競馬サロン
2024/10/05 18:00
京都大賞典2024 最終結論【血統】京都の長丁場はディープのお庭 前走からの巻き返しに期待
≪今週の動画・毎日王冠≫
▼敢えて小回り向きの馬を狙う理由とは!?
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では日曜日の京都メイン・京都大賞典の最終結論をば。
■考察
おおかたのイメージどおりかもしれないが、父ディープインパクト系が好相性。京都開催の京都大賞典における父ディープインパクト系の成績は【5-0-4-17】で勝率17.9%、複勝率32.1%。2017年以降は毎回馬券に絡んでおり、昨年もディープインパクト産駒プラダリアが1着で、キズナ産駒ディープボンドが3着だった。
京都の坂下りを上手にこなせるディープ系を中心に考えたいところ。
▼サトノグランツ
サトノダイヤモンド産駒で、父父がディープインパクト。カーリアンを引く母とサトノダイヤモンドの組み合わせは、シンリョクカやスズハロームなど、サトノダイヤモンドの代表産駒に共通する配合パターンだ。
母チェリーコレクトはイタリア2冠牝馬で、祖母ホーリームーンの産駒には、英オークスとヨークシャーオークスを制し、凱旋門賞でもエネイブルの2着に好走したシーオブクラスや、イタリアでGIを制したファイナルスコアやチャリティーラインがいる。
スタミナに優れた牝系であり、長丁場はお手の物。多少馬場が渋ったとて、むしろ上がりのかかるレースの方が良さそうなので問題ないだろうし、仮に上がりの速いレースになっても、神戸新聞杯のように対応可能。
日経新春杯ではブローザホーンより0.5キロ重い斤量を背負って0秒3差だと考えれば、逆にこちらが2キロ軽くなる今回は逆転する余地あり。前走の目黒記念では鞍ズレの影響もあった模様。立て直したここは改めて期待したい。
▼ブローザホーン
前走の宝塚記念で初のGIタイトルを手にしたエピファネイア産駒。父の母父スペシャルウィークに入るオリオールに、デュランダルの母系に入るアリシドンをあわせて、ハイペリオン&ドナテッロ的なスタミナを引き出す工夫が光る配合だ。
直線が平坦なコースを得意にしており、京都コースでは5戦3勝2着1回。唯一馬券を外したのは心房細動を発症した昨年の京都大賞典のみ。確かに目標は先だし、1頭だけ59キロの斤量を背負うものの、ここも恰好をつけてくれるはず。
▼シュヴァリエローズ
ディープインパクト産駒で、母にはアリシドンの血が入るため、バークレア≒フェアアリシアというスタミナを伝える組み合わせが発生するのが特徴。
ディープ産駒としては明らかに距離が延びて良い配合で、ここ数戦の安定感ある成績はようやく適条件を使ってもらえるようになったのが要因だろう。なんでマイルなんか使ってたんですかね……?
個人的には京都記念が終わった時点で「天皇賞・春で穴になる」と思い、YouTubeの動画でも「穴馬」として取り上げていたくらい。まぁ出走は叶わなかったんですがね……(遠い目)。
母父がニジンスキー系セーヴルロゼということもあって、京都の下り坂からダラダラ脚を使う競馬はお手の物。前走はフロックではないし、このコース・距離なら重賞でも楽しみの方が大きい。
▼ケイアイサンデラ
「ロベルト4×4のシルバーステート産駒」という文字列だけ見ると、小回りで買って外回りで下げるリズムで考えるのが良さそうなものだが、この馬は京都の外回りで好成績。
「えらく難儀な馬でっせ……」と思って改めて血統表を掘り掘りしていると、牝祖ビッティーガールがハビタット×プリンスリーギフトで、ブルーピーターの4×4を内包しているのに気付いた。
ハビタットもプリンスリーギフトも指折りの下り坂巧者の血であり、ブルーピーターは淀に咲き淀に散った名ステイヤー・ライスシャワーの母系に入る名血。
ここまでのケイアイサンデラの成績と血統表をすり合わせてみると、シルバーステートのロベルト的な小回り適性よりも、牝系由来の下り坂適性の方が強く発現しているのでは? という結論に至った。そしてロベルトにニジンスキーにブルーピーターなら、ライスシャワー風味な下り坂巧者要素もあろうというもの。
考えてみれば、伯母のケイアイエレガントは京都牝馬Sを逃げ切っており、牝祖譲りの下り坂適性はなかなか強固に遺伝している模様。ケイアイサンデラ自身、京都の好走歴以外にも、阪神外回り2400mが舞台だった4走前・2勝クラスで、4角途中の下り坂に差し掛かったところで2番手を持ったまま引き離し、その区間で11秒2の最速ラップを記録したように、やはり下り坂での走りがお上手。
というわけで、内回り>外回りが基本のシルバーステート産駒の傾向からは異なる「ハズレ値」としての取り扱いがベターと見る。
揉まれ弱いエンパイアメーカー肌の馬が前走はインの好位で我慢できたあたり、今は調子も良いのだろう。調子が悪いエンパイアメーカーはあの形になった時点でレースをブン投げがちなので。
逃げ候補のバビットが外に入ったことを追い風に、今回は単騎逃げも視野に入る。淀の坂をスイスイ下って波乱演出なるか。
≪今週の動画その2・凱旋門賞≫
▼悲願成就なるか!? 出走馬を徹底分析!
■京都大賞典の最終結論
◎1 サトノグランツ
○11ブローザホーン
▲4 シュヴァリエローズ
☆2 ケイアイサンデラ
△5 ジューンアヲニヨシ
△6 スマートファントム
△7 ディープボンド
△8 プラダリア
【3連複/フォーメ】1=11,4,2=11,4,2,5,6,7,8(15点)
【馬連/フォーメ】1,11,4=4,2(5点)
◎サトノグランツの重賞3勝目に期待したい。
「サトノダイヤモンド&カーリアン配合推進委員会」の会員としては、ここで新たにタイトルを手にしてもらって、世の中のカーリアン内包繁殖牝馬を繋養する牧場の皆々様がサトノダイヤモンドの種付けに動いてくれるよう祈るばかり。
種付けがなければ当然セリにも出てこないし、庭でも買えないので。草の根運動では限界があるのでこういう時にハデに決めてほしいのだよ、ホント。
加えて、若干のトライアルホース臭もするので、GIよりもここで狙いたいというイメージもあり。
○ブローザホーンも京都外回りベスト。上がりがかかる展開になればなお良し。
▲シュヴァリエローズ、☆ケイアイサンデラは先行策からの雪崩れ込み狙いで。
馬券は◎サトノグランツから○▲☆を2列目に置いたフォーメーションが本線。馬連は上位評価4頭のBOXから、どうやってもお安い◎○の目を外した形で買ってみよう。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・毎日王冠】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断・毎日王冠】調教ライター・西村武輝
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