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田原基成

2020/11/28 19:34

【ジャパンC】「普段通り」こそ陣営最大の強み。不変の三冠馬に迷いなき◎。/京阪杯/阪神11R/東京11R

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【東京12R ジャパンC】

ついにこの日がやってくる。

デアリングタクトがいち早く参戦を表明し、それに呼応するかのようにコントレイルもエントリー。「無敗の三冠馬対決」という前代未聞の出来事にファンは胸を躍らせた。

事態が急変したのは11月12日。

芝GI8勝の新記録を打ち立てたアーモンドアイが電撃参戦+ジャパンCでの引退を発表。そのニュースはあっという間に世の中を駆け巡り、ふだん競馬をほとんど見ない友人からのLINEの通知がピコンピコンと鳴りやまないほど。

メイウェザーvsパッキャオ。
笑っていいとものグランドフィナーレ。

芝GI8勝馬アーモンドアイvs無敗の三冠馬コントレイルvs無敗の三冠牝馬デアリングタクト。これは上記に匹敵する歴史的遭遇とハッキリ言い切れる。願わくば、満員のスタンドで現地観戦をしたかった気持ちは強いが……。

さあ、ジャパンCだ。

このレースの評価軸はシンプル。「3強」にどのような序列をつけ「3強」のどの馬を本命に据えるか。それがすべてと言っても過言ではないだろう。

分析対象、1頭目はコントレイル。

昨年11月の東スポ杯2歳Sをレコード勝ち。その後も黒星を喫することなく「遊びながらこうして日本ダービーを勝つのですから……」と鞍上が語るほどの余力残しでダービー馬に。三冠をかけた菊花賞は思わぬ苦戦も、映像を見る限りまったく交わされる気はしなかった。文句なしの三冠達成だ。

しかし、その代償は少なくなかった。

「体がさびしい」と回避も覚悟したほど先週の動きは芳しくないもの。今週持ち直したあたりが並の馬ではないのだが、100%順調かと言われれば答えはノーと言わざるを得ない。

ナリタブライアン。
ディープインパクト。
オルフェーヴル。

神戸(京都)新聞杯→菊花賞のローテで三冠馬に輝いた面々が、初めて古馬と相まみえたのは有馬記念。芝3000mを制したのち、約1カ月をあけての参戦は極めて異例だ。

何より今回、私が懸念しているのは「チーム・コントレイル」が組めないシチュエーション。同じノースヒルズ系列のキメラヴェリテもコルテジアもディープボンドもこのレースにはいない。この事実を見逃してはいけないし、与える影響は大きいものであると私は捉えている。

続いてアーモンドアイ。

この馬が参戦を表明したことで、歴史的な一戦になった。引退レースで無敗の三冠馬との真っ向勝負を選択した陣営には頭が下がる想いだ。

実績は今さら説明するまでもないが、ここはローテーションが気がかり。芝GI8勝目を目指した前走……当時を「勝負仕上げ」という言葉以外で説明することが私にはできないのだ。

開催半ばで施行された天皇賞(秋)は高速馬場。上がり3F33秒1を刻み、後続の追撃をなんとか凌いだ。そう、「なんとか凌いだ」パフォーマンスが私にとって気がかり。昨年のアーモンドアイなら3馬身は前にいたはず。

4歳以降、前走から間隔を詰めた際の成績は【0-1-1-1】。香港と天秤にかけてこちらを選択した背景から、少しでも間隔をあけたかったとの思惑が見て取れる。タフな今の東京芝はスタミナを容赦なく奪う。私にはこの馬が馬場の真ん中を「ナタの切れ味」で突き抜ける姿を思い浮かべることができなかった。

最後にデアリングタクト。

私の本命馬だ。

「トライアルを叩いたほうがいいんじゃないかという気持ちはあったけど……」

これは秋華賞前に育成した岡田スタッドグループの岡田氏が語ったこと。それでも最終判断は調教師に任せ、その期待に応える無敗の三冠の偉業達成。陣営の意思疎通がしっかり図れている印象を受ける。

加速ラップを刻んだ1・2戦目。
減速ラップを突き抜けた桜花賞。
上がり3F33秒1の脚で制したオークス。
プラス14キロで横綱相撲を披露した秋華賞。

この馬はまだ底を見せていない。

懸念材料があるとすれば、オークス・秋華賞ともに発汗が目立っていたこと。テンション面に関して危惧すべき項目と言えるが、私はもっとシンプルに考えている。

「デアリングタクトは暑さに弱い」

これが真理なのではないだろうか?

