競馬サロン
調教ライター 西村武輝
2024/11/09 18:30
エリザベス女王杯2024 最終結論【調教】調整パターン変更で流れに乗る意識強化 能力突出レガレイラに◎託す【重賞深掘りPROJECT】
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「エリザベス女王杯」全頭追い切り診断動画はこちら!
【エリザベス女王杯 2024|調教診断】2200m戦は大得意!鞍上と息ピッタリの穴馬を【S評価】!
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今週末から2024年秋のGIシリーズが再開!
その口火を切るのは、全世代牝馬の最強決定戦「エリザベス女王杯」ですね。
例年は牝馬3冠路線を戦った3歳勢が古馬と初めて相まみえる場となるんですが、今年はレガレイラ1頭のみ。秋華賞からの参戦はゼロという異例の一戦となります。
ではまず過去の馬券対象馬の調教傾向を見ていくことにします。対象は京都で行われた2023年、2019年-2016年の5回分。
最終追いは坂路が12、CWが3。コーナー4つを通過する非根幹距離の一戦なのでコース追いが優勢かというイメージを抱きがちなんですが、意外や坂路組が圧倒しています。
経験豊富かつ、秋初戦として使われてきた馬が多数ということもありコース追いでレース感覚を補強するよりは坂路で心肺機能の底上げ、コンディション調整に徹した方がいいということでしょうか。
調教強度が「馬なり」12例、「強め」3例ということも、最終追いをコンディション調整に充てられた組が優位ということを物語っているのかもしれません。
以上を踏まえ、「エリザベス女王杯」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。
■コスタボニータ【7】
川又騎手騎乗 栗東坂路単走 1週前のCW3頭併せで強い負荷を掛けられており、これが実質の最終追い。今週は坂路単走で終い重点の内容をこなした。やや右に張り気味だが、いつものことで問題なし。上々の折り合いで進み、溜めた分はしっかり弾けることができていた。急仕上げだった前走を使われての上積みは大きそう。
■コンクシェル【7】
吉村騎手騎乗 栗東CW併せ馬 1週前にCW5F64秒0(馬なり)の猛時計をマーク。今週は3頭併せの真ん中で実戦感覚を研ぎ澄ますような、終い重点の内容をこなした。挟まれる形で少しだけ力むも、直線に入っての加速はスムーズ。内後方の馬が走り過ぎ、これにはクビ差遅れとなったが、コンクシェル自身まったく無理をさせておらず問題ない範囲だ。中間に放馬があり、調整に難しさがあった前走時からグンと上昇。
■ゴールドエクリプス【7】
田口騎手騎乗 栗東CW併せ馬 3勝クラスを6馬身先に行かせて追走。コーナーでは他厩舎勢の併せ馬もいる状況だったが、抜群の操縦性で目標の馬に取り付き、大きな完歩から相手を問題にせず突き放した。5カ月ぶりで中間は最終追いを含めて2本のみの調整だが、これだけ動けるあたり牧場で相当入念だったということだろう。力はフルに出せる。
■シンティレーション【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前に速い全体時計を出しており、今週は終い重点の併せ馬で実戦感覚の研ぎ澄ましに注力。気迫十分といった雰囲気で低重心を保ち、相手に対し優勢の勢いで併走。結局相手に合わせての併入だが、仕掛ければ突き抜けそうな雰囲気にあった。前走時からの好調を引き続きキープ。
■シンリョクカ【7】
竹内師騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前に自己ベストタイとなるウッド5F64秒9(馬なり)をマーク。輸送を控える今週は終い重点の併せ馬をこなした。大きく先に行かせた僚馬を視界に入れて気持ちを乗せてやり、内後方から来る相手と併せるという内容。追いかける形でもエキサイトせず、しっかり脚を溜めると直線での併走では抜群の加速を示し、自然と切れ勝ちして半馬身の先着を果たした。中9週とひと息入っているとは思えない、ほぼ万全の仕上がり。
■スタニングローズ【7】
C.デムーロ騎手騎乗 栗東坂路単走 初コンビを組む鞍上としっかり折り合って坂を駆け上がる。ラストの動きにあと少し切れは欲しかったが、踏み込みは力強く気合いも十分。馬なりのまましっかり加速ラップで締めくくっていた。中間の攻め本数は申し分なく、好気配と言える。
