≪今週の動画・コックスプレート≫
▼プログノーシスのライバルは!?　出走馬を徹底分析！


皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

この記事では日本時間の土曜15時10分にオーストラリアのムーニーバレー競馬場で開催される・コックスプレート（GI、芝2040m）の最終結論をば。

■考察
近10年で父ストリートクライ系の競走馬が5勝。このうち4勝が歴史的名牝ウィンクスによるものなので、単純にこの数字を鵜呑みにするわけにもいかないだろうが、21年2着＆22年1着のアナモーや22年2着のアイムサンダーストラック（いずれも父父ストリートクライ）や23年1着のロマンチックウォリアー（母父ストリートクライ）など、ウィンクス以外にも近い代にストリートクライの血を引く馬の好走事例は少なくない。

また、レースの舞台となるムーニーバレー競馬場は超独特なコース形状で、コースの概形は楕円ではなく長方形。そのうえ、長方形の短辺を最後の直線として使用するというトリッキーなコース。

今年は少頭数になったとはいえ、コーナーではどうしても外へ振られるので、なるべくロスを抑えて進められる内枠の馬だったり、ラチを頼りやすい脚質の馬にアドバンテージが生まれやすい。

ちなみにムーニーバレーは近々リニューアル予定。直線も300m強まで長くなるとのことで、このトリッキーなコースの馬券を日本で買えるのは今回が最後になるかも。

■コックスプレートの最終結論
◎6 プライドオブジェニ
○8 ブロードサイディング
▲2 プログノーシス
☆7 ヴィアシスティーナ
△1 ミスターブライトサイド
△5 ドックランズ
△9 エヴァポレイト

【単勝】6（1点）
【3連複/フォーメ】6＝8,2,7＝8,2,7,1,5,9（12点）

◎プライドオブジェニの逃げ切りに期待する。好相性のストリートクライ系プライドオブドバイの産駒であり、4月の中距離王決定戦・クイーンエリザベスSでは文字どおり後続に影を踏ませない圧巻の逃げ切り勝ち。

今回の出走馬を見ると、ヴィアシスティーナにしろ、プログノーシスにしろ、ブロードサイディングにしろ、有力馬は中団以降から進める馬が多い。

恐らくはミスターブライトサイドが番手に嵌る形になるだろうが、この馬も2000mで強気に動けるほど距離に自信があるわけではない。となると、ノープレッシャーで逃げを打てるプライドオブジェニがそのまま粘り切る可能性は高いと見たい。

同馬が本格化した23-24シーズン以降、良馬場の1600m以上では【1-2-0-0】で連対率100％。軽いスピードで先行する馬なのでタフ馬場は歓迎できないところだったが、今週のメルボルン地方は比較的穏やかな天気が続いた。軽馬場で直線の短いムーニーバレーなら逃げたプライドオブジェニが止まらないでしょう？　というシンプルな発想で。

○ブロードサイディングは3歳馬で49.5キロの斤量。馬の世界での南半球3歳10月は北半球でいうところの3歳4月。大阪杯に3歳馬が出走すると思えば、斤量差は10キロくらいあっても問題なかろうというもの。

かつてアナモーを3歳でコックスプレートに挑戦させ2着に走らせたカミングス厩舎とゴドルフィンのタッグがわざわざここを使ってくるあたり、相当の手応えを感じているものと見る。母父ストリートクライの文字列も後押しに。

後は距離さえこなせれば。トゥーダーンホット産駒なのでマイル前後がベストだろう。斤量差で色々と誤魔化したい。

▲プログノーシスは3番手評価。実力はここでもトップクラスと見るが、この脚質とムーニーバレーのコース形状が果たしてどこまでマッチするか。リスグラシューを勝利に導いた名手D.レーンの手綱さばきに期待。

☆ヴィアシスティーナは最終追い切りでの放馬がどうにも気になる……。豪州移籍前は欧州牝馬戦線でトップを張っていた実力馬であり、牡馬相手の英チャンピオンSでも2着に好走した脚力は評価しつつ、アクシデントの影響は考えておきたい。

馬券は◎プライドオブジェニから2列目に○▲☆を置いた3連複フォーメーションが本線。日本馬プログノーシスの単勝が売れることを当て込んで、プライドオブジェニの単勝も買ってみたい。

＜プロフィール＞
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

＝重賞深掘りPROJECT関連動画＝
【血統診断診断／天皇賞・秋】血統サイエンティスト・ドクトル井上


【DATA診断／天皇賞・秋】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【調教診断／天皇賞・秋】調教ライター・西村武輝