回収率1675％、複勝回収率262％。複勝率は6割を超えています。
◇該当馬＝マイネルモーント

（5）は馬番。
馬番を偶数と奇数に分けたとき、複勝率が高いのは偶数番を引いた馬。とりわけ、ニアークティック系かネイティヴダンサー系種牡馬を母父に持つ馬が偶数番を引くと［2-3-2-7/14］。勝率14.3％、複勝率50.0％。単勝回収率37％、複勝回収率123％で、該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝ホウオウビスケッツ、キングズパレス、クイーンズウォーク、プログノーシス

（6）は前走からの間隔です。
休み明けの馬が結果を残している金鯱賞。とりわけ、前走から中11週以上の間隔を開けてきた馬に栗東所属騎手が騎乗すると［3-4-1-5/13］。勝率23.1％、複勝率61.5％。単勝回収率50％、複勝回収率117％。（4）と同様、複勝率は6割を超えています。
◇該当馬＝デシエルト、プログノーシス、ラヴェル

（7）は市場取引価格について。
国内市場で取引された馬の好走率が高い当レース。とりわけ、前走2000ｍか2400ｍのレースに出走した税込1,000万円以上で購買された馬は［1-2-3-6/12］。勝率8.3％、複勝率50.0％。単勝回収率16％、複勝回収率133％。こちらも該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝デシエルト

続いては（8）。前走人気。
前走、人気上位だった馬が強い金鯱賞。とりわけ、前走3番人気以内で、その時の斤量が55キロ以下か57.5キロ以上だった馬は［2-1-3-3/9］。勝率22.2％、複勝率66.7％。単勝回収率36％、複勝回収率147％と、凄まじい成績でした。
◇該当馬＝ホウオウビスケッツ、デシエルト、ラヴェル

（9）は前走馬体重です。
大型馬の健闘が目立つ当レース。とりわけ、前走500kg以上で出走した馬が、今回1から6番を引くと［3-0-3-2/8］。勝率37.5％、複勝率75.0％。単勝回収率2882％、複勝回収率392％と、超抜の成績でした。
◇該当馬＝ホウオウビスケッツ、キングズパレス、デシエルト、クイーンズウォーク

そして最後は（10）。前走3コーナーの位置取りについて。
中京競馬場の長い直線を使っておこなわれる金鯱賞。ただ、好走率が高いのは、前走先行した馬です。とりわけ、前走3コーナーで3番手以内に位置し、なおかつ上がり4位以下だった馬は［2-1-1-3/7］。勝率28.6％、複勝率57.1％。単勝回収率3275％、複勝回収率361％。文句なしの成績でした。
◇該当馬＝ホウオウビスケッツ、デシエルト

これら10の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎5デシエルト
○2ホウオウビスケッツ
▲6クイーンズウォーク
☆9ラヴェル
△8プログノーシス
△4キングズパレス
△10マイネルモーント

【馬単/マルチ】5⇔2,6,9,8,4,10（12点）
【ワイド】5＝2,6,9,8,4,10（6点）
【3連複/フォーメ】5＝2,6＝2,6,9,8,4,10（9点）

本命は、唯一6項目に合致したデシエルト。以下、5項目合致のホウオウビスケッツを対抗、4項目のクイーンズウォークを単穴としました。

前走、同じコースでおこなわれた中日新聞杯を逃げ切って完勝したデシエルト。芝に戻ってからは2連勝で、当時2着のロードデルレイは次走の日経新春杯を好タイムで完勝し、3着マテンロウレオと6着コスモキュランダも、アメリカジョッキークラブCで2、3着と好走しました。決してメンバーに恵まれたわけではありません。
さらに、中日新聞杯は前半1000ｍ通過が58秒8と、先行馬にとっては厳しい流れ。結果的に、デシエルト以外は差し・追込み馬が上位を独占し、それらに2馬身差をつけたのですから、文句なしの内容だったといえます。

14戦中10戦でコンビを組んだ岩田康誠騎手が同型のホウオウビスケッツに騎乗するのは不気味ですが、新たにコンビを組むのはレジェンド・武豊騎手。精密機械のような逃げで、みたび後続を完封することを期待します。

馬券はまず、デシエルトからの馬単マルチとワイドを購入。さらに、1列目にデシエルト。2列目にホウオウビスケッツとクイーンズウォーク。3列目にデシエルト以外の印6頭を塗った3連複フォーメーションを買います。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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