■ホールネス【8】
坂井騎手騎乗 栗東芝単走 新潟遠征から中2週なので、疲れを残さないよう息を整える程度の内容。時計は14-14ペースで平凡だが、鞍上としっかり息が合っていたのはいい。ラストは機敏に手前を替え、鋭く加速。体も大きく使えており、文句なしの好仕上がりだ。
■ルージュリナージュ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 コムストックロード(マイルCSに登録)、シリウスコルト(福島記念出走)の2頭を左右に置く形の3頭併せ。シリウスコルトが脱落し、コムストックロードとの併せ馬で若干だけ勢いは見劣ったが馬なりのまま併入とした。4カ月ぶりで仕上がり途上だった前走時と比較し、グンと良くなってきたようだ。
■レガレイラ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 オープン馬ウンブライルを追走し、序盤から速いラップを刻む意欲的な調整。直線に入って先に仕掛けられた相手が抜け出しにかかるが、これに対し慌てずまったくの馬なりを保ち、最後が楽に差を詰め併入に持ち込んだ。ストライドは雄大で、踏み込みもしっかり。前走も良かったが、さらに一段階上の状態。
▼「エリザベス女王杯」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/20285/0/112
調教採点【8】最高はホールネスとしました。華奢な馬の中2週で時計は平凡も平凡でしたが、鞍上としっかり息が合っていたのは良かったですね。体も大きく使えており、文句なしの好仕上がりです。
これまで休み休みでしか走っていなかった馬が中2週でのGI挑戦は正直厳しい状況。しかしエリザベス女王杯出走を前提に、前走はプラス14キロと余裕残しの作りながら青写真どおりの快勝を収めたあたりは評価したい。
体質の強化が著しく、陣営サイドとしてはこのローテで行けるという強い確信があってのことでしょう。鞍上はこれまでずっと西塚騎手だったのが、ここで坂井騎手へ非情ともいえるスイッチ。陣営サイドの高い勝負気配を感じます。芝2200mで【3.1.0.0】という戦歴も好材料。
今年のメンバー構成なら一気の戴冠も……と思いましたが、超大型馬にとってこの最内枠は試練。16頭立て6番ゲートだったマーメイドSは道中やや窮屈なレース運びを強いられ、最後に外に出してからの伸びに響いたような面がありました。
前走は強い内容でしたが、馬群がバラけて楽に運べた恩恵もあった。今回、17頭立てのGIで前走のように恵まれるかは疑問。流れ次第、坂井ジョッキーの手綱捌き次第ではありますが、全幅の信頼までは置きづらく▲評価とします。
本命は人気でも逆らえませんね。唯一の3歳馬レガレイラとします。
流れに乗れない弱みがあり、今年の3戦はいずれも上がり最速を繰り出しながら6着、5着、5着。せめてローズSは勝ち負けに持ち込んで欲しかったところですが、その前走は秋の始動戦ということを考慮し、C.ルメール騎手が慌てず騒がず脚を溜めることに徹したものとも解釈できます。
常に稽古ではよく見せるタイプで、この中間も文句なしの動き。気迫という面では前走から何段階か上でしょう。
これまでは1週前に全体を速く、最終追いは終い重点で微調整というパターンでしたが、今回は1週前より最終追いのほうがウッド5Fの全体時計が速い。これをどう捉えるかですが、終い一手のレースで取りこぼしてきた経緯があるだけに、序盤から流れに乗る意識の強化と考えれば頷けるところ。
分の悪い最終追いコース組ですが、今回のメンバー構成のなかで能力は突出。盤石の攻め気配ならば迷うことなく本命とします。
アーバンシックを菊花賞勝ちに導いたC.ルメール騎手が、同じ京都で同血のいとこレガレイラもGI勝ちに導くシーンが見たいですね。
対抗はコスタボニータ。調教傾向的に優位な栗東坂路最終追い組ですね。56キロを背負ってレコード決着にクビ差2着した小倉記念がとにかく強かった。速い流れを追いかけて止まらず、勝ち馬リフレーミングに強襲される形でなければ優に押し切っていたはず。
前走は極端なスローからの決め手比べと、小倉記念とはガラッと異なる展開で相当戸惑ったよう。情状酌量の余地あり。今回の展開がどうなるかですが、GIとあってさすがにある程度は流れるはず。壁がなくても折り合えるタイプだし、変にゴチャつかない分この枠はいい。いわゆる○×ホースで、今回は○の番。逆転があるとすればこの馬でしょう。
