競馬サロン
血統サイエンティスト ドクトル井上
≪今週の動画・ブリーダーズカップ≫
▼アメリカ競馬の祭典をまとめておさらい!
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では日本時間日曜早朝にアメリカ・デルマー競馬場で開催されるブリーダーズカップ4競走の最終結論をば。発走順にBCターフから取り上げます。
■BCターフ
◎3 シャフリヤール
○11レベルスロマンス
▲2 エミリーアップジョン
☆4 ルクセンブルク
△6 ファーブリッジ
△5 ジェイアービー
△1 ローシャムパーク
△10ウイングスパン
【3連複/フォーメ】3=11,2,4=11,2,4,6,5,1,10(15点)
実績からいけば芝12FでGI6勝の実績を誇る一昨年の覇者レベルスロマンスなのだろうが、枠が気持ち外に入った印象がある。
しかも厄介なのが、すぐ内にクールモアのウイングスパンが入った点。"バリードイル"A.オブライエン厩舎の1stドライバー・R.ムーアが跨るルクセンブルクを利する動きをオーダーされている可能性があり、そうなるとレベルスロマンスを易々と内に入れないような動きをウイングスパン&W.ローダンが取ってくる予感も。
ウイングスパンが出脚のない差し馬ならレベルスロマンスはその鼻っ面を叩いて先行すれば良いだけなのだが、ここ2戦続けて逃げているようにウイングスパンには先行力がある。
大本命レベルスロマンスが小回りで外々を回され、距離ロスが負担としてのしかかる展開になったときに台頭するのは、インの好位でロスなく追走していた組だろう。
その発想のもと、◎はシャフリヤールに着地。
芝12FでC.デムーロが跨ったときは【1-2-1-1】でハイアベレージをマークしているうえ、かつては長い直線をスパッと追い込む馬だったのが、歳を重ねて兄アルアインに適性が寄ってきたのか、小回りを器用に走る馬に完成しつつある。
メディカルチェックをパスできず香港ヴァーズを断念し、ガバガバローテで無理やり使った昨年の有馬記念でも最内枠から器用に捌いて5着に食い込んだように、「距離適性長めのアルアイン」にキャラチェンジが完了したのなら、小回りデルマーの12Fはズバリの適条件だろう。
ドバイSCでのレベルスロマンスとの2馬身差は道中のポジショニングで逆転可能。世界を股にかける「空飛ぶ日本ダービー馬」に3つ目のタイトルを期待したい。
○レベルスロマンスはさすがに地力&実績最上位。昨年の不振からは完全に立ち直った模様で、それどころかもう一段階強くなった感じもある。牝祖はヴィクトワールピサやアサクサデンエンと同じマッチトゥリスキー。いやはや世界を股にかけてこのファミリーは優秀ですなぁ……。
▲エミリーアップジョンは久々にL.デットーリとコンビ結成。これまでに同馬が制したGIの鞍上はいずれもフランキー。今年この馬の鞍上を務めたシューマークでは動かし切れていない感じがあっただけに、この手替わりは大幅加点だ。
3着だったヴェルメイユ賞の上位2頭は凱旋門賞でもワンツーを決めたブルーストッキングとアヴァンチュール。ハイレベル戦だったと思えば、割り引く必要もなかろう。
☆ルクセンブルクは12Fベスト。このレースで毎年のように好走馬を送り出すA.オブライエン厩舎が主戦のR.ムーアを乗せているわけだから、勝負がかりなのはこの馬だろう。
馬券は◎から○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
■BCクラシック
◎2 ハイランドフォールズ
○11シエラレオーネ
▲3 シティオブトロイ
△9 フィアースネス
△1 フォーエバーヤング
△12アーサーズライド
△6 デルマソトガケ
△7 ウシュバテソーロ
【3連複/フォーメ】2=11,3=11,3,9,1,12,6,7(11点)
【馬連】2=11,3,9,1(4点)
日米欧3歳3強対決が喧伝される今年のBCクラシックだが、シティオブトロイは初ダート、フォーエバーヤングは最内枠、フィアースネスは外から被されると途端に挙動が怪しくなり、とそれぞれに不安要素が見え隠れ。
