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田原基成

2020/11/14 19:20

【エリザベス女王杯】この馬は間違いなく強い。アーモンドアイ世代のアノ馬に◎。/福島記念/阪神7R/東京11R

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【阪神11R エリザベス女王杯】

「これはやばいな……」

阪神6R・2歳未勝利戦。芝1800mで計時された1分45秒6には驚かされた。先週も感じたことだが、いまの阪神芝の高速馬場っぷりは東京の比ではない。

迎えたメイン、芝1600mはなんと1分32秒4。

勝ち馬のパフォーマンスは圧巻の一言。土曜日の見解で私は「レッドベルオーブが今年の朝日杯FSを勝つと思っている」と記したが、かなりの確率で現実味を帯びてきた。極端な枠を引き当てない限り、私の信念が揺らぐことはないだろう。

話をエリザベス女王杯に移す。

阪神に舞台が替わる今年。同じ芝2200mのGI・宝塚記念を比較対象とする向きもあるが、それは違うと断言できる。馬場があまりにも違いすぎるからだ。想定タイムは2分10-11秒台、上がり3Fは33秒台後半-34秒台。この数字が基準点だ。

すると、どうだろう。

「2000-2012年の宝塚記念」が参考材料として浮上するのだ。

当時の宝塚記念は開催4日目の施行。そう、今年のエリザベス女王杯と同じである。馬場コンディションも良好となれば関連性は極めて強くなるはず。前言撤回するようで申し訳ないが、2000-2012年の宝塚記念を以下の条件に当てはめたうえで紐解いていきたい。

「芝・ダート良馬場」
「一日中天候:晴れ」

日曜阪神で予想されるシチュエーションだ。

その状況で施行された2000-2012年の宝塚記念勝ち馬は、

・ダンツフレーム
・スイープトウショウ
・ドリームジャーニー

3頭の共通点は「マイルGIでの連対歴」。スピード競馬に対する確かな裏付けがあった点は無視できない。

この前提を頭に入れつつ、今年の有力馬を分析していく。

まずはラッキーライラック。

絶好調のC.ルメールを鞍上に迎えるディフェンディング・チャンピオン。大阪杯勝利が示すようにコース適性も申し分ないが……特殊な馬場コンディションを差し引いても、宝塚記念は少々だらしない負け方だった。オルフェーヴル産駒のGI7-8枠時成績は【0-0-0-9】。万全の信頼を置ける馬とは言い切れない。

対照的に内めの枠を引き当てたのはノームコア。

寒い時季の中山牝馬S、重馬場の高松宮記念、稍重の安田記念……パフォーマンスを落としたレースは時計のかかる馬場に集中している。例年通り連続開催の京都芝なら評価を落としたいところだったが、今年は高速馬場の阪神開催。ゴールまで減速することなく駆け抜けた紫苑Sに近い条件が見込める以上、評価を落とす理由は見当たらない。

ラヴズオンリーユーはどうか。

高速馬場を得意とするディープインパクト産駒。オークスの走破タイム2分22秒8はレースレコード……高速馬場への適性は高い。忘れな草賞、鳴尾記念のパフォーマンスから阪神芝内回りコース替わりは大歓迎。復活のシーンは想定すべきだ。

有力馬のなかで不安要素を抱えるのはラッキーライラック。3走前の大阪杯は素晴らしい内容だったが、今回は馬番18番がネック。内ラチを頼りたいタイプだけに、割り引きは必要だろう。

展開を紐解くと、ノーザンファームが送り込むペースメーカー・ロサグラウカの逃げが濃厚。とはいえガンガン飛ばす逃げ馬ではなく、ペースアップはレースが佳境に差し掛かる頃。その恩恵を受けるのはコーナーで位置取りを上げつつギアチェンジができる馬だ。

腹は決まった。

ここはノームコアから入る。

前提として、高速馬場においては距離問わずマイル適性が求められる傾向にある。例えば皐月賞。ノーリーズン、ダイワメジャー、ロゴタイプ、アルアイン……2019年の勝ち馬サートゥルナーリアも芝1600mで勝ち上がった馬だ。高速馬場×マイル適性。このマッチングが生み出す効果は計り知れない。