オークス当日は最高気温25度前後、秋華賞も20度前後まで気温上昇。その一方で桜花賞は最高気温10度に届かず、エルフィンSも同様。新馬戦も15度前後と涼しい気候だったのだ。

日曜日のジャパンCは最高気温14度想定。コンディションを維持するうえで適した気候と判断できる。私のなかで、懸念材料は解消された。

「追い切り後も変わりありません。体重も予定通り。枠も極端でなく、いいと思います。当日までいつも通り調整するだけです」

コメントの節々から落ち着き払った様子が窺える杉山調教師。トレーナーとしてはまだまだ若い38歳、GI馬ケイティブレイブを引き継ぎ、今年復活へと導いた手腕はダテではない。

その片鱗が窺えるのが中間の稽古。

桜花賞→オークスの時と同じレース間隔で臨むわけだが、当時と調教の内容がまったくといっていいほど変わっていないのだ。成功例を踏襲し、大一番に向けて気負うことなくルーティンワークをきっちり消化。馬だけでなく、調教師のメンタルも高値安定。これはすごいことだと思う。このレベルの馬はいかに普段通りでいられるかが重要なのだ。

不変の三冠馬・デアリングタクトの本命に迷いはない。

3強に割って入る相手本線にはカレンブーケドールを。

東京芝2400m適性は言うに及ばず、今年はわずか2戦と消耗度も少ない。3強が牽制しあう展開になったとき、この馬の先行力は侮れないものとなる。

3列目で週中から評価を上げたのはユーキャンスマイル。

先週、今週の競馬を見る限り鞍上・岩田康誠が狙うのはイン。必殺の戦法で数々のGIタイトルを手にしてきたベテランの手綱捌きに注目。

【東京12R ジャパンC予想の印】
◎5 デアリングタクト
〇1 カレンブーケドール
▲2 アーモンドアイ
☆6 コントレイル
△13 ユーキャンスマイル
△4 キセキ
△15 グローリーヴェイズ

【3連複/フォーメ】5-1,2,6-1,2,6,13,4,15(12点)
【3連単/フォーメ】5-1,2,6-1,2,6,13,4,15(15点)


【阪神12R 京阪杯】

開催が進み、少なくとも開幕週のような超高速馬場とは言えなくなってきた阪神芝。ラブカンプー、ジョーカナチャンら直線競馬でもハナを奪えるスピード自慢が揃ったここは外差し決着を警戒すべきだ。

本命はタイセイアベニール。

この馬で強調したいのは3走前。阪神芝1200mで行われたCBC賞、後方からただ1頭脚を伸ばし4着に食い込んだレースだ。当時の阪神芝は異常なイン有利馬場。なんの前触れもなく復活をはたしたラブカンプーの逃げ切り、内枠からロスなく立ち回ったアンヴァル、レッドアンシェルの好走がその証拠だ。

今年の成績を馬場別に分類すると、稍重【0-0-1-2】に対し、良馬場【2-0-0-1】。良馬場で唯一の馬券圏外は前走セントウルS4着のみとなっており、当時の1.3着馬は次走スプリンターズSで2.4着。ハイレベルな一戦で大崩れしなかった点は高く評価できる。

相手本線に抜擢するのはトゥラヴェスーラ。

重賞ではひと息足りない近走成績だが、大崩れしているわけでもない。3走前勝利時と同じ右回りかつ良馬場が望めそうなここは見直したい1頭と言えるだろう。

【阪神12R 京阪杯予想の印】
◎15 タイセイアベニール
〇16 トゥラヴェスーラ
▲3 レッドアンシェル
☆13 カレンモエ
△9 リバティハイツ
△2 アンヴァル
△10 フィアーノロマーノ
△11 シヴァージ
△4 プリモシーン
△5 ロードアクア

【3連複/フォーメ】15-16,3,13-16,3,13,9,2,10,11,4,5(21点)


次に、自信の一鞍。

【阪神11R カノープスS】

ここはメイショウカズサで仕方ないだろう。逃げて圧勝の近走内容は圧巻。強力な先行馬不在のメンバー構成、昇級の壁はない。

相手本線には前走復調の兆しが窺えたマイネルユキツバキを。

【阪神11R カノープスS予想の印】
◎12 メイショウカズサ
〇3 マイネルユキツバキ
▲9 ダノンスプレンダー
△2 ネオブレイブ
△4 バーンスター
△10 ヒラボクラターシュ

【3連複/フォーメ】12-3,9-3,9,2,4,10(7点)


最後に太鼓判レース。

【東京11R ウェルカムS】

カントルの岩田望来は夏以降、ずっとこの馬に騎乗。ジャパンCデーでの出走もおそらくジョッキーに合わせた参戦だろう。左回りでは【2-2-0-0】連対率100%。現級では年内最後の適鞍、勝負仕上げと捉える。

【東京11R ウェルカムS予想の印】
◎4 カントル
〇14 レッドアルマーダ
▲9 イェッツト
☆2 グレンガリー
△13 サペラヴィ
△12 ヒシイグアス
△11 オメガラヴィサン
△5 ショウナンハレルヤ
△3 サトノエルドール

【3連複/フォーメ】4-14,9,2-14,9,2,13,12,11,5,3(18点)


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アカウント⇒田原基成@競馬ストーリーテラー

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