競馬サロン
2024/10/25 18:30
アルテミスステークス2024 最終結論【血統】前受けできる強いマイラーがいるのなら…!
≪今週の動画・コックスプレート≫
▼プログノーシスのライバルは!? 出走馬を徹底分析!
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では土曜日の東京メイン・アルミテスSの最終結論をば。
■考察
後のGIに繋がるレースとあって今年も有力馬が集まった。有力馬の距離適性をざっくり分類すると以下のイメージ。
【マイル向き】
ショウナンザナドゥ、ミリオンローズ
【中距離向き】
カムニャック、ブラウンラチェット、マイエレメント
ペースを考えるうえでポイントになるのがショウナンザナドゥの存在。ここ2戦高速決着を番手で進め、逃げ馬をつつくようなレースを続けているので、恐らくは今回もそんな競馬になりそう。最内枠のミストレスが逃げて、それを2番手から追いかけ、それにミリオンローズあたりが続く展開になるはず。
ブラックタイド×バクシンオーの"キタサンブラック配合"カムニャック、フォーエバーヤングの半妹ブラウンラチェット、"菊花賞特注配合"エピファネイア×ディープインパクトのマイエレメントは、マイラーの土俵を追いかけて追走力が足りるか否かがポイントになる。
▼カムニャック
前走の新馬戦@中京芝2000mは圧巻の内容。スローだったとはいえレースのラスト2Fは10.9→10.9で10秒台を2本並べ、自身の上がり3Fは33秒9。
2歳時に中京芝2000mで上がり600m33秒台を記録して勝利した馬には、ワグネリアン、ステイフーリッシュ、オープンファイア、ハーツコンチェルト、ファントムシーフなど後の活躍馬がズラリ。前走の内容だけでオークスの有力候補に名乗りを上げたと考えて良い。
ただ配合を見ると、キタサンブラックと同じ父ブラックタイド×母父サクラバクシンオーに、祖母がエルコンドルパサー×ダンスパートナーという距離があって良さそうな組み合わせ。
ショウナンザナドゥがマイラーの土俵のペースを作るとすると、追走で脚を使って伸び切れないリスクは考えておきたい。
またこの配合なので完成は前受けできるようになった時なのでは? という感も。大物感はナンバーワンなので、今回はスケールの差でどこまでやれるか。
▼ショウナンザナドゥ
半姉ミスエルテはファンタジーS勝ち馬で、同じく半姉ミアネーロはフラワーC、紫苑Sと重賞2勝。母はアメリカの2歳GI勝ち馬であり、早期から動ける牝系だ。
京都内1600mの新馬戦は2着に敗れたとはいえ、走破タイムの1分33秒9も上がり600m33秒8も優秀な数字。普通なら勝っている競馬だった。
逃げ切った勝ち馬ダノンフェアレディとは4角のコーナリングの差だけ。
勝負どころのコーナーで先に手が動いたのは番手に控えていたショウナンの方で、直線入り口で1馬身くらい離された。反対に直線で勢いに乗ってからは徐々にダノンとの差を詰め、最後は半馬身まで追い上げたところを見ると、ショウナンは母父プルピットの影響も強い大箱向きの馬と見る。
完成度の高いマイラーで舞台適性としてはメンバー屈指。大崩れは考えにくい。
▼ミリオンローズ
母マンビアの産駒はこれまでJRAに7頭が出走していずれも勝利を挙げている。ミリオンローズは父がスワーヴリチャードなので、中距離でOPまで出世したサンテローズ(父ハーツクライ)の3/4妹にあたる。
リファール5×5にシアトルスルー5×5なので、大箱を前で我慢する競馬が理想。東京替わりは悪くない。
ただマンビア仔は1400mの重賞を制した母の影響が強く出るのか、上述のサンテローズ以外は何を付けても短距離馬に出ているのが少々気がかり。キングマンでも、ヴィクトワールピサでも、キタサンブラックでも、ドゥラメンテでも、キズナでも短距離馬が出るのはある意味恐ろしい。
ミリオンローズも引っかかる気性で、ベストは1400mという感じも。この中間はソフトタッチな稽古を意識しているようでそれが良い方に出れば。
▼ブラウンラチェット
キズナ産駒で、来週BCクラシックに挑戦するリアルスティール産駒・フォーエバーヤングの半妹。キズナもリアルスティールもディープ×ストームキャットなので血統構成としてはかなり似通っている。
新馬戦の走りを見ても、兄と同じく中距離馬らしい中距離馬だろう。カムニャックと同じくマイラーの土俵をキチンと追走できるかどうか。
とはいえ「秋の中山の加速ラップは大して価値がない」と思っている人間なので、どう見ても優秀な上がりを使ったカムニャックよりは評価は下がる。
▼マイエレメント
こちらはエピファネイア×ディープインパクトの組み合わせ。この配合はアリストテレスにしろ、エピファニーにしろ、オーソクレースにしろ、ディヴァインラヴにしろ、パンとするのは3歳の夏を過ぎてからのイメージがある。
長めの距離で良さが出る配合でもあり、マイル戦らしいマイルの流れになったときは追走で力を削がれないかが心配。
▼クレオズニードル
朝日チャレンジCを制したアルキメデスの3/4妹。母アーキオロジーは名牝ブサンダ4×5のクロスを抱える優秀な繁殖牝馬だ。
クレオズニードルの場合、ロイヤルアカデミー≒ストームキャットのニアリークロスも特徴的。この組み合わせを抱えるファインニードル産駒は勝ち上がり率も高い。
中山マイルの新馬戦はマクリ気味に仕掛けて外から突き抜ける強い競馬。タイムはほどほどながらレースぶりは優秀だった。
マクって中山マイルを勝利した馬からは、時にサークルオブライフやメジャーエンブレムのようにアルテミスSで好走する馬が出る。渋った芝が得意なファインニードル産駒なので、ひと雨降るようならなお面白い。
■アルテミスSの最終結論
◎8 ショウナンザナドゥ
○5 ミリオンローズ
▲10カムニャック
☆11クレオズニードル
△4 シホリーン
△2 ブラウンラチェット
△3 マイエレメント
【馬連】8=5,10,11,4,2,3(6点)
【3連複/フォーメ】8=5,10,11=5,10,11,4,2,3(12点)
◎ショウナンザナドゥのマイラーとしての資質に期待したい。ここも楽に番手が取れそうなので、後は追い出しのタイミングのみ。後ろに脚を使わせるようなペースで走れれば楽しみは大きい。
ちなみに余談だが、今年の6月以降、「松下厩舎×ノーザンファーム生産馬」が異様なまでの好成績。【8-6-2-14】で複勝率53.3%とエゲつない数字になっている。
ノーザンファーム生産馬以外にもシルクのアーリントンロウが小倉2歳Sで3着に好走しているので、外厩・ノーザンファームしがらきとの連携が良化している感じも受ける。ショウナンザナドゥもそのパターン。その点でも注目したい。
馬券は◎からの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【血統診断診断/天皇賞・秋】血統サイエンティスト・ドクトル井上
【DATA診断/天皇賞・秋】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/天皇賞・秋】調教ライター・西村武輝
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