競馬サロン

2024/12/27 18:00
ホープフルステークス2024 最終結論【血統】GI初挑戦に強い名門牝系をまとめて狙い撃ち!

▼名門牝系の大躍進!

皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では土曜日の中山メイン・ホープフルSの最終結論をば。
■考察
同名のOP特別として実施されていた頃は、マイネルチャールズ(父ブライアンズタイム)、アリゼオ、サトノネプチューン、エアアンセム(いずれも父シンボリクリスエス)のように父ロベルト系が強いレースだったが、重賞昇格後はディープインパクト産駒が4勝、ハーツクライ産駒とその孫が3勝、キングカメハメハ系が3勝と、王道血統が強いレースに変貌を遂げた。
マイルの朝日杯FSとの棲み分けが進み、日本ダービーを見据える本格派が集まるようになったのがその要因だろう。奇をてらわずにクラシック血統を狙うのが吉と見る。
クロワデュノールは新馬戦、東スポ杯2歳Sを連勝中の想定1番人気。イクイノックスがそうだったように、走るキタサンブラック産駒は馬体を薄く見せることが多いが、この馬からもそんな印象を受ける。
東京芝1800mのデビュー戦で記録した勝ちタイム1分46秒7&後半1000mの区間ラップ57秒3は極めて優秀なもの。これだけでGI級と言える素材で、プラス24キロで仕上がり途上に見えた前走も終わってみれば余裕の勝利だった。本来は大箱ベターなタイプに見えるが、地力はここでも一枚上手の印象。コントレイルのようにポテンシャルだけで薙ぎ払う可能性は十分にあろう。
マジックサンズはキズナ産駒。母コナブリュワーズはJRAの芝短距離で4勝を挙げ、祖母アンブロワーズは函館2歳S勝ち&阪神JF2着の実績を残した。
牝祖バレークイーンは日本ダービー馬フサイチコンコルドや皐月賞馬アンライバルドを送り出し、その他にもヴィクトリーやリンカーン、アリストテレスなど活躍馬多数の牝系を築いた名繁殖牝馬。この牝系はライオット≒フェアトライアルのニアリークロスを介してレディジュラー的な機動力を伝えるのが特徴で、皐月賞を制したアンライバルドやヴィクトリーのように小回りコースでパフォーマンスを上げる機動力型が多い。
マジックサンズの前走・札幌2歳Sも4コーナーで自ら動いて勝負をつける内容で、あの機動力はまさしくバレークイーン牝系の感。当然ながら中山替わりも問題なく、パフォーマンスレベルは上がりこそすれ、下がることはないと見る。
またバレークイーン牝系は「初めてのGI挑戦に強い」特徴がある。同牝系のGI戦歴を調べてみると、GI初挑戦時が【3-3-1-9】で複勝率43.8%に対し、2回目以降の挑戦だと【0-3-3-31】で複勝率15.0%に留まる。
しかも2回目以降のGI挑戦で馬券になった6回のうち、実に5回がリンカーンによるもの。フサイチコンコルド、ヴィクトリー、アンライバルドによるバレークイーン牝系のGIタイトルはいずれも初めてGIに挑戦した時であり、ほとんどのバレークイーン牝系はGI初挑戦時にしか好走できていないのだ。
一世一代の大駆けをファーストストライクから狙うのがこの牝系との付き合い方なのだとすれば、フルスイングのタイミングはまさにここ。絶好の舞台でクロワデュノールを逆転する目も見ておきたい。
マスカレードボールはドゥラメンテ産駒。半姉にローズSと阪神牝馬Sを制したマスクトディーヴァがおり、祖母は短距離重賞で活躍したビハインドザマスクという血統背景。
半姉も祖母も末脚の切れを武器に活躍した馬だったが、その特徴はマスカレードボールにも受け継がれた模様。初戦も2戦目も上がり最速の素晴らしい末脚で快勝した。
ただ気になるのは、中山芝の重賞において同馬が属するヴァインゴールド牝系の成績があまり芳しくない点。
これまでの成績は【0-1-0-13】複勝率7.1%で、コイウタのダービー卿CT2着があるのみ。長い直線で瞬発力を活かしたいファミリーなので中山の短い直線は鬼門のようだ。牝系の影響も強く、ワンターンのマイルから1800mがベストに見えるマスカレードボールにとっては、コーナー4つの中山2000mへの舞台替わりをこなせるかどうかがポイントになる。
アイビーSの勝ちっぷりから力量上位だとは思うものの、牝系のキャラクターからはやや不安要素がある点も押さえておきたい。またこのコースの大外枠もあまり歓迎できない。
