競馬サロン

2024/12/20 18:00
阪神カップ 2024 最終結論【調教】中間の動き絶好の冬馬を本命抜擢!【重賞深掘りPROJECT】

「有馬記念」全頭追い切り診断動画はこちら!
【有馬記念 2024|調教診断】自己ベスト更新!精神面最高潮の馬を【S評価】前走時の動き凌駕のベテラン穴馬も見逃せない!
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定量かつ1着賞金6700万円の「阪神C」。
実力馬にとっては垂涎の一戦で、明確な定義のない「スーパーGII」ですが、「阪神C」もそのひとつとしてカウントされる場合が多いようですね。
“もし次にGIIからGIに昇格するレースがあるとすれば?”を考えると中山記念、札幌記念、そしてこの阪神Cが思う浮かぶところ。地方ではダート1400mのさきたま杯がJpnIに昇格。
ダート、芝の違いはあれど1400m戦の阪神Cが数年後には……というケースがあるかもしれません。
と、そんな前置きをしたくなるほどに今年の「阪神C」は豪華メンバーが揃いましたね。
まずは過去の調教傾向を見ていくことにします。今年は京都芝1400mで施行。同じ条件のスワンSか、もしくは素直に過去阪神で開催された阪神Cか、いずれの過去傾向を見るべきか悩ましいところですが、時期の一致性とメンバーレベルの違いを考慮し阪神開催された過去3年の阪神Cの馬券対象9例を今回サンプルとします。
非根幹距離重賞ではリピーターが生まれがちですが、このレースもご多分に漏れず近3年グレナディアガーズが1着、2着、2着。いずれも1週前CW→最終坂路で、その3例を含め最終追いは坂路が6例、コースが3例。このあたりは急坂の阪神コースゆえということは頭に入れておいた方がいいかもしれません。
最終坂路組は例外なく中間にコースで追っており、コース組も3例すべてで中間に坂路追い。スピード一辺倒ではなく、多少の緩急が求められる1400m戦では併用調整がマストということか。また昨年の1着馬のウインマーベルがウッド併せ馬でラスト1F11秒0(仕掛け)をマーク、3着アグリが坂路ラスト1F11秒7(強め)など日曜追いをサラッとではなく、ある程度の負荷を掛けていた例が9例中5例。
他のレースと比較すると有意に高い割合で、やはり年末で難しいコンディション調整を強いられるなか早めに負荷を掛けておき、なるべく余力を残した状態でレース当週を過ごした馬が優勢ということかもしれません。
以上を参考程度に踏まえ「阪神C」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。
■アサカラキング【7】
斎藤騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 2頭を大きく先に行かせて追走。活気十分の行きっぷりを示し、最内に進路を取った直線でも軽快に脚を伸ばして2頭をあっさり抜き去って最先着とした。時計は自己ベストを大幅に更新。2カ月ぶりをまったく感じさせない好気配にある。
■ウイングレイテスト【7】
松岡騎手騎乗 美浦ウッド単走 坂路15-15をこなしてからコースで単走。序盤はピタッと折り合い、ラストの促しには鋭い切れで応えた。GI後の仕上げ直しだが、このひと追いで万全の態勢整ったか。
■オフトレイル【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前にCWで速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は終い重点で息を整えた。混雑した走路でもリズミカルな走りを続け、まったくの馬なりのままラストは長くいい脚を披露。高いレベルで安定している。
■セリフォス【7】
藤岡佑騎手騎乗 栗東坂路単走 1週前にCWで強い負荷を掛けられており、今週は坂路単走でバランス調整に徹した。ある程度混雑しており、中盤からは他厩舎2頭が追ってくるような状況だったが力みを感じさせず泰然と加速。促しに対しての手前変換も機敏で、ラストはこの馬らしい切れを披露できていた。マイルCSから中4週の疲れは感じさせず、ほぼ万全。
