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調教ライター 西村武輝

2024/09/21 18:00

神戸新聞杯2024 最終結論【調教】精神面の進境は“鬼に金棒” 驚異のタフネスを誇る馬で勝負!【重賞深掘りPROJECT】

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「神戸新聞杯」全頭追い切り診断動画はこちら!

【神戸新聞杯 2024|調教診断】大型馬の久々も関係なし!ラストで鋭く切れた【S評価】馬に注目

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近年、セントライト記念のほうがメンバーレベルが高くなってきた……という話を先週書きましたが、改めて今年の「神戸新聞杯」メンバーを見るとやはり若干の物足りなさは感じるところ。それでも「重賞連対orリステッド勝ち」の春実績馬勢(6頭) vs 「前走条件戦で馬券圏内」の上がり馬勢(8頭)という、不変の構図で今年も行われることは確か。

毎週書いている気がしますが、実績馬勢の本気度、そして夏稼働組の状態維持ぶりを調教から見極めたいところです。

過去の調教傾向は中京開催だった2020-2022年の3年間、馬券対象9例から見ることとします。

最終追いはコースが5例、坂路が4例。コース5例のうちCWが4、芝が1でした。坂路4例のうち2020年勝ち馬コントレイルなど3例は1週前にCW併せ馬をこなしており、またコース5例のすべてで中間に坂路調整を挟んでいました。坂路・コースの併用調教で臨むことが“ほぼマスト”と考えていいでしょう。

なお坂路オンリーは2020年3着ロバートソンキーだけ。脚部不安で2歳夏から1年弱休んでいた経緯があり、負荷の軽い坂路オンリーの仕上げに徹していたものでした。

以上を踏まえ、まずは「神戸新聞杯」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■ヴィレム【8】
小沢騎手騎乗 栗東坂路単走 1週前のCW併せ馬で強い負荷を掛けられており、今週は坂路単走で息を整える調整。混雑した走路で序盤こそ若干力んだが、半ばからは集中し体を大きく使ってグングン加速。ラストはさらに気持ちを乗せて切れた。大型馬の中14週とは思えない、絶好の気配。

■ウエストナウ【7】
助手騎乗 栗東坂路併せ馬 デビュー前の新馬を追走。相手があっさり脱落して早々と抜け出す格好となったが、気持ちを切らさないよう鞍上が仕掛けると、これに応えて力強く踏み込んで加速し5馬身の先着とした。1週前にはJDC初代王者を狙うラムジェットに先着しているし、4カ月半ぶりを感じさせない好仕上がり。

■バッデレイト【7】
助手騎乗 栗東坂路併せ馬 1週前にCW併せ馬である程度速い時計を出しており、今週は坂路で息の出し入れを確認する程度。準オープン馬と併走し、相手に合わせて併入としている。相手が久々を叩かれ順当に気配を上げていることを考えると、これと互角以上に動けたことは評価すべきだろう。高いレベルで好調維持。

■メイショウタバル【7】
浜中騎手騎乗 栗東CW単走 重心をやや高く見せるが、それはいつものこと。走路に他の馬がいても変にエキサイトせず、鞍上としっかりと折り合って直線に入ると、まったくの馬なりのまま軽快に加速できていた。休養を挟み、気性面で大幅に成長を果たしたか。乗り込みそのものも順調で、好気配と言える。

■メリオーレム【7】
助手騎乗 栗東ポリ単走 1週前にCWで強い負荷を掛けられており、これで仕上げはほぼ完了。今週はポリトラックで微調整程度の内容をこなした。ゆったりとしたペースのなかでも気を抜かず、闘志を内に秘め直線へ。楽な手応えのまま外ラチ沿いを進み、力強い踏み込みから鋭く加速した。中10週とひと息入っているが、高いレベルで安定。

※サブマリーナ【7】は出走取消

▼「神戸新聞杯」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19570/0/112

採点で最上位【8点】としたのは前走1勝クラス平場を勝ったヴィレム

プリンシパルSでは最速の末脚を繰り出して0秒3差4着、そこから中4週の自己条件戦でも最速の末脚を使いスティンガーグラス(セントライト記念・5着)を下して勝利しました。同世代相手の重賞なら優に通用する能力の持ち主でしょう。