ピコチャンブラックはクロワデュノールと同じくキタサンブラック産駒。母トランプクイーンは皐月賞馬アンライバルドの全妹。ということで、この馬もバレークイーン牝系の出身となる。
福島芝2000mの新馬戦ではノーステッキで7馬身差の圧勝。人気を背負った2戦目のアイビーSではマスカレードボールに遅れを取ったわけだが、これは大箱適性の差だろう。
ドゥラメンテ×ディープインパクトのマスカレードボールに対して、キタサンブラック×ネオユニヴァースのピコチャンブラックでは、東京の切れ味勝負で劣るのはやむなし。舞台が替わってバレークイーン牝系由来の機動力が活かせる小回り中山2000mなら逆転の目は少なからず存在するはず。
「初GIのバレークイーン牝系」はマジックサンズと共通する今回のテーマ。得意の小回り中距離替わりを見直す手は大いに考えたい。
ジェットマグナムの父はヘンリーバローズ。母ビビットオレンジは未出走ながら、牝祖はマジックサンズと同じく名繁殖牝馬バレークイーンに遡るファミリーの出身だ。
父の全兄シルバーステートはロベルトの影響で小回り向きの産駒が多い傾向にあるが、恐らくはヘンリーバローズにもそういった素養がありそう。牝系のキャラクターを考えても、コーナー4つの中距離は成績どおりベストコースと見る。
大敗に終わった2戦目のコスモス賞は心房細動によるもので度外視可能。新馬戦で下したリトルジャイアンツが、その後中山芝2000mの葉牡丹賞でレコード決着のタイム差なし3着に好走したことを思えば、それに半馬身差をつけたジェットマグナムの実力も高く評価できよう。
そしてこの馬も「初GIのバレークイーン牝系」該当馬。マジックサンズやピコチャンブラックと同じく狙うならここ。一見地味ながら小回り中距離への高い適性を秘める血統とあわせて、一発の期待を寄せたい。
■ホープフルSの最終結論
◎12マジックサンズ
○15ピコチャンブラック
▲3 ジェットマグナム
☆6 クロワデュノール
△16ジュタ
△18マスカレードボール
△8 デルアヴァー
【馬連/BOX】12,15,3(3点)
【ワイド/BOX】12,15,3(3点)
【3連複/フォーメ】12,6=12,15,3=12,15,3,6,16,18,8(19点)
◎マジックサンズ、○ピコチャンブラック、▲ジェットマグナムの「バレークイーン三銃士」を中心に勝負したい。小回り・中距離・初GIとバレークイーンが得意とする3要件が揃ったのなら、まとめてこの3頭は評価を上げるべきと見た。
☆クロワデュノールは地力首位。大箱向きの印象も受けるが前受けできるので小回りかつ直線の短い中山でも十分対応できるだろう。今回はバレークイーン三銃士に重きを置いたので印の位置は4番手となったが、ポテンシャルを考えればここから入る手も十分に考えられる。
△で面白そうなのがジュタ。ドゥラメンテ×アルゼンチン牝系は一昨年の勝ち馬ドゥラエレーデと同じパターン。前走後、矢作師から「ダートは間違いなく合う」というコメントがあったように、まさしくドゥラエレーデ的な適性の馬だろう。ドゥラエレーデにしろ、サンライズジパングにしろ、タイムフライヤーにしろ、ダート色の強い馬が激走するのがホープフルSの穴パターン。枠は外になったが、これは印を回しておきたい。
馬券はバレークイーン三銃士の馬連・ワイドBOXが本線。◎マジックサンズとポテンシャル筆頭のクロワデュノールを1列目に、2列目に三銃士を置いてのフォーメーションで。
中間の頓挫さえなければ重賞実績を評価してマジックサンズ軸オンリーで考えていたが、そうは言っても2週前の追い切りが飛んでいる事実は気がかりなので、クロワデュノールから他のバレークイーンに流したパターンもカバーすることに。点数は増えるがそれでもリターンは見込めそうなので。
気付けば2024年の中央競馬もフィナーレに。来年は色々と大きな変化を迎えそうなので、今からしっかり準備して、ますます面白い競馬を皆さんと一緒に楽しめれば。2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断/ホープフルS】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/ホープフルS】調教ライター・西村武輝
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