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田原基成

2020/10/10 20:32

【京都大賞典】この馬は終わってなんかいない。迷うことなく◎を打つ。/毎日王冠/京都10R/東京10R

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【京都11R 京都大賞典】

混迷を極める古馬王道路線。

キタサンブラックやブエナビスタ級の馬がいたときは軸馬選びに苦労しなかったが、両馬がターフを去ったあとは主役が入れ替わり立ち替わり。一話完結のショートストーリーを観ているような、確たる主役不在の期間が続いている。

その一方で、幅を利かせるようになったのは「古豪」と呼ばれる馬たち。

前述の2頭クラスならいざ知らず、近年の古馬王道路線好走馬には「もう終わったのでは……」という馬がズラリと並ぶ。

キセキ。
スティッフェリオ。
スワーヴリチャード。
アルアイン。

この事実が導く仮説は「古馬王道路線において、経験は勢いに勝る」というもの。天翔ける龍が如く頂点へと駆け上がった馬もゼロではないが、紆余曲折を経て自分のフィールドにたどり着いた馬は強い。そうでなければ同じ条件で何度も好走することはできないだろう。

キーワードは経験値。

ここはグローリーヴェイズから入る。

経歴をみると本当に不思議な馬だ。美浦の尾関厩舎所属なのだが、キャリア11戦中6戦が京都芝外回り。残る5戦も中京、新潟、阪神、挙句の果てには香港……関東圏での出走はデビュー戦に限定される。

シルクレーシングの使い分けによるものか?

一瞬そう考えたが、だとすれば今年のオールカマーは久々の関東圏出走に向けてなんら支障のないシチュエーション。それでもなお京都芝外回りにこだわる陣営の意図はどこにあるのか。想像をもっと膨らませなければ……。

「川田将雅を確保したかった」

この仮説は遠からず、だと私は思う。

シルクレーシング×川田将雅で連想されるのはローズSを制したリアアメリア。少しさかのぼればAJCC勝利のブラストワンピースも思い浮かぶ。前者はオール野芝の高速馬場、後者は時計のかかる冬の中山芝で結果を出した。

そこで、グローリーヴェイズだ。

言うまでもなく、この馬のスイートスポットは京都芝外回り。日経新春杯を制し、天皇賞(春)ではフィエールマンとクビ差の接戦……適性を疑う余地はない。鞍上の川田将雅は過去10年における京都大賞典の成績が【3-0-0-1】。勝ち方を知るジョッキーへの依頼は陣営の最重要ミッションだったのだろう。

「もう終わったのでは……」

勝ち馬から5秒3差の前走宝塚記念はその声を加速させる結果。しかし、私はこの馬が終わったとは思わない。前走はドバイへの「カラ輸送」帰りで順調とは言い難い臨戦過程。ノーザンファーム天栄で英気を養い、得意舞台に向けて段階を踏んで仕上げた今回とは訳が違う。

「この馬が京都を現役で走るのはこれで最後になるかもしれないので……」

今開催終了後、改修工事に入る京都競馬場。グローリーヴェイズにとって現役最後の京都芝外回りとなる可能性がある。自身の「庭」と言えるその条件に生半可な仕上げで臨むだろうか?

迷いはない。

グローリーヴェイズが私の本命だ。

相手本線に据えるのはカセドラルベル。

松山弘平は今年の京都芝外回り重賞で【3-0-1-0】馬券圏外なし。一時期の岩田康誠、浜中俊を彷彿とさせる舞台巧者ぶりを発揮している。好天が見込める日曜京都は高速馬場想定。芝2000mで1分57秒台を計時した前走パフォーマンスは見逃せない。

キングオブコージも軽視禁物。

横山典弘が手綱を握って以降、破竹の4連勝。脚質自在のレース運びはいかにも同騎手が好む馬と言えるだろう。前走から中6週以内時の成績【2-0-0-5】に対し、中7週以上では【3-2-0-0】。引き続き評価すべき1頭だ。

【京都11R 京都大賞典予想の印】
◎13 グローリーヴェイズ
〇8 カセドラルベル
▲17 キングオブコージ
☆2 キセキ
△3 シルヴァンシャー
△1 ダンビュライト
△16 ミスマンマミーア
△15 パフォーマプロミス
△6 ステイフーリッシュ
△11 バイオスパーク

【単勝】13(1点)
【馬単/ながし】13-8,17,2(3点)
【3連複/フォーメ】13-8,17,2-8,17,2,3,1,16,15,6,11(21点)
【3連単/フォーメ】13-8,17,2-8,17,2,3,1,16,15,6,11(24点)


