先週の当コラムにおいて、メイショウの冠号でおなじみ、松本好雄氏が個人馬主として初めてJRA通算2000勝を達成したことについて触れましたが、その松本氏が8月29日に膵臓がんで亡くなっていたことが代表取締役会長を務めていた株式会社きしろから発表されました。

2000勝達成の当日、現地、中京競馬場に松本氏が来場されていなかったことは広く知られていました。ただ、すぐにJRAを通じて喜びのコメントを出されていたため、快挙達成からわずか10日ほどでこんな悲しいニュースを目にするとは、ファンはもちろん、関係者でさえ夢にも思わなかったのではないでしょうか。
喜びのコメントには「本業があるもんですから、社員に迷惑をかけないように」や「“ばか”でないとできないんじゃないでしょうか」「人とのつながりを大事にしてきたつもり」「競馬は奥の深い、歴史のある遊び」など、人柄が滲み出ているような、それでいて松本氏しかコメントできないような数々の味わい深い言葉がありました。

今週末と来週末、地元、兵庫県の阪神競馬場に献花台と記帳台が設置されます。松本氏の競馬界への貢献度の高さは計り知れず、喪失感もまた計り知れないほど大きなものになってしまいましたが、献花台と記帳台の設置などは、松本氏がそれだけ多くの人に愛されたことの証明であるともいえます。

偉大なホースマン、松本好雄氏のご冥福を心よりお祈りいたします。


それでは予想に。

今回は、札幌2歳Sの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

（1）生月
（2）毛色
（3）前走からの間隔
（4）父の系統
（5）前走馬体重
（6）生産牧場
（7）今回の枠順
（8）騎手の東西別
（9）前走着差
（10）馬主

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記10項目。その中で（1）は生月について。
過去5年の3着内馬15頭中14頭は、1月から3月に生まれていました。そのうち、好走率が高かったのは前走3番人気以内だった馬で［4-3-3-9/19］。勝率21.1％、複勝率52.6％。単勝回収率80％、複勝回収率107％。複勝回収率はやや低いものの、十分に買い条件といえるでしょう。
◇該当馬＝ジーネキング、ショウナンガルフ、ヒシアムルーズ、サンセットゴールド、スマートプリエールなど6頭

次は（2）の毛色。
近年の札幌2歳Sは、どういうわけか黒鹿毛と青鹿毛の成績が良く［3-4-2-9/18］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率85％、複勝回収率113％。該当馬の半数が好走しています。
◇該当馬＝ジーネキング、ポペット、ヒシアムルーズ、サンセットゴールド、スマートプリエールなど6頭

（3）は前走からの間隔です。
前走から中3週以上の間隔を開けてきた関西馬が好調の札幌2歳S。過去5年の成績は［3-3-3-8/17］で、勝率17.6％、複勝率52.9％。単勝回収率77％、複勝回収率106％。複勝率は（1）とほぼ同じでした。
◇該当馬＝ポペット、ショウナンガルフ、サンセットゴールド、アーレムアレス、スマートプリエール

（4）は父の系統について。
ディープインパクト系とニアークティック系種牡馬の産駒が結果を残している当レース。ところが、そのうちニアークティック系種牡馬を母の父に持つ馬は不振で、それらを除くと［4-2-3-6/15］。勝率26.7％、複勝率60.0％。単勝回収率119％、複勝回収率124％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝ポペット、ショウナンガルフ、サンセットゴールド、ロスパレドネス、アーレムアレス

（5）は、前走馬体重。
前走、芝のレースに460kg以上500kg未満で出走した馬が強さを発揮している札幌2歳S。その中でもとりわけ、前走と同じ騎手が騎乗（継続騎乗）する馬は［4-1-3-7/15］。勝率26.7％、複勝率53.3％。単勝回収率118％、複勝回収率110％。複勝率は（1）（3）とほぼ同じでした。
◇該当馬＝ショウナンガルフ、ロスパレドネス、アーレムアレス、スマートプリエール

（6）は生産牧場です。
クラシックに繋がる札幌2歳Sで無視できないのがノーザンファーム生産馬。過去5年の成績は［3-2-3-5/13］で、勝率23.1％、複勝率61.5％。単勝回収率85％、複勝回収率126％。他に条件をつけなくても、複勝率は6割を超えています。
◇該当馬＝ジャスティンシカゴ、ショウナンガルフ、ヒシアムルーズ、ロスパレドネス、スマートプリエール

続いては（7）。今回の枠順について。
内と外、極端な枠を引いた馬が有利な当レース。具体的には、今回の枠順が1、7、8。なおかつ、前走の馬番が偶数だった馬は［2-2-3-6/13］。勝率15.4％、複勝率53.8％。単勝回収率52％、複勝回収率109％。文句なしの成績でした。
◇該当馬＝ジーネキング、アーレムアレス、オブラプリーマ

（8）は、騎手の東西別。
美浦所属騎手と栗東所属騎手騎乗馬の成績を比較したとき、すべての指標で上回っていたのは美浦所属騎手騎乗馬。そのうち前走が札幌か函館で、かつ、そのレースの4コーナーで2番手以内に位置していた馬は［3-3-1-5/12］。勝率25.0％、複勝率58.3％。単勝回収率131％、複勝回収率140％。複勝率は6割に迫ります。
◇該当馬＝ジャスティンシカゴ、ヒシアムルーズ、ミリオンクラウン

（9）は前走着差です。
近年の札幌2歳Sは、前走が函館と福島以外かつ芝・良馬場のレースに出走。さらに、そのレースで2着に0秒2以上の差をつけて勝利してきた馬が［3-1-3-4/11］。勝率27.3％、複勝率63.6％。単勝回収率119％、複勝回収率106％。複勝率は6割を超えていました。
◇該当馬＝ジーネキング、ポペット

そして、最後は（10）の馬主。
（6）とやや重なりますが、当レースはサンデーレーシングとGIレーシングの所有馬が好調で［2-1-3-3/9］。勝率22.2％、複勝率66.7％。単勝回収率71％、複勝回収率121％と、凄まじい成績でした。
◇該当馬＝ロスパレドネス

これら10の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎4ショウナンガルフ
○11スマートプリエール
▲6サンセットゴールド
☆8ロスパレドネス
△10アーレムアレス
△5ヒシアムルーズ
△3ポペット
△1ジーネキング

【馬単/マルチ】4⇔11,6,8,10,5,3,1（14点）
【ワイド】4＝11,6,8,10,5,3,1（7点）
【3連複/軸2頭】4＝11＝6,8,10,5,3,1（6点）

本命候補は、5項目に合致したショウナンガルフとスマートプリエールの2頭。その中で、ショウナンガルフを本命としました。

前走、函館の新馬戦を7馬身差で圧勝したショウナンガルフ。近親のミスエルテ、ミアネーロ、ショウナンザナドゥはいずれも重賞ウイナーですが、それらの重賞は、いずれも今回と同じ4で割り切れない非根幹距離のレースでした。
また、須貝尚介調教師の管理馬という点も推せるポイントで、昨年もマジックサンズで勝利するなど、札幌2歳Sは［4-2-1-7/14］。半数が3着内に好走しており、単複とも回収率は100％を超えていました。このレースを最も得意とする調教師といえるでしょう。

馬券は、ショウナンガルフからの馬単マルチとワイドを購入。さらに、対抗スマートプリエールとの3連複軸2頭ながしも買います。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。