競馬サロン
田原基成
2020/10/24 19:35
【菊花賞】本命は不動。2列目には単勝100倍超えの穴馬2頭をセレクト。/京都12R/東京11R
1081
【京都11R 菊花賞】
京都芝外回り3000mで行われる菊花賞。
「グリーンベルト」が存在した時期から施行条件変更後、馬場コンディション次第でごまかしの利くような条件ではなくなった。過去にはメイショウサムソン、ワンアンドオンリーといったダービー馬が馬券圏外に。Cコース替わりで内枠有利が顕著な日本ダービーで好走した馬が持ち味を封じ込められてしまっている。
時代の扉を開いた名馬が苦労した舞台。こうした歴史と伝統を無視することなどできない。疑うべき人気馬がいれば迷いなく疑う。たとえば私が今回、バビットを疑うように。
しかし、コントレイルは別だ。
驚愕のレコードを記録した東スポ杯2歳S、時計のかかる馬場も問題にしなかったホープフルS・皐月賞。正直なところ同レース当時は半信半疑の印象を抱いていたが、圧倒的なレースぶりに評価は一変することとなる。朝日杯FS勝ち馬サリオスを文字通りねじ伏せた破壊力はまさしく【ケタ違い】。
2着 サリオス(D.レーン)
「結局馬場の悪い部分を走ることになってしまいました」
上記は皐月賞でのレース後コメント。この時点ではまだ、コントレイルに対して僅かな可能性を見出しているような雰囲気が行間から感じ取れる。馬場に敗因を求めたD.レーンのジャッジがその象徴だ。
そして迎えた、日本ダービー。
2着 サリオス(D.レーン)
「ただ一頭だけ強い馬がいました」
サリオス陣営が上げざるを得なかった【白旗宣言】。たった1カ月程度でその差は絶望的に開いてしまったのだ。世代が違えば二冠馬に輝いていたNO.2の最強馬ですらこの有様。コース形態云々でひっくり返るような差ではないだろう。
話はさかのぼり、2005年。
「まだ満点の競馬ができていませんし、秘めた可能性を十分に出し切ってはいません」
声の主は池江泰郎調教師。無敗の皐月賞馬・ディープインパクトとともに挑んだ日本ダービー圧勝後、恐ろしい言葉が飛び出した。本気モードになったとき、一体どんな走りを見せてくれるのか……無限の可能性を感じさせるコメントだ。
時は流れ、15年後の2020年。
「遊びながらこうして日本ダービーを勝つのですから、相当優秀な馬だと思います」
福永祐一もまた、恐ろしい言葉でレースを振り返った。本気を出さない父ディープインパクトに、遊びながら走る息子コントレイル。両者に共通して言えるのは【次元が違うサラブレッド】であること。
レコード勝ちの東スポ杯2歳S。
小回りも苦にしなかったホープフルS・皐月賞。
頂上決定戦を「遊び場」にした日本ダービー。
もはや公開調教だった神戸新聞杯。
ノーザンファーム全盛の時代にあって、彗星のごとく登場した非社台グループの怪物。空を駆ける【飛行機雲】のように、菊花賞当日の空を自分色に染めてくれることだろう。福永祐一が福永祐一らしく、コントレイルがコントレイルらしく競馬をすれば結果はおのずとついてくる。
正攻法でぶっちぎれ。
コントレイルが私の本命だ。
……と、お気づきの方もいるかと思われるが、ここに至るまでのストーリーは先週デアリングタクトで記したものを綺麗になぞっている。つまり、私が信念を込めて打ち込む◎馬に対する想いは当時の熱量とほぼ変わらないというわけだ。もちろん、それは良い意味で捉えてほしい。
問題はここから。
バビットを疑う今回、どの馬を相手本線に据えるべきか?
