【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。それではさっそく「有馬記念」全頭追い切り診断となります。

●12月22日　有馬記念（GI、中山、芝2500m）

■アーバンシック　C.ルメール騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2歳1勝馬を追走し、直線手前から併走に持ち込む。仕掛けられた相手の加速に対し機敏に対応し、バランスのいい走りのまま加速。まったくの馬なりのまま相手に合わせて併入とした。1週前はやや力んで終いの伸びを欠いたが、この動きなら文句なし。【7】

■ジャスティンパレス　助手騎乗　栗東坂路単走　この秋は坂路調整で安定しており、今回の最終追いも坂路。強い前進気勢がありつつ序盤にしっかり折り合えたようで、ラストは軽く促されると四肢を大きく使って伸びた。秋に2戦使われた疲れは感じさせず、高いレベルで安定。【7】

■シャフリヤール　西塚騎手騎乗　栗東芝単走　やや気迫に物足りなさを感じさせるが走りのバランスはまずまず。直線での伸びに一定の鋭さはあったが、鞍上がおっつけるような場面があり気持ちの面でどうか。【6】

■シュトルーヴェ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　同じ有馬記念に出走するダノンベルーガら2頭を外で先導。直線で3頭横並びの追い比べとなり、最優勢の手応えでそれそれと併入とした。伸びがジリっぽく、あと少しメリハリが欲しい感はあるものの、久々だった前走を使われ一歩前進か。【6】

■スタニングローズ　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前にある程度速い時計を出しており、今週は終いの反応に磨きを掛けることに専念。ゆったり入ってもまったく力まず、ラストで機敏に手前を替えると楽に切れた。体幹が安定していたのは好感。GI快勝後の中5週だが、反動どころかさらに良くなってきたようだ。【7】

■スターズオンアース　川田騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　古馬1勝クラスを外からマクる併せ馬。コーナーで取り付いていく際、ややモタつきがあり、直線でも伸びは一本調子。それでも脚力の違いと気持ちの強さで1馬身の先着としている。久々だった前走よりいい状態で走れそう。【6】

■ダノンデサイル　安田翔師騎乗　栗東CW単走　1週前に横山典騎手が騎乗しての併せ馬を行っており、今週は指揮官が騎乗し息を整える程度の内容。やや踏み込みは浅いが、回転そのものは軽快で加速も滑らか。いい意味で遊びがあり、力まず進めていたのもいい。好仕上がり。【7】

■ダノンベルーガ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　シュトルーヴェらとの3頭併せで、直線では真ん中を進む形。序盤からステッキが数発入れられないとついていけない感じがあり、グイグイ仕掛けられてなんとか併入とした。体調は悪くなさそうだが、一変まではどうか。【5】

■ディープボンド　幸騎手騎乗　栗東CW単走　道中はベテランらしく落ち着き払って進んで行く。直線でズブいのはいつものことで鞍上も理解したうえで余念なくグイグイとしごき、馬はそれに応えていい伸びを披露した。ラストの迫力は前走時を凌駕しており、上積みはかなりありそう。【7】

■ドウデュース　助手騎乗　栗東ポリ併せ馬　ラストランもルーティン通り1週前CW→最終ポリ。稽古駆けする2歳未勝利を追走し、直線序盤まで相手の後ろで我慢させる。手綱を緩められるとスッと並び掛け、相手もいい抵抗を見せたがスルスルと回転数を上げ楽に併入とした。1週前の動きも申し分なく、極めて高いレベルで安定。【7】

■ハヤヤッコ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　古馬2勝クラスを外先導。コーナー手前で迎え入れて併走とするが、直線では切れ負けして結局2馬身の遅れ入線に終わっている。それでも余力は残っていたし、もともと稽古は地味なタイプ。1週前は自己ベスト更新の時計を出せており、体調だけなら万全。【6】

■プログノーシス　三浦騎手騎乗　栗東CW単走　序盤はリズムを保って折り合い、直線で鞍上が目一杯追うと豪快に脚を伸ばした。海外遠征帰りで本数は正直物足りないが、このひと追いで走れる態勢は整ったか。【6】

■ブローザホーン　菅原明騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　2歳未勝利へ早めに取り付き併走。時計に派手さはないものの、貫禄の違いを見せるように、ドシッと落ち着いた走りをキープ。最後はわずかに切れ負けしたが、手応えにお釣りは残っていた。この秋2回使われ、ようやく本調子か。【7】

■ベラジオオペラ　上村師騎乗　栗東CW併せ馬　1週前に自己ベストを更新する時計を出しており、今週は微調整程度。目標馬をキャッチアップする際に気持ちがグンと入ったようだが、そこで指揮官がしっかり我慢させる。直線でも力を溜めこむことを教えるように併走を続け、そのまま併入とした。少しでも促せば突き抜けそうな雰囲気にあり、精神面は最高潮か。夏負けの影響があったという前走時から一気に気配上昇。絶好の仕上がり。【8】

■レガレイラ　戸崎騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　いつも通りの3頭併せ。直線序盤ではタイトに挟まれるもリズムを崩さない。外の馬が仕掛けられて加速すると、これに即対応しギアを機敏に上げまた並び掛ける。結局内の馬に1馬身先着、外の馬に手応え優勢で併入とした。操縦性、戦闘意欲の高さともに、引き続きいい状態にあると見ていい。【7】

■ローシャムパーク　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に速い全体時計を出しており、今週は終い重点の内容。古馬2勝クラスの内に進んで併走に持ち込み、余力を残したまま併入とした。やや踏み込みが浅いあたりがどうかだが、海外遠征帰りを考えれば悪くない状態。【6】


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。