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田原基成

2020/12/26 21:04

【有馬記念】リスグラシューからタスキを受け継ぐのはこの馬。迷いなき◎。/中山10R/阪神11R

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【中山11R 有馬記念】

エアグルーヴ、17年ぶりの天皇賞(秋)制覇。
ダイワスカーレット、37年ぶりの有馬記念制覇。
スイープトウショウ、39年ぶりの宝塚記念制覇。

その昔、牝馬が牡馬混合王道GIを制するのは「偉業」と扱われていた。

当時を思い返すと、ライバルにはバブルガムフェロー、ハーツクライ、ゼンノロブロイ、メイショウサムソンなど名馬がズラリ。真っ向勝負の末、歴史の扉を切り開いた稀代の名牝たち……今もなお色あせることはない。

時を近代競馬へと戻そう。

冒頭に挙げた3つのGIレース。直近で牝馬が制したのはいつだろうか?

・天皇賞(秋)→2020年
・有馬記念→2019年
・宝塚記念→2020年

これがレアケースの場合を考え、そのひとつ前に牝馬が制した年も挙げておこう。

・天皇賞(秋)→2019年
・有馬記念→2014年
・宝塚記念→2019年

結論はシンプル、今は牝馬が「強すぎる」のだ。

私は牡馬牝馬間における【セックスアローワンス】は1キロ差に縮めるべきだと思っている。身もフタもない言い方になってしまうが、リスグラシューやクロノジェネシスのような馬が牡馬との比較で2キロ差なのはズルい。実質ハンデ戦のようなものだ。皆さまはどう思われるだろうか?

無敗の三冠馬・コントレイルは勝利を逃し、連覇を狙ったインディチャンプはグランアレグリアに完敗。クロノジェネシスに離された差は6馬身以上……儚いかな、これが牡馬に突き付けられた現実なのだ。

かつて、牝馬による牡馬混合GI勝利の舞台は短距離もしくは東京競馬場が多くのパーセンテージを示していた。短距離はイメージが湧くと思うが、なぜ東京競馬場なのか? 理由は牝馬特有の瞬発力を活かすことができる舞台だから。ヘヴンリーロマンスやショウナンパンドラがその典型と言えよう。だが、今は違う。

「中山が舞台でも、主役は牝馬」

今年の有馬記念を予想するうえでの出発点だ。

ここはクロノジェネシスから入る。

4歳を迎え、さらなる進化を遂げた今年。時計のかかる馬場適性は昨年すでに証明していたが、前走天皇賞(秋)は上がり3F32秒台にも対応。いよいよサラブレッドとして隙がなくなってきた印象だ。

時間とともに埋められるウィークポイント。その遷移を私が全頭分析で記してきたこの馬の評価ととも振り返りたい。

(大阪杯)
昨春以降挙げた2勝はいずれも稍重-重。新馬戦を含め、渋った馬場では3戦3勝と際立った成績を誇る。翻って、良馬場で施行された2週間前の阪神芝2000m若葉Sは1分58秒6……いまの阪神芝は高速馬場だ。切れ味勝負に屈した2走前の内容から、今回想定される条件では死角が生じる1頭と言える。

(宝塚記念)
良馬場【2-2-2-1】に対し、稍重-重【3-0-0-0】。渋った馬場では3戦3勝と負け知らずの馬だ。3勝の内訳はいずれも4角5番手内から上がり3F2位以内……パワーと瞬発力を兼ね備えている点は強調材料と言える。秋の東京高速馬場は合わないクチと思われ、天気予報通り渋った馬場になれば相当面白い。

(天皇賞・秋)
秋華賞、京都記念、そして宝塚記念……この3戦に共通するのは「時計のかかる渋った馬場」だったことだ。良馬場の大阪杯2着、上がり3F32秒5のアイビーSなど時計の速い馬場がダメというわけではないが、小回りコースに2歳戦というシチュエーションに対し「適性不問」と言い切るには不十分。「連勝」にこの馬が超えるべきハードルを設定した場合、決して楽な戦いではなさそうだ。

今ならハッキリ言える。クロノジェネシスは馬場云々で語る次元にない馬だ。

この馬の高速馬場適性を疑った3走前、そして前走。敗れはしたものの自身の上がり3Fはどんどん速くなった。これを進化と捉えずにどう捉えようか?

