【中山11R　AJCC】

非根幹距離の中山芝2200m、道悪濃厚の馬場コンディション、冬競馬。

今年のAJCCには「波乱の三拍子」が揃った。

ここのところ忘れていた感覚だが、競馬は屋外で施行される。それゆえ天候の影響をダイレクトに受けてしまい、雨や風、そして雪といった外的要因がサラブレッドのパフォーマンスに著しい影響を及ぼす。当たり前かもしれないが、今週はそれを再確認させられる週となりそうだ。

攻略への糸口は？

私が今回、引き出しとして開けるのは「次走を想像する重要性」。

競馬予想は終わりのないストーリー。たとえ今回、狙った馬の結果が振るわなかったとしても必ず次のチャンスは訪れる。その繰り返しを経て「競馬予想力」は磨かれていくものだ。

非根幹距離の中山芝2200m、道悪濃厚の馬場コンディション、冬競馬。

この条件で惨敗を喫した陣営が何と言うか？　かなりの確率で「前走は参考外」と弁を述べることだろう。狙うべきは「参考外」と言わないであろう陣営の管理馬。今回はあえて性格の悪い推測をもとに予想を組み立てていく。

例えばアリストテレス。

オール野芝を連勝し、勢いそのままに臨んだ菊花賞は2着。無敗の三冠馬コントレイルをあと一歩のところまで追い詰めたのだから大したものだ。潜在能力はこのメンバーでは間違いなくトップクラスにランクされる。

キーワードは「オール野芝を連勝した」事実。オール野芝は高速馬場を誘発する。加えて同世代との戦いとなる芝3000mは適性がモロに出てしまう条件。仮にコントレイルの舞台適性が最悪だったとして、アリストテレスの舞台適性が最高だった可能性は否定できない。この馬は中京芝2200mで狙いたかった……それが私の本音だ。

なお、4歳世代全般に言えることとして私は皐月賞がもっともハイレベルレースだったと思っている。コントレイル、サリオス、ガロアクリーク、ウインカーネリアン……古馬混合の3勝クラス以上で馬券圏内に入った皐月賞出走馬はこの4頭だけ。今後、4歳世代の取捨選択を行ううえで見逃せない事実と言えよう。

どの馬から入るべきか？

「前走は参考外」との言葉を使わないであろう陣営が送り出す馬にスポットを当て、攻略への道筋を見つけたい。

私が白羽の矢を立てたのはサンアップルトン。

アルゼンチン共和国杯3着後、私はてっきりステイヤーズSに向かうものだと思っていた。芝2600mでの勝利実績があるように、距離はいくらあっても大丈夫なタイプ。手薄なメンバー構成が予想される同レースなら好勝負可能……その目論みは外れてしまったわけだがAJCC参戦とは驚いた。

なぜ、このレースを選んだのか？

私が着目したのはローテーション。クラブ馬がひしめく大手牧場ならいざ知らず、失礼ながらメジャーとはいえない牧場・陣営にしては大事に使われている印象を受ける。最長でも休み明け3戦目まで、その後はひと息入れられ仕切り直すのがこの馬のパターン。

3馬身差快勝の岩船特別。
勝ち馬とタイム差なしの早春S。

パフォーマンスを上げた2戦はいずれも前走から2カ月半のレース間隔。奇しくも今回と同じ臨戦過程だ。陣営の意図が「好走ローテを遵守すること」にあるとすれば、ここで狙わない手はない。

芝2200mでの成績【2-1-0-1】。
12-2月の中山成績【2-1-0-1】。
中2カ月半での成績【1-1-0-0】。

もしも今回、凡走を喫したとして次走時に「前走は参考外」との声が陣営から聞かれたら……それは今後、その陣営の声に耳を傾けないことを意味する。ターゲットは間違いなく今回。サンアップルトンに本命の印を託す。

相手本線に据えるのはサトノフラッグ。

3連勝の勢いに陰りが見られる近走。特に適鞍の2走前は勝ち切ってほしかったのだが……それでも中山適性を改めて証明した点は評価すべきだろう。レースに向けた中間の坂路調教において、4F52秒台をマークした際の成績は【3-0-0-0】。1週前、そして当週といずれも4F51秒台を記録しており、ここにかける陣営の勝負気配は良好だ。

【中山11R　AJCC予想の印】
◎２ サンアップルトン
〇１ サトノフラッグ
▲12 ステイフーリッシュ
☆16 ジェネラーレウーノ
△８ ラストドラフト
△９ アリストテレス
△10 モズベッロ
△４ ヴェルトライゼンデ
△３ ノーブルマーズ

