・インダストリア
冬の中山マイルでは2戦2勝。ほぼ完璧な騎乗だったNHKマイルCは5着に敗れており、適性の所在は明らかだ。ゴール前の伸び脚が目立った前走はラスト3Fが11秒7→11秒7→12秒2と減速ラップが刻まれた利もあり、3勝クラス組が強いデータを加味しても押さえ程度が妥当か。

・ウインカーネリアン
内枠から好スタートを切りながらも中団に控える競馬を選択した前走マイルCS。同馬の持ち味を活かしたレースとは言えず、不可解な一戦だった。未勝利の東京替わりに加えて中2カ月以上の休み明け成績【0-0-0-5】とデータ面のマイナス材料は気になるが、すんなり先行なら粘り込みを警戒したい1頭だ。

・エアロロノア
テンにいけない馬が4角5番手と位置取りを上げて連対をはたした前走京都金杯。中京マイルと抜群の相性を誇る鞍上・福永祐一の好騎乗が光ったレースと言えよう。ただ今回はその福永祐一がジャスティンカフェを選択。100点満点の騎乗でも勝ち切れなかった前走内容を見るより、さらなる前進を望むのは酷に映る。

・カイザーミノル
東京では【0-0-1-4】と凡走が目立つ現状。復調がうかがえた前走内容から、東京以外の競馬場かつリステッド競走ならチャンスはありそうだ。

・サクラトゥジュール
冬の中山で連続激走中の馬。抜群の手応えで勝負どころを迎えた前走のレースぶりを見るより、寒い時季への適性が際立つ1頭と言えそうだ。4角3番手から失速したオクトーバーSの内容をみると東京替わりが心配になるが、当時は4角10番手以下の馬が上位を占めた外差し馬場でのもの。東京芝1600mでは【1-2-0-0】と大崩れがなく、再度の激走があっても驚けない。

・シュリ
2021年以降の馬券内は新潟芝1600mに限定。それ以外のレースでは掲示板外が目立っており、強調材料は乏しい。

・ショウナンマグマ
昨年3回使われた東京芝では【0-0-0-3】。生粋の芝1800m巧者でもあり、個人的には小倉大賞典もしくは中山記念に向かってほしかった。速い上がりを使えない点もマイナスと言わざるを得ない。

・ジャスティンカフェ
前走マイルCSは間隔が詰まったローテーションかつ直線では前が詰まったレース。参考外で良いだろう。中2カ月以上の休み明け成績【2-2-0-0】が示すように間隔があくのは歓迎で、開催時期は違えど4走前の湘南S勝ち時計は安田記念と同じ。良馬場想定の東京マイル替わりで警戒したい1頭だ。

・タイムトゥヘヴン
後方から差し届かずのレースが続く馬。いつかハマる時は来ると思うが、全4連対を挙げる右回り替わりがそのタイミングだろう。

・ナミュール
オークス、秋華賞とクラシック戦線で好走。エリザベス女王杯も3人気に支持されたが、重馬場まで悪化した馬場コンディションに切れ味を削がれた印象を受けた。また、当時は叩き2戦目での参戦だったがそのローテーションでは【0-0-0-3】好走歴なし。翻って、中2カ月以上の休み明け成績は【2-1-0-0】と間隔をあけてこそ真価を発揮するタイプで、2戦2勝の左回り芝1600m替わりなら自然と評価は上がる。

・ピースワンパラディ
内枠からロスなく立ち回れた前走だったが、馬券内には届かず。近3走で先着を許した馬が多く出走するここでは分が悪い印象だ。

・ピンハイ
3勝クラスを制したのち、果敢に挑戦した古馬GIエリザベス女王杯。結果は9着と、馬番フタ桁番の馬が上位を占めた特殊な馬場コンディションで内めの枠を引いた影響をモロに受けたレースだった。中2カ月以上の休み明け成績は【1-1-0-0】と、ナミュール同様に間隔をあけたほうが走るタイプ。得意のローテーションで臨む今回は侮れない。

・ファルコニア
ディープインパクト産駒にしては珍しく、レースを使われることでジワジワと力を付けてきた馬。最高の立ち回りかつ馬場も味方した京成杯AHですら辛勝だったように勝ち切るためのハードルは高いものの、上手に立ち回れた際のヒモ穴候補としてケアしたい。

・プリンスリターン
目下3連勝中の馬だが、今回は2021年11月以来の実戦。古馬混合戦の重賞好走歴がない点も気がかりだ。

・プレサージュリフト
この馬の成績はわかりやすい。左回りでは【2-0-1-1】掲示板外なしと安定した成績だが、右回りでは【0-0-0-2】掲示板内なし。関西圏への輸送競馬もマイナスに働くタイプなのだろう。のちの二冠馬スターズオンアースを下した東京芝1600mはベスト条件。C.ルメール×木村厩舎×東京芝重賞は【5-9-1-6】馬券内率71.4%と抜群の相性を誇り、ノーマークにはできない。

・マテンロウオリオン
ダービー以降は精彩を欠く現状。復調にはもう少し時間がかかりそうだ。