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競馬サロン

齋藤翔人

2022/11/04 19:00

【ファンタジーS】次こそ決めるか、華麗な舞い バレリーナの重賞初制覇に期待

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てんこ盛りの週末、第2弾はファンタジーS。先週のアルテミスSもですが、こちらも負けず劣らずの出世レースで、ダノンファンタジーにレシステンシア。古くは、スイープトウショウ、ラインクラフト、アストンマーチャンと、後のGI馬を多数送り出しています。

早速、予想に入りたいところですが、先週の振り返りを少しだけ。素晴らしいレースとなった天皇賞・秋はあらゆるところで語られており、ファンタジーSと同じ阪神ジュベナイルフィリーズの前哨戦ということで、アルテミスSを取り上げます。勝ったのはラヴェルでした。

スタートでいきなり出遅れて、道中は後ろから2頭目を追走したラヴェル。前半800mは47秒8と遅い流れでしたが、先頭からの差は7馬身ほどに留まっていました。

その後も隊列は変わらず、ラヴェル、コウセイマリアと、後方2頭が前との差を詰めて迎えた直線。ラヴェルは、リバティアイランドが進路を失っているのを横目に、末脚を全開にさせます。

特に、残り300m付近からの伸びは凄まじく、あっという間に先頭。対して、逃げるアリスヴェリテも懸命に抵抗しやや手を焼きましたが、最後はこれをきっちり捉えると、リバティアイランドの追撃も抑え1着でゴールイン。見事、重賞初制覇を達成しました。

昨年産駒がデビューしたキタサンブラックは、これで重賞3勝目。翌30日にもイクイノックスが天皇賞・秋を制しており、トータルで4勝となりましたが、牝馬の重賞勝ち、さらにはオープンクラスの勝利もこれが初めてです。

ところで、このラヴェル。血統面に目を向けると、半姉が秋華賞2着のナミュールで、3代母は97年の桜花賞馬キョウエイマーチ。ちょうど1年前、米国のBCディスタフを制したマルシュロレーヌや、その半弟で7月の交流重賞マーキュリーCを勝利したバーデンヴァイラーの近親にあたる、今、最も勢いがあるファミリーの出身(マルシュロレーヌの半姉が、ナミュール、ラヴェルの母サンブルエミューズ)。

キタサンブラック×キョウエイマーチ一族という血統背景を考えれば、ここまでキレッキレの末脚が発揮されるとは、にわかに信じられませんが、ノーザンファームの育成力や、矢作厩舎のチーム力が素晴らしいからこそ、なせる業ではないでしょうか。

次走、阪神ジュベナイルフィリーズでGI制覇を目指すラヴェル。昨年、1番人気で敗れた姉の雪辱なるか注目されますが、なんといってもアルテミスSの勝ち馬は相性抜群。過去5年で3頭が阪神ジュベナイルフィリーズを制しています。

デビューからの2戦、遅い流れしか経験していない点は気になりますが、父の成長曲線を見る限り今が全盛とは思えません。来春のクラシックはもちろん、古馬になってからも活躍が見込めるのではないでしょうか。

一方、圧倒的な支持を集めながら、クビ差及ばなかったリバティアイランド。直線に入ってすぐの不利が大きかったことは言うまでもありませんが、前走の上がり3ハロンが大変優秀だったとはいえ、この世代で図抜けた存在とまではいえなさそうです。

そして、私が本命に推したマラキナイアは5着。道中スムーズにレースを進めているようにも見えましたが、最後はキレ負けした格好。瞬発力勝負が得意でない可能性もありますが、父はジャスタウェイで、本格化はまだ先なのかもしれません。ただ、上位入着馬と同様、今後を注視していこうと思います。

ということで、振り返りはここまで。

今回は、アルテミスSと同じ阪神ジュベナイルフィリーズの前哨戦、ファンタジーSを深掘り調査。過去5年のレース傾向と、過去3年の阪神芝1400mの傾向から、重視できそうな指標を探します。

まずは、ファンタジーSの過去5年の傾向。重視できそうな指標は、下記の4項目でした。

(1)前走からの間隔と種牡馬の系統
(2)今回の枠順と前走着順
(3)前走距離
(4)前走馬体重と前走馬番

堅い決着が多いファンタジーS。複数の指標を組み合わせないと、好走条件を導き出すのが難しいレースでした。

その中で、まずは(1)。前走からの間隔と種牡馬について。
前走からの間隔に着目すると、好走馬の大半は中4週以上の間隔を開けてきた馬ということが分かります。これをロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒、かつ前走上がりが5位以内。さらに、前走2番人気以下の馬に絞ると[2-4-3-7/16]。勝率12.5%、複勝率56.3%。単勝回収率39%、複勝回収率115%。