☆シンリョクカは2歳時から活躍してきましたが、前走で再覚醒。その前走時の攻めはそこまで良く見えませんでしたが、それであの勝ち方には驚かされました。あの一戦で馬が自信をつけたのか、この中間の攻めはド迫力。0秒5差9着に終わった昨年のエリザベス女王杯より高いパフォーマンスを発揮するのは必至と見ます。
△スタニングローズは復調に手間取っていますが、前走・クイーンS(6着)は出負け、そして酷量57キロを考えれば0秒2差にまとめたのは悪くなかった。前走後はここ一本に絞って時間を掛けてじっくり立て直してきていますね。この中間は坂路ラスト1F11秒6を2回マークで本調子を取り戻してきた感。上位へ食い込んできて不思議はありません。
コンクシェルは調整に難しさがあった前走時からグンと良くなってきましたね。逃げ1車の利がある馬が好調ならば、押さえは必須。
穴でルージュリナージュ。前走・府中牝馬Sは明らかに仕上がり途上での出走、15頭立ての大外15番ゲート、そしてスタートで出遅れと完全にノーチャンスな状況ながらいい決め手を繰り出し5着まで押し上げた。マイルから千八が主戦場ですが、脚を溜めるセンスがあり牝馬限定戦なら2200mはなんとかなりそう。今週はシリウスコルト(福島記念出走)を問題にしない動きを見せており、前走からの上積み顕著。
どうしても終い一手で自分でレースを作れない弱みはありますが、前がまぎれるようなら“後方で死んだふり”のこの馬が突っ込んでくる可能性は考えたい。
リピーターの多いレースなので昨年3着ハーパーに怖さはありますが、最終追いの坂路での動きがどうにもいまひとつ。数字面でも12秒5-12秒7とラスト2Fラップが失速に終わっていたのも不満です。ここで激変の可能性は極めて低いと考え、無印としました。
以下、最終結論です。どうぞご参考に!
<調教ライター・西村武輝「エリザベス女王杯」最終結論>
◎7 レガレイラ
○17 コスタボニータ
▲1 ホールネス
☆8 シンリョクカ
△11 スタニングローズ
△4 コンクシェル
△12 シンティレーション
△3 ルージュリナージュ
【単勝】7(1点)
【馬連】7=17,1,8,11,4,12,3(7点)
【3連複/フォーメ】7,17=7,17,1,8=7,17,1,8,11,4,12,3(24点)
【3連単/フォーメ】7,17→7,17,1,8→7,17,1,8,11,4,12,3(36点)
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=重賞深掘りPROJECT関連動画=
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その口火を切るのは、全世代牝馬の最強決定戦「エリザベス女王杯」ですね。
例年は牝馬3冠路線を戦った3歳勢が古馬と初めて相まみえる場となるんですが、今年はレガレイラ1頭のみ。秋華賞からの参戦はゼロという異例の一戦となります。
ではまず過去の馬券対象馬の調教傾向を見ていくことにします。対象は京都で行われた2023年、2019年-2016年の5回分。
最終追いは坂路が12、CWが3。コーナー4つを通過する非根幹距離の一戦なのでコース追いが優勢かというイメージを抱きがちなんですが、意外や坂路組が圧倒しています。
経験豊富かつ、秋初戦として使われてきた馬が多数ということもありコース追いでレース感覚を補強するよりは坂路で心肺機能の底上げ、コンディション調整に徹した方がいいということでしょうか。
調教強度が「馬なり」12例、「強め」3例ということも、最終追いをコンディション調整に充てられた組が優位ということを物語っているのかもしれません。
以上を踏まえ、「エリザベス女王杯」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。
■コスタボニータ【7】
川又騎手騎乗 栗東坂路単走 1週前のCW3頭併せで強い負荷を掛けられており、これが実質の最終追い。今週は坂路単走で終い重点の内容をこなした。やや右に張り気味だが、いつものことで問題なし。上々の折り合いで進み、溜めた分はしっかり弾けることができていた。急仕上げだった前走を使われての上積みは大きそう。
■コンクシェル【7】