■ソーダズリング【7】
鮫島駿騎手騎乗 栗東坂路併せ馬 オープン馬カラテに取り付いて併走。手応えこそ見劣ったが、仕掛けに対していい反応を示しラストで抜け出して1馬身の先着とした。9カ月ぶりを感じさせない好気配。
■ダノンスコーピオン【7】
助手騎乗 栗東CW単走 1週前に負荷を掛けられており、今週は4Fからの時計で反応面を強化する内容。馬場の真ん中でブレの少ない走りを見せ、ラストは馬なりのまま1F10秒9と切れた。この秋は攻め気配はずっと上々で、この中間も依然好調キープ。あとは実戦でのきっかけひとつ。
■ダノンマッキンリー【7】
西塚騎手騎乗 栗東CW単走 序盤は引っ掛かり気味で頭が高くなり、鞍上がなだめるのに精一杯。それでも直線半ばで落ち着きを取り戻すと、スムーズに加速した。ここまでの攻めは順調で、体調面はとにかく良さそう。本番での折り合い次第だが、気配は依然上々。
■トゥラヴェスーラ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 終い重点の調整。落ち着きのあるバランスのいい走りで脚を溜め、ラストは馬場がやや荒れた時間帯だったことを考えれば悪くない切れを示した。引き続き好調。
■ナムラクレア【7】
長谷川師騎乗 栗東坂路単走 坂の序盤でミスステップがあったが、指揮官が制御し体勢をすぐさま立て直す。やや掛かり気味でラストは失速ラップとなったものの、馬なりを保てていたことは評価したい。好気配。
■マッドクール【8】
坂井騎手騎乗 栗東坂路単走 1週前CW追いで自己ベストを更新。今週はある程度溜めを意識したが、それでもこの馬らしい強い前進気勢を感じさせつつ登坂する。踏み込みは力強く、前を行く別厩舎の馬を見て気合い乗りも抜群。ラストは強い掻き込みから鋭く加速した。仕上がりひと息に思えた前走時から一気に良化を果たしたようで、目下絶好調だろう。
■レッドモンレーヴ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 2頭を追走し、集中力を鍛えるような攻め内容。柔軟なコーナーワークで取り付いていき、直線序盤で抜け出す活気十分の走り。抜け出してからも気持ちをしっかり維持して加速できていたのはいい。秋2戦使われて本調子。
▼「阪神C」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/20885/0/112
最高【8】点としたのは今春の高松宮記念を制したマッドクール。後半の比較的荒れた馬場のなか、前方視界に馬がいたおかげにせよ力強い前肢の捌きからいい加速を示しました。日曜追いは坂路14-14の水準級ですが、1週前にCWで目一杯追われるかなり強い負荷を掛けられながらもパスすることなく行えたこと自体が評価できるもの。
前走(スプリンターズS・12着)はデキひと息だったにしても淡白な走り。前年のスプリンターズS(2着)より1秒0速い、そして自身が制した高松宮記念より1秒9速い高速決着にまったく対応できなかったものでしょう。
繊細ゆえか力を出せない香港は今年見送り、追走が楽になるこちらへの路線転換は吉と出そう。荒れて力を要するいまの馬場もフィットしそうです。
ただし京都自体は未経験で独特の3角からの昇り降りがどうか。坂のある直線でのパワー比べでこそというタイプでもあり、そのあたりを割り引き対抗までとします。
本命にはアサカラキングを抜擢。
こちらは京都芝1400mの3勝クラス(山城S)で快勝経験あり。動きに関しては【8】をつけるかどうか迷ったほど活気があり、楽にCWの自己ベストを大幅更新しました。昨年12月24日の2勝クラス(阪神)を快勝、山城Sは今年2月4日、そして昇級初戦かつ古馬重賞初挑戦だった2月25日の阪急杯でウインマーベルにハナ差2着と厳寒期で強さを発揮してきた馬。
この中間の動きがいいのはなるほど納得の、まさに冬馬と言っていい。
いずれも逃げ不発だった近3走の結果を踏まえ、今回は馬具を工夫するとのこと。活気が戻ってきた攻めの雰囲気からも、今回こそはダッシュを決めてくれるのでは。同型エトヴプレは大外18番ゲートなら、ほぼ単騎逃げ濃厚。自分の形に持ち込めれば“スーパーGII”の相手関係でも勝ち負けになります。
