8月8日。ビッグレッドファームが、GI4勝の名馬グラスワンダーが亡くなったことをホームページで発表しました。30歳でした。

史上最強との呼び声もある1995年生まれ世代で、エルコンドルパサーとともにマル外ブームの象徴だったグラスワンダーは、前脚を高く上げ叩きつけるようなフットワークでファンを魅了しました。そんな同馬の最大のライバルといえば、なんといってもスペシャルウィークでしょう。
対戦成績はグラスワンダーの2戦2勝で、初めて対戦した99年の宝?記念は3馬身差の完勝。一方、年末の有馬記念はわずか4センチ差の激闘で、日本の競馬史に燦然と輝く名勝負となりました。ただ、メジロブライトの追撃を凌ぎ、劇的な復活を果たした前年の有馬記念もまた、それに負けないくらいの名勝負でした。

引退後、種牡馬となってからはGI級勝ち馬を5頭輩出。中でも、08年のジャパンCを制したスクリーンヒーローは年度代表馬モーリスの父となり、さらにその産駒のピクシーナイトはスプリンターズSを制覇。父子4代のJRA・GI制覇はグレード制導入後初の快挙で、ロベルト系の中でも、シンボリクリスエス系と並ぶグラスワンダー系を確立するという、非常に大きな実績を残しました。
そして、これから予想する札幌記念も、直仔や孫が3頭勝利するなどグラスワンダー系が得意とするレース。今年は、モーリス産駒のアルナシームが3度目の重賞制覇を懸け出走します。

それでは予想に。

今回は、札幌記念の過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

（1）前走からの間隔
（2）前走クラス（前走レース）
（3）馬齢
（4）斤量の増減
（5）父の系統
（6）前走距離
（7）枠順
（8）前走馬体重
（9）前走人気
（10）毛色
（11）前走3コーナーの位置取り
（12）市場取引価格
（13）前走の馬場状態
（14）キャリア

近年の好走傾向から買い条件となったのは上記14項目と、かなり多くなってしまいました。その中で、（1）は前走からの間隔について。
札幌記念は、前走との間隔が中7週から16週の馬が［4-5-5-13/27］。勝率14.8％、複勝率51.9％。単勝回収率100％、複勝回収率162％。これだけの該当馬がいながら、複勝率は5割を超えています。
◇該当馬＝リビアングラス、ステレンボッシュ、アラタ、シュヴァリエローズ

（2）は前走クラス（前走レース）。
近年の札幌記念は、前走JRAのGIか香港のクイーンエリザベス2世Cに出走した馬が［5-5-3-11/24］。勝率20.8％、複勝率54.2％。単勝回収率132％、複勝回収率165％。該当馬の半数以上が好走していました。
◇該当馬＝リビアングラス、コスモキュランダ、ホウオウビスケッツ、ステレンボッシュ、シュヴァリエローズなど6頭

次は（3）。馬齢です。
4歳馬が［1-0-0-13/14］と、不振の札幌記念。一方で前走、中央場所（東京、中山、京都、阪神）か海外のレースに出走した3、5、6歳馬は［4-5-4-11/24］。勝率16.7％、複勝率54.2％。単勝回収率112％、複勝回収率170％。前項と同じ複勝率でした。
◇該当馬＝リビアングラス、シュトルーヴェ、ホウオウビスケッツ

（4）は斤量の増減について。
札幌記念は、前走より軽い斤量を背負う馬が［2-4-2-8/16］。勝率12.5％、複勝率50.0％。単勝回収率46％、複勝回収率129％。該当馬の半数が好走しています。
◇該当馬＝シュトルーヴェ、アルナシーム

（5）は父の系統。
ニアークティック系とナスルーラ系種牡馬、およびモーリスとオルフェーヴル産駒の好走率が高い当レース。そのうち前走、勝ち馬との着差が0秒2から1秒0以内の負けを喫した馬は［4-2-3-6/15］。勝率26.7％、複勝率60.0％。単勝回収率177％、複勝回収率226％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝ホウオウビスケッツ、アルナシーム

（6）は前走距離です。
前走1600ｍか2200ｍか2400ｍのレースに出走した馬が好調な当レース。過去5年の成績は［2-4-3-6/15］で、勝率13.3％、複勝率60.0％。単勝回収率50％、複勝回収率193％と、強さを発揮していました。
◇該当馬＝リビアングラス、ステレンボッシュ、シュヴァリエローズ