【東京11R 毎日王冠】

終日不良馬場のコンディションで行われた土曜東京。

芝2000mの勝ちタイムは2分6秒0を要し、レースごとに前残りと大外一気が混在する有様。これには思わず頭を抱えた。

東京芝のセオリーのひとつに「東京芝は内から乾く」というものがある。

2010毎日王冠はまさにその典型で、人気の差し馬が軒並み撃沈。ダービー以来の実戦となった当時5戦4勝のペルーサ、安田記念勝ち馬ショウワモダン、同レース3着馬スマイルジャックは本来の切れ味を失った。そして生まれた結果が以下のとおりだ。

・1着アリゼオ(4枠4番)
・2着エイシンアポロン(3枠3番)
・3着ネヴァブション(1枠1番)

きれいに内枠が上位独占……さすがに上手くいき過ぎだとは思うが、競馬予想はリスクを想定することに意味がある。

リスクを念頭に置いたとき、この並びをどう捉えるか?

・1番人気サリオス(7枠9番)
・2番人気サトノインプレッサ(7枠8番)
※夕方時点のオッズ参照

少頭数とはいえ、外枠であることは大きなマイナス。加えて前述のとおり、東京芝は極めて特殊な馬場コンディションが予想される。カオスな状態において、セオリーに準ずるのはあまりにリスキー。ここは内めの枠だ。

本命はザダル。

この馬としては好位でレースを運び、上がり3F32秒台の脚で突き抜ける……前走関越Sは勝ったこと以外にも収穫の多い一戦だった。オープン特別後、別定GIIへの挑戦を決めた背景にあるのは左回りの芝1800mに対する自信の表れか。この条件なら侮れない。

父トーセンラー×母父ミスタープロスペクター系の配合は土曜東京8Rの勝ち馬グルアーブと同じ。重馬場のセントライト記念でも終始外からプレッシャーを受ける展開を苦にせず馬券圏内を確保……道悪と非根幹距離に高い適性を示すキングマンボ(代表産駒にエルコンドルパサー、アメリカンボス)の血を母系から色濃く受け継いだ印象を受ける。

【2-0-1-0】の左回り。
好位のインを確保できる枠。
適度に間隔をあけたローテーション。

ザダルに好走の期待を寄せるシチュエーションは整った。

相手本線には東京芝1800mの主・ダイワキャグニーを。同馬が制した不良馬場のエプソムC3着馬トーラスジェミニともども、キングマンボの血を引く馬を上位評価に据える。

【東京11R 毎日王冠予想の印】
◎4 ザダル
〇5 ダイワキャグニー
▲6 トーラスジェミニ
△9 サリオス
△3 アイスストーム
△7 サンレイポケット

【3連複/フォーメ】4-5,6-5,6,9,3,7(7点)
【3連単/フォーメ】4-5,6-5,6,9,3,7(8点)


次に、自信の一鞍。

【京都10R 藤森S】

ジェネティクスの前走敗因は「上品な競馬をしたこと」にあると思う。上がり3F最速で逃げ切った新馬戦が典型的だが、少々速いペースであっても積極的に前付けしたほうが持ち味を発揮できるタイプだ。

前走と同じ内枠を引き当てた今回、あのときと同じ轍を踏むことはナンセンス。継続騎乗の松山弘平なら「内枠ですべき競馬」を理解しているはず。ここは逃げ、仮に行き切れなくとも番手追走から悠々と抜け出してくれるだろう。

【京都10R 藤森S予想の印】
◎3 ジェネティクス
〇8 サダムスキャット
▲13 メディクス
☆2 ノンライセンス
△14 メイショウラビエ
△16 アヴォンリー
△4 ロイヤルパールス
△1 サンライズカラマ

【3連複/フォーメ】3-8,13,2-8,13,2,14,16,4,1(15点)


最後に太鼓判レース。

【東京10R グリーンチャンネルC】

重-不良の東京ダートでは【2-1-0-0】連対率100%を誇るブルベアイリーデ。不良馬場で施行された昨秋の銀嶺Sはレッドルゼル、ヒデノヴィーナスと、のちのオープン馬2頭を鋭い末脚で差し切った。当時と同じ馬場コンディションが想定される日曜東京、狙わない手はない。

【東京10R グリーンチャンネルC予想の印】
◎5 ブルベアイリーデ
〇2 デターミネーション
▲13 メイショウテンスイ
☆12 ドリュウ
△14 ショーム
△6 ハーグリーブス
△3 ジャスパープリンス
△1 レシプロケイト
△10 スマートダンディー

【3連複/フォーメ】5-2,13,12-2,13,12,14,6,3,1,10(18点)


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アカウント⇒田原基成@競馬ストーリーテラー

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