競馬サロン
血統サイエンティスト ドクトル井上
2024/11/09 18:00
福島記念2024 最終結論【血統】スタミナ勝負で輝くサドラー 逆襲期す大ベテランに◎
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≪今週の動画・エリザベス女王杯≫
▼スローの末脚比べで火を噴く●●
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
珍しくメモ書きなのですが、土曜日の京都4Rを勝ったナルカミはかなりの器かも。2歳馬が良馬場の京都ダ1800mで1分51秒2というのはちょっと記憶にありません。しかも上がり600mも36秒3と、しっかり脚を使えていました。衝撃的です。
サンダースノー産駒は3歳になってから勝ち上がる晩成傾向のイメージだったのですが、現2歳世代、2年目の産駒は割と早期から勝ち上がる馬が増えた印象。育成サイドがツボを掴みつつあるのかもしれません。もうしばらく傾向の変化を追ってみたいところです。
さて、この記事では日曜日の福島メイン・福島記念の最終結論をば。
■考察
小回りの芝2000mが舞台とあってスローで流れることは少なく、前がかりの消耗戦になることが多い当レース。当然持久力が求められる展開になりやすい。
そんなレースで好調なのがタフなレースに強い欧州の名血・サドラーズウェルズ。父もしくは母父サドラーズウェルズ系はこの10年で【3-2-3-15】の複勝率34.8%。特に近5年の躍進は目覚ましく、ここに限定すると【3-2-1-8】で複勝率42.9%となる。
またサドラーズウェルズに限らず、母父チチカステナンゴのヒュミドール(21年2着)など欧州的なニュアンスのある血統を狙う方がベター。「脚の遅そうな血統」がかえって妙味ある狙いに。
スタミナが要るという点では距離短縮組も優勢で、この10年で【4-5-2-25】、複勝率30.6%。同距離組が17.1%、延長組が13.2%なので、迷ったら距離短縮組という発想があっても良さそうだ。
▼ドクタードリトル
久々の重賞挑戦となった京都大賞典では0秒3差の6着。メドを立てる内容だった。
種牡馬デクラレーションオブウォーは芝向きの適性を主張するくらいで、距離適性については配合相手のそれを立てることが多い。
ドクタードリトルの母ブルックデイルはキンカメ×マンハッタンセレブ(マンハッタンカフェの全妹)で、現役時代は芝1600-2000mで4勝。中距離馬ど真ん中という感じの馬で、ドクタードリトルの適性もそのあたりだろう。好相性の距離短縮ローテになることと合わせて、2000mに替わるのはプラスと見る。
デクラレーションオブウォーにキンカメを持ってくるのは、ファルコンS勝ちのタマモブラックタイや3勝クラスまで出世したハウゼと同じパターン。ドクタードリトルの場合は、母母マンハッタンセレブがノーザンダンサーアウトの形なので、配合のメリハリという点で上記2頭より上の評価を与えられる。
後はマークを受ける立場になる点をどう考えるかだろう。
▼ダンディズム
昨年の福島記念2着馬。七夕賞でもレッドラディエンス、キングズパレス、ノッキングポイントに続く4着に粘った。
先述したように近年の福島記念はスタミナ要求度が高まっており、それに伴いサドラーズウェルズの血の優位性が増している。ダンディズムは母父シングスピールがサドラーズウェルズ系。この傾向に合致しているのは心強い。
ヘイローの3×4があってベストは小回り。追い切りでも動いているし、人気が予想されたシリウスコルトを蹴って三浦騎手がこちらに乗るのなら、それなりに手応えを感じているのでは? という感も。前受けからのスタミナ勝負に持ち込みたい。
▼エンパイアウエスト
ドゥラメンテ×サドラーズウェルズ×英ダービー馬スリップアンカーという重厚さの塊のような配合。タフ化しやすい福島記念の特徴を考えると、スタミナ負けする心配がないのは安心材料。
前走の函館記念は急仕上げが祟ったのか、行き脚が全くつかず後方からの競馬。切れる脚は持ち合わせていないので、あの形では如何ともしがたい。位置さえ取れれば巻き返しに期待できるはず。
▼アラタ
2年連続の福島記念3着。当然ながらコース相性は問題なし。
