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調教ライター 西村武輝

2024/10/18 18:00

富士ステークス2024 最終結論【調教】GI級の底力は必須 さらなるパワーアップが見込めるあの馬が本命【重賞深掘りPROJECT】

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【菊花賞 2024|調教診断】シン・王道ローテで臨むあの馬を【S評価】!

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秋の東京で行われる重賞競走はGI以外でも注目のレース揃い。

なかでも中長距離路線の強者が激突する「毎日王冠」、毎日王冠と同条件でエリザベス女王杯を意識する古馬牝馬が集う「府中牝馬S」、ジャパンCや有馬記念を意識する強豪馬が出走する「アルゼンチン共和国杯」など、芝GIIは例年いずれも見応えたっぷりの顔合わせとなりますね。

今週末行われる「富士S」も例に漏れず、トップマイラーたちの競演が毎年のように楽しめます。

一昨年は3歳セリフォスが古馬相手に勝ち切り、続くマイルCSも快勝。昨年はナミュールがここでチューリップ賞以来の勝利を挙げ、続くマイルCSで悲願のGI勝ちを達成と、2年続けて富士S勝ち馬が3週間後のGI・マイルCSを制すという、まさに秋のマイル王決定戦に向けての直結戦として機能。

ちなみに2021年勝ち馬ソングラインは体調戻らずマイルCSを回避したものの、出ていれば勝ち負けになったはず。2020年勝ち馬ヴァンドギャルドはマイルCSに出走し6着も、17頭立て16番ゲートの不利にくわえグランアレグリア、インディチャンプ、アドマイヤマーズが上位を占めるという過去最高レベルと言っていいメンバー構成でした。その後2年続けてドバイターフで上位に入っており高い地力を証明。

GII昇格後4年の成績を見ると、少なくともGI連対級の能力がないとまず勝ち負けにならない……と考えるべき一戦ということですね。

今年もここで勝った馬が連勝でマイルCSをかっさらうのか。刮目しましょう。

それではまず過去の調教傾向を探ることとし、過去3回の馬券対象馬9例を見ていきます。

最終追いは坂路5例、ウッド(すべて美浦ウッド)が4例で拮抗。最終追いの強度は「馬なり」が6例、「強め/仕掛け」が3例でした。3例ある「強め/仕掛け」はいずれも昨年2着のレッドモンレーヴのウッド5F68秒0-1F12秒1のように、全体はゆったり入り終いに味付け程度の負荷を掛けられたもの。

やはり東京芝重賞の最終追いは当週はなるべく軽めに済ませ、疲れを残さずリラックスした状態で挑むのがいいということか。

また坂路追い組5例に共通していたのは昨年の勝ち馬ナミュールの13秒0-11秒9、一昨年勝ち馬セリフォスの12秒8-11秒8のようにラスト2Fのラップが加速で締めくくれていたこと。東京芝での決め手比べに必須の条件と言っていいでしょう。

以上を踏まえ、まずは「富士S」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■ジュンブロッサム【8】
助手騎乗 栗東CW単走 1週前に強い負荷を掛けられており、輸送を控えた今週は馬の気分に任せたような内容。序盤はいかにもリラックスムードで、直線に入っても遊び遊び走っているような雰囲気。そこから鞍上が軽く促すと気持ちのスイッチが切り替わったようで、一気に鋭い脚を繰り出した。いかにも心身で充実している感があり、絶好の状態で走れそう。

■セリフォス【7】
藤岡佑騎手騎乗 栗東坂路単走 ブレの少ないフォームで力みを一切感じさせず登坂し、ラストに仕掛けられると一気に回転数を上げ1F11秒6(強め)と圧巻の切れを披露した。1週前のCW追いでも豪快に伸びていたし、休み明けを感じさせない好気配。

■ソウルラッシュ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 東京への輸送かつ土曜のレースとあって10月14日月曜に追い切られた。ラストはやや手が動いたが、2Fラップ13秒2-12秒1としっかり加速ラップを踏めている。1週前のCW併せ馬ではラスト1F10秒7(一杯)をマークできているし、秋初戦とすれば申し分のない仕上がり。

■タイムトゥヘヴン【7】
柴田善騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1秒以上先行させた準オープン馬を外からマクる意欲的な調整。直線手前で取り付いていくと仕掛けをいったん遅らせ、直線半ばで促されると一気に突き抜け4馬身の先着としている。鞍上が気配の良さを感じ取ったような攻め気配で、引き続き高いレベルで安定だ。

■パラレルヴィジョン【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 速いラップを刻む2勝クラスを追い、直線手前で楽に取り付いていく。勢いの違いは歴然で、強めに追われる相手をあっさり置き去りにし2馬身の先着とした。中間はサトノエルドールらと質の高い併せ馬をこなしており、大敗に終わった前走から大きく立ち直ってきているようだ。

■レッドモンレーヴ【7】
横山和騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1勝クラスを目標に進み、直線に入ってもじっくり外後方で我慢させる内容。残り100mあたりでギアチェンジすると、猛然と伸びて併入フィニッシュとした。2着した昨年以上の入念さで乗り込まれており、ほぼ万全。

