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競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/12/14 18:00

朝日杯フューチュリティステークス2024 最終結論【調教】高い操縦性と対応力 攻めも絶好の伏兵から勝負【重賞深掘りPROJECT】

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「朝日杯FS」全頭追い切り診断動画はこちら!

【朝日杯フューチュリティステークス2024|調教診断】休養効果抜群の伏兵を【S評価】 鞍上が我慢を教えた穴馬も必見!

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2024年、JRAで行われるGIも残すところあと3つ。

明日は2歳マイル王決定戦の「朝日杯FS」が京都競馬場で開催されますね。

“紛れ”が多いとされる中山芝1600mで長らく行われてきましたが、比較的フェアな阪神芝1600mに舞台が移ったのは2014年。以降10回連続で阪神で開催が続き、いわゆる「過去10年データ」が同じ競馬場で揃ったタイミングで今年は京都で開催という、なんとも皮肉な現象が起こってしまっています。

予想にあたって、先週の阪神JFでは競馬場の違いには目を瞑り阪神で開催された過去5年を参考としましたが、今回は参照すべき「京都で行われた12月の2歳芝マイルGI」が存在。そう、先週の阪神JFです。

いささか短絡的な感は否めませんが先週の阪神JFで掲示板を確保した5頭の調教傾向を見ていくこととします。

最終追いは坂路が3、コースが2で有意な差はなし。坂路組は坂路オンリー、コース組は3着テリオスララがコースオンリーで、勝ち馬アルマヴェローチェは1週前CW→日曜坂路→最終CWの併用調整。どこかで坂路追いをこなしているのがベターのようです。

調教強度はアルマヴェローチェ、4着ショウナンザナドゥ、5着スリールミニョンの3頭が1週前「強め/一杯」→最終追い「馬なり」。テリオスララは1週前も最終追いも「馬なり」なんですが日曜追いで終いに負荷を掛けられていました。

<最終追いまでに負荷を掛け、最終追いで馬なり>が理想のパターンか。例外の2着ビップデイジーは最終追いも負荷を掛けられていたのですが、同馬は身体の華奢さを考慮してか日曜追いをパスしていました。その分の帳尻合わせだったということでしょう。

以上を参考程度に踏まえ「朝日杯FS」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■アドマイヤズーム【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 前向きさにあふれた雰囲気で登坂。それでいて鞍上の指示をしっかり待てるような雰囲気もあり、ゴーサインが出て手前を機敏に替えるとダイナミックに体を使って伸びた。今回、自身初の単走オンリー調整がどうかだが動きは文句なし。 

■アルテヴェローチェ【7】
助手騎乗 栗東坂路併せ馬 1週前のCW追いでハードに追われたが、今週も序盤から比較的速いラップを刻む調整。飛ばす2勝クラスへ楽に取り付き、坂の序盤から併走に持ち込む。先に苦しくなり手が動いた相手を横目に、いい手応えのまま滑らかに手前を替え、ラストは自然と切れで勝って半馬身の先着とした。1週前の動きも豪快そのもので、上々の攻め気配。

■エイシンワンド【7】
幸騎手騎乗 栗東CW併せ馬 前後に馬を置く隊列で入り、直線手前では敢えて仕掛けを待って先に抜け出した2頭の間に割って入る、実戦想定の内容。ピタッと折り合って馬の後ろで我慢ができており、3頭併せとなった直線では最優勢の手応えでそれぞれに先着を果たした。力を出し切れなかった前走の反省を踏まえた調整に好感。いい状態で走れそう。

■タイセイカレント【8】
坂井騎手騎乗 栗東坂路併せ馬 1週前のCW追いで強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週は終い重点の併せ馬で息を整える程度の内容だった。緩いペースのなか行きたがっていたが鞍上が絶妙に制御。1勝クラスに取り付いてアオり、軽く促されると回転数を一気に上げ、1馬身半差抜け出し先着とした。休養効果てきめんで、絶好の仕上がり。