デルマーのダートコースは直線入り口からゴール板までが280mほど。KYダービーのチャーチルダウンズが約380m、トラヴァーズSのサラトガが約350mなのと比べるとかなり短いのが分かる。基本は先行馬が有利なコース。
ということで、やや強引ながら◎ハイランドフォールズに着地。前走のジョッキークラブ金杯はタイムこそ平凡だったが、2番手から人気の逃げ馬アーサーズライドを競り潰した競馬は、父も母もBC勝ち馬という良血馬の本格化を感じさせた。
どう見てもF.プラに乗り捨てられた履歴ではあるが、B.コックスのお抱えジョッキーのひとりであるL.サエスへの乗り替わりならまだマイナスも少なかろう。それにジェルーにしろプラにしろ初騎乗で勝利に導いているのだから、それほど乗り難しい馬でもなさそうだ。
オークローンハンデやブレイムSを見るかぎり、砂を被ってもなおファイトする根性は備えているし、母ラウンドポンドがBCディスタフを勝った時も好位のインから直線で最内を突く競馬だった。その再現ができれば面白い。
逃げるアーサーズライドの後ろにつけて直線捌く競馬ができれば一発の期待ができるはず。高配当の使者はこの馬だ。
○も3強以外からシエラレオーネを抜擢。KYダービーがそうだったように直線で異様にササる馬なのだが、それでも末脚は堅実。
好位はゴチャつきそうなので、それを見ながら運び外をぐるっと回せるこの馬に展開が向くと見る。着狙いならこの馬が最も有力では。
▲シティオブトロイはA.オブライエンの悲願に挑む。ジャイアンツコーズウェイやガリレオも達成できなかったBCクラシック制覇なるか。
とはいえ砂を被った時にどんな挙動を示すかが未知数。レースコースギャロップで練習させたとはいえ、オールウェザーと本馬場のキックバックはだいぶ違うと思うのだが果たして。
△フィアースネスは気分よく走れないと打点の高さを活かせない典型的なアメリカン。外にアーサーズライドがいる並びはあまり歓迎できない。序盤の捌き次第だが、ピンかパーかになりそうで。
△フォーエバーヤングはこの枠だと勝負どころでマトモにキックバックを浴びてしまいそうなのが辛い。基本は外を回して上がっていきたい馬であり、小回りデルマーでワンテンポ待たされるのはプラスにはならないだろう。
馬券は◎から○▲を2列目に置いた3連複フォーメーションと、◎から3歳馬に流した馬連で。
■BCフィリー&メアターフ
◎4 ウォーライクゴッデス
○7 コンテント
▲3 シンデレラズドリーム
☆9 アニセット
△8 ハングザムーン
△5 ディディア
△2 フルカウントフェリシア
△1 ビューティフルラブ
【3連複/フォーメ】4=7,3,9=7,3,9,8,5,2,1(15点)
欧州勢の強いレースではあるが、コンテントは重馬場だったにしてもやっぱり近走が負け過ぎだし、シンデレラズドリームは初めての11Fがこなせるか分からんということで、アメリカのタフネス牝馬・◎ウォーライクゴッデス姐さんに着地。
近2年のBCではフィリー&メアターフが10F以下の設定だったため、距離重視で牡馬相手のターフへと参戦していた姐さん。ただ、デルマー開催だと適距離たる11Fの設定なので、牝馬限定戦であるこちらの方が戦いやすい。
アメリカの芝GIを牛耳るイングリッシュチャンネル産駒で、当然ながら適性は問題なし。7歳の年齢もあって最盛期ほどではないものの、前走・ジョーハーシュTCの2着を見るにまだまだ力は一線級。好枠を引いたここは悲願のBC制覇を目指す。
○コンテントはヨークシャーオークス勝ち馬。距離を延ばした5走前から軌道に乗り、3走前のヨークシャーオークスでGI初勝利。ここ2戦は重馬場に敗因を求めれば良馬場の今回は巻き返しがある。一昨年のチューズデーのパターンですな。
ただ、当初は同厩舎のイランイランにR.ムーア騎乗が予定だったというのがちょっと引っかかる。結果的にはイランイランの回避でムーアが戻ってきたにせよ、コンテントが勝負がかりだったのなら、最初からこちらにムーアを配していたと思うのだけれど……。
▲シンデレラズドリームはアメリカ芝適性を既に示しているのが好感。UAE1000ギニーでは鞍上W.ビュイックが天神乗りになってもブッ千切った。天神乗りと聞いてスプリングカエサル白浜を思い出した人は素直に手を上げて。