（7）は枠順について。
内枠有利の当レース。1、2枠を引いた馬の成績を合算すると［2-3-1-7/13］。勝率15.4％、複勝率46.2％。単勝回収率63％、複勝回収率114％で、複勝回収率はプラスです。
◇該当馬＝リビアングラス、ボーンディスウェイ、シュトルーヴェ、コスモキュランダ

（8）は前走の馬体重。
近年の札幌記念は、前走馬体重500kg以上520kg以下だった馬が［2-2-2-7/13］。勝率15.4％、複勝率46.2％。単勝回収率146％、複勝回収率175％。勝率と複勝率は（7）と同じでした。
◇該当馬＝リビアングラス、コスモキュランダ、ホウオウビスケッツ、ショウナンアデイブ

（9）は前走人気です。
前走人気＜前走着順（前走1番人気3着など）だった馬と、前走海外のレースに出走した馬が好調な当レース。そのうち、ネイティヴダンサー系かニアークティック系種牡馬を母の父に持つ関西馬は［3-3-1-5/12］。勝率25.0％、複勝率58.3％。単勝回収率112％、複勝回収率143％。複勝率は6割に迫ります。
◇該当馬＝トップナイフ

続いては（10）。毛色について。
どういうわけか、鹿毛と黒鹿毛の好走率が低い近年の札幌記念。一方、毛色がそれ以外の馬に美浦所属騎手が騎乗すると［2-2-2-4/10］。勝率20.0％、複勝率60.0％。単勝回収率75％、複勝回収率234％。こちらも文句なしの成績でした。
◇該当馬＝ハヤテノフクノスケ、トップナイフ

（11）は前走3コーナーの位置取り。
前走3コーナーで3から5番手に位置していた馬が好調な当レース。とりわけ、その前走で上がり8位以下だった馬は［1-2-3-4/10］。勝率10.0％、複勝率60.0％。単勝回収率38％、複勝回収率179％。
◇該当馬＝リビアングラス、コスモキュランダ、ケイアイセナ

（12）は市場取引価格です。
札幌記念は、国内のセリにおいて税込2000万円以上7000万円以下で落札された馬が［3-1-1-5/10］。勝率30.0％、複勝率50.0％。単勝回収率228％、複勝回収率222％。該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝ボーンディスウェイ、トップナイフ、ヴェローチェエラ、アルナシーム、アラタ

（13）は前走の馬場状態について。
前走、芝かつ稍重のレースに出走した馬の回収率が単複とも100％を超えている当レース。その中でもとりわけ、生月が1から3の馬は［2-2-1-3/8］。勝率25.0％、複勝率62.5％。単勝回収率227％、複勝回収率242％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝リビアングラス

そして最後は（14）。キャリア。
近年の札幌記念は、キャリア10戦以下の馬が［3-1-0-4/8］。勝率37.5％、複勝率50.0％。単勝回収率168％、複勝回収率166％。該当馬は少ないものの、勝率の高さは魅力です。
◇該当馬＝ステレンボッシュ

これら14の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎1リビアングラス
○8ステレンボッシュ
▲4コスモキュランダ
☆5ホウオウビスケッツ
△9トップナイフ
△16シュヴァリエローズ
△12アルナシーム
△14アラタ

【単勝】1（1点）
【馬単/マルチ】1⇔8,4,5,9,16,12,14（14点）
【ワイド】1＝8,4,5,9,16,12,14（7点）
【3連複/フォーメ】1＝8,4,5＝8,4,5,9,16,12,14（15点）

本命は、断トツ8項目に合致したリビアングラス。4項目に合致した馬が3頭いました。

真夏の大一番とはいえ、GI馬が1頭しか出走しない今年の札幌記念。出走メンバーの半数以上が前走GIII以下のレースに出走した馬で、うち6頭は前走が函館記念です。
であれば、狙いたくなるのは前走GI組。本命リビアングラスも重賞未勝利で、函館記念組より格上とはいえないものの、GIIで2着、菊花賞4着などの実績があり、宝?記念も1秒0差の7着とまずまず。例年より小粒なメンバーとなった今年の札幌記念では、十分チャンスがあるのではないでしょうか。

馬券は、リビアングラスの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイドを購入。そして、1列目にリビアングラス。2列目に○▲☆の3頭。3列目に、リビアングラス以外の印7頭を塗った3連複フォーメーションも買います。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。