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競馬サロン

田原基成

2020/12/25 21:31

【ホープフルS】この馬が戦う相手は「自分自身」。皐月賞制覇へ、本命に迷いはない。/阪神C/中山8R/阪神12R

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【中山11R ホープフルS】

競馬において「ゴールからの逆算」は重要なファクターだ。

中山芝で例えると、最後にそびえる急坂を越えなければならない。仮に内枠を引いた場合、馬群を捌かなければならない。外枠を引いたとしてもて先行する場合は距離ロスを防がなければならない。

このような「マスト条件」が増えれば増えるほど波乱度はグンと高くなる。悲喜こもごもの有馬記念枠順抽選会。あのような「混じりっ気のない人間の本音」を聞ける場所は今後増やしてほしいぐらいだ。ダービーなど、白い帽子の争奪戦だろう。

ゴールからの逆算……で思い出したのが、今年のM-1グランプリ。

優勝したマヂカルラブリーは1本目の直前まで何のネタをやるか決めなかったのこと。最終決戦で披露したものを1本目にやる可能性があったわけだが「それでは優勝できない」と、あえて2本目に温存したそうだ。上位3組に残れないリスクを踏まえたギャンブル。それでも優勝というゴールから逆算した戦略があの決断を導いたわけだ。彼らは本当に勝負強い。

幾度となくゴールからの逆算との表現が出ているが、これには理由がある。

世代限定のレースでは「ゴールの概念」が大きく変わってくるからだ。

2歳GIのホープフルS。ここを使われる陣営は一体どこにゴールを設定しているだろうか? 3歳クラシック戦線の皐月賞、そしてダービー。おそらくホースマン全員がこう答えるだろう。生涯一度の夢舞台を目指さず、ここを使われることは到底考えにくい。

「ホープフルSのゴールは来年のクラシック戦線に通ずる」

その観点から、私が本命としたのはダノンザキッド。

器用に先行しつつ、レースでは上がり3F最速をマーク……実戦で証明した完成度は2歳馬のなかで頭ひとつ抜けている。プラス24キロの前走は最後までノーステッキで速い上がりに対応。時計のかかる馬場適性はデビュー戦で証明済みとなれば、死角らしい死角は見当たらない。

初の中山と2000mを懸念する声は確かにある。しかし、道中すんなり好位を確保できる先行力に加えて1コーナーまでの距離が長い中山芝2000mは外めの枠が不利にならない条件。スムーズに運べる分、むしろ内枠よりベターと言えよう。

「次は中山の4つのコーナーを経験させたいと思います」

東スポ杯2歳S後、安田隆調教師は視線を暮れの中山に向けた。いささか消極的参戦にも捉えられるが、何だか既視感のある言葉に思えないだろうか?

「中山の2000mを克服してほしいなと思って、あえてここに来ました」

声の主は矢作調教師。昨年のホープフルSにコントレイルを参戦させた際のコメントだ。新馬戦を勝ったばかりの馬がいるメンバー構成にあって、ダノンザキッド陣営はすでに来年を見据えた「自分自身との戦い」に身を投じている。

サンリヴァル。
サートゥルナーリア。
コントレイル。

GI昇格後、翌年の皐月賞連対馬を輩出し続けるホープフルS。今年、そのトレンドの波を捕らえるのはこの馬だと思っている。ダノンザキッドの本命に迷いはない。

相手本線に抜擢するのはランドオブリバティ。

良い意味でディープインパクト産駒らしくない馬。好発からスッと先団に位置する操縦性の高さはこの時季の2歳戦において大きなアドバンテージとなる。デビュー以降、芝2000mにこだわりつつ前走では中山芝2000mを経験。軽くは扱えない。

ヨーホーレイクも侮れない。

デビュー後の2勝はいずれも道悪。ディープインパクト×フレンチデピュティと春の東京芝適性が高そうな血筋にもかかわらず、時計のかかる馬場で結果を出した点は評価しなければならない。全兄のカミノタサハラ、ベルキャニオンはいずれも中山芝2000mのオープンクラス連対馬。軽視は禁物だ。

【中山11R ホープフルS予想の印】
◎10 ダノンザキッド
〇3 ランドオブリバティ
▲2 ヨーホーレイク
☆1 オーソクレース
△7 マカオンドール
△9 アオイショー
△11 タイトルホルダー
△12 アドマイヤザーゲ
△13 シュヴァリエローズ