もうひとつ、取り上げたいのが紫苑S。

勝ち時計1分58秒0以上に注目すべきは後半1000mのラップが57秒9だった点。同じ急坂右回りの阪神芝2000mをみると、後半1000m57秒台を記録した馬はわずか10頭。ディープインパクト、オルフェーヴル、キングカメハメハ……10頭の中から「怪物」の名前を見つけることができる。

ブラストワンピース。
ペルシアンナイト。
ディアドラ。
モズカッチャン。

国内GIを制したハービンジャー産駒を挙げると、そのほとんどが渋った馬場巧者であることがわかる。時計のかかる連続開催京都芝、暮れの中山は彼ら彼女らにとって絶好の「稼ぎ時」。

しかし、ノームコアは違う。

モズカッチャン、ペルシアンナイトが秋の京都芝GIでリピート好走を決めるなか、5着に敗れた一昨年のエリザベス女王杯。その後も勝ち切れず、5番人気で臨んだのは産駒にとって鬼門と言える春の東京芝GI。その状況下でのレコード勝ちに私は開いた口が塞がらなかった。

「ハービンジャー=時計のかかる馬場巧者」

この方程式はノームコアには当てはまらない。紫苑S、ヴィクトリアマイルのパフォーマンスを見せられては初の阪神芝コースの不安より高速馬場の期待値が上回る。昨年のヴィクトリアマイル、今年の札幌記念と人気馬2頭に先着している事実を忘れていないだろうか?

間違いなく強い。ノームコアが私の本命だ。

相手本線にはラヴズオンリーユー、センテリュオのディープインパクト産駒2頭を。高速馬場でこの血筋を評価しないわけにはいかないだろう。

【阪神11R エリザベス女王杯予想の印】
◎6 ノームコア
〇11 ラヴズオンリーユー
▲8 センテリュオ
☆18 ラッキーライラック
△5 リアアメリア
△4 ソフトフルート
△13 サラキア

【単勝】6(1点)
【馬単/ながし】6-11,8,18(3点)
【3連複/フォーメ】6-11,8,18-11,8,18,5,4,13(12点)
【3連単/フォーメ】6-11,8,18-11,8,18,5,4,13(15点)


【福島11R 福島記念】

「荒れないわけがない」

私の福島記念に対するイメージはこの言葉に集約される。

GI裏開催・ローカル芝2000mのハンデ重賞。中距離路線の王道を歩む馬は天皇賞(秋)を選択するため、メンバーレベルはどうしたって落ちる。今年は16頭の出走枠に26頭がエントリー……それだけ各陣営が「可能性あり」と色気を見せている証拠だ。

そして、難解さに拍車をかけるのが前走カシオペアS組。

過去10年の福島記念において、前走カシオペアS組の成績は【0-0-0-18】。ナムラクレセントやデンコウアンジュといったGI好走馬も凡走を喫している事実を偶然で片付けることはできない。

なぜ、全頭が馬券圏内を逃しているのか?

紐解くためのヒントは「福島の坂」にあると私は睨んでいる。

同競馬場の芝コース高低断面図を確認すると、約1mほどの上り坂があることがわかる。急坂とは言い切れないにしても、京都やその他直線平坦との決定的な違いは明らか。淀みないラップを刻まれた競走馬を最後に苦しめる「坂」の存在は気に留める必要があるだろう。

「仕掛けどころ」も見逃せない。

3-4コーナー付近を基点とし、各馬が一斉に動き出す傾向にある福島芝2000m。展開をかき乱す逃げ馬・トーラスジェミニがつけた火種にロードクエストが薪をくべる。その結果、刻まれるラップは極めてタフなものに……これが私の未来予想図だ。

