競馬サロン
2024/11/01 18:30
京王杯2歳ステークス2024 最終結論【血統】早熟短距離牝系をクラシック王道血統でカスタマイズすると…?
≪今週の動画・ブリーダーズカップ≫
▼アメリカ競馬の祭典をまとめておさらい!
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では土曜日の東京メイン・京王杯2歳Sの最終結論をば。
■考察
▼マイネルチケット
父はダノンバラードで、牝系は岡田総帥ゆかりのオカノブルー牝系。母エントリーチケットがそうだったように、この牝系は重馬場巧者が多いのが特徴で、マイネルチケット自身も稍重のサウジアラビアRCで3着に好走した。
父と母の並びからはどうやっても切れる脚はなさそうなので、土曜日の雨は歓迎。後は連続での関東輸送をこなせるかどうかだ。
▼ヒシアマン
登録していたサウジアラビアRCを熱発で取りやめてこちらへスライド。そのレースを快勝したのが新馬で接戦を演じたアルテヴェローチェだから評価は下がらない。
1400mの馬かどうかは何とも言えないが、少なくとも東京に替わるのは大きなマイナスにはならない。地力を評価する手はある。
▼ヤンキーバローズ
晩成ステイヤーに出やすいエピファネイア×ディープインパクトだが、この馬は6月の函館芝1200mで初勝利を挙げた。これは牝系の影響がかなり強く出ていると考えたい。
母キャンディバローズはファンタジーS勝ち、伯母ファインチョイスは函館2歳S勝ち&ファンタジーS3着、伯父アットウィルはクローバー賞勝ちと早期から活躍する馬が多いファミリーで、ヤンキーバローズの早熟性はここ由来だろう。
早熟スプリント牝系をエピファネイアとディープインパクトで芝の王道風味にカスタマイズしたと思えば、2歳の東京芝1400mは条件ズバリの感。岩田パパのイン差し炸裂なるか。
▼レモンバーム
バブルカムフェローが出たバブルカンパニーに遡る牝系で、その中でもバブルウイングスの枝に属する同馬。
バブルウイングスの枝は阪神JF勝ちのショウナンパントルや朝日杯FS2着のショウナンアチーヴ、東スポ杯3着のマイネルラフレシアなど、2歳時に好走を固め打つ馬が多い。反対に賞味期限は短く、重賞好走期を終えるとその後のスランプも長いのが特徴。
充実期のバブルウイングスは昇級でも追いかける価値があるので、今回も拾う手はあろう。ジョーカプチーノ産駒なら馬場が渋っても無問題。後は枠さえ誤魔化せれば。
▼クラスペディア
父は新種牡馬のミスターメロディ。母ウンベラータは桜花賞&オークス3着のジェルミナルの全妹にあたる良血馬だ。
母父アグネスタキオンの部分だけノーザンダンサーを引かない配合バランスはグッドだし、ヘネシーにタキオンを持ってくるのは、かしわ記念勝ちのワイドファラオや兵庫JG3着のファシネートゼットなどといった、ヘニーヒューズ産駒でお馴染みのニックス。
4代父ヘネシーがハワイ経由で引くアリシドンに、タキオンのリマンド経由でアリシドンを合わせたうえで、祖母オンブルリジェール経由で同じ「ハイペリオン×ドナテッロ」のオリオールを合わせスタミナを補強したところを見ると、距離は1200mより1400mの方が良い。この条件ならもう一丁があっても。
▼エイシンワンド
2連勝中かつ今回唯一の重賞勝ち馬。1人気になって然るべき存在だろう。
配合的にはカーリアンにストームキャットを合わせるタイキシャトルの必殺パターンを踏襲した形になっていて、父と母父の位置関係こそひっくり返っているが、メイショウボーラーやレッドスパーダとやっていることの大枠は同じと言える。レッドスパーダがこの舞台で強かったように、ワンターンでスピードを活かせる舞台は歓迎だし、1400mの距離も問題ない。
ただこのパターンの馬は、上述のレッドスパーダにしろメイショウボーラーにしろ、揉まれず走れた時に最大打点をマークする傾向にある。エイシンワンドもここ2戦は外の3番手をグルッと先行する形で結果を残してきたので、この枠でヘンに揉まれた際のリスクは考えておきたい。敢えてすっ飛ぶ方にベットする手も。
■京王杯2歳Sの最終結論
◎4 ヤンキーバローズ
○6 ヒシアマン
▲11マイネルチケット
☆10クラスペディア
△3 エイシンワンド
△13レモンバーム
△7 パンジャタワー
△9 バニーラビット
【馬連】4=6,11,10,3,13,7,9(7点)
【3連複/フォーメ】4=6,11,10=6,11,10,3,13,7,9(15点)
◎ヤンキーバローズの1400m適性にベットしたい。函館2歳Sはイン前有利の決着を外から追い込んで4着。馬場バイアスを考えれば悪くない結果だった。
函館2歳S差し損ね組はその後かなりの活躍を見せていて、4角11番手6着のリリーフィールドはもみじS勝ち、4角11番手8着のチギリは1勝クラスで2着、4角11番手9着のヴーレヴーはシンガポールTC賞2着→りんどう賞勝ち、4角9番手10着のエメラヴィはりんどう賞2着と、軒並み次走以降で成績を向上させた。
ということで、上がり2位で4着まで押し上げたヤンキーバローズもサルベージが利くだろうという狙いもあったり。ヤンキースはワールドシリーズで負けてしまったが、こっちのヤンキーはなんとか勝ってくれんかね?
馬券は◎からの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【血統診断/アルゼンチン共和国杯】血統サイエンティスト・ドクトル井上
【DATA診断/アルゼンチン共和国杯】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/アルゼンチン共和国杯】調教ライター・西村武輝
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