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田原基成

2021/02/13 20:11

【共同通信杯】伏線は先週にあり。リベンジの勝利に向けた条件は整った。/京都記念/東京4R/東京12R

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【東京11R 共同通信杯】

今回の伏線は東京新聞杯にある。

その馬にとって定位置である後方待機かと思いきや、突如先行。人気を上回る結果を残したひとりの騎手がいた。当時の見解とともに振り返ろう。

(見解ここから)
今回、私が展開のキーマンと捉えているのは横山典弘だ。

この人を語るうえで外せないのが「奇想天外」とも思える戦法。いわゆる「ポツン」がその代表といえるが差し・追込馬を突如として先行させるケースも珍しくない。乗り替わりで臨んだ前走は2走前よりポジションを上げていたが、元を正せばデビュー戦は逃げ切り勝ちを収めていた馬。「ポツン」と急な先行策。「ふたつの顔」を使い分けるしたたかさがこの人にはある。

狂気の天才・横山典弘騎乗のトライン。

私がこのレースで本命を託す馬だ。

むろん鞍上だけが理由ではない。パフォーマンスを落としてしまった前走は休み明け好走→間隔を詰めたローテの2走ボケの可能性が高いと私は捉えている。重要なのは2走前、東京芝1600mの舞台で1分32秒台をマークしたこと。時計勝負はこの馬にとって「庭」と言えるもの。

仮にいつも通り差す競馬に転じたとしよう。

大外から豪快な末脚……を想像してしまうシチュエーションだが、ヒントとなるのは昨年。クリノガウディー騎乗で3着入線の当時、鞍上の横山典弘は迷わずインに進路を取った。7枠13番の馬をスッと内に入れる技術……正直言って痺れた。

少し古い話になるが、2013年東京新聞杯3着馬トライアンフマーチも同じパターン。この時期の東京芝の特徴を手の内に入れるからこそ成し得る高等技術。理屈云々じゃなく、もはや体で覚えているレベルと言えよう。

取るべき進路は内にあり。ここはトラインの大駆けに期待する(見解ここまで)。

結果は8番人気5着。あれ以上は望めないパーフェクトな競馬をしての結果だからなんら後悔はない。何より一筋縄ではいかない横山典弘という騎手を少しだけ理解できたような気がしたのが嬉しかった。

それを踏まえ、今年の共同通信杯。

直線一気の脚でサウジアラビアRCを制したステラヴェローチェをどう乗りこなすだろう?

すでに答えは出ているのかもしれないが、私はほぼ間違いなく先行策をとると思っている。その戦法を実践できる枠を引き当てたし、先週の伏線回収はこの舞台。1コーナーまでの距離が決して長くない東京芝1800m、内枠の先行馬が得られるアドバンテージは計り知れない。

ゴールドシップ。
リアルスティール。
スワーヴリチャード。

後方から差す競馬でGI戦線を彩ったこれらGI馬も、共同通信杯では内枠の利を活かす先行策をとっている。騎手としての本能が導いた戦法かそれとも……確かに言えるのは上記3頭が先行策でこのレースを勝ったこと。そして差す競馬に徹したドゥラメンテは前を捕らえきれなかったという事実。

「ステラヴェローチェは先行する」

その前提で考えたときに懸念されるのは距離。とはいえ過去のレースを振り返ると、ゴール後もさらに伸び続けるような末脚……とても200mの距離延長で切れ味が激減するとは思えないのだ。

「何も言うことはない調整ができました」

調教師のトーンも弾む。この中間はゲート練習を行ったとのことだが、実際のレースでその成果を発揮するのが一流馬の条件。極悪馬場を突き抜け、高速馬場で上がり3F最速をマークした同馬はその資格を満たすはず。

迷いはない。

ステラヴェローチェが私の本命だ。

相手本線に抜擢するのはディオスバリエンテ。

この馬が新馬戦で負かしたボーデンは次走、驚愕の時計で圧勝。新馬戦では3・5着馬もあっさり勝ち上がっており、ハイレベルレースであることは明らかだ。過去10年の共同通信杯において、前走2着内から臨む堀厩舎所属馬は【0-3-1-0】馬券内率100%。きさらぎ賞をパスしてこのレースに臨む以上、勝算ありと捉えたい。

シャフリヤールも軽視禁物。

11秒9-11秒6-11秒5と加速ラップを制した前走。2着に負かしたヴィヴァンが次走快勝ならこの馬の評価が下がることはない。初の関東遠征、冬競馬と課題は山積みだが秘めるポテンシャルは一級品。東京芝1800mの鬼・福永祐一の手腕も含めノーマークは避けたいところだ。

さらにはヴィクティファルス。

好スタートからスッと控え、直線入口付近では外から他馬を一気に飲み込むような脚。若い時期のハーツクライ産駒らしからぬ操縦性の高さと前向きさを兼ね備えた馬だ。ここは一気の相手強化となるが、このレースと好相性の社台ノーザングループ系クラブ馬という点は魅力。私のなかでの評価は高い。

【東京11R 共同通信杯予想の印】
◎3 ステラヴェローチェ
〇1 ディオスバリエンテ
▲11 シャフリヤール
☆9 ヴィクティファルス
△8 レフトゥバーズ
△7 エフフォーリア
△2 キングストンボーイ
△6 タイソウ

