【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。今週も前置きはなく、さっそく「マイルCS」全頭追い切り診断となります。

●11月17日　マイルCS（GI、京都、芝1600m）

■アルナシーム　藤岡佑騎手騎乗　栗東CW単走　レース当週もセーブすることなく、序盤から出していく調整。直線では馬場の真ん中を進んで軽快に加速し、まったくの馬なりを保って駆け抜けている。1週前追いもいい動きで、前走時で448キロと華奢な馬とは思えないパワフルさを感じさせた。上積み顕著。【7】

■ウインマーベル　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に目一杯追われウッド5F65秒台をマーク。今週は格下馬を前に行かせリズム重視で追走する終い重点の内容だった。直線に入っての手前変換に少しだけ手間取ったが、ギアが入ってからの加速は迫力あり。ゴール手前でさらに鋭く切れて併入に持ち込んだ。GIでの好走後を感じさせず、高いレベルで安定。【7】

■エルトンバローズ　西村淳騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前にCW3頭併せで強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週は単走で息を整える程度の内容だった。序盤はいい意味で遊びがあり、リラックスして登坂。ラストはあと少し踏み込んで欲しかったところだが、加速は鋭く馬なりのまま1F11秒7をマークした。大型馬が秋初戦を使われ、大きく上昇。【7】

■オオバンブルマイ　助手騎乗　栗東坂路単走　やや重心の高さは気になるが、いつものこと。躍動感があり、力強い踏み込みで登坂していき、ラストは溜めた脚を一気に弾けさせた。1週前はアーリントンC以来となるCW併せ馬を行っており、前走からの上積みはかなりありそう。【7】

■コムストックロード　助手騎乗　美浦ウッド単走　やや掛かり気味に進んで行くが鞍上がしっかり制御。直線に入っても素軽さを保ってジワジワと加速できていた。あと少しメリハリは欲しいところだが、体調面は悪くない。除外続きで調整に難しさはあったものの、この馬なりに順調。【6】

■ジュンブロッサム　助手騎乗　栗東CW単走　1週前に速い全体時計を出しており、今週は終い重点で息を整える内容。直線の入り際で鞍上がおっつけたようにやや素軽さに欠けたが、直線半ばからは体を大きく使って加速できていた。絶好調に思えた前走時ほどの気配には及ばないものの、極端なデキ落ちまではなさそう。【6】

■セリフォス　川田騎手騎乗　栗東CW単走　1週前に自己ベストに迫る猛時計を出しており、これが実質の最終追い。今週は脚慣らし程度の軽い内容消化に留まった。手前変換に鞍上の扶助を要したが、伸びそのものはスムーズだった。やや気迫不足な感はあるものの、体調は安定か。【6】

■ソウルラッシュ　助手騎乗　栗東坂路単走　形としては単走だが、大きく前に自厩舎の馬を視界に入れさせ気持ちを乗せる調整。変に力まず、まとまりのあるフォームで登坂すると、手綱を緩められたラストで一気に加速した。1週前のCWでも圧巻の動きを見せており、絶好の仕上がりと言える。【8】

■タイムトゥヘヴン　柴田善騎手騎乗　美浦ウッド単走　叩き4戦目となるが、それを感じさせず序盤から速いラップを刻んで直線へ。飛ばした分さすがにラストは一本調子に。それでも重心をグンと沈めて気合いは十分といった雰囲気だった。上積みは強調しづらいものの、悪くない状態で走れそう。【6】

■チャリン　R.ムーア騎手騎乗　京都競馬場芝単走　着地検疫先から火曜日に京都競馬場入りしており、水曜日に本馬場で追い切られた。自身初のアジア圏への輸送直後を考えれば、5F63秒6（馬なり）と速い時計を出せたあたり心身ともに相当頑健なようだ。脚捌きは硬く、ストライドもこぢんまりとしているのが気になるが、そういう走法の馬ということか。コーナリングはスムーズだったし、この馬の力は出せそう。【6】

■ナミュール　助手騎乗　栗東坂路単走　溜めに溜めてラストだけ伸ばすいつも通りの調整。ゆったりとした入りながら、前向きさを感じさせつつ登坂し、ラストは軽い促しでスッとギアを上げることができていた。ブレの少ないフォームで、踏み込みの力感も十分。5カ月半ぶりを感じさせない好気配にある。【7】

■ニホンピロキーフ　助手騎乗　栗東CW単走　中2週ということを考えれば、比較的速いラップを序盤から刻んで進んで行く。直線ではややフォームの伸縮性に乏しいところが気になったが、手応えにお釣りを残し駆け抜けた。中3週からの中2週で大きな上積みこそ強調しづらいものの、ひとまず順調。【6】

■バルサムノート　北村友騎手騎乗　栗東坂路単走　口向きが悪く、坂の序盤では外へ張って鞍上が制御するのに手一杯。それでも前をちゃんと向いてからはまずまず力強い踏み込みからしっかり加速できていた。気性面、操縦性に課題を感じさせるが、体調は上々の部類。【6】

■フィアスプライド　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2歳馬を外で先導し、折り合いと操縦性を強化する調整。いったん相手を迎え入れてからの再加速にやや手間取り、ジワッと伸びてなんとか併入という内容だった。1週前もオープン馬相手とはいえ併せ馬で手応え劣勢だったし、気迫不足な感は否めない。よくて平行線か。【5】

■ブレイディヴェーグ　杉原騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2頭を大きく先に行かせて追撃。コーナーワークで差を詰め、最内に進路を取った直線では仕掛けを待つ余裕を見せる。ラストは鞍上の指示へ機敏に反応し、格下相手ではあったがあっさり抜け出しそれぞれに先着を果たした。最後まで馬なりを保てており素軽さは1年ぶりだった前走時以上。万全の仕上がりだ。【7】

■マテンロウスカイ　助手騎乗　栗東坂路単走　掛かり気味ながら、フォームにまとまりはあり許容できる範囲。活気十分で素軽さも上々だ。ラストにかけやや脚勢が鈍るのはいつものことで、そこまでの懸念視は不要か。2回連続東京遠征の疲れはさすがにありそうだが、この馬の競馬はできるのでは。【6】

■レイベリング　助手騎乗　美浦ウッド単走　1週前のウッド3頭併せで速い時計を出しており、今週はゆったり入ってラストの反応を磨く内容。緩いペースで若干の力みは感じさせたが、外ラチ沿いに誘導された直線では体を大きく使って加速できていた。あと少し素軽さは欲しい感はあるものの、久々だった前走を快勝した反動はなく、順調。【6】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。