シンデレラズドリームの場合、問題になるのは11Fの距離だけだろう。実はこの馬、10Fすら未経験だったりする。牝系は8-9Fベストに見えるだけにその点がどうか。
☆アニセットが穴候補。
デルマーではデルマーオークス勝ちを含め、4戦して3勝3着1回。唯一の3着が前走のジョンCメイビーS。最内枠からロスなく抜け出したわりにはあっさり止まって、最後は外のハングザムーンに喰われてしまったわけだが、早めに抜け出し過ぎて馬が遊んだようにも見えた。
芝では3着を外したことがないうえに、GI3勝の実績もご立派。デルマーのコーナーを器用に捌ける機動力があって、コース適性はメンバー屈指。前走の敗戦で人気を落とすようなら狙いが立つ。
馬券は◎から○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
■BCマイル
◎6 ノータブルスピーチ
○7 ポータフォーチュナ
▲3 ジオグリフ
☆8 モアザンルックス
△12カールスパクラー
△9 ヨハネス
△2 チリフラッグ
【3連複/フォーメ】6=7,3,8=7,3,8,12,9,2(12点)
当レース3連覇中の「ビュイック&アップルビー&ゴドルフィン」トリオが送り出す欧州3歳マイル王・◎ノータブルスピーチから入る。
トリオの4連勝に注目が集まるが、実は3連覇したスペースブルース、モダンゲームズ、マスターオブザシーズはいずれもドバウィの産駒で、それはノータブルスピーチも同様。厩舎サイド、そしてオーナーサイドも北米の芝に適性のありそうな血統を選んで連れてきている様子がうかがえる。
シーキングザゴールド、ダンシングブレーヴ、コロラドダンサー≒シャリーフダンサー、ハイハット≒オリオールなどが共通する父母相似配合でマイルでの高い能力は父ドバウィ譲り。
その一方で、牝系は日本でスプラウテイング(JRAのダート短距離で3勝)などが出る軽い牝系であるため、タフなアスコットや重馬場のパリロンシャンでは最後のひと押しを欠く。その点でいくと、良馬場で平坦のデルマーは理想的な舞台。好位から中団あたりで脚を溜められれば、この馬の瞬発力が一枚上手と見る。
○ポータフォーチュナは欧州3歳マイル女王。2歳時にBC遠征を経験しているのも心強い。ラマチュエルが回避したので牝馬はこの馬を最上位に。
▲ジオグリフはロスなく捌ける枠を引いた。
マイルの距離はやや短いかもだが、「直線平坦」の「コーナー4つ」は、アロマティコ的、アンデスレディー的、ペルースポート的にはドンピシャの条件。インで我慢してひと脚使う競馬になればワンチャンス。
☆モアザンルックスは昨年の当レースで勝ち馬から0秒3差の6着。今年に入ってからはフォースターデイヴHC、クールモアターフマイルと2戦連続でカールスパクラーの2着。
一見、カールスパクラーとの勝負付けは済んだようにも思えるが、フォースターデイヴは9カ月の休み明け、クールモアターフマイルは直線で捌き捌きでカニ歩きメインとなり、力を出し切ったとは言えない内容だった。
確かに不器用な馬なのだが、一発あるとすれば馬群と関係ない位置で競馬をするこういうタイプの馬だろう。直線遅刻しての3着狙いで。
馬券は◎から○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
再びデルマーに日本馬旋風が吹き荒れるのか。明日はちょっと早起きしてアメリカ競馬の祭典を見守りたい。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【血統診断/アルゼンチン共和国杯】血統サイエンティスト・ドクトル井上
【DATA診断/アルゼンチン共和国杯】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/アルゼンチン共和国杯】調教ライター・西村武輝
2024/11/02 13:15
ブリーダーズカップ2024 最終結論【血統】今年もデルマーで日本馬旋風!? 4競走をまとめて斬る!