吉村騎手騎乗 栗東CW併せ馬 1週前にCW5F64秒0(馬なり)の猛時計をマーク。今週は3頭併せの真ん中で実戦感覚を研ぎ澄ますような、終い重点の内容をこなした。挟まれる形で少しだけ力むも、直線に入っての加速はスムーズ。内後方の馬が走り過ぎ、これにはクビ差遅れとなったが、コンクシェル自身まったく無理をさせておらず問題ない範囲だ。中間に放馬があり、調整に難しさがあった前走時からグンと上昇。
■ゴールドエクリプス【7】
田口騎手騎乗 栗東CW併せ馬 3勝クラスを6馬身先に行かせて追走。コーナーでは他厩舎勢の併せ馬もいる状況だったが、抜群の操縦性で目標の馬に取り付き、大きな完歩から相手を問題にせず突き放した。5カ月ぶりで中間は最終追いを含めて2本のみの調整だが、これだけ動けるあたり牧場で相当入念だったということだろう。力はフルに出せる。
■シンティレーション【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前に速い全体時計を出しており、今週は終い重点の併せ馬で実戦感覚の研ぎ澄ましに注力。気迫十分といった雰囲気で低重心を保ち、相手に対し優勢の勢いで併走。結局相手に合わせての併入だが、仕掛ければ突き抜けそうな雰囲気にあった。前走時からの好調を引き続きキープ。
■シンリョクカ【7】
竹内師騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前に自己ベストタイとなるウッド5F64秒9(馬なり)をマーク。輸送を控える今週は終い重点の併せ馬をこなした。大きく先に行かせた僚馬を視界に入れて気持ちを乗せてやり、内後方から来る相手と併せるという内容。追いかける形でもエキサイトせず、しっかり脚を溜めると直線での併走では抜群の加速を示し、自然と切れ勝ちして半馬身の先着を果たした。中9週とひと息入っているとは思えない、ほぼ万全の仕上がり。
■スタニングローズ【7】
C.デムーロ騎手騎乗 栗東坂路単走 初コンビを組む鞍上としっかり折り合って坂を駆け上がる。ラストの動きにあと少し切れは欲しかったが、踏み込みは力強く気合いも十分。馬なりのまましっかり加速ラップで締めくくっていた。中間の攻め本数は申し分なく、好気配と言える。
■ホールネス【8】
坂井騎手騎乗 栗東芝単走 新潟遠征から中2週なので、疲れを残さないよう息を整える程度の内容。時計は14-14ペースで平凡だが、鞍上としっかり息が合っていたのはいい。ラストは機敏に手前を替え、鋭く加速。体も大きく使えており、文句なしの好仕上がりだ。
■ルージュリナージュ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 コムストックロード(マイルCSに登録)、シリウスコルト(福島記念出走)の2頭を左右に置く形の3頭併せ。シリウスコルトが脱落し、コムストックロードとの併せ馬で若干だけ勢いは見劣ったが馬なりのまま併入とした。4カ月ぶりで仕上がり途上だった前走時と比較し、グンと良くなってきたようだ。
■レガレイラ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 オープン馬ウンブライルを追走し、序盤から速いラップを刻む意欲的な調整。直線に入って先に仕掛けられた相手が抜け出しにかかるが、これに対し慌てずまったくの馬なりを保ち、最後が楽に差を詰め併入に持ち込んだ。ストライドは雄大で、踏み込みもしっかり。前走も良かったが、さらに一段階上の状態。
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これまで休み休みでしか走っていなかった馬が中2週でのGI挑戦は正直厳しい状況。しかしエリザベス女王杯出走を前提に、前走はプラス14キロと余裕残しの作りながら青写真どおりの快勝を収めたあたりは評価したい。
体質の強化が著しく、陣営サイドとしてはこのローテで行けるという強い確信があってのことでしょう。鞍上はこれまでずっと西塚騎手だったのが、ここで坂井騎手へ非情ともいえるスイッチ。陣営サイドの高い勝負気配を感じます。芝2200mで【3.1.0.0】という戦歴も好材料。
今年のメンバー構成なら一気の戴冠も……と思いましたが、超大型馬にとってこの最内枠は試練。16頭立て6番ゲートだったマーメイドSは道中やや窮屈なレース運びを強いられ、最後に外に出してからの伸びに響いたような面がありました。