▼「富士S」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19970/0/112

最高【8】点はオープンへの昇級初戦だった前走・関屋記念で3着のジュンブロッサム。ここ3週間は日曜坂路→水曜CWの調整ペースを崩さず守れており、最終追いもいつも通り、ゆったり入って終いを鋭く伸ばすルーティンを踏襲できています。前走時は夏場を考慮してかCWラスト1F12秒3とセーブしたようですが、今回は馬なりかつ外を回して1F11秒0。全体時計も今回のほうが速いわけで、心身の充実ぶりは著しい。文句なしの好気配です。

ただし東京は2年弱ぶり。阪神マイルで勝ち鞍があるとはいえ、近2走のパフォーマンスを見ると直線平坦でこその馬かな……という印象も拭えないところです。そしてGIで勝ち負けできる器か?という問いにイエスと即答するのはどうしても躊躇するここまでの実績。半兄レッドレグナントが3勝クラスを勝った後オープンでさっぱり、近親ゴールデンハインドは(距離の守備範囲が全く違うとはいえ)オープンで2勝も重賞ではからっきしと、どこかで頭打ちになる血統背景でもある。あとは上述した通り、過去3年CW最終追いから3着に入った馬もいないんですよね。

▲評価とします。

“GIで勝ち負け”となると、自ずと2頭に絞れてきますね。さらに言えば2年前にこのレースでワンツーしており、コース実績かつ季節実績も証明済みのセリフォス、ソウルラッシュの2頭は攻めも順調そのもの。この2頭が本命、対抗となります。

甲乙つけがたく、前走・安田記念のアトサキだけ見ればソウルラッシュに分がありそう……と思えるところですが、今回ソウルラッシュは異例とも言える月曜に本追い切りを掛けており、いわゆる“追い日”とされる水曜木曜は坂路15-15で流した程度でした。あくまで推測ですが今年は秋華賞週が3日間開催となり、全休日のズレの都合上かもしれません。

1週前CWでラスト1F10秒7(一杯)をマークできた時点で仕上がっており、その後は多少緩かろうが、変則だろうが、そこまで大きな問題ではないでしょう。とはいえ2022年富士Sで2着時、昨年京成杯AHでの1着時、いずれも水曜に速い時計を出して東上していたことを考えると、割り引かざるを得ません。本丸はやはり悲願のGI獲りが懸かるマイルCSで、ここはお釣りを残したかった意図もあるのかも。対抗とします。

そうなると本命はメンバー内唯一のGI勝ち馬で、一昨年の勝ち馬でもあるセリフォス

同馬ももちろん本丸は2度目のマイルCS制覇でしょうが、攻め気配はソウルラッシュ以上に見せますし、1週前CWラスト1F10秒6、最終追い坂路2F23秒7はいずれも自己ベスト更新と5歳秋にして更にパワーアップを果たした感さえ。坂路23秒7は1Fごとのラップでは12秒1-11秒6できっちり加速。

そもそも暑さに弱い馬で昨年は夏負けでマイルCSにぶっつけで挑まざるを得なかった馬が、今年は9月下旬から丹念に追えている時点で好感しかない。馬場がパンパンに乾いていればなお良かったですが、ここは地力の違いと攻めの順調さから先頭ゴールインは譲らないと見ます。

レッドモンレーヴは昨年の2着馬。今週は溜めに溜めてから一気に弾けさす調整ができており、本番でどこまで弾けるのか楽しみになるような攻めを見せていました。自分で競馬を作れない脚質ですし、GII大将な戦績からも勝ち切るまではどうかも、流れひとつで昨年の再現があっていい。

☆2頭目にタイムトゥヘヴンを抜擢。前走は中山巧者ゆえの大激走とフロック視されていますが、状態の良さがあったからこその走りだったのは否定できません。そして関屋記念からコンビを再結成した柴田善騎手が手の内に入れていた結果でもあります。フルゲートの中山芝マイル重賞で大外1個隣の15番ゲートからの上位進出なら、軽視は禁物。この中間も引き続き柴田善騎手と息ぴったりの動きを披露しており、依然高いレベルで好調維持でしょう。

中山巧者イメージも3歳時に富士Sで3着(その時の鞍上も柴田善騎手)なら、まったく東京がダメというわけではない。この馬も流れ次第ですが、連まで絡んでくる可能性は考えるべき。

採点【6】点組からはロジリオンをピックアップ。攻め駆けする馬にしてはインパクト不足な動きで【6】点としましたが、伸びシロの大きい3歳馬なら追われてからの良化に期待できます。仮にジャンタルマンタル、アスコリピチェーノが出てくれば上位人気になっていたはず。そのハイレベルNHKマイルCで差のない3着なら、印を回しておくべきでしょう。昨年こそ4歳、4歳、5歳が上位を占めましたが、本質的には3歳馬が強いレースでもあります。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「富士S」最終結論>

◎7 セリフォス
○11 ソウルラッシュ
▲16 ジュンブロッサム
☆9 レッドモンレーヴ
☆13 タイムトゥヘヴン
△15 パラレルヴィジョン
△14 ロジリオン

【単勝】7(1点)
【馬連】7=11,16,9,13,15,14(6点)
【3連複/フォーメ】7,11=7,11,16,9,13=7,11,16,9,13,15,14(23点)
【3連単/フォーメ】7,11→7,11,16,9,13→7,11,16,9,13,15,14(40点)


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=重賞深掘りPROJECT関連動画=

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