オーナーサイド(株式会社フクキタル)にとって悲願と言えるクラシックレース初進出をモノにするべく、順調に調整が進められています。中間のコース追いでは準オープン馬、オープン馬に先着。最終追いの坂路調整では素軽さ満点の伸びを示しており、仕上がりは文句なし。

ただしこれまでの実戦や中間の稽古で他馬を気にする幼さがあり、揉まれる可能性のあるこの枠でどうか。その分割り引いて、対抗評価とします。

本命は日本ダービーを無念の取り消しとなったメイショウタバル。そのダービーを含め今年の春は「予定のレースで走れなかった」ケースが3回もあった馬ですが、予定が狂ってもガクンと来ることなく、石橋厩舎流のハードトレを忠実にこなして状態を維持できたタフさは驚嘆レベルと言っていい。

特に驚かされたのがフレグモーネでスプリングSを見送り、1週スライドで出走した毎日杯での圧勝劇でした。

そもそも取り消し翌週の重賞に状態を整えて出走してきたこと自体凄いことだし、重い馬場のなか他馬が走りづらそうに脱落するなかこの馬だけがスイスイ脚を伸ばして圧勝を収めたわけで、まさに“体力お化け”。反面、皐月賞は自滅と言える最下位17着に終わるなど、テンションが上がりやすく弱点も抱えていました。

それがこのこの中間は大人びた走りができており、精神面での進境は著しい。驚異の体力にメンタルが整ってきたとなれば鬼に金棒か。

雨予報は当然ドンと来い。中京は初出走となりますがこの舞台はむしろ歓迎でしょう。日本ダービー取り消しとなった鬱憤を菊の舞台で晴らすべく、まずはここで好結果を出したいはず。

この馬は中間CWオンリー。坂路コースの併用調教が“ほぼマスト”と言っておいてなんですが、この馬に関しては坂をこなすパワーはすでに十分備わっており、コース追いで精神面を整えることに徹した……と解釈。この馬を本命とします。

▲にバッデレイト。攻めでは1歳上の準オープン馬と2週続けて併せられ、いずれも相手以上の動きを示しました。一連の好調をキープどころか、さらに上向いている感さえありますね。前走は同じ3歳のピースワンデュックにハナ差2着も、目標にされた分の惜敗。

そのピースワンデュックは菊花賞直行を決めており、前走の借りを返すために菊切符は是が非でも欲しいところ。兄にステラウインド、トップナイフで渋太さが問われる条件なら評価を上げるべき。勝ち負けまで考えたいですね。

メリオーレムは質の高い併せ馬を再三こなし、追えば追っただけ伸びるいい動きを披露していました。

前走小倉芝2600m戦でモタれながら完勝。左回りに替わってのパフォーマンスアップに期待でき、じっさい2走前の東京戦・プリンシパルSでは休み明け&初の東京ながら2着に健闘していました。そこではセントライト記念6着アスクカムオンモア、○ヴィレムに先着。“新・中京マイスター”とでも言いたくなる活躍ぶりの川田騎手が鞍上なのも心強いところです。

ウエストナウは物見をし、外に逃避してしまった京都新聞杯で1馬身差2着。一番強い競馬をしたのはこの馬でしょう。インザモーメント、ヴェローチェエラらそこで下した馬たちは順調に勝ち上がっており、レースレベルは高かったはず。

攻めは順調で1週前はラムジェットに先着なら、好仕上がりと言えます。とはいえキャリア2戦ゆえの精神面の危うさも同居し、△1番手という評価としました。

オールセインツは1週前の動きがモタついており【6】点としましたが、近2走が渋太い走りで重賞でも相手なりにやれそう。友道厩舎の2頭出し、人気が無いほうも押さえておきたいですよね。

採点【6】点組からもう1頭穴でゴージョニーゴー。いまひとつ素軽さを欠いており調教採点は厳しくなりましたが、馬場が荒れた時間帯だったこと、そしてそもそもこれまでコース追い主体で坂路ではしっかり追われてこなかったことを考えれば、悪くない動きでした。4F54秒2-2F25秒7-1F12秒6(一杯)という数字だけ見れば平凡。しかしこの馬にとっては4F・2Fそれぞれ自己ベストを更新するものでした。

それまでのコース最終追いのルーティンから坂路に切り替えた経