母サンシャインがハーツクライ×フランス血統で欧州色という点では申し分ない。久々に鞍上を取り戻した大野騎手の奮起にも期待したい。
▼ウインシュクラン
福島では【3-0-0-2】と好相性。父系ロベルト譲りの機動力が活きるようだ。
ここも先手が予想されるのでうまくペースさえ刻めれば。ただ叩き2戦目向きなのと、母がボストンハーバー産駒でやや軽めなので、スタミナが求められたときにどこまで踏ん張れるか。
■福島記念の最終結論
◎11ダンディズム
○3 ドクタードリトル
▲2 エンパイアウエスト
☆6 アラタ
△9 ギャラクシーナイト
△14サトノエルドール
△10ウインシュクラン
△8 ベラジオソノダラブ
【馬連】11=3,2,6,9,14,10,8(7点)
【3連複/フォーメ】11=3,2,6=3,2,6,9,14,10,8(15点)
◎ダンディズムの重賞初勝利に期待したい。
コース形態に加え、ベラジオソノダラブをはじめ先行意識の高い馬が揃ったこともあって、上がりはそれなりにかかりそう。サドラー由来の踏ん張る力がものを言うレース質になると見て。
○ドクタードリトルは想定1人気。2000mになるのは血統的にプラスだし、コースを考えると枠も良いところを引いた。うまく捌ければ突き抜けても。
▲エンパイアウエストはインの好位にハマれそうなので。スタミナのある配合で立ち回り次第で逆襲がある。☆アラタは3年連続の3着でいかがでしょう?
マクフィ産駒のシリウスコルトは1800mベストだと思っているので、大外枠に入った今回はエイヤっと無印に。3歳世代が強いのは百も承知だが、シリウスコルト自身は、このメンバーの2000mで8枠を跳ね返せるほど抜けてはいないと判断した。
馬券は◎ダンディズムからの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断/エリザベス女王杯】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/エリザベス女王杯】調教ライター・西村武輝
▼スローの末脚比べで火を噴く●●
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
珍しくメモ書きなのですが、土曜日の京都4Rを勝ったナルカミはかなりの器かも。2歳馬が良馬場の京都ダ1800mで1分51秒2というのはちょっと記憶にありません。しかも上がり600mも36秒3と、しっかり脚を使えていました。衝撃的です。
サンダースノー産駒は3歳になってから勝ち上がる晩成傾向のイメージだったのですが、現2歳世代、2年目の産駒は割と早期から勝ち上がる馬が増えた印象。育成サイドがツボを掴みつつあるのかもしれません。もうしばらく傾向の変化を追ってみたいところです。
さて、この記事では日曜日の福島メイン・福島記念の最終結論をば。
■考察
小回りの芝2000mが舞台とあってスローで流れることは少なく、前がかりの消耗戦になることが多い当レース。当然持久力が求められる展開になりやすい。
そんなレースで好調なのがタフなレースに強い欧州の名血・サドラーズウェルズ。父もしくは母父サドラーズウェルズ系はこの10年で【3-2-3-15】の複勝率34.8%。特に近5年の躍進は目覚ましく、ここに限定すると【3-2-1-8】で複勝率42.9%となる。
またサドラーズウェルズに限らず、母父チチカステナンゴのヒュミドール(21年2着)など欧州的なニュアンスのある血統を狙う方がベター。「脚の遅そうな血統」がかえって妙味ある狙いに。
スタミナが要るという点では距離短縮組も優勢で、この10年で【4-5-2-25】、複勝率30.6%。同距離組が17.1%、延長組が13.2%なので、迷ったら距離短縮組という発想があっても良さそうだ。
▼ドクタードリトル
久々の重賞挑戦となった京都大賞典では0秒3差の6着。メドを立てる内容だった。
種牡馬デクラレーションオブウォーは芝向きの適性を主張するくらいで、距離適性については配合相手のそれを立てることが多い。