■トータルクラリティ【7】
助手騎乗 栗東CW単走 1週前に速い全体時計を出しており、今週は折り合いに専念する内容。直線の序盤で少し我の強いところを見せたが、鞍上がしっかり制御する。ラストは気持ちを入れ直して、体を柔軟に使って軽快に脚を伸ばすことができていた。久々を感じさせない好気配。

■ドラゴンブースト【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前のCW3頭併せで負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週は終い重点の坂路調整で息を整える程度だった。力みの少ないまとまりのあるフォームで登坂。加速してやや重心が上ずったが許容範囲だろう。最後まで素軽さを保てており、気持ちも維持。高いレベルで安定だ。

■ニタモノドウシ【7】
R,ムーア騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 R,ムーア騎手に感触を確かめてもらうことに主眼を置いた、終い重点の内容。2頭の間に割って入った直線序盤でややモタついたが、ギアが入ってからは軽快に伸び馬なりのままそれぞれと併入とした。乗り込み量は十二分で、持てる力をフルに出せそう。

■パンジャタワー【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 稽古駆けする馬らしく前向きさにあふれる雰囲気で登坂。シャープなフォームを保ってジワジワと加速し、ラストはさらに溜めた脚をスパッと弾けさせ1F11秒7(馬なり)と切れた。高いレベルで好調キープだ。

■ミュージアムマイル【7】
助手騎乗 栗東坂路併せ馬 古馬2勝クラスとピタッと体を並べて併走。稽古駆けする年長馬にまったく怯まず、素軽さを保って加速する。ラストは仕掛けられた相手にわずかに遅れたが、馬なりを保つためのもので問題なし。まとまった休みを取らず走っているが、それを感じさせず一連の好気配を維持。

▼「朝日杯FS」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/20795/0/112

好調教馬が揃って目移りしましたが、そんななかわずかに抜けて良く見え最高【8】点としたのはタイセイカレントでした。

サウジアラビアRCで2着。逃げて勝った新馬戦から一転、出遅れが祟って差しに回っても結果を出せた対応力、そして馬群を割る形でも問題がなかった操縦性の高さに目を見張るものがありました。追ってバテない感じがあり、マイル以上でもやれそうな渋太さもある。京都外回りなら、よりその良さが出そう。

中間はサウジアラビアRCでの2着で手に入れた「中9週」という期間をフルに活用し、プール調整、コース調整、そして坂路とあらゆるパターンの攻めをこなしています。1週前にCWで目一杯追えたあたり、いかにいい形で再充電できたかの証でしょう。

再三のプール調整は、狭い空間で我慢する感覚を覚えさせるためとのこと。過去2戦で怪しかったゲートもだいぶ改善するのでは。

最終追いでは高いモチベーションと表裏一体の行きたがる面を感じさせるも、鞍上・坂井騎手がスッと制御できたあたりが好感。これで調教騎乗が2回目とは思えないほどに、意思疎通がしっかりしていました。

1週前CW一杯で併せ馬先着⇒日曜坂路追い⇒最終追い坂路馬なりで併せ馬に鋭く先着と理想的な調整パターンでもありますし、前走で見せた器用さ、対応力の高さも魅力。欲を言えば最終で坂路ラスト2F24秒台を出して欲しかったですが、これは併走相手に合わせた分もあるでしょう。ゲートの中で待たされないという意味で大外枠はむしろ好都合。本命とします。

対抗にミュージアムマイル

新馬戦こそ競馬を理解していないような感がありまともに出遅れて3着も、1回使われてからの近2走はいずれも大物感ある走りを続けていますね。外、内の違いはありますが2回連続京都コースで長くいい脚を使えるところを披露てきたのは大きなアドバンテージ。中間の動きは2週連続坂路ラスト2F24秒台マークで、今週は馬なりかつ加速ラップなら文句なしです。

デビュー戦から中5週、中4週と来て今回中4週で4戦目。休まず走っていますが、1週前の負荷を見る限り疲れはなさそう。好調を高いレベルでキープできるタイプなんでしょう。先週阪神JFの1-3着はすべて前走1800m戦。ならばここも前走からの距離短縮組が走っていいはずです。逆転するならこの馬では。