丸一年この馬に騎乗して続けてきた斎藤新騎手の手綱捌きに期待。
単純な底力だけで言えばナムラクレアは最上位クラス。明らかに高松宮記念を見据えた仕上げだった今年2月の京都牝馬Sで差のない2着なら、距離・コース適性も担保されています。
1週前に坂路馬なり4F50秒5ならGI後の反動が残っているようなこともなさそう。ただし最終追い坂路ラスト2Fが11秒4-12秒1で失速幅0秒7と珍しく失速ラップを踏んだあたりがどうか。過去には2023年1月シルクロードSの最終追いで11秒9-12秒4を踏みながら勝利しており(辛勝でしたが)まったくダメとも言い切れませんが、そのレース以降は坂路での最終追いなら必ず加速ラップで締めくくってきた馬。一抹の違和感は拭えませんし、坂路オンリーも割り引き材料で、▲評価までとします。
☆ダノンマッキンリー。4勝すべてが芝1400m戦でうち2勝が前走スワンS勝ちなど京都芝1400m戦という舞台巧者。前走は大外枠で揉まれない形が良かったようで、今回の7枠13番も歓迎でしょう。坂路50秒台連発だった前走時から一転、この中間は折り合いを教え込むような調整にシフトチェンジしているのがどうかですが、活気そのものは上々で体調面になんら不安は感じません。
△1番手にウイングレイテスト。前走のスプリンターズS時が絶好調に思えましたが、枠は大外。松岡騎手はそのハンデを跳ね返すべく前々の競馬で勝ちに行くも、最後は失速し大敗に終わりました。しかし果敢なチャレンジは人馬ともに大きな糧となったのでは。
そこからの仕上げ直しは苦労したかと思われますが、今週は内を回ったとはいえウッドラスト1F10秒台をマーク。ぴったり仕上がりました。ならば昨年のスワンS勝ちを見直すべき。
レッドモンレーヴは9着に終わった2023年マイルCS以来の関西遠征。そのマイルCSは中3週で中間はポリ中心の軽め調整でしたし、発馬後手、道中も揉まれる不利があったことを考えれば0秒5差は悲観するような内容ではなかった。東京巧者のイメージが強いですが、そもそも中山で2勝していますし、右回りでも走れる。京王杯SCの走りからして適性はマイルよりは1400m寄りでしょう。
今回も中3週ですが1週前を絶妙に緩め、日曜追い、最終追いと強度を上げてきた。2週続けてウッドで追えているのなら昨年マイルCS時より状態はいいはず。チーク効果である程度ポジションを取れた前走内容も収穫。押さえます。
あとは攻めの順調さプラス、コース適性を重視しスワンSの2着、3着にも印を。
昨年の覇者、そして前走マイルCSで3着と気を吐いたウインマーベルはマイルCS時の予想コラムで「以前は成績に調教が見合ってなかったが、いまは調教が追いついてきた」と書いたんですが、今回は最終追いで2歳未勝利に見劣り、以前の姿に戻ったような感じ。気まぐれなのか、GI激走の反動なのかは判然としませんが……攻め気配と人気のバランスを勘案すると買いづらい。
頑張った前走でも京都下り坂でのぎこちなさはあり、本質的に苦手なコースでしょう。ここは無印とします。
GI馬ママコチャもバランスの悪さが目立ち、いかにもこの時期が向いていない感じ。京都7F戦・安土城Sでの圧勝を考えると当然怖さはありますが、こちらも無印です。
以下、最終結論です。どうぞご参考に!
<調教ライター・西村武輝「阪神C」最終結論>
◎7 アサカラキング
○11 マッドクール
▲16 ナムラクレア
☆13 ダノンマッキンリー
△6 ウイングレイテスト
△17 レッドモンレーヴ
△14 オフトレイル
△5 トゥラヴェスーラ
【単勝】7(1点)
【馬連】7=11,16,13,6,17,14,5(7点)
【3連複/フォーメ】7,11=7,11,16,13=7,11,16,13,6,17,14,5(24点)
【3連単/フォーメ】7,11→7,11,16,13→7,11,16,13,6,17,14,5(36点)
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