バビットについて触れると、先ほど記したとおりセイウンスカイの時のようなグリーンベルトは施行時期変更で消滅。チーム・コントレイルのキメラヴェリテとディープボンドが出る以上、スロー逃げは望めない状況も重なってしまった。過去10年の菊花賞において、良馬場施行時の逃げ馬成績は【0-0-0-8】。厳しい戦いが予想される。
それを踏まえ、相手本線に抜擢するのはマンオブスピリット。
京都芝外回りでは【2-1-0-0】連対率100%。特筆すべきは3戦すべてで上がり3F最速を記録している点だ。キメラヴェリテ、バビットがいる以上スローペースは考えにくい今年の菊花賞。乱ペースに乗じて上位争いに食い込む可能性を警戒したい。
レクセランスも軽視禁物。
3連勝実績あり、皐月賞ダービーでフタ桁着順、京都芝無敗……昨年2着馬サトノルークスと瓜二つの成績だ。スタート後に不利を受けた神戸新聞杯は参考外。9月以降絶好調のシルクレーシング馬、そう簡単には見限れない。
さらにはヴェルトライゼンデ。
ローテーションに狂いが生じた秋初戦だが、終わってみれば上がり3F最速で連対を確保。勝ち馬は別格として、視界良好の内容と言えるだろう。さらに今回、この馬に追い風となるのが京都芝外回りの舞台。同馬の母マンデラの仔は京都芝外回りで【6-0-0-2】。昨年の勝ち馬ワールドプレミア、ワールドエースと舞台巧者を続々輩出している。この馬自身、昨年の萩Sで京都芝外回りを経験し1着。適性の高さは折り紙つきだ。
【京都11R 菊花賞予想の印】
◎3 コントレイル
〇4 マンオブスピリット
▲12 レクセランス
☆6 ヴェルトライゼンデ
△9 アリストテレス
△14 ヴァルコス
△1 ディアマンミノル
△8 ディープボンド
△11 バビット
【馬単/ながし】3-4,12,6(3点)
【3連複/フォーメ】3-4,12,6-4,12,6,9,14,1,8,11(18点)
【3連単/フォーメ】3-4,12,6-4,12,6,9,14,1,8,11(21点)
次に、自信の一鞍。
【京都12R 貴船S】
スタート直後に致命的な不利を受けたテーオーターゲットの前走。その後は終いを伸ばす競馬に徹し、次走に余力を残す方法を選んだ。鞍上が継続騎乗で臨むここは、いわばリベンジマッチ。条件好転、スムーズなら突き抜けられる。
【京都12R 貴船S予想の印】
◎3 テーオーターゲット
〇2 ゴールドラグーン
▲14 スパーダ
☆9 ブルーメンクローネ
△10 ヨドノビクトリー
△16 バーンフライ
△5 タガノプレトリア
△1 イッツクール
【単勝】3(1点)
【馬単/ながし】3-2,14,9(3点)
【3連複/フォーメ】3-2,14,9-2,14,9,10,16,5,1(15点)
【3連単/フォーメ】3-2,14,9-2,14,9,10,16,5,1(18点)
最後に太鼓判レース。
【東京11R ブラジルC】
登録のあったシリウスSを回避し、このレースに照準を合わせたスワーヴアラミス。
個人的には同レースでも好勝負になったと思われるが、鞍上・横山典弘を確保することが第一フェーズだとすれば納得のローテーション。彼の手綱捌きに陣営が惹かれたうえでの決断と捉えるのが自然だ。横山典弘×須貝コンビで臨むここは軸不動の評価。
【東京11R ブラジルC予想の印】
◎5 スワーヴアラミス
〇7 アポロテネシー
▲9 ロードゴラッソ
☆3 ダイシンインディー
△1 ハヤヤッコ
△4 グレートタイム
△6 ウェルカムゴールド
△10 カナシバリ
【3連複/フォーメ】5-7,9,3-7,9,3,1,4,6,10(15点)
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「グリーンベルト」が存在した時期から施行条件変更後、馬場コンディション次第でごまかしの利くような条件ではなくなった。過去にはメイショウサムソン、ワンアンドオンリーといったダービー馬が馬券圏外に。Cコース替わりで内枠有利が顕著な日本ダービーで好走した馬が持ち味を封じ込められてしまっている。
時代の扉を開いた名馬が苦労した舞台。こうした歴史と伝統を無視することなどできない。疑うべき人気馬がいれば迷いなく疑う。たとえば私が今回、バビットを疑うように。
しかし、コントレイルは別だ。
驚愕のレコードを記録した東スポ杯2歳S、時計のかかる馬場も問題にしなかったホープフルS・皐月賞。正直なところ同レース当時は半信半疑の印象を抱いていたが、圧倒的なレースぶりに評価は一変することとなる。朝日杯FS勝ち馬サリオスを文字通りねじ伏せた破壊力はまさしく【ケタ違い】。
2着 サリオス(D.レーン)
「結局馬場の悪い部分を走ることになってしまいました」
上記は皐月賞でのレース後コメント。この時点ではまだ、コントレイルに対して僅かな可能性を見出しているような雰囲気が行間から感じ取れる。馬場に敗因を求めたD.レーンのジャッジがその象徴だ。
そして迎えた、日本ダービー。
2着 サリオス(D.レーン)
「ただ一頭だけ強い馬がいました」
サリオス陣営が上げざるを得なかった【白旗宣言】。たった1カ月程度でその差は絶望的に開いてしまったのだ。世代が違えば二冠馬に輝いていたNO.2の最強馬ですらこの有様。コース形態云々でひっくり返るような差ではないだろう。
話はさかのぼり、2005年。
「まだ満点の競馬ができていませんし、秘めた可能性を十分に出し切ってはいません」
声の主は池江泰郎調教師。無敗の皐月賞馬・ディープインパクトとともに挑んだ日本ダービー圧勝後、恐ろしい言葉が飛び出した。本気モードになったとき、一体どんな走りを見せてくれるのか……無限の可能性を感じさせるコメントだ。
時は流れ、15年後の2020年。
「遊びながらこうして日本ダービーを勝つのですから、相当優秀な馬だと思います」
福永祐一もまた、恐ろしい言葉でレースを振り返った。本気を出さない父ディープインパクトに、遊びながら走る息子コントレイル。両者に共通して言えるのは【次元が違うサラブレッド】であること。
レコード勝ちの東スポ杯2歳S。
小回りも苦にしなかったホープフルS・皐月賞。
頂上決定戦を「遊び場」にした日本ダービー。
もはや公開調教だった神戸新聞杯。
ノーザンファーム全盛の時代にあって、彗星のごとく登場した非社台グループの怪物。空を駆ける【飛行機雲】のように、菊花賞当日の空を自分色に染めてくれることだろう。福永祐一が福永祐一らしく、コントレイルがコントレイルらしく競馬をすれば結果はおのずとついてくる。
正攻法でぶっちぎれ。
コントレイルが私の本命だ。
……と、お気づきの方もいるかと思われるが、ここに至るまでのストーリーは先週デアリングタクトで記したものを綺麗になぞっている。つまり、私が信念を込めて打ち込む◎馬に対する想いは当時の熱量とほぼ変わらないというわけだ。もちろん、それは良い意味で捉えてほしい。
問題はここから。
バビットを疑う今回、どの馬を相手本線に据えるべきか?