もうひとつ、成長曲線の裏付けとなる要素に「馬体重」がある。

デビュー時との比較で20キロ以上を増やす同馬。このベクトルが「パワー」に特化するのではなく、終いの切れ味にも良い影響を及ぼすのだから素晴らしい。

キタサンブラック。
リスグラシュー。
グランアレグリア。

上記の馬は初陣から30キロ以上も馬体重をボリュームアップ。肉体面での変化をそのまま力に変えた名馬の系譜……今年、そのタスキをつないだのは間違いなくこの馬だ。

時計のかかる中山芝。
牡馬との斤量2キロ差。
成長を示す馬体重増。

これ以上の言葉はいらないだろう。クロノジェネシスが私の迷いなき本命だ。

相手本線に抜擢するのはカレンブーケドール。

ジャパンCが今年一番のハイレベルレースであることに異論は少ないだろう。締まった展開に「3強」が能力を余すことなく発揮……そのなかで無敗の三冠馬とタイム差なしの勝負を演じたこの馬は素晴らしい。叩き3戦目で冬の中山参戦は未勝利を勝ち上がったときと同じ。非根幹距離での良績も申し分なく、巻き返しが期待できる1頭と言える。

オーソリティも侮れない。

前走アルゼンチン共和国杯は外枠有利の馬場コンディション、相手関係にも恵まれた一戦。とはいえ休み明け初戦で古馬混合重賞を勝ち切った点は評価すべきだろう。父オルフェーヴル、母父シンボリクリスエスは有馬記念をそれぞれ2回制した馬。近親に昨年の有馬記念2着馬サートゥルナーリアもいる血統は魅力。不気味な1頭だ。

【中山11R 有馬記念予想の印】
◎9 クロノジェネシス
〇10 カレンブーケドール
▲12 オーソリティ
☆13 フィエールマン
△2 ブラストワンピース
△7 ラッキーライラック
△5 ワールドプレミア
△4 ラヴズオンリーユー

【3連複/フォーメ】9-10,12,13-10,12,13,2,7,5,4(15点)


次に、自信の一鞍。

【中山10R フェアウェルS】

横山典弘×松永幹調教師コンビで思い出すのは先週の中京。重賞のない裏開催、横山典弘が中京に参戦したタイミングで2頭(ストークダバノン、マテンロウエール)をあてがい、いずれも勝利……狙いすましたコンビ結成であることは明らか。

迎えた今回、有馬記念デーにノンライセンスを用意。中間の坂路でも好タイムを連発しており、ここは勝負仕上げが濃厚。軸不動の評価だ。

【中山10R フェアウェルS予想の印】
◎5 ノンライセンス
〇3 ニシノホライゾン
▲7 スナークスター
☆12 カミノコ
△13 フォルツァエフ
△6 メイショウハナモリ
△10 ホウオウカトリーヌ

【3連複/フォーメ】5-3,7,12-3,7,12,13,6,10(12点)


最後に太鼓判レース。

【阪神11R ギャラクシーS】

良馬場ダートで【2-2-2-1】と安定感抜群のヴァニラアイス。

唯一の凡走は休み明け好走→間隔を詰めて関東遠征のレースに限定されており、今回は前例を踏まえた「ゆとりローテ」を選択。もうひとつ数字を挙げればダートで馬番フタ桁番時の成績【0-1-1-4】に対し、馬番3番以内では【2-1-0-0】連対率100%。ここは絶好の狙い目と判断する。

【阪神11R ギャラクシーS予想の印】
◎2 ヴァニラアイス
〇16 スマートセラヴィー
▲9 デザートストーム
☆12 メイショウテンスイ
△1 デターミネーション
△14 シュウジ
△3 ダイメイフジ
△13 スマートアヴァロン

【3連複/フォーメ】2-16,9,12-16,9,12,1,14,3,13(15点)

田原基成のプロフィールはこちら
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