アルテヴェローチェ。札幌新馬戦、東京のサウジアラビアRCとここまで無傷2連勝ですね。左右を問わないのは好感が持てます。名門レースと言えるサウジアラビアRCの勝ち馬なので本来は本命級の評価は必要でしょうが、連勝の過去2走いずれもに上がり最速をマークできておらず、今回問われる“長くいい脚”という点において若干だけ割り引き。

前走の内容で言えば、負かした◎と比較してより豪快だったと言えば聞こえはいいんですが、より大味でもあった。今回頭数が一気に増えるGI戦でどうか、という点も気になりますね。

エイシンワンドは小倉2歳S勝ちから1F延ばした前走・京王杯2歳Sで2番人気⇒8着。

スタート後しばらくして折り合いがついたところで外から被される形となり、力んだのが大きな敗因のようですし、小雨が降っておりノメるような馬場だったのも影響したようです。

今回は揉まれて力を出し切れなかった前走の反省を踏まえ、CW3頭併せを1週前&最終追いに組み込む調整にシフトしてきました。いずれも馬の後ろで鞍上の仕掛けを待てたし、いざ揉まれる形となっても怯まず脚を伸ばせていたのは好感。特にまったくの馬なりで切れた最終追いの動きは申し分ありませんでした。

今回初の右回り、さらに1F延長とまさに試金石な一戦ですが主戦・幸騎手が懸命に競馬を教え込んできた成果に期待し、この評価とします。右回りコース追いでのコーナリングはスムーズだったので、右回りで極端にパフォーマンスを落とすことはないでしょう。

△1番手にパンジャタワー。稽古の動きだけなら本命でも……と思わせるものがありました。単なるスピード自慢の馬でないのは、前走の内容もそうですし、ラスト2Fラップ12秒3-11秒7を馬なりでマークした今週の坂路追いからも明白。ただし☆と同じく、自身初の実戦マイル戦がGIでは、ということでこの評価まで。

穴ならアドマイヤズーム(と言ってもある程度人気しそうですが)。いずれも今回と異なる内回りながら京都マイルを2回経験しているのが強み。前走は追い切りでドウデュースに抜かせない気持ちの強さを見せ、実戦では2番手追走から上がり最速をマーク。それも早めに踏んで行ってまとめたもので、下り坂から惰性で加速できる京都適性は極めて高いと見ていいでしょう。

初戦の敗退は外傷を負うほどの接触があったもので、度外視していい。本来のデビュー戦勝ち⇒デイリー杯と来て朝日杯という陣営の青写真は狂いましたが、予定通りの川田騎手連続騎乗はこの馬への信頼がいかに高いかの証拠。過去のレースが少頭数だったメンバーが多いなか、初戦が15頭立て、前走が14頭立てと頭数が揃ったレースを2回経験しているのも好感です。

ニタモノドウシは攻めで少し加速に手間取る面を見せましたが、伸びそのものは豪快。4カ月ぶりでも好仕上がりですね。鞍上の魅力込みで押さえます。

トータルクラリティは新潟2歳Sを好タイムで勝っており能力だけならメンバー内でも上位。ただし最終追いでメンタルのブレを若干感じさせ、ラストでは手応えほど伸びなかった。なにか内面で引っ掛かる部分があるのかも。京都での新馬戦勝ちがあり、そのあたりに敬意を表して最後の押さえに。

調教採点【7】のうちドラゴンブーストは前走のメンバーレベルがどうかという点。そしてどこまで行ってもジリ脚なタイプで、GIでの決め手比べのなかでは上位争いは難しそう。攻めは順調ですが、無印とします。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!



<調教ライター・西村武輝「朝日杯FS」最終結論>
◎16 タイセイカレント
○4 ミュージアムマイル
▲8 アルテヴェローチェ
☆13 エイシンワンド
△12 パンジャタワー
△2 アドマイヤズーム
△11 ニタモノドウシ
△10 トータルクラリティ

【単勝】16(1点)
【馬連】16=4,8,13,12,2,11,10(7点)
【3連複/フォーメ】16,4=16,4,8,13=16,4,8,13,12,2,11,10(24点)
【3連単/フォーメ】16,4→16,4,8,13→16,4,8,13,12,2,11,10(36点)


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