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血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/10/19 18:00

菊花賞2024 最終結論【血統】夢を追いたい淀3000m 下り坂巧者と超スタミナ牝系にホームランを託す

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≪今週の動画・菊花賞≫
▼淀の下り坂で差をつけろ!





皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

さてこの記事では日曜日の京都メイン・菊花賞の最終結論をば。

考察
JRA唯一の3000mのGIとあって独特の適性が求められる菊花賞。リアルシャダイ、サッカーボーイ、ダンスインザダークなど、菊花賞巧者の血筋が存在するのはその影響だろう。その一方で、このレースを不得手とする血があるのも当然の話だ。

菊花賞を苦手とする血のひとつがデインヒル。過去、京都開催の菊花賞におけるデインヒル内包馬の成績は【1-0-2-21】で、複勝率12.5%に留まる。スタミナ血統ヒズマジェスティこそ抱えるものの、デインヒルには快速血統ダンジグや北米屈指のパワーを誇るバックパサーなどが入るため、3000mへの適性とは別の方向を向いてしまうということか。

確かに昨年の菊花賞はデインヒル内包馬のドゥレッツァが勝ち、同じくデインヒルを内包するソールオリエンスが3着に好走したものの、昨年の菊花賞は3000mの能力検定として疑問符が付くレースであり、例年の傾向と異なるイレギュラーな菊花賞だったと考えたい。菊花賞の上位馬が翌年(=今年)の春天で揃って返り討ちにあったあたり、いわゆる「菊らしさ」とは遠い質のレースだったと見る。

デインヒル内包馬が馬券になったのが2001年のエアエミネム以来22年ぶりだったという点は、やはりその異質さを浮かび上がらせる。この間、ブラストワンピースやナカヤマフェスタ、シックスセンスなどといったデインヒル内包の人気馬がいながら好走馬が出なかったのは、シンプルに相性の悪さに由来するのでは? という発想。

なので今回のテーマは「デインヒルにキツい菊花賞が帰ってくる」ということで。デインヒル内包馬をエイヤっと下げて穴狙いといこうではないか。

レースの展開を考えると、序盤の隊列のオプションはエコロ逃げ、アレグロ逃げなども考えられるが、いずれにせよ途中でメイショウタバルがハナに立つことになろう。ガツンと緩むことはないはずで、淀みない流れで縦長の馬群を想定したい。

ヘデントール
父はルーラーシップ、母のコルコバードは丹頂S2着など長丁場で結果を残し、祖母エンシェントヒルはダートのOP特別を4勝。さらにはグロースターク7×5もあって、スタミナに関しては全くもって心配ご無用。むしろ延びて良さが出るだろう。

3勝クラスを制して菊花賞へ臨む馬は数が少ないものの、ここ10年だと18年5着のグローリーヴェイズと23年1着のドゥレッツァが該当。3歳夏の時点で古馬相手に3勝クラスを勝つのは確かな地力の証と言える。

前走の日本海Sは3番手から加速ラップを刻んで押し切り。2着馬に3馬身半差をつけたうえ、2着、3着は後方待機勢。相当に価値ある内容だった。

あとはチェルヴィニアと同じく「ルメール専用機」であるリスクをどこまで勘定に入れるか。大敗した青葉賞はオシェアがあまりにもだったとは言え、当代一の名手でないと動かない馬が存在するのも事実。そこだけだろう。

シュバルツクーゲル
父はキズナ、母ソベラニアは独オークス2着馬。牝系からはザムム、スキャパレリ、シーザムーンといった独ダービー馬が出る。重厚さタップリの本格派ファミリーだ。

ディープ系種牡馬にモンズンを合わせるとバークレア≒オリオールのニアリークロスになるため、長めの距離に向いた馬が出やすい。キズナだとその母キャットクイルからアクロポリスを引くので、バークレア≒アクロポリス≒オリオールのスタミナ増幅形を取れるのがミソ。長丁場への適性は出走馬中トップクラスと見る。

気難しく出やすいオリオール絡みのニアリーを強化する配合なので揉まれる枠・隊列だとイヤだったが、引いたのは6枠12番で、しかも縦長馬群を想定すれば、十分に力を発揮できるはず。

ヘデントールの項でも述べたように夏に3勝クラスを勝つ3歳馬は力がある。それがこのオッズなら買う価値があろうというもの。さすがに人気してなさ過ぎて不安になるがまぁ良かろう。重い印を回したい。

メイショウタバル
ステイゴールド系ゴールドシップ産駒で、母父フレンチデピュティはプリュムドール(ステイヤーズS2着)や春天勝ち馬レインボーライン(こちらは父ステイゴールド)と同じパターンで、母系には菊花賞特注血統ダンスインザダークが入る。

ここだけ見ると無条件で菊でホイホイされるべき血統なのだが、何ってあのレースぶりである。しかも最終追い切りの後に浜中騎手から「全く折り合えませんでした」という160キロ直球なコメント。さすがに白目をむいたよ、うん。