前走は強い内容でしたが、馬群がバラけて楽に運べた恩恵もあった。今回、17頭立てのGIで前走のように恵まれるかは疑問。流れ次第、坂井ジョッキーの手綱捌き次第ではありますが、全幅の信頼までは置きづらく▲評価とします。
本命は人気でも逆らえませんね。唯一の3歳馬レガレイラとします。
流れに乗れない弱みがあり、今年の3戦はいずれも上がり最速を繰り出しながら6着、5着、5着。せめてローズSは勝ち負けに持ち込んで欲しかったところですが、その前走は秋の始動戦ということを考慮し、C.ルメール騎手が慌てず騒がず脚を溜めることに徹したものとも解釈できます。
常に稽古ではよく見せるタイプで、この中間も文句なしの動き。気迫という面では前走から何段階か上でしょう。
これまでは1週前に全体を速く、最終追いは終い重点で微調整というパターンでしたが、今回は1週前より最終追いのほうがウッド5Fの全体時計が速い。これをどう捉えるかですが、終い一手のレースで取りこぼしてきた経緯があるだけに、序盤から流れに乗る意識の強化と考えれば頷けるところ。
分の悪い最終追いコース組ですが、今回のメンバー構成のなかで能力は突出。盤石の攻め気配ならば迷うことなく本命とします。
アーバンシックを菊花賞勝ちに導いたC.ルメール騎手が、同じ京都で同血のいとこレガレイラもGI勝ちに導くシーンが見たいですね。
対抗はコスタボニータ。調教傾向的に優位な栗東坂路最終追い組ですね。56キロを背負ってレコード決着にクビ差2着した小倉記念がとにかく強かった。速い流れを追いかけて止まらず、勝ち馬リフレーミングに強襲される形でなければ優に押し切っていたはず。
前走は極端なスローからの決め手比べと、小倉記念とはガラッと異なる展開で相当戸惑ったよう。情状酌量の余地あり。今回の展開がどうなるかですが、GIとあってさすがにある程度は流れるはず。壁がなくても折り合えるタイプだし、変にゴチャつかない分この枠はいい。いわゆる○×ホースで、今回は○の番。逆転があるとすればこの馬でしょう。
☆シンリョクカは2歳時から活躍してきましたが、前走で再覚醒。その前走時の攻めはそこまで良く見えませんでしたが、それであの勝ち方には驚かされました。あの一戦で馬が自信をつけたのか、この中間の攻めはド迫力。0秒5差9着に終わった昨年のエリザベス女王杯より高いパフォーマンスを発揮するのは必至と見ます。
△スタニングローズは復調に手間取っていますが、前走・クイーンS(6着)は出負け、そして酷量57キロを考えれば0秒2差にまとめたのは悪くなかった。前走後はここ一本に絞って時間を掛けてじっくり立て直してきていますね。この中間は坂路ラスト1F11秒6を2回マークで本調子を取り戻してきた感。上位へ食い込んできて不思議はありません。
コンクシェルは調整に難しさがあった前走時からグンと良くなってきましたね。逃げ1車の利がある馬が好調ならば、押さえは必須。
穴でルージュリナージュ。前走・府中牝馬Sは明らかに仕上がり途上での出走、15頭立ての大外15番ゲート、そしてスタートで出遅れと完全にノーチャンスな状況ながらいい決め手を繰り出し5着まで押し上げた。マイルから千八が主戦場ですが、脚を溜めるセンスがあり牝馬限定戦なら2200mはなんとかなりそう。今週はシリウスコルト(福島記念出走)を問題にしない動きを見せており、前走からの上積み顕著。
どうしても終い一手で自分でレースを作れない弱みはありますが、前がまぎれるようなら“後方で死んだふり”のこの馬が突っ込んでくる可能性は考えたい。
リピーターの多いレースなので昨年3着ハーパーに怖さはありますが、最終追いの坂路での動きがどうにもいまひとつ。数字面でも12秒5-12秒7とラスト2Fラップが失速に終わっていたのも不満です。ここで激変の可能性は極めて低いと考え、無印としました。
以下、最終結論です。どうぞご参考に!
<調教ライター・西村武輝「エリザベス女王杯」最終結論>
◎7 レガレイラ
○17 コスタボニータ
▲1 ホールネス
☆8 シンリョクカ
△11 スタニングローズ
△4 コンクシェル
△12 シンティレーション
△3 ルージュリナージュ
【単勝】7(1点)
【馬連】7=17,1,8,11,4,12,3(7点)
【3連複/フォーメ】7,17=7,17,1,8=7,17,1,8,11,4,12,3(24点)
【3連単/フォーメ】7,17→7,17,1,8→7,17,1,8,11,4,12,3(36点)
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