従来、施行時期が1週前倒しされたスプリングS。昨年に続き、今年も落ち着いた頭数でおこなわれます。

今回出走する11頭の中で、スプリングS父仔制覇が懸かる馬は3頭。キタサンブラック産駒のピコチャンブラックと、ウインブライト産駒のフクノブルーレイクとローレルオーブで、いずれかが勝てばレース史上5頭目の父仔制覇に。中でも、ピコチャンブラックが勝てば、二代父ブラックタイドから続く父仔3代制覇の快挙が達成されます。

また、同馬の母トランプクイーンの全兄アンライバルドも2009年のスプリングS覇者。さらに、これら2頭の父であるネオユニヴァースも、2003年のスプリングSを制しました。
つまり、ピコチャンブラックの血統表には、3頭のスプリングS勝ち馬と、それ以外にスプリングS勝ち馬の全妹がいて、ネオユニヴァースとアンライバルドに至っては、スプリングSと皐月賞を連勝しています。

2歳王者クロワデュノールは確かに強敵で、ピコチャンブラックもホープフルSで同馬に完敗を喫したものの、今回勝利すれば、血統面での後押しもあり皐月賞制覇の可能性も高まりそう。ただ、当コラムお決まりの流れですが、後述するとおりピコチャンブラックは本命にならず……。こういう時に限って、取り上げた馬が好走するのもまたお決まりの流れですが、果たしてどういった結果になるでしょうか。

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それでは予想に。

今回は、スプリングSの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、そこから本命馬を見つけます。

（1）キャリア
（2）前走頭数
（3）騎手の東西別
（4）前走馬体重
（5）生産牧場
（6）前走3コーナーの位置取り
（7）前走人気
（8）前走の枠順

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記8項目。その中で（1）はキャリアについて。
少ないキャリアの馬が活躍している当レース。具体的には、キャリア3戦以下。かつ、前走2着に0秒2以上の差をつけて勝利したか、勝ち馬から0秒9差以内の負けを喫した馬が［4-5-2-5/16］。勝率25.0％、複勝率68.8％。単勝回収率189％、複勝回収率167％。複勝率は7割に迫ります。
◇該当馬＝キングスコール

次は（2）。前走頭数。
近年のスプリングSは、前走11頭立て以下のレースに出走し、そのとき偶数番を引いた馬が［4-2-2-7/15］。勝率26.7％、複勝率53.3％。単勝回収率201％、複勝回収率156％。文句なしの成績でした。
◇該当馬＝レーヴブリリアント

（3）は騎手の東西別です。
栗東所属騎手と、短期免許で来日中の外国人騎手騎乗馬の成績が良い当レース。これらの騎手が、前走中山か東京のレースに出走した馬に騎乗すると好走率はさらに上がり［4-2-2-4/12］。勝率33.3％、複勝率66.7％。単勝回収率280％、複勝回収率147％。複勝率は（1）とほぼ同レベルという、凄まじい成績でした。
◇該当馬＝レーヴブリリアント

（4）は前走馬体重について。
大型馬の活躍が目立つスプリングS。具体的には、前走馬体重490kg以上、かつ上がり4位以内だった馬が［2-4-1-5/12］。勝率16.7％、複勝率58.3％。単勝回収率162％、複勝回収率148％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝キングスコール

（5）は生産牧場。
クラシックの前哨戦で、さすがの成績を残しているノーザンファーム生産馬。ただ、ロイヤルチャージャー系種牡馬を母父に持つ同場生産馬は不振で、これらを除くと［2-2-2-5/11］。勝率18.2％、複勝率54.5％。単勝回収率90％、複勝回収率115％。こちらも文句なしの成績でした。
◇該当馬＝ダノンセンチュリー、レーヴブリリアント

（6）は前走3コーナーの位置取りです。
前走、好位差しに回った馬が結果を出しているスプリングS。具体的には、前走3コーナーで4、5番手に位置した非国内市場取引馬が［2-2-2-4/10］。勝率20.0％、複勝率60.0％。単勝回収率237％、複勝回収率157％。こちらも素晴らしい成績を残していました。
◇該当馬＝マテンロウバローズ、ピコチャンブラック、フクノブルーレイク

続いては（7）の前走人気で、ここは2パターンご紹介します。まずは、前走芝のレースで6から9番人気だった馬。
こちらは、JRA所属馬が［3-2-0-4/9］。勝率33.3％、複勝率55.6％。単勝回収率341％、複勝回収率172％と、文句なし。
◇該当馬＝ニホンピロデヴィン、ジェットマグナム

一方、前走2番人気以内だった馬も負けておらず、こちらは、今回の馬番が偶数かつ1から6枠を引くと［2-1-2-3/8］。勝率25.0％、複勝率62.5％。単勝回収率82％、複勝回収率151％。数は少ないものの、超抜の成績です。
◇該当馬＝マテンロウバローズ

そして最後は（8）。前走の枠順。
近年のスプリングSは、どういうわけか前走4枠からスタートした馬の成績が良く［1-1-3-2/7］。勝率14.3％、複勝率71.4％。単勝回収率52％、複勝回収率151％。こちらも数は少ないものの、複勝率は7割を超えていました。
◇該当馬＝レーヴブリリアント

これら8つの条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎5レーヴブリリアント
○8マテンロウバローズ
▲7キングスコール
☆9ピコチャンブラック
△1ダノンセンチュリー
△6ジェットマグナム
△4ニホンピロデヴィン
△10フクノブルーレイク

【単勝】5（1点）
【馬単/マルチ】5⇔8,7,9,1,6,4,10（14点）
【ワイド】5＝8,7,9,1,6,4,10（7点）
【3連複/フォーメ】5＝8,7＝8,7,9,1,6,4,10（11点）

本命は、4項目に合致したレーヴブリリアント。以下、マテンロウバローズとキングスコールが2項目に合致しました。

先週8日の中山7レースに出走し、新人・舟山瑠泉騎手とのコンビで勝利したばかりのレーヴブリリアント。意欲の連闘策で、今回はクリストフ・ルメール騎手とのコンビが復活しました。馬券的な妙味はやや下がってしまうものの、好走確率は上昇したといえるでしょう。

血統面では、母の半姉が年度代表馬リスグラシューという良血。そのリスグラシューはハーツクライ産駒で、レーヴブリリアントも2代父が同じくハーツクライということで、似た組み合わせです。
また、レーヴブリリアントのように、父スワーヴリチャード×母父ロードカナロアの産駒は数が少ないですが、その逆、父ロードカナロア×母父ハーツクライの組み合わせは、フェブラリーSを制したコスタノヴァを筆頭に、ロードデルレイ、ケイデンスコール、トロワゼトワルなど、複数の重賞ウイナーを送り出してきました。

厳しい臨戦過程とはいえ、今回のメンバーで2勝をあげているのは自身を含め3頭だけ。実績上位の存在で、2週連続の快走を期待します。

馬券は、レーヴブリリアントの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイドを購入。そして、1列目にレーヴブリリアント。2列目にマテンロウバローズとキングスコール。3列目に、レーヴブリリアント以外の印7頭を塗った3連複フォーメーションも買います。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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