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≪今週の動画・ブリーダーズカップ≫
▼アメリカ競馬の祭典をまとめておさらい!
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では日本時間日曜早朝にアメリカ・デルマー競馬場で開催されるブリーダーズカップ4競走の最終結論をば。発走順にBCターフから取り上げます。
■BCターフ
◎3 シャフリヤール
○11レベルスロマンス
▲2 エミリーアップジョン
☆4 ルクセンブルク
△6 ファーブリッジ
△5 ジェイアービー
△1 ローシャムパーク
△10ウイングスパン
【3連複/フォーメ】3=11,2,4=11,2,4,6,5,1,10(15点)
実績からいけば芝12FでGI6勝の実績を誇る一昨年の覇者レベルスロマンスなのだろうが、枠が気持ち外に入った印象がある。
しかも厄介なのが、すぐ内にクールモアのウイングスパンが入った点。"バリードイル"A.オブライエン厩舎の1stドライバー・R.ムーアが跨るルクセンブルクを利する動きをオーダーされている可能性があり、そうなるとレベルスロマンスを易々と内に入れないような動きをウイングスパン&W.ローダンが取ってくる予感も。
ウイングスパンが出脚のない差し馬ならレベルスロマンスはその鼻っ面を叩いて先行すれば良いだけなのだが、ここ2戦続けて逃げているようにウイングスパンには先行力がある。
大本命レベルスロマンスが小回りで外々を回され、距離ロスが負担としてのしかかる展開になったときに台頭するのは、インの好位でロスなく追走していた組だろう。
その発想のもと、◎はシャフリヤールに着地。
芝12FでC.デムーロが跨ったときは【1-2-1-1】でハイアベレージをマークしているうえ、かつては長い直線をスパッと追い込む馬だったのが、歳を重ねて兄アルアインに適性が寄ってきたのか、小回りを器用に走る馬に完成しつつある。
メディカルチェックをパスできず香港ヴァーズを断念し、ガバガバローテで無理やり使った昨年の有馬記念でも最内枠から器用に捌いて5着に食い込んだように、「距離適性長めのアルアイン」にキャラチェンジが完了したのなら、小回りデルマーの12Fはズバリの適条件だろう。
ドバイSCでのレベルスロマンスとの2馬身差は道中のポジショニングで逆転可能。世界を股にかける「空飛ぶ日本ダービー馬」に3つ目のタイトルを期待したい。
○レベルスロマンスはさすがに地力&実績最上位。昨年の不振からは完全に立ち直った模様で、それどころかもう一段階強くなった感じもある。牝祖はヴィクトワールピサやアサクサデンエンと同じマッチトゥリスキー。いやはや世界を股にかけてこのファミリーは優秀ですなぁ……。
▲エミリーアップジョンは久々にL.デットーリとコンビ結成。これまでに同馬が制したGIの鞍上はいずれもフランキー。今年この馬の鞍上を務めたシューマークでは動かし切れていない感じがあっただけに、この手替わりは大幅加点だ。
3着だったヴェルメイユ賞の上位2頭は凱旋門賞でもワンツーを決めたブルーストッキングとアヴァンチュール。ハイレベル戦だったと思えば、割り引く必要もなかろう。
☆ルクセンブルクは12Fベスト。このレースで毎年のように好走馬を送り出すA.オブライエン厩舎が主戦のR.ムーアを乗せているわけだから、勝負がかりなのはこの馬だろう。
馬券は◎から○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
■BCクラシック
◎2 ハイランドフォールズ
○11シエラレオーネ
▲3 シティオブトロイ
△9 フィアースネス
△1 フォーエバーヤング
△12アーサーズライド
△6 デルマソトガケ
△7 ウシュバテソーロ
【3連複/フォーメ】2=11,3=11,3,9,1,12,6,7(11点)
【馬連】2=11,3,9,1(4点)