【3連複/フォーメ】2-1,12,16-1,12,16,8,9,10,4,3（18点）


【中京11R　東海S】

特別登録馬を見た瞬間……いや、前走レース後に次走本命を決めていた馬がいる。

6枠10番、ハヤヤッコ。

何より注目すべきは前走記録した「2分8秒8」だ。

東京ダート2100m×良馬場。この条件において2分8秒台の壁をクリアした馬は「出世率」が半端ではない。当時東京ダート2100mで施行されていたGIジャパンCダート勝ち馬を除くと、

・マチカネワラウカド（次走1着）
・ワールドクリーク（次走1着）
・スナークレイアース（次走2着）
・ミツバ（次走1着）

次走成績に直すと【3-1-0-0】。連対率100%を誇る正真正銘の「出世タイム」なのだ。

改めてレースを振り返ると、道中は後方待機でじっくりと脚を温存。直線に入りいざ追い出されると、上がり3F最速の脚であっという間に突き抜けてしまった。展開がハマった、との一言で片づけるには無理があるような圧巻のパフォーマンス。

「ひとつ上にあがったかなという印象です」

声の主は国枝師。デビュー時は440キロ台と牡馬にしては華奢にも映る馬体。それが気付けば480キロを越え、今は470キロ台で力強さとシャープさのバランスを取っているようだ。5歳を迎え、今がフィジカル・メンタル両方における充実期と捉えられる。

左回りのダート1800m成績【1-0-1-0】。
田辺裕信とのコンビでの成績【2-0-1-1】。
稍重-不良ダート成績【0-2-0-1】。

どの項目でも高い好走率。数字の裏付けも得たハヤヤッコの本命に迷いはない。

馬場コンディションを踏まえ、相手本線に抜擢するのはグレートタイム。

稍重-不良成績【2-3-1-1】はメンバー中随一。とにかく脚抜きの良いダートとの相性が良い馬だ。今開催の中京重賞で確変状態にある鞍上・福永祐一の存在も含め、ノーマークにはできない。

週中コラムから評価を上げたのはインティ。

コース適性は今さら語るまでもないが、今回は枠順が良い。内めの偶数枠を引き当て、脚抜きの良い高速ダートも持ち時計に秀でたこの馬向き。2列目には必要との判断を下す。

さらにはタイキフェルヴール。

鮮やかな末脚で制した前走師走S。レースぶりはもちろんのこと、デビュー時から数えて40キロ以上馬体重を増やしつつの勝利だった点にこの馬の奥深さが垣間見える。国内における左回りのダート戦では【2-1-0-0】連対率100%。侮れない。

【中京11R　東海S予想の印】
◎10 ハヤヤッコ
〇１ グレートタイム
▲６ インティ
☆４ タイキフェルヴール
△11 オーヴェルニュ
△９ ダノンスプレンダー
△２ ダイシンインディー
△12 アナザートゥルース

【3連複/フォーメ】10-1,6,4-1,6,4,11,9,2,12（15点）


次に、自信の一鞍。

【小倉12R　海の中道特別】

ここはダディーズトリップで軸不動。

2年前を振り返ると、2-3月の小倉芝で連続好走。昨年も同じような時期に連続好走をはたしており、冬の小倉を文字通り「庭」としている馬だ。

さらに特筆すべきは冬の小倉4戦がいずれも道悪だった点。天候まで読める馬なのか……今週の小倉は雨予報。渋った馬場が濃厚となれば本命以外の評価を下すことはできない。

【小倉12R　海の中道特別予想の印】
◎８ ダディーズトリップ
〇９ アドマイヤポラリス
▲１ トウカイデュエル
☆２ プランドラー
△４ ノーチカルチャート
△６ サンサルドス
△11 メロディーレーン

【3連複/フォーメ】8-9,1,2-9,1,2,4,6,11(12点)


最後に太鼓判レース。

【小倉11R　豊前S】

ミステリオーソは昨年同時期に小倉ダート1700mを圧勝した馬。当時は不良馬場だったが、そのレースを含め脚抜きの良いダートでは【2-2-0-0】連対率100%と抜群の信頼度を誇る。願ってもない条件替わりの今回、昇級即通用のシーンが見られそうだ。

【小倉11R　豊前S予想の印】
◎１ ミステリオーソ
〇６ リネンファッション
▲４ ケルティックソード
☆３ サンライズホープ
△14 テオレーマ
△12 ダンツキャッスル
△15 シホノフォルテ
△13 サンライズナイト

【3連複/フォーメ】1-6,4,3-6,4,3,14,12,15,13(15点)

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