超複雑な条件にもかかわらず、素晴らしい成績でした。

次は(2)。今回の枠順と前走着順について。
中枠が強いファンタジーS。今回4枠から7枠に入り、前走2着以内。なおかつ前走4コーナーで3番手から7番手に位置していた馬は[4-1-2-7/14]。勝率28.6%、複勝率50.0%。単勝回収率180%、複勝回収率112%と、こちらもかなりの好成績でした。

(3)は、前走距離について。
ファンタジーSは距離短縮で臨む馬が強いレース。(2)と少し重なりますが、その中でも前走4着以内の馬は[2-3-3-5/13]。勝率15.4%、複勝率61.5%。単勝回収率40%、複勝回収率122%と、超のつく好成績を収めていました。

(4)は、前走馬体重と前走馬番です。
中型馬が強い当レース。とりわけ前走460kg以上480kg未満のレンジに好走馬が集中しており、その中でも、前走6番より外の枠に入っていた馬が[3-1-2-1/7]。勝率42.9%、複勝率85.7%。単勝回収率111%、複勝回収率138%と、凄まじい成績。

出走馬中唯一の重賞ウイナー、ブトンドールだけが該当します。

ここからは、阪神芝1400mの過去3年の傾向。重視できそうな指標は、下記の3項目でした(期間は、2019年11月30日から2022年10月30日まで)。

(5)調教師
(6)騎手
(7)種牡馬

(5)は、このコースに強い調教師。1名ピックアップします(カッコ内は回収率。以下の項目も同じ)。

・武英智調教師[1-3-3-10/17] 勝率5.9%(14%)、複勝率41.2%(158%)

武英智調教師は、期間内の勝利こそメイケイエールで制した2020年のファンタジーSだけですが、5番人気以下での好走が4度。10番人気馬の激走も含まれています。

(6)はこのコースに強い騎手。2名ピックアップしました。

・川田将雅騎手[9-6-10-16/41] 勝率22.0%(91%)、複勝率61.0%(102%)
・団野大成騎手[8-8-4-34/54] 勝率14.8%(59%)、複勝率37.0%(115%)

このコースでも、好走率が尋常ではない川田将雅騎手。とりわけ2歳戦は好成績で、今回は前走団野大成騎手が騎乗したバレリーナとタッグを組みます。

一方の団野騎手も当コースでは好成績。こちらは、前走川田騎手が騎乗したクインズエルサとコンビを組むという、不思議な関係になっています。

最後は(7)。このコースに強い種牡馬。条件付きの馬もいますが3頭取り上げます。

・牝馬のダイワメジャー[6-3-4-15/28] 勝率21.4%(122%)、複勝率46.4%(254%)
・1枠から4枠のイスラボニータ[2-0-2-3/7] 勝率28.6%(362%)、複勝率57.1%(114%)
・アメリカンペイトリオット[1-3-1-0/5] 勝率20.0%(44%)、複勝率100%(252%)

牝馬のダイワメジャー産駒は超のつく好成績で、こちらも該当するのがバレリーナ。

また、内枠に入ったイスラボニータ産駒は、好走した4頭がいずれも違う馬。サンプルは少ないものの信頼できそうです。

そして、アメリカンペイトリオットはそれより少ない5走ですが、なんと複勝率100%。3頭が5走しての成績で、こちらも信頼できる指標とみて取り上げました。

以上の7項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎10 バレリーナ
○9  サラサハウプリティ
▲6  レッドヒルシューズ
☆5  ブトンドール
△2  ミカッテヨンデイイ
△3  クインズエルサ
△8  リバーラ
△7  コスモフーレイ
△11 アロマデローサ
△12 シルフィードレーヴ


【買い目】

・馬単マルチ 10=9、6、5、2、3、8、7、11、12 計18点
・ワイド 10→9、6、2、3、8、7、11、12 計8点
・3連複ボックス 10、9、6、5 計4点


本命は、単独4項目に該当したバレリーナ。以下、2項目該当の馬が多数いたため、距離短縮組と重賞勝ちの実績を重視し、サラサハウプリティ、レッドヒルシューズ、ブトンドールの順に印をつけました。

連闘した小倉2歳Sで、最後の最後ロンドンプランの鬼脚に屈したバレリーナ。それでも、速いペースを前とは差のない先団で追走しての惜敗で、一番強いレースをしたのはこの馬だったと思います。

馬券は、いつもどおり馬単マルチとワイドを購入。また3連複も買いますが、こちらに関しては、距離短縮組にも色気を感じるので、上位4頭のボックスとさせてください。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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