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血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/11/15 18:00

東京スポーツ杯2歳ステークス2024 最終結論【血統】粗削りながら魅力タップリ!好配合の切れ者を狙う

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≪今週の動画・マイルCS≫
▼適条件替わりの穴馬でホームランだ!





皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

この記事では土曜日の東京メイン・東京スポーツ杯2歳Sの最終結論をば。

考察
クラシックへの直結度という点では年末の2歳GIを遥かに凌ぐ重要レース。必然的にノーザン印の良血馬・素質馬が集う傾向にあり、基本的におかしな荒れ方をすることは少ない。まぁ、頭数も少なくなりがちですしね。

血統的にはトニービン内包馬が強く、近5年に限定するとその成績は【4-2-4-11】で勝率19.0%、複勝率47.6%。1-5人気だと【4-2-3-4】で複勝率69.2%まで成績が向上する点を押さえておきたい。

クロワデュノール
キタサンブラック産駒×東スポ杯=イクイノックスなわけだが、そのイクイノックスに続く大物になりそうなのがこのクロワデュノール。

2歳の新馬が東京芝1800mを1分46秒台で走った時点で、重賞級どころかGI級の評価を与えて問題ないだろう。この時計は例年の東スポ杯の勝ちタイムと遜色ない優秀なものだ。しかも上がり600mも33秒8で言うことなし。

母ライジングクロスは英国のGII勝ち馬で、英オークス2着、愛オークス3着など中長距離路線で活躍。産駒にはフラワーC2着に加え、古馬重賞でも活躍したアースライズがいる血統。

これを踏まえると、父にキタサンブラックを迎えたクロワデュノールの完成はもう少し先だろう。それでいてあのパフォーマンスならクラシック候補の評価も納得。そらそうよ感ある。

後は若き名伯楽・斉藤崇師のトーンが上がり切らないところをどう見るか。それほど泣くイメージのない調教師から「新馬の時の方が良かった」とのコメントが出ているのは果たしてどうなのか。

レッドキングリー
父は出足好調の新種牡馬サートゥルナーリアで、母のレッドエルザは米国芝の重鎮種牡馬・イングリッシュチャンネルの全妹という超良血馬がこのレッドキングリー。

キングカメハメハとスマートストライクの組み合わせは、スターズオンアース、エンペラーワケア、カイザーミノルなどOPでもやれる馬が出る好相性の組み合わせであることに加え、父サートゥルナーリアと祖母ベルヴァを介するヌレイエフ≒サドラーズウェルズ6+4×4に対して、母父のスマートストライクだけノーザンダンサーを引かない配合のバランスもお手本どおりといった感じ。

新馬戦では左にモタれるところを見せていた(※調教からそんなところがあったようで、実戦でも左にだけチークをつけていた)が、ラスト200mでエンジンがかかってからの脚は見事なもの。手前もほとんど替えない粗削りな走りだったが、そのインパクトは十分だった。

今回は逃げ想定のニシノイストワールに田辺騎手が乗るので、ほぼ間違いなく超スローペース(いわゆる"田辺スロー")で流れることを思えば、初戦で見せた父譲りの一瞬の脚は大きな武器となる。

ファイアンクランツ
父は2歳世代がラストクロップのドゥラメンテで、母のカラフルブラッサムは阪神JF5着の実績があるJRA3勝馬。ファイアンクランツの上には短距離でOPまで出世したリレーションシップや、ダートで5勝のコスタノヴァなどがいる。

兄2頭や近親ピイラニハイウェイ(ダート中距離で5勝)の名前を見るかぎり、完成はまだ先だろうし、上がりがかかった方が良さそうなタイプに見えるものの、トニービン4×4(というかアドマイヤグルーヴ≒ハーツクライ2×2)の組み合わせを見るかぎり、直線の長いコースに替わるのは悪くないだろう。

デビュー戦のラップは優秀だし、トニービンを抱える血統的な後押しもある。一発あるならこの馬では。

プレシャスデイ
ファイアンクランツと同じくトニービン内包馬で、こちらは母父のルーラーシップからこれを引く。

ヴァーミリアンやサカラート、ソリタリーキングらが出たスカーレットレディの枝出身で、そこに父がニューイヤーズデイだから、配合的にはダート馬っぽく見えるのだが、前走は意外なほど鋭い脚を使って差し切り。

ニューイヤーズデイとルーラーシップの組み合わせだと、トロイ≒トニービン、リヴァーマン≒ミルリーフの組み合わせになり、愛オークスを差し切ったヘレンストリート(ニューイヤーズデイの父母)の特徴を引き出せるということか。まぁ、このパターンの他2頭はゴリゴリのダート馬(アンジュグルーヴとバロンドール)なので、プレシャスデイもゆくゆくはダート馬になっているのかもしれないけれど……。

持ち時計がないのを不安視されるかもしれないが、どうせ"田辺スロー"なら持ち時計なんて要らないという考え方も。トニービン内包馬である点と前走で見せた上がりの脚を評価する手はある。

サトノシャイニング
父は産駒好調のキズナで、母スウィーティーガールはアルゼンチンのGI勝ち馬。

自身が持つヘイロー≒サーアイヴァー4×4+6に加え、母はチーフテンとラジャババを介するボールドルーラーの4×6を内包する点を考えると、広いコースより小回りで機動力を活かす競馬の方がベターな印象がある。

東京ならスローペースからのラスト2F勝負の方が買いやすいタイプ。番手にハマればチャンスあり。

東京スポーツ杯2歳Sの最終結論
◎7 レッドキングリー
○3 ファイアンクランツ
▲4 クロワデュノール
△6 プレシャスデイ
△9 サトノシャイニング
△8 ニシノイストワール


【3連複/フォーメ】7=3,4=3,4,6,9,8(7点)

レッドキングリーの奥行きに期待した。好相性を誇る「キンカメ&スマートストライク」の組み合わせで、母は米GI6勝イングリッシュチャンネルの全妹という筋の通った配合。

陣営の言うようにまだまだ課題は多いものの、デビュー戦の直線で逃げ馬を交わすときに見せた伸び脚は鮮烈だった。しかも残り400mからずっと手前を替えないままであの脚を使ったのは驚きでしかない。手前を替えてからもうひと伸び、とかじゃないんだもんね。

スローペースで父サートゥルナーリア譲りの一瞬の切れを存分に発揮してもらおう。

ファイアンクランツは好相性のトニービン内包馬。こちらを本命にすることも考えたが、ダート馬も多い牝系で、スロー東京芝1800mの33秒台の上がり勝負に対応できるかどうかやや不透明だったので、その分だけ印を下げた恰好。

とはいえ新馬戦のラスト1Fは相当優秀なので、東京がからっきしということもないだろう。

クロワデュノールは想定1人気。新馬戦のパフォーマンスは超がつくほど優秀だし、1800mもほぼベスト距離だろう。後はコンディションがどうかに尽きる。

馬券は◎レッドキングリーから○▲を2列目に置いた3連複フォーメーションで。△ニシノイストワールのスロー逃げ残りは拾っておきたい。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断/マイルCS】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【調教診断/マイルCS】調教ライター・西村武輝

 

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