≪今週の動画・ラジオNIKKEI賞≫
▼相性バツグンの「ラジニケ血統」を狙え！

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皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

宝塚記念が終わり、今週からいよいよ夏競馬本番の感。今年は福島と小倉でスタートです。

この記事では日曜日の福島メイン・ラジオNIKKEI賞の最終結論をつらつらと。

■過去のレース傾向
現在と同じ夏開催初週の日曜日に開催されるようになった2013年以降の11回のうち、父サンデーサイレンス系（父SS系）が10勝を挙げる。また開幕週に行われる重賞とあって、積極的に運んだ馬が強いのも特徴だ。

ということでザックリとした立脚点は「前で運べる父SS系を狙いたい」というもの。

2013年以降の当レースにおいて、逃げ・先行策を選んだ父SS系は【6-2-1-22】で勝率19.4％、複勝率29.0％をマーク。中団より後ろで運んだ同系は【4-1-4-41】で勝率8.0％、複勝率18.0％なので、軸にするなら位置を取れる方を選ぶのがベターと言える。

父SS系の先行馬をチョイスしたうえでさらにふるいにかけるならヘイローのクロスに注目。

「父SS系の逃げ・先行馬かつ父母間でのヘイロークロスを持つ」という条件に当てはまる馬のラジオNIKKEI賞における通算成績は【3-1-0-2】で勝率50.0％、複勝率66.7％というハイアベレージをマークしている。

ヘイローの血は基本的に小回り向きの軽快なスピードが売り。この血を父母間でクロスさせ形質として表現させることで、コーナー4つ、機動力が求められる福島芝1800mへの対応力が増すようだ。

ちなみに父SS系に限らずヘイロークロスの先行馬からは、2021年11人気2着のワールドリバイバルや2018年9人気3着のキボウノダイチなどといった穴馬が出現している。ヘイローのクロスで小回り適性をチューンナップした逃げ・先行馬が強いという点を押さえておきたい。

■各馬の個別検討
▼ウインマクシマム
父はキタサンブラック、半姉ウインピクシスはクイーンSでドゥーラの2着、福島牝馬Sでコスタボニータの3着などコーナー4つの中距離重賞で活躍している。短距離馬だった母コスモアクセスに本格派の父という配合が共通していたため、ウインマクシマムも半姉と似たような小回りでの先行脚質に出た。

母父がロージズインメイなので、キタサンブラックが引くサンデーサイレンスとの間でヘイローのクロス（4×5）が発生する格好に。レースの傾向から考えると、脚質的にも血統的にも適性はかなり高いと見る。

そもそも青葉賞の時点で「ラジニケでお会いしたい」と言っていたように、この馬については当初から小回り向きとの見立て。それが青葉賞であそこまで粘ったのがむしろかえって驚きだったりする。なので小回りに替わり相手関係も楽になるここはしっかり狙っておきたいと考える次第だ。

ウイン冠の馬に跨る松岡騎手というのもいかにもラジニケっぽい文字列。思い返せばこのコンビで2014年の当レースを制したウインマーレライもヘイロークロス持ちの父SS系だった。

▼セットアップ
前走は果敢に海外遠征を実施しサウジダービーへと挑戦。見た目には大敗だったが、そもそもマイルの距離は少し忙しかったのと、3着だった米国馬ベントルナートに早めに来られたのが響いた印象。

ベントルナートは生粋の短距離馬で、1400m以下の競走では無敗のスピード馬。追走スピードの差で早めにプレッシャーをかけられる形になり、初ダートだったセットアップにとってはかなりの負荷となった。

2走前の朝日杯FSは外枠からシュトラウスがぶっ放した影響を受け、マイルなのに前半600m通過が34秒1という超ハイペースに巻き込まれる格好に。それを2番手で進めていたのではさすがに最後は失速する。それでも勝ったジャンタルマンタルから0秒5差の7着であれば、十分に粘ったと言えるはずだ。

今回は3戦2勝の芝1800mに条件が戻る。しかもコーナー4つの小回り戦だ。この条件で先着を許したのは後のホープフルS勝ち馬レガレイラのみ。

この小回り適性の高さはラーイとサンデーサイレンスを経由するヘイロークロスがその一端を担っているはず。開幕週でこの馬の先行力が活きる可能性は十分にあるだろう。洋芝巧者と判断されて人気が落ちるようなら逆張りする価値はある。

▼サトノシュトラーセ
ハーツクライ系ジャスタウェイを父に持ち、母にはニニスキやデインヒルが入るということで、配合のアウトラインとしてはサリオスに相通ずるものがある。

サリオスとの違いを挙げるとすれば、ジャスタウェイからアメリカン先行血統のワイルドアゲインを引くので、その分こちらは先行脚質に出たという点だろう。

ジャスタウェイにデインヒルの組み合わせはルージュエヴァイユやダノンザキッドっぽさもあって、配合だけ見るとどちらかと言えば広いコース向きな感じもあるが、その一方で距離を考えると前走の2400mよりも今回の1800mの方がプラスに働きそう。

ジャスタウェイ×デインヒル持ちの母という組み合わせは2100m以上ではあまり成績が振るわないので、前走の青葉賞＠東京芝2400mはさすがに少々距離が長かったようだ。

大箱向きっぽいとはいえ、なんだかんだコーナー4つの競馬はこれまでのレースを見ても十分に対応しているし、ハイレベル戦の京都2歳S3着という地力を考えれば、当然ながらある程度評価せざるを得ないよね？　という発想で。

■ラジオNIKKEI賞の最終結論
◎6 ウインマクシマム
○3 セットアップ
▲8 サトノシュトラーセ
☆1 シリウスコルト
△9 ログラール
△7 アレグロブリランテ
△5 オフトレイル
△11ジュンゴールド
△4 ヤマニンアドホック

【3連複/フォーメ】6＝3,8,1＝3,8,1,9,7,5,11,4（18点）
【馬連】6＝3,8,1（3点）
【ワイド】6＝3（1点）

「ラジニケ血統」ウインマクシマムから入る。青葉賞で描いた絵のとおりにここへ参戦してくれた以上、そりゃあ◎を打たざるを得ないってものなわけで。

無理にハナを切る必要はないと思っているので、内に逃げ馬が固まった枠の並びも悪くない。逃げ争いを見ながら運べそうで、これならヘンに揉まれることはないだろう。

松岡騎手にはヘイロークロスの機動力を存分に活かし切っての立ち回りに期待したい。それこそウインマーレライのようなイメージでなにとぞ。

○セットアップは思った以上に斤量を背負うことになったが、それでもコーナー4つの中距離なら巻き返しがあるはず。ストームザミントの牝系なので渋った芝は大歓迎ってスピリッツミノルが言っていたので、雨が降るようならさらにやれる。

▲サトノシュトラーセは地力に敬意を表して。大箱向きだとは思うが、それでも3着だった京都2歳Sだけ走ればアッサリがあっても驚けない。

☆シリウスコルトは最内枠で評価を上げたクチ。マクフィ産駒なので2000mよりは1800mベターだろう。

ミナデオロは月曜の展望でも触れたようにレイデオロ産駒のコーナー4つの芝1800m成績が振るわないのでバッサリ。ショーマンフリートも大外枠は歓迎できないのでこちらもバッサリ。1列目も2列目も比較的人気サイドなので、合成オッズを確保するためこのあたりは無印にして勝負したい。

馬券は◎ウインマクシマムから2列目に○▲☆を置いた3連複が本線。馬連の相手は上位評価3頭に絞って。また◎○のワイドだけはオッズがもらえるのでここは押さえておく。

＜プロフィール＞
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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