狙いは厳しいラップに対応できる馬。

そこで浮上するのがマイネルサーパスだ。

同馬が2勝目を飾ったきんもくせい特別。1000m通過59秒台、後半4Fはすべての区間において11秒台を記録。レコードの結果が示すように、生半可な能力では乗り切れない一戦を勝ち切った。この馬、相当なスタミナの持ち主だ。

深堀りして好走パターンを紐解くと、全4勝中3勝が直線の短い小回りコース。斤量58キロ・東京芝2000mの前走オクトーバーSが叩き台であることは明らかだ。同じマイネル冠の2頭(ハニー、ファンロン)がはたす役割はサーパスへのアシスト。似たような展開で差し切った福島民報杯の記憶がよみがえる。

秋競馬×右回り成績【2-0-1-0】。
今回斤量減での成績【1-1-0-0】。

変わるタイミングは今。マイネルサーパスの本命に迷いはない。

相手本線に抜擢するのはウインイクシード。

距離延長時の成績【2-3-3-4】に対し、距離短縮では【1-2-3-1】。安定感においては短縮ローテに軍配が上がる。休み明け成績がイマイチな点は否めないものの、内訳をみると道悪や芝2200m以上の距離に集中。鞍上に先週同馬の妹・ウインキートスを勝利に導いた松岡正海を据える以上、ここが叩き台とは考えにくい。

バイオスパークも要注意。

典型的な外差し決着だった前走京都大賞典。その展開で先行しつつ勝ち馬と0秒6差……及第点と言える内容だ。芝2000mは函館記念3着好走歴あり。【1-2-1-0】馬券内率100%の内枠を引き当てた点もプラスだ。

3連系馬券の3列目には差し馬を中心にピックアップ。

【福島11R 福島記念予想の印】
◎12 マイネルサーパス
〇11 ウインイクシード
▲3 バイオスパーク
☆9 ヴァンケドミンゴ
△15 ドゥオーモ
△1 ロードクエスト
△7 テリトーリアル
△5 ワセダインブルー
△2 トーラスジェミニ
△16 レッドローゼス

【単勝】12(1点)
【馬単/ながし】12-11,3,9(3点)
【3連複/フォーメ】12-11,3,9-11,3,9,15,1,7,5,2,16(21点)
【3連単/フォーメ】12-11,3,9-11,3,9,15,1,7,5,2,16(24点)


次に、自信の一鞍。

【阪神7R 3歳上2勝クラス】

10月頭から順調に稽古を重ねるメイショウダジン。その成果は「坂路4F51秒7」と自己ベストを1秒以上縮める数字として表れた。良馬場ダートでは上がり3F最速勝利の新馬戦、リステッド競走の鳳雛S4着と安定。出たとこ勝負で狙い撃つ。

【阪神7R 3歳上2勝クラス予想の印】
◎5 メイショウダジン
〇6 クレッセントムーン
▲3 マテンロウスパーク
☆11 ロフティネス
△13 アドマイヤビーナス
△8 ペルルドール
△12 アサカディスタンス
△10 マイネルアストリア

【3連複/フォーメ】5-6,3,11-6,3,11,13,8,12,10(15点)


最後に太鼓判レース。

【東京11R オーロC】

プールヴィルは距離だけで取捨の判断がつく馬。芝1600mでの成績【0-0-0-6】に対し、芝1400mでは【3-4-1-2】。好走レンジは極めて狭い。

昨年から1キロの斤量増だが、55キロの京都牝馬S2着、56キロの朱鷺S3着実績を見るより問題なし。左回りの芝1400mという適鞍は年内最後。陣営のメイチ仕上げは容易に想像がつく。

【東京11R オーロC予想の印】
◎12 プールヴィル
〇3 ストーミーシー
▲10 ダノンチェイサー
☆13 スマイルカナ
△16 カリオストロ
△8 ケイデンスコール
△1 アフランシール
△14 ザイツィンガー
△7 ボンセルヴィーソ

【3連複/フォーメ】12-3,10,13-3,10,13,16,8,1,14,7(18点)


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アカウント⇒田原基成@競馬ストーリーテラー

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