【3連複/フォーメ】3-1,11,9-1,11,9,8,7,2,6(15点)


【阪神11R 京都記念】

アドマイヤムーン、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ。

これら3頭には京都記念参戦後、ドバイ遠征を敢行した馬という共通点がある。

3月末に施行されるドバイミーティング。伝統ある京都記念が近年はたす役割は「世界に向けたステップレース」。それは中山記念にも言えることだ。時代とともにレースの位置付けがアップデートされる昨今。こうしたトレンドはできるだけ早く捉えたいところ。

今年の出走馬でドバイを目指す馬はラヴズオンリーユー。

私の本命馬だ。

オークス勝利の実績は言うに及ばず、阪神内回りコースの経験も豊富。もはや裸同然の斤量54キロにGIIとは思えないメンバー構成となれば死角なしと判断するのは自然の成り行き。

……と、そんなシンプルな見解では私自身が納得いかない。

ラヴズオンリーユー本命を後押ししたもの。それは川田将雅の「覚悟」だ。

「はじめてコンタクトをとって僕が感じたことを厩舎へ伝えて、調整していただいた」

これは今回手綱を握る川田将雅の1週前追い切り後のコメント。有馬記念後の決して長くない時間にもかかわらず、課題克服のためやるべきことをやる陣営の意欲には頭が下がる。

川田将雅に関していえば、良くも悪くも物言いがハッキリした騎手との印象。昨年のチャンピオンズC、クリソベリルの1週前における状態を「体の緩さが目立ちます」と言い切っていたのだ。

忖度せず伝えるべきことを伝える川田将雅もすごいし、それを受け入れてメンテナンスに注力する厩舎もすごい。今回はハミをトライアビットに替え、操縦性は向上しているとのこと。まさにワン・チーム、即席のタッグとは思えないコンビネーションを発揮している。

【3-1-2-0】馬券内率100%の関西圏。
【3-1-1-0】馬券内100%の斤量54キロ。

それに前述の調整過程が加われば鬼に金棒。ラヴズオンリーユーの本命に迷いはない。

相手本線に据えるのはダンスディライト。

この馬で注目したいのは福永祐一のコメント。6走前、能勢特別後は「展開が向いたのでしょう」と素っ気ないコメントだったが前走後は「馬が良くなりました。見違えるようでした。これから活躍してくれるでしょう」とトーンが一変していたのだ。ダンスファンタジア、カイザーバルとこの馬の姉はいずれも5歳に復活。「5歳での覚醒」を予感させる勝ちっぷりと全4勝を挙げる阪神芝開催の京都記念、重賞即通用の下地は整った。

ジナンボーも侮れない。

重賞戦線を使われるようになった新潟記念以降、勝ち馬と0秒6差以上の敗戦を喫したレースはGIと道悪馬場に限定。芝中距離での持ち時計も申し分なく、良馬場での施行が叶うようなら評価を上げるべきだろう。

【阪神11R 京都記念予想の印】
◎4 ラヴズオンリーユー
〇5 ダンスディライト
▲10 ジナンボー
☆7 ワグネリアン
△11 サトノルークス
△9 ダンビュライト
△2 ステイフーリッシュ
△8 モズベッロ

【3連複/フォーメ】4-5,10,7-5,10,7,11,9,2,8(15点)


次に、自信の一鞍。

【東京4R 3歳1勝クラス】

グランツアーテムの未勝利戦は驚愕の内容だった。見た目の派手さもさることながら自身の上がり3Fは35秒4……2歳馬における良馬場東京ダート1600m史上最速、次位はフェブラリーS勝ち馬ノンコノユメが計時した35秒6だ。

当時の鞍上・横山典弘に戻る今回。西森功オーナー×横山典弘×中川師のダート成績【2-0-1-1】もこの馬を後押しする材料となる。砂を被ったときの不安を抱える馬にとって外めの偶数枠は願ってもない条件。スムーズなら確勝級。

【東京4R 3歳1勝クラス予想の印】
◎12 グランツアーテム
〇5 フィールザワールド
▲2 ビーカレイジャス
☆11 ショウリノカンパイ
△1 グランスエーニョ
△6 ロスコフ
△4 ララシャルロット
△14 ゼローソ

【3連複/フォーメ】12-5,2,11-5,2,11,1,6,4,14(15点)


最後に太鼓判レース。

【東京12R 4歳上2勝クラス】

昨年同時期に東京ダート1400m勝利実績があるアイアムピッカピカ。

当時は良馬場での勝利だったが、この馬はパサパサのダートでこそ輝くタイプ。良馬場かつ左回りのダート成績【2-1-0-0】はそれを如実に表すものと言えよう。

中間の坂路では3週連続で4F52秒以内としっかり稽古を積みつつ動けている。昨年の勝利時も2週連続坂路で好タイムをマークしており、ここは変わり身が期待できる鞍だ。

【東京12R 4歳上2勝クラス予想の印】
◎6 アイアムピッカピカ
〇5 トリッチトラッチ
▲9 ラティーンセイル
☆12 ワンダーマンボ
△16 シングシングシング
△10 エンドーツダ
△8 ラキャラントシス
△14 フォークテイル
△15 ユナカイト

【3連複/フォーメ】6-5,9,12-5,9,12,16,10,8,14,15(18点)

田原基成のプロフィールはこちら
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