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先週の函館2歳Sは、短期免許で再来日したばかりのレイチェル・キング騎手＆中央転入初戦のエイシンディードが完勝。キング騎手はフェブラリーSに続く5度目のJRA重賞制覇で、幸先の良いスタートを切りました。
一方、26日からは、香港に拠点を置くアレクシ・バデル騎手も短期免許で騎乗開始。27日は、東海Sのエートラックスをはじめ5鞍に騎乗します。

そのバデル騎手は両親もホースマンで、父アラン・バデル元騎手は、名牝マジックナイトで1991年のヴェルメイユ賞を制し、続く凱旋門賞とジャパンCでも2着に好走。同馬は引退後、JRA重賞4勝のマグナーテンを送り出すなど、繁殖としても活躍しました。
一方、母ミリアム・ボラックバデル調教師はフランス初の女性調教師で、日本と関係の深い管理馬といえば、なんといってもレーヴドスカーです。同馬は、2000年のジャパンCに出走後（7着）、ノーザンファームで繁殖入り。10年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したレーヴディソールを筆頭に、アプレザンレーヴ、レーヴミストラルと3頭の重賞ウイナーを輩出するなど、素晴らしい実績を残しました。

ご両親が日本競馬と関わりのあるバデル騎手は、一昨年のワールドオールスタージョッキーズで、既にJRA初勝利をあげています。今回は、8月25日までおよそ1ヶ月間の騎乗となりますが、東海Sのエートラックスも十分にチャンスがあり、暑さに負けないほどの「バデル旋風」を起こすのか、注目です。

それでは予想に──といきたいところですが、そう単純にはいきません。

これから予想する東海Sは、昨年まで1月に中京ダート1800ｍで開催。今年からは開催時期などを移行し、昨年まで夏場におこなわれていたプロキオンSの施行条件を引き継ぐことになりました。

ということで、今回は中京ダート1400ｍでおこなわれたプロキオンSの過去5回（2016年から19年と23年）を深掘り調査（20年は阪神ダート1400ｍ。21、22、24年は小倉ダート1700ｍで施行）。好走傾向から買い条件を探し出し、そこから本命馬を見つけます。

（1）乗り替わりの有無
（2）今回の馬番
（3）前走着順（前走着差）
（4）前走時の馬体重の増減
（5）生月
（6）馬齢
（7）前走人気と前走着順
（8）前走距離
（9）前走頭数

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記9項目。その中で、（1）は乗り替わりの有無について。
継続騎乗組と乗り替わり組の成績を比較したとき、当該条件のプロキオンSで好走率が高かったのは、継続騎乗組と、地方所属騎手から今回JRAの騎手に乗り替わる馬。そのうち、前走4番人気以内か前走海外のレースに出走した馬は［5-4-2-7/18］。勝率27.8％、複勝率61.1％。単勝回収率163％、複勝回収率114％。これだけの該当馬がいながら、複勝率は6割を超えています。
◇該当馬＝イグザルト、ヤマニンウルス

（2）は今回の馬番。
偶数番と奇数番の成績を比較したとき、勝率など、すべての指標で上回っていたのは偶数番を引いた馬たち。そのうち、前走上がり3位以内。もしくは、前走海外か地方競馬のレースに出走した馬は［3-5-2-6/16］。勝率18.8％、複勝率62.5％。単勝回収率105％、複勝回収率108％。こちらも、複勝率は6割を超えています。
◇該当馬＝エートラックス、ダノンスコーピオン、アルファマム、サンライズホーク、サンライズフレイムなど6頭

次は（3）。前走着順（前走着差）です。
中京ダート1400ｍでおこなわれた過去5回のプロキオンSは、堅めの決着が多いレースでした。その理由の一つにあげられるのが、近走好調馬や格上馬の好走で、具体的には、前走東京と地方競馬以外のレースで1着か勝ち馬から0秒2差以内の惜敗。もしくは、前走海外のレースに出走した馬（着順不問）が［3-3-4-4/14］。勝率21.4％、複勝率71.4％。単勝回収率140％、複勝回収率128％。なんと、複勝率は7割を超えていました。
◇該当馬＝インユアパレス、コンクイスタ