日米欧3歳3強対決が喧伝される今年のBCクラシックだが、シティオブトロイは初ダート、フォーエバーヤングは最内枠、フィアースネスは外から被されると途端に挙動が怪しくなり、とそれぞれに不安要素が見え隠れ。
デルマーのダートコースは直線入り口からゴール板までが280mほど。KYダービーのチャーチルダウンズが約380m、トラヴァーズSのサラトガが約350mなのと比べるとかなり短いのが分かる。基本は先行馬が有利なコース。
ということで、やや強引ながら◎ハイランドフォールズに着地。前走のジョッキークラブ金杯はタイムこそ平凡だったが、2番手から人気の逃げ馬アーサーズライドを競り潰した競馬は、父も母もBC勝ち馬という良血馬の本格化を感じさせた。
どう見てもF.プラに乗り捨てられた履歴ではあるが、B.コックスのお抱えジョッキーのひとりであるL.サエスへの乗り替わりならまだマイナスも少なかろう。それにジェルーにしろプラにしろ初騎乗で勝利に導いているのだから、それほど乗り難しい馬でもなさそうだ。
オークローンハンデやブレイムSを見るかぎり、砂を被ってもなおファイトする根性は備えているし、母ラウンドポンドがBCディスタフを勝った時も好位のインから直線で最内を突く競馬だった。その再現ができれば面白い。
逃げるアーサーズライドの後ろにつけて直線捌く競馬ができれば一発の期待ができるはず。高配当の使者はこの馬だ。
○も3強以外からシエラレオーネを抜擢。KYダービーがそうだったように直線で異様にササる馬なのだが、それでも末脚は堅実。
好位はゴチャつきそうなので、それを見ながら運び外をぐるっと回せるこの馬に展開が向くと見る。着狙いならこの馬が最も有力では。
▲シティオブトロイはA.オブライエンの悲願に挑む。ジャイアンツコーズウェイやガリレオも達成できなかったBCクラシック制覇なるか。
とはいえ砂を被った時にどんな挙動を示すかが未知数。レースコースギャロップで練習させたとはいえ、オールウェザーと本馬場のキックバックはだいぶ違うと思うのだが果たして。
△フィアースネスは気分よく走れないと打点の高さを活かせない典型的なアメリカン。外にアーサーズライドがいる並びはあまり歓迎できない。序盤の捌き次第だが、ピンかパーかになりそうで。
△フォーエバーヤングはこの枠だと勝負どころでマトモにキックバックを浴びてしまいそうなのが辛い。基本は外を回して上がっていきたい馬であり、小回りデルマーでワンテンポ待たされるのはプラスにはならないだろう。
馬券は◎から○▲を2列目に置いた3連複フォーメーションと、◎から3歳馬に流した馬連で。
■BCフィリー&メアターフ
◎4 ウォーライクゴッデス
○7 コンテント
▲3 シンデレラズドリーム
☆9 アニセット
△8 ハングザムーン
△5 ディディア
△2 フルカウントフェリシア
△1 ビューティフルラブ
【3連複/フォーメ】4=7,3,9=7,3,9,8,5,2,1(15点)
欧州勢の強いレースではあるが、コンテントは重馬場だったにしてもやっぱり近走が負け過ぎだし、シンデレラズドリームは初めての11Fがこなせるか分からんということで、アメリカのタフネス牝馬・◎ウォーライクゴッデス姐さんに着地。
近2年のBCではフィリー&メアターフが10F以下の設定だったため、距離重視で牡馬相手のターフへと参戦していた姐さん。ただ、デルマー開催だと適距離たる11Fの設定なので、牝馬限定戦であるこちらの方が戦いやすい。
アメリカの芝GIを牛耳るイングリッシュチャンネル産駒で、当然ながら適性は問題なし。7歳の年齢もあって最盛期ほどではないものの、前走・ジョーハーシュTCの2着を見るにまだまだ力は一線級。好枠を引いたここは悲願のBC制覇を目指す。
○コンテントはヨークシャーオークス勝ち馬。距離を延ばした5走前から軌道に乗り、3走前のヨークシャーオークスでGI初勝利。ここ2戦は重馬場に敗因を求めれば良馬場の今回は巻き返しがある。一昨年のチューズデーのパターンですな。
ただ、当初は同厩舎のイランイランにR.ムーア騎乗が予定だったというのがちょっと引っかかる。結果的にはイランイランの回避でムーアが戻ってきたにせよ、コンテントが勝負がかりだったのなら、最初からこちらにムーアを配していたと思うのだけれど……。