バビットについて触れると、先ほど記したとおりセイウンスカイの時のようなグリーンベルトは施行時期変更で消滅。チーム・コントレイルのキメラヴェリテとディープボンドが出る以上、スロー逃げは望めない状況も重なってしまった。過去10年の菊花賞において、良馬場施行時の逃げ馬成績は【0-0-0-8】。厳しい戦いが予想される。
それを踏まえ、相手本線に抜擢するのはマンオブスピリット。
京都芝外回りでは【2-1-0-0】連対率100%。特筆すべきは3戦すべてで上がり3F最速を記録している点だ。キメラヴェリテ、バビットがいる以上スローペースは考えにくい今年の菊花賞。乱ペースに乗じて上位争いに食い込む可能性を警戒したい。
レクセランスも軽視禁物。
3連勝実績あり、皐月賞ダービーでフタ桁着順、京都芝無敗……昨年2着馬サトノルークスと瓜二つの成績だ。スタート後に不利を受けた神戸新聞杯は参考外。9月以降絶好調のシルクレーシング馬、そう簡単には見限れない。
さらにはヴェルトライゼンデ。
ローテーションに狂いが生じた秋初戦だが、終わってみれば上がり3F最速で連対を確保。勝ち馬は別格として、視界良好の内容と言えるだろう。さらに今回、この馬に追い風となるのが京都芝外回りの舞台。同馬の母マンデラの仔は京都芝外回りで【6-0-0-2】。昨年の勝ち馬ワールドプレミア、ワールドエースと舞台巧者を続々輩出している。この馬自身、昨年の萩Sで京都芝外回りを経験し1着。適性の高さは折り紙つきだ。
【京都11R 菊花賞予想の印】
◎3 コントレイル
〇4 マンオブスピリット
▲12 レクセランス
☆6 ヴェルトライゼンデ
△9 アリストテレス
△14 ヴァルコス
△1 ディアマンミノル
△8 ディープボンド
△11 バビット
【馬単/ながし】3-4,12,6(3点)
【3連複/フォーメ】3-4,12,6-4,12,6,9,14,1,8,11(18点)
【3連単/フォーメ】3-4,12,6-4,12,6,9,14,1,8,11(21点)
次に、自信の一鞍。
【京都12R 貴船S】
スタート直後に致命的な不利を受けたテーオーターゲットの前走。その後は終いを伸ばす競馬に徹し、次走に余力を残す方法を選んだ。鞍上が継続騎乗で臨むここは、いわばリベンジマッチ。条件好転、スムーズなら突き抜けられる。
【京都12R 貴船S予想の印】
◎3 テーオーターゲット
〇2 ゴールドラグーン
▲14 スパーダ
☆9 ブルーメンクローネ
△10 ヨドノビクトリー
△16 バーンフライ
△5 タガノプレトリア
△1 イッツクール
【単勝】3(1点)
【馬単/ながし】3-2,14,9(3点)
【3連複/フォーメ】3-2,14,9-2,14,9,10,16,5,1(15点)
【3連単/フォーメ】3-2,14,9-2,14,9,10,16,5,1(18点)
最後に太鼓判レース。
【東京11R ブラジルC】
登録のあったシリウスSを回避し、このレースに照準を合わせたスワーヴアラミス。
個人的には同レースでも好勝負になったと思われるが、鞍上・横山典弘を確保することが第一フェーズだとすれば納得のローテーション。彼の手綱捌きに陣営が惹かれたうえでの決断と捉えるのが自然だ。横山典弘×須貝コンビで臨むここは軸不動の評価。
【東京11R ブラジルC予想の印】
◎5 スワーヴアラミス
〇7 アポロテネシー
▲9 ロードゴラッソ
☆3 ダイシンインディー
△1 ハヤヤッコ
△4 グレートタイム
△6 ウェルカムゴールド
△10 カナシバリ
【3連複/フォーメ】5-7,9,3-7,9,3,1,4,6,10(15点)
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