（4）は、前走時の馬体重の増減について。
中京ダート1400ｍのプロキオンSは、前走時、馬体重増減なしか増減不明（前走か前々走、海外のレースに出走）だった馬が非常に強く［3-2-2-4/11］。勝率27.3％、複勝率63.6％。単勝回収率173％、複勝回収率130％。複勝率は（1）（2）とほぼ同じでした。
◇該当馬＝ヴィクティファルス、アルファマム

（5）は生月。
当該条件のプロキオンSで頑張っていたのは、2、3月生まれの馬たち。その中でも、前走4コーナーで4番手以内に位置し、なおかつニアークティック系以外の種牡馬を母の父に持つ馬は［2-2-2-5/11］。勝率18.2％、複勝率54.5％。単勝回収率114％、複勝回収率104％。複勝回収率はやや低いものの、十分な成績といえるでしょう。
◇該当馬＝アドバンスファラオ、エートラックス

（6）は馬齢です。
馬齢別の成績を見たとき、勝率、複勝率ともにズバ抜けて高かったのは4歳馬。そのうち、前走馬体重が460kg以下か500kg以上。もしくは前走海外のレースに出走した馬は［4-2-0-4/10］。勝率40.0％、複勝率60.0％。単勝回収率224％、複勝回収率111％。勝率の高さは魅力といえます。
◇該当馬＝エートラックス

続いては（7）。前走人気と前走着順について。
（1）（3）とやや重なりますが、前走人気と前走着順の関係に注目したとき、好走率が高かったのは前走人気＝前走着順の馬。その中でも、今回9から16番を引いた馬は［3-2-1-3/9］。勝率33.3％、複勝率66.7％。単勝回収率195％、複勝回収率123％と、凄まじい成績でした。
◇該当馬＝サンライズホーク

（8）は前走距離。
当該条件のプロキオンSは、前走ダート1200ｍ組が健闘していました。ところが、どういうわけか毛色が黒鹿毛の馬は成績がいまひとつで、これらを除くと［3-2-0-3/8］。勝率37.5％、複勝率62.5％。単勝回収率198％、複勝回収率105％。こちらも複勝率は6割を超えていました。
◇該当馬＝ダノンスコーピオン、サンライズホーク

そして最後は（9）。前走頭数です。
当該条件でおこなわれた直近5回のプロキオンSは、前走13頭立てから15頭立てのレースに出走した馬が好調。とりわけ、前走馬番が1から8。かつ、キャリア30戦以下の馬は［2-2-1-2/7］。勝率28.6％、複勝率71.4％。単勝回収率147％、複勝回収率112％。該当馬は少ないものの、複勝率は7割を超えていました。
◇該当馬＝サンライズホーク

これら9つの条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎14サンライズホーク
○4エートラックス
▲12アルファマム
☆6ダノンスコーピオン
△13コンクイスタ
△8インユアパレス
△10ヴィクティファルス
△16サンライズフレイム

【単勝】14（1点）
【馬単/マルチ】14⇔4,12,6,13,8,10,16（14点）
【ワイド】14＝4,12,6,13,8,10,16（7点）
【3連複/フォーメ】14＝4,12,6＝4,12,6,13,8,10,16（15点）

本命は、4項目に合致したサンライズホーク。以下、3項目に合致し、バデル騎手が騎乗するエートラックスが対抗で、アルファマムとダノンスコーピオンが2項目で続きました。

交流重賞で3戦連続2着のサンライズホーク。勝ち切れてこそいないものの、昨年のスランプから抜け出し、完全に復調した印象です。JRAでオープン以上の勝利実績はありませんが、交流重賞3勝と実績は上位。また、条件戦とはいえ中京ダートは3戦3勝と得意で、新たにコンビを組む若武者・吉村誠之助騎手とともに、1年半ぶりの勝利を目指します。

馬券はまず、サンライズホークの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイドを購入。そして、1列目にサンライズホークを。2列目に2、3項目に合致した3頭を。3列目にサンライズホーク以外の印全馬を塗った3連複フォーメーションも買います。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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