とはいえ、この血統の菊花賞出走馬に重い印を打たないのは流儀に反する。かけっこはいつだって前を走る馬が有利。どうせ潰れるだろうと思って軽視されるくらいが逃げ馬にとってはちょうど良い。何って舞台は淀の外回り。クイーンスプマンテとテイエムプリキュアをゆめゆめ忘るることなかれ。

前走の神戸新聞杯では、先行不利が喧伝され中京芝2200mを8枠から逃げ切ったのだから、潜在的なスタミナはここを勝ってもおかしくないはず。下り坂巧者、平坦巧者の出る血筋であり淀は最良の舞台と見る。

1人気のダノンデサイルに並ぶメンバー最多タイ、重賞2勝の実績に敬意を払う手はあろう。

ダノンデサイル
ご存じ今年の日本ダービー馬。昨年のタスティエーラに引き続き、今年も春の王者は直行での菊花賞参戦を選んだ。

エピファネイア産駒の長距離実績馬はブローザホーンにしろ、アリストテレスにしろ、オーソクレースにしろ、ディヴァインラヴにしろ、母から「ハイペリオン&ドナテッロ」血脈を引く共通項あり。これがエピファネイアの母父スペシャルウィークに入るオリオールと脈絡するがゆえに、長丁場への適性が表現されるものと仮説を立てているところ(詳細は天皇賞・春の記事をご覧いただけると)。

その点でいくとダノンデサイルはこの「ハイペリオン&ドナテッロ」血脈を母から引かない格好となっているためその点がどうか。

確かに母トップデサイルがグロースターク=ヒズマジェスティを3本引くので、スタミナの補給は問題なしという考えもあるだろうが、自ら提唱した仮説を舌の根が乾かぬうちに引っ込めるのは寝覚めが悪い。

それにダービーで46倍だった馬を菊花賞で2倍そこそこで買うのは筋悪な感じがあるし、個人的にはダノンデサイル選手には前走で3連複210倍とワイド80倍をもらった後なので、ここで深追いする必要性をあまり感じていないのも事実。「来たらしゃーない」で馬券を組むのを画策中。

菊花賞の最終結論
◎10メイショウタバル
○12シュバルツクーゲル
▲16ヘデントール
△7 ビザンチンドリーム
△1 ピースワンデュック
△15エコロヴァルツ
△18アレグロブリランテ


【単勝】10(1点)
【馬連】10=12,16,7,1,15,18(6点)
【ワイド】10=12,16,7,1,15,18(6点)
【3連複/軸1頭】10=12,16,7,1,15,18(15点)
【ワイド】12=16,7,1,15,18(5点)


◎はメイショウタバルとする。実馬云々を置いておいて配合だけ見るとこの馬に重い印を打たない選択肢がなかった。

手先が強い馬なので土曜の競馬で馬場が掘れているのも問題なし。むしろ他の馬が気にするようならプラスに働く。

逃げ切れるかどうか文字どおりのギャンブルで、2周目に入った時点で試合終了の危険性もあるがそれはそれでしょうがない。割り切ろう。

気付けばヒモも人気薄ばかりになったが、デインヒル内包馬をまとめて消したらこうなった。

ルメール騎乗でダンスインザダーク内包のアーバンシックなんて◎を打ってもおかしくないくらいではあるが、セントライト記念を制したデインヒル持ちって、ナカヤマフェスタにしろバビットにしろジェネラーレウーノにしろ菊花賞で結果が出ていないのも事実。その点だけでエイヤっと無印に。同じ文脈でセントライト記念2着のコスモキュランダも無印としている。

シュバルツクーゲルはタフな流れ歓迎。メイショウタバルが淀みなく引っ張り、ドイツ血統のスタミナが活きる展開になれば一発あっても驚けない。縦長想定ならドイツ血統の揉まれ弱さを出すリスクも低かろう。

少なくとも15番人気に留まるような馬ではないと思うのだけれど……。

ダノンデサイルは上述した理由で無印に。同じエピファネイア産駒ではビザンチンドリームの方を拾ったが、これはメイショウタバルの逃げで好位勢が全滅した時の外差し要員。

ビザンチンドリームも「ハイペリオン×ドナテッロ」を直接引くわけではないが、母父に入るステートペンションが「ブランドフォード、プリティポリー、ハイペリオン」の組み合わせ。薄目で見れば「ハイペリオン×ドナテッロ」みたいなもんだろうという論理展開で。

ピースワンデュックエコロヴァルツに関してはビザンチンドリームと同じくバークレア≒オリオールのスタミナに期待して。アレグロブリランテは極端に追走力がないだけで、3000mのペースならそこそこタフに走れそうに思うのだが。母は天皇賞・春を制したアドマイヤジュピタの全妹なわけだし。

馬券は◎メイショウタバルの単勝と馬連・ワイド・3連複。○シュバルツクーゲルからのワイドも押さえておこう。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・菊花賞】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【調教診断・菊花賞】調教ライター・西村武輝


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