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田原基成

2024/12/07 18:48

【阪神JF】本命◎は「4.0.2.0」で2歳女王へ 想定10人気以下▲次第で3連単“10万超え”も視野に/カペラS/中京9R/中山11R

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【阪神JF】

「二度あることは三度ある」ということわざがある。

ざっくり言うと、二回起きた出来事はもう一度起こる可能性が高いとのことだが、本レースにおいてこの言葉の持つ意味は重い。

エリザベス女王杯はレガレイラ。
マイルCSはブレイディヴェーグ。
ジャパンCはチェルヴィニア。

いずれもC.ルメール騎乗×馬主サンデーレーシングの該当馬。秋のGI獲りを目論んだ使い分けを敢行したわけだが、現実として「二度あることは三度ある」が起きてしまっているのだ。全頭が馬券外は予想だにしなかったことだ。

もしエリザベス女王杯にチェルヴィニアが出ていたら……。
もしジャパンCにブレイディヴェーグが出ていたら……。

結果は知る由もないが、それぞれ得意な展開・馬場ゆえ好勝負できていたと私は思っている。ついに訪れた、馬が人に合わせる時代。その功罪が悪い形となって現れた秋競馬だ。

はたして、今年の阪神JFは?

私は、人が馬に合わせた”本来あるべき姿”に戻ったと思っている。

ここで取り上げるのはブラウンラチェット。芝1800mのデビュー戦から、東京芝1600mのアルテミスSを勝利。そこから本レースに臨むのは自然の流れだ。

しかし、昨年は牝馬のレガレイラが芝1800mデビューでホープフルSに参戦し勝利。その背景にあったのは、C.ルメール騎乗馬を上手く振り分けることだ。昨年はステレンボッシュが阪神JF2着、ホープフルSがレガレイラ1着と成功を収めたが今年は裏目を引き続け、冒頭の「二度あることは三度ある」現状を引き起こした。

そこで、ブラウンラチェットだ。

ローテーションを見ると、アルテミスS勝ち馬が本レースに参戦する極めて王道な臨戦過程。2歳GIで6番人気以内馬の成績【2-1-4-2】馬券内率77%を誇る手塚貴久厩舎が勝ち負けになると判断して送り込む以上は“調教師を超えた何か”が働いているとは思えない。ここは素直になるべきシチュエーションだ。

ブラウンラチェットについて補足すると、前走アルテミスSは3番手追走から抜け出し勝利。2着に0秒2差をつけたが、東京マイル重賞でこの着差は計り知れない価値がある。東京芝1600m重賞×4角3番手以内×2着に0秒2差以上の2歳馬はソダシやサリオス、ダノンプレミアムなど計8頭を数えるが、そのうち2歳GIに出走した馬の成績は【4-0-2-0】。芝1800mをこなせるスタミナも開催が進んだ京都向きだ。

幸いにも、今年はC.ルメールが香港での騎乗馬がおらず(もしくは断った?)この馬に合わせる形での継続騎乗。乗り慣れた鞍上が跨ることで、環境の変化によるアクシデントのリスクは減らされることだろう。人が馬に合わせる形での参戦だ。

3連勝で2歳女王へ。ブラウンラチェットの本命に迷いはない。

相手本線に抜擢するのはテリオスララ。

過去10年の阪神JFにおいて、前走1600m以上のOPクラスで2着に0秒3差以上勝利の馬は【2-1-0-1】。上級クラスでの楽勝はそのまま評価すべきとのデータだ。前走下したディアナザールは次走快勝。控える形になった際の脆さは考慮すべきだが、京都芝外回り経験馬でもありノーマークにはできない。

ジャルディニエも要警戒。

この馬で注目すべきは2走前。未勝利戦を勝ち上がったレースだが、上がり3F37秒2とすさまじい消耗戦を制していたのだ。一転して前走アスター賞は上がり3F34秒0と開幕週のオール野芝で切れ味を発揮し勝利。思ったより奥が深く、逃げ馬多数で激流になった際に本馬の特性が活きるシーンは想定すべきだろう。

さらにはメイデイレディ。

本レース史上初となる外国馬。マイルCSのチャリン、ジャパンCのオーギュストロダン、ゴリアットと続く一流馬参戦の流れを汲むかのようにBCジュベナイルFターフ2着馬が駒を進めてきた。当時の勝ち馬レイクヴィクトリアは5戦5勝、GI3連勝中の怪物。不利がありつつ同馬に迫ったレース内容は良く、本馬の母父であるモアザンレディがドゥレッツァ、ノーブルロジャーと京都芝外回り重賞勝ち馬を輩出している点も含めて軽くは扱えない。

もう1頭、ショウナンザナドゥもピックアップ。

出走馬中最速の持ち時計を誇る馬が抽選突破。惜敗の前走は終始折り合いに気を遣いつつ外々を回らされたロスがあっただけに、決して悲観する内容ではないだろう。京都芝を使われた2戦はいずれも上がり3F最速と、平坦向きの切れ味を有する馬。侮れない。

【京都11R 阪神JF予想の印】
◎10 ブラウンラチェット
〇2 テリオスララ
▲4 ジャルディニエ
☆17 メイデイレディ
注9 ショウナンザナドゥ
△7 ミストレス
△12 アルマヴェローチェ
△1 ビップデイジー
△14 ランフォーヴァウ
△13 コートアリシアン

【単勝】10(1点)
【馬連】10=2,4,17,9(4点)
【3連複/フォーメ】10=2,4,17,9=2,4,17,9,12,1,14,13(26点)
【3連単/フォーメ】10→2,4,17,9→2,4,17,9,12,1,14,13(32点)


