≪今週の動画・コックスプレート≫
▼プログノーシスのライバルは!?　出走馬を徹底分析！




皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

この記事では土曜日の京都メイン・スワンSの最終結論をば。

■考察
京都開催のスワンSにおけるディープインパクト産駒の通算成績は【4-2-1-10】で勝率23.5％、複勝率41.2％。父ディープインパクト系という広い括りにしても【4-3-1-12】で複勝率40.0％と数字はほぼ変わらず。

また父ディープ系で好走した馬はドローンやサーアイヴァー、ロードゲイロードなど、サーゲイロード血脈を母から引いていた馬が多いのも特徴。16年2着のサトノルパンや17年1着のサングレーザー、20年1着のカツジなどがこの条件をクリアしていた。ディープの母父アルザオが抱えるサーゲイロードを標的にした仕掛けが効果的と見る。

▼スズハローム
父はディープ系サトノダイヤモンド。母アイラインは芝1400mのオープン特別で活躍した追い込み馬だった。

その母はダンシングブレーヴ3×3という強烈なクロスが特徴。ディープとダンシングブレーヴの組み合わせはサトノルパンと同じ。ダンシングブレーヴがサーゲイロードを引くので、父ディープ系の注目パターンに合致する。

前走のCBC賞では内枠から馬群を捌いて2着好走。揉まれ弱さが指摘される馬があの形で好走したところを見ると、ここへきてもうひと段階レベルアップした感も。母も1400mベストだったことから、今回の200m延長はプラスと見る。

サトノグランツ、シンリョクカと同じ「サトノダイヤモンド＆カーリアン」の組み合わせ。重賞で足りるサトノダイヤモンドの配合パターンなので、ここは重い印を回したい。

▼クランフォード
父はブリックスアンドモルタル。母エンジェルフェイスはフラワーCの勝ち馬で、オークスでも3人気に支持された素質馬だった。

祖母ワンフォーローズから連なる牝系はキャトルフィーユ（クイーンS）にしろ、レディアルバローザ（中山牝馬S）にしろ、アルジーヌ（クイーンS3着）にしろ、内回りや急坂コースなどパワーが要るコース向きの馬が多いのだが、クランフォードの場合は、セクレタリアト≒サーゲイロードが強く出たようで京都外1400mで2戦2勝。この牝系らしからぬ走りっぷりで、しかもどちらも圧勝ときた。

揉まれたくないブリックスアンドモルタル産駒なので、ここも行き切れるようなら。

▼ウインカーネリアン
スワンSで意外と穴になるのがグラスワンダー系の先行馬。昨年10人気1着のウイングレイテストや18年8人気3着グァンチャーレ、もっと遡れば08年5人気1着のマイネルレーニアなど、なかなかの配当を連れてくることが多い。

安田記念こそ14着と大敗したが高松宮記念では4着と力を見せた。前走の大敗で人気を落とすようなら逆張り的に狙う手も。

▼サーマルウインド
ディープとサーゲイロードの組み合わせという点で、変則的ながらこの馬も取り上げたい。3代母がディープの母ウインドインハーヘアで、父ドレフォンの牝系にはハビタット経由でサーゲイロードが入る。ディープの注目パターンをひっくり返した形になっており、レース適性は低くないはず。

直線平坦コースは新潟でリステッド好走歴あり。2着だった朱鷺Sの勝ち馬はテンハッピーローズで、3着はルガル。後のGI馬2頭に挟まれての2着であれば着順以上の価値があろう。

母父スペシャルウィークとあって、できれば外枠が良かったが、Aコース4週目なので直線での各馬の進路取りはバラけそう。うまく捌けるようなら面白い。

■スワンSの最終結論
◎8 スズハローム
○4 クランフォード
▲9 ウインカーネリアン
☆1 サーマルウインド
△14 アグリ
△5 トゥラヴェスーラ
△17ダノンマッキンリー
△12ダノンスコーピオン
△10ピンハイ

【馬連】8＝4,9,1,14,5,17,12,10（8点）
【3連複/フォーメ】8＝4,9,1＝4,9,1,14,5,17,12,10（18点）

◎スズハロームの差し切りに期待したい。直線だけで撫で切ったちょうど1年前の2勝クラスを見ると、配合どおりこのコースは合っている。

鞍上の鮫島駿騎手もこの馬が揉まれ弱いのは分かっているようで、直線ではキチンと外に出す意識がある模様。下り坂から勢いに乗って、そのまま外を回す競馬でなにとぞ。

馬券は◎からの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。

＜プロフィール＞
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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