【3連複/フォーメ】10-3,2,1-3,2,1,7,9,11,12,13(18点)


【阪神11R 阪神C】

さかのぼること13カ月。私はマイルCSの全頭分析にて以下のような見解を記していた。

(見解ここから)
抜け出すタイミングを計り、溜めに溜めた前走も終い失速。とにかくこの馬は使える脚が短い。3-4コーナー付近から助走がはじまる京都芝外回りは一瞬の切れ味より持続力のある脚が求められる舞台。個人的には阪神Cに食指が動く1頭だ(見解ここまで)。

見解の対象となった馬はインディチャンプ。結果はご存知のとおりだが、レースを観ると直線を向いてギリギリまで追い出しを我慢……使える脚は短いとの見立ては変わっていない。

時を経て、今回ようやく阪神Cへ参戦。

私は競馬予想を「終わりのないストーリー」だと思っている。キタサンブラックやリスグラシューのように異次元の進化を遂げる馬もいるが、その時々で感じた未来予想図を大きく捻じ曲げることは禁物だ。

なぜ昨年のマイルCSで疑ったのか?
なぜ阪神C向きと思ったのか?

仮説を突き詰めていくと、浮かび上がるインディチャンプの競走馬像。この馬の特性がもっとも活きるのは一瞬の脚が活きる小回りコース……それが私の出した結論だ。

叩き2戦目【4-0-0-1】。
冬の阪神芝【2-0-0-0】。

数字の裏付けも申し分なし。迷わずこの馬に本命を託す。

相手本線にはステルヴィオを。

春以降、マイル路線を使われず1400m路線にシフト。その距離でも好位追走で安定した成績を残しているのだから大したものだ。阪神芝内回りでの良績がない点は気がかりも、ゆとりを持たせたローテーションも含め陣営の勝負気配が窺える1頭と言える。

マルターズディオサも侮れない。

先週のターコイズSを回避し、牡馬混合戦のこちらに出走。その背景には斤量55キロ時の成績【0-0-0-3】に対し、54キロでは【4-2-0-0】という陣営の目論見があったのかもしれない。たとえ関西圏の牡馬混合戦だとしても、54キロなら好勝負可能。陣営の意図を汲み取れば、ここは強い勝負気配をもって臨む1頭と言えそうだ。

さらにはフィアーノロマーノ。

阪神芝1400mでの成績【1-1-1-0】が示すとおりの舞台巧者。寒い時季にめっぽう強い冬馬でもあり、前走に続く好走が期待できそうだ。

【阪神11R 阪神C予想の印】
◎12 インディチャンプ
〇7 ステルヴィオ
▲16 マルターズディオサ
☆8 フィアーノロマーノ
△2 レインボーフラッグ
△1 クリノガウディー
△11 ジャンダルム
△9 サウンドキアラ
△6 ダノンファンタジー

【3連複/フォーメ】12-7,16,8-7,16,8,2,1,11,9,6(18点)


次に、自信の一鞍。

【中山8R 3歳上2勝クラス】

中山ダート1200mで【1-2-0-0】連対率100%を誇るノーベルプライズ。

その数字だけでも強調材料と言えるが、中身もまた重要。実はこの3連対、すべて馬番フタ桁で成し得た結果だったのだ。新馬戦、東京ダート1600m勝利時も馬番フタ桁番。ここは願ってもない条件到来と言えよう。

【中山8R 3歳上2勝クラス予想の印】
◎15 ノーベルプライズ
〇6 サンマルベスト
▲8 ジェットマックス
☆10 レッチェバロック
△2 ベイビーボス
△14 ミッキーマインド
△13 アシャカマキシン
△16 ジュンパッション

【3連複/フォーメ】15-6,8,10-6,8,10,2,14,13,16(15点)


最後に太鼓判レース。

【阪神12R 3歳上2勝クラス】

ハリーバローズの前走は内枠で控える競馬がアダとなった印象。これまで馬券圏外に敗れた2戦はいずれも内枠だったが、今回は砂を被らず運べる外枠替わり。冬適性も含め、巻き返す準備は整った。

【阪神12R 3歳上2勝クラス予想の印】
◎15 ハリーバローズ
〇8 ワイドカント
▲16 ロードアブソルート
☆4 アルベニス
△3 ピンシャン
△2 ケイアイターコイズ
△12 ライトオブピース
△10 アイタイ

【3連複/フォーメ】15-8,16,4-8,16,4,3,2,12,10(15点)

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