【カペラS】

ダート短距離で強さを感じる瞬間は、そのほとんどが逃げ先行馬。語弊を恐れずに言えば芝>ダートが絶対的な評価基準の日本競馬において、圧倒的なスピードで後続をちぎり捨てるパフォーマンスは電撃6F戦ならではの光景だ。

だからこそ、私はガビーズシスターの走りに衝撃を覚えた。

同馬の近2走はいずれも初角5番手以下。差す競馬はどうしても展開に依存しやすくなるし、その日の馬場コンディション次第で差し届かずのリスクがある。仮に突き抜けたとしてもそれは先行馬総崩れのシチュエーションと抱き合わせだ。

それを踏まえて近2走を振り返ると、桑園特別は道中で馬群に控え、直線では馬群を捌きつつ外へ。「やれやれ、もうゴールか」と言わんばかりにノーステッキで悠々と駆け抜けた。一言、強い。

外房Sは急坂の中山ダート1200m。初角3番手以内を進んだ馬が2-3着を占めた結果から、少なくとも前がつぶれるような状況にはあらず。それでも急坂を迎えると「これが坂?」と、まるで箱根駅伝における“山の神”が如くスイスイと駆け上がり3馬身差をつけた。抱いた感想は強いの一言だ。

3歳牝馬がダートの古馬オープンクラス、ましてや重賞で通用するためのハードルは高い。それでもガビーズシスターに関しては中身が伴ったあれだけのパフォーマンスを見せている事実がある。「クラスの壁?なにそれ?」と鼻歌交じりに3連勝を決めるシーンに期待したい。

相手本線に抜擢するのはスズカコテキタイ。

昨年の本レースは見せ場なく惨敗も、当時は中8カ月の休み明けだった。叩き3戦目の成績【2-0-0-0】を見るより、陣営がここから逆算したローテーションを選択した可能性が高く、中山ダート1200mで4勝の舞台適性と合わせて穴妙味ある1頭だ。

チカッパはこの位置。

昇竜S勝利後、早々に地方交流重賞路線を歩んだ3歳馬。そのため能力比較が難しいが、GI連対歴のあるタガノビューティーやシャマルと接戦を演じた事実から中央場所では格上との判断もできそうだ。中山ダート1200mは昨年12月に豪快な直線一気での勝利実績あり。3歳馬に課せられた斤量58キロは楽ではないが、距離短縮ローテの成績【3-1-0-0】から大崩れは考えにくい。

さらにはインユアパレス。

1勝クラスを制した際は危なっかしい脚質にも思えたが、その後はある程度の位置を取りつつ終いの切れ味を維持。走るたびに自身の持ち時計を更新している点も好材料と言えるだろう。関東圏への輸送はやってみないとわからないが、能力はすでに重賞級。軽くは扱えない。

もう1頭、サンライズアムールもピックアップ。

当舞台を使われた前走は外枠からすんなり先行し勝利。内枠の2走前は逃げる競馬と、砂を被るか否かでパフォーマンスが変わるタイプなのだろう。スムーズにいける形がとれる外めの枠で前走の再現を警戒したい。

【中山11R カペラS予想の印】
◎6 ガビーズシスター
〇13 スズカコテキタイ
▲11 チカッパ
☆2 インユアパレス
注14 サンライズアムール
△9 クロジシジョー
△15 テイエムトッキュウ
△8 インビンシブルパパ

【単勝】6(1点)
【馬連】6=13,11,2,14(4点)
【3連複/フォーメ】6=13,11,2,14=13,11,2,14,9,15,8(18点)
【3連単/フォーメ】6→13,11,2,14→13,11,2,14,9,15,8(24点)

▽競馬評論家・田原基成のその他予想コラム
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【自信の一鞍 中京9R 大須特別】

今回が休み明けの一戦となるスマートリアファルだが、これまで戦ってきた相手にはテーオーパスワード(ケンタッキーダービー5着)、アンデスビエント(関東オークス馬)と同世代の強豪が並ぶ。約8カ月ぶりの実戦でも能力は抜けており、いきなり決めてくれそうだ。

相手本線には現級中京ダート1800mでの複数連対歴があるキングオブフジ、先行力が課題も終いの脚は堅実なワンパットを。ここは点数を絞って勝負。

【中京9R 大須特別予想の印】
◎3 スマートリアファル
〇8 キングオブフジ
▲2 ワンパット

【単勝】3(1点)
【馬連】3=8,2(2点)
【ワイド】3=8,2(2点)


【太鼓判 中山10R 師走S】

ブレイクフォースは良馬場ダート1800mで【3-3-0-0】連対率100%と抜群の安定感。危なっかしい追込脚質にもかかわらず、しっかり馬券内まで持ってくるように適性がズバ抜けている印象だ。そのスタイルゆえ、人気の盲点になるようならしめたもの。狙いすました得意舞台かつ、この馬向きの絶好の馬場コンディション想定で不動の本命だ。

相手本線には昨年の本レース勝ち馬キタノリューオーを。寒い時季を得意とする冬馬で、左回りの近走から変わり身が見込める穴馬候補だ。みやこS3着馬ロードアヴニールを3番手に据えつつ、当舞台での複数馬券内実績を持つアクションプラン、カンピオーネを2列目に配置。3列目は広げる。

【中山10R 師走S予想の印】
◎7 ブレイクフォース
〇16 キタノリューオー
▲12 ロードアヴニール
☆9 アクションプラン
注5 カンピオーネ
△1 ナチュラルハイ
△11 ヒューゴ
△13 チュウワハート
△14 サンデーファンデー

【3連複/フォーメ】7=16,12,9,5=16,12,9,5,1,11,13,14(22点)

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田原基成のプロフィールはこちら
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