▲シンデレラズドリームはアメリカ芝適性を既に示しているのが好感。UAE1000ギニーでは鞍上W.ビュイックが天神乗りになってもブッ千切った。天神乗りと聞いてスプリングカエサル白浜を思い出した人は素直に手を上げて。
シンデレラズドリームの場合、問題になるのは11Fの距離だけだろう。実はこの馬、10Fすら未経験だったりする。牝系は8-9Fベストに見えるだけにその点がどうか。
☆アニセットが穴候補。
デルマーではデルマーオークス勝ちを含め、4戦して3勝3着1回。唯一の3着が前走のジョンCメイビーS。最内枠からロスなく抜け出したわりにはあっさり止まって、最後は外のハングザムーンに喰われてしまったわけだが、早めに抜け出し過ぎて馬が遊んだようにも見えた。
芝では3着を外したことがないうえに、GI3勝の実績もご立派。デルマーのコーナーを器用に捌ける機動力があって、コース適性はメンバー屈指。前走の敗戦で人気を落とすようなら狙いが立つ。
馬券は◎から○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
■BCマイル
◎6 ノータブルスピーチ
○7 ポータフォーチュナ
▲3 ジオグリフ
☆8 モアザンルックス
△12カールスパクラー
△9 ヨハネス
△2 チリフラッグ
【3連複/フォーメ】6=7,3,8=7,3,8,12,9,2(12点)
当レース3連覇中の「ビュイック&アップルビー&ゴドルフィン」トリオが送り出す欧州3歳マイル王・◎ノータブルスピーチから入る。
トリオの4連勝に注目が集まるが、実は3連覇したスペースブルース、モダンゲームズ、マスターオブザシーズはいずれもドバウィの産駒で、それはノータブルスピーチも同様。厩舎サイド、そしてオーナーサイドも北米の芝に適性のありそうな血統を選んで連れてきている様子がうかがえる。
シーキングザゴールド、ダンシングブレーヴ、コロラドダンサー≒シャリーフダンサー、ハイハット≒オリオールなどが共通する父母相似配合でマイルでの高い能力は父ドバウィ譲り。
その一方で、牝系は日本でスプラウテイング(JRAのダート短距離で3勝)などが出る軽い牝系であるため、タフなアスコットや重馬場のパリロンシャンでは最後のひと押しを欠く。その点でいくと、良馬場で平坦のデルマーは理想的な舞台。好位から中団あたりで脚を溜められれば、この馬の瞬発力が一枚上手と見る。
○ポータフォーチュナは欧州3歳マイル女王。2歳時にBC遠征を経験しているのも心強い。ラマチュエルが回避したので牝馬はこの馬を最上位に。
▲ジオグリフはロスなく捌ける枠を引いた。
マイルの距離はやや短いかもだが、「直線平坦」の「コーナー4つ」は、アロマティコ的、アンデスレディー的、ペルースポート的にはドンピシャの条件。インで我慢してひと脚使う競馬になればワンチャンス。
☆モアザンルックスは昨年の当レースで勝ち馬から0秒3差の6着。今年に入ってからはフォースターデイヴHC、クールモアターフマイルと2戦連続でカールスパクラーの2着。
一見、カールスパクラーとの勝負付けは済んだようにも思えるが、フォースターデイヴは9カ月の休み明け、クールモアターフマイルは直線で捌き捌きでカニ歩きメインとなり、力を出し切ったとは言えない内容だった。
確かに不器用な馬なのだが、一発あるとすれば馬群と関係ない位置で競馬をするこういうタイプの馬だろう。直線遅刻しての3着狙いで。
馬券は◎から○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
再びデルマーに日本馬旋風が吹き荒れるのか。明日はちょっと早起きしてアメリカ競馬の祭典を見守りたい。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
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