ドクタードリトルの母ブルックデイルはキンカメ×マンハッタンセレブ(マンハッタンカフェの全妹)で、現役時代は芝1600-2000mで4勝。中距離馬ど真ん中という感じの馬で、ドクタードリトルの適性もそのあたりだろう。好相性の距離短縮ローテになることと合わせて、2000mに替わるのはプラスと見る。
デクラレーションオブウォーにキンカメを持ってくるのは、ファルコンS勝ちのタマモブラックタイや3勝クラスまで出世したハウゼと同じパターン。ドクタードリトルの場合は、母母マンハッタンセレブがノーザンダンサーアウトの形なので、配合のメリハリという点で上記2頭より上の評価を与えられる。
後はマークを受ける立場になる点をどう考えるかだろう。
▼ダンディズム
昨年の福島記念2着馬。七夕賞でもレッドラディエンス、キングズパレス、ノッキングポイントに続く4着に粘った。
先述したように近年の福島記念はスタミナ要求度が高まっており、それに伴いサドラーズウェルズの血の優位性が増している。ダンディズムは母父シングスピールがサドラーズウェルズ系。この傾向に合致しているのは心強い。
ヘイローの3×4があってベストは小回り。追い切りでも動いているし、人気が予想されたシリウスコルトを蹴って三浦騎手がこちらに乗るのなら、それなりに手応えを感じているのでは? という感も。前受けからのスタミナ勝負に持ち込みたい。
▼エンパイアウエスト
ドゥラメンテ×サドラーズウェルズ×英ダービー馬スリップアンカーという重厚さの塊のような配合。タフ化しやすい福島記念の特徴を考えると、スタミナ負けする心配がないのは安心材料。
前走の函館記念は急仕上げが祟ったのか、行き脚が全くつかず後方からの競馬。切れる脚は持ち合わせていないので、あの形では如何ともしがたい。位置さえ取れれば巻き返しに期待できるはず。
▼アラタ
2年連続の福島記念3着。当然ながらコース相性は問題なし。
母サンシャインがハーツクライ×フランス血統で欧州色という点では申し分ない。久々に鞍上を取り戻した大野騎手の奮起にも期待したい。
▼ウインシュクラン
福島では【3-0-0-2】と好相性。父系ロベルト譲りの機動力が活きるようだ。
ここも先手が予想されるのでうまくペースさえ刻めれば。ただ叩き2戦目向きなのと、母がボストンハーバー産駒でやや軽めなので、スタミナが求められたときにどこまで踏ん張れるか。
■福島記念の最終結論
◎11ダンディズム
○3 ドクタードリトル
▲2 エンパイアウエスト
☆6 アラタ
△9 ギャラクシーナイト
△14サトノエルドール
△10ウインシュクラン
△8 ベラジオソノダラブ
【馬連】11=3,2,6,9,14,10,8(7点)
【3連複/フォーメ】11=3,2,6=3,2,6,9,14,10,8(15点)
◎ダンディズムの重賞初勝利に期待したい。
コース形態に加え、ベラジオソノダラブをはじめ先行意識の高い馬が揃ったこともあって、上がりはそれなりにかかりそう。サドラー由来の踏ん張る力がものを言うレース質になると見て。
○ドクタードリトルは想定1人気。2000mになるのは血統的にプラスだし、コースを考えると枠も良いところを引いた。うまく捌ければ突き抜けても。
▲エンパイアウエストはインの好位にハマれそうなので。スタミナのある配合で立ち回り次第で逆襲がある。☆アラタは3年連続の3着でいかがでしょう?
マクフィ産駒のシリウスコルトは1800mベストだと思っているので、大外枠に入った今回はエイヤっと無印に。3歳世代が強いのは百も承知だが、シリウスコルト自身は、このメンバーの2000mで8枠を跳ね返せるほど抜けてはいないと判断した。
馬券は◎ダンディズムからの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションで。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
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【DATA診断/エリザベス女王杯】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【調教診断/エリザベス女王杯】調教ライター・西村武輝
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