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血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/10/04 18:00

サウジアラビアロイヤルカップ 2024 最終結論【血統】少頭数が追い風に ここは負けられぬ一戦

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≪今週の動画・毎日王冠≫
▼敢えて小回り向きの馬を狙う理由とは!?




皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

この記事では土曜日の東京メイン・サウジアラビアRCの最終結論をば。

考察
確かにマイルの重賞とはいえ、2歳の10月かつ大箱の東京とあって、マイル戦らしい締まった流れになることは珍しい。基本は中盤で12秒台を刻んでおいて、上がり600m33秒台の末脚を使った馬が勝つという、中距離向きの適性が求められることがほとんど。

昨年のラップがまさにそのイメージで、中盤に12秒0→12秒3というレースラップが刻まれ、上がり33秒5の脚を使ったゴンバデカーブースが勝利という結果だった。

荒れるとすれば一昨年のようにガンガン逃げる馬がいたうえで、前半1000mを62秒くらいで通過するレースしか経験のない1人気馬が追走で余力を削られて伸び切れないパターン。

前身のいちょうS時代を含め、過去10年のこのレースで1人気ながら馬券に絡めなかったのは、14年サトノフラム(10着)と22年ノッキングポイント(4着)の2頭。

この2頭はいずれも芝マイルの新馬勝ちからここへ臨んでいたが、それぞれの新馬戦における自身の前半1000m通過タイムは、前者が61秒9で、後者が62秒3。それがサウジアラビアRCでは前者が1000m通過59秒9、後者が60秒5での追走を求められたわけで。2秒も通過タイムが違えば、そりゃあ馬は戸惑いますよねと。

逆に言えばマイルでザックリ前半1000m60秒0+上がり600m34秒0=1分34秒0くらいのレースを勝利した経験があれば、多少ペースが流れたとて人気馬は力を出し切ってくれる算段。当てはまる馬は自信を持って狙いたい。

アルレッキーノ
オークス馬チェルヴィニアの半弟で、昨年の勝ち馬ゴンバデカーブースと同じブリックスアンドモルタルの産駒。

新馬戦は1人気2着と取りこぼしたものの、これは勝ったクロワデュノールのパフォーマンスがえげつなかったものであり、アルレッキーノ自身も水準以上の時計で駆けている。続く新潟マイルの未勝利戦は前半1000mを59秒6で通過したうえで、上がり600m33秒7の脚を使って大楽勝。まさに手合い違いという内容だった。新馬を負けて2戦目で快勝するのはなんとも国枝厩舎っぽい。

ただでさえ揉まれ弱いブリックスアンドモルタル産駒かつ、この馬の場合は牝系にセントクレスピンが入るため、オリオール7×7のクロスが発生。多頭数になるとどうだろうかと思っていたが、フタをあけてみればなんと7頭立てに。

これならどうやっても揉まれる心配はないし力を出しやすいはず。前走だけ走れば、当然ながら上位は有力と見る。

マイネルチケット
ヘイロー3×3の機動力とファピアノの力馬っぽさを伝えるダノンバラードは基本的に内回り・小回り向きの種牡馬。芝なら洋芝の北海道や、開催後半に力馬天国と化す福島で好成績を残す傾向にある。

そんななか、出世するダノンバラード産駒を見極める手っ取り早い方法は「外回りや直線の長い芝コースで初勝利を挙げた馬」を探すこと。

特に2歳の大箱でそれを満たした馬は要注目で、これまでに当てはまるのはミシシッピテソーロ(2歳6月東京芝1600m)、キタウイング(2歳8月新潟芝外1600m)、マイネルチケット(2歳9月中京芝1600m)の3頭だけ。ミシシッピテソーロはダリア賞勝ちで現在OP馬、キタウイングは新潟2歳SとフェアリーSの重賞2勝馬と、種牡馬ダノンバラードの代表産駒の地位を築いている。

要は「本質的に合わない条件で勝ち切る馬なんだから力があるよね」というシンプルな発想。「外回りの新馬を勝ったネオユニヴァース産駒にはアンライバルドやロジユニヴァースなど大物が多かった」という話の延長線上にあるストーリーだ。2歳時に直線の長い芝で初勝利を挙げたダノンバラード産駒というだけでしばらく追いかける価値があろうというもの。

マイネルチケットの前走は直線が400m以上ある中京芝で差し切り勝ち。しかもラスト1Fまで前が壁で追えず、脚を使ったのは残り150mくらい。それでビュンと前を差し切ってしまったのだから、なかなかのインパクトだった。

アンブライドルド的な締まりのある体質も伝えるため、筋肉が固くなる寒い季節に調子を落とすダノンバラード産駒(実際に夏場、7-9月の成績が最も良い)ではあるものの、金曜から土曜にかけてはやや暑さが戻る予報。一瞬だけでも夏が戻ってくるとなれば、この馬の浮上は十分にあり得るはずだ。

アルテヴェローチェ
今夏の北海道シリーズを席巻した佐々木騎手&須貝厩舎のコンビが、マジックサンズに続く重賞制覇を狙うのがこの馬。

近10年の当レースにおける「父or母父ディープインパクト」という馬の成績は【6-0-1-1】で勝率75.0%とエゲつない数字に。2017年のダノンプレミアム以来、なんと6連勝中だから恐れ入る。

ヒシアマンとのマッチレースを加速ラップを刻んで制した前走のパフォーマンスも言うことないし、ここも順当に上位だろう。

サウジアラビアRCの最終結論
◎3 アルレッキーノ
○4 マイネルチケット
▲1 アルテヴェローチェ


【馬連】3=4,1(2点)
【3連複】3=4=1(1点)
【3連単/フォーメ】3→4,1→4,1(2点)


アルレッキーノの連勝に期待したい。ブリックスアンドモルタル×チェッキーノという配合から、ベストはマイルより1800mな感もあるが、さすがにここは性能が違う。

半姉チェルヴィニアも新馬2着→新潟の未勝利で大楽勝→3戦目で重賞勝利という履歴だったので、その再現をお願いしたいところ。

マイネルチケットは2歳の外回りで初勝利を挙げたダノンバラードなので。本質的には小回り向きだろうが脚力はあるはずで、その点に期待。

マイネル軍団が戸崎さんに依頼をかけているのであれば、それなりに勝負がかりだろうという発想も。

アルテヴェローチェは好相性のディープインパクト血脈。重賞で勝ち切れないクルソラ牝系とはいえ、2着、3着に顔を出すイメージは十分に湧く。

ニシノはリオンディーズ産駒の東京芝マイルでの成績の悪さが引っかかり、タイセイはサドラークロスのモーリス産駒が東京の2歳重賞というのがピンと来ず。シンフォーエバーは新潟2歳Sの時も指摘したように「ダート馬なのでは?」というイメージだし、フードマンはクリスやシャーペンアップのクロスがないキングマン産駒なので、どうにも重賞では買いづらく……。

この頭数なので印を外した4頭にもチャンスはあるだろうが、積極的に買いたい理由も見当たらないし、そもそもアルレッキーノから入る以上、買い目はなるべく絞りたい。

ということで印は3頭だけに回し、点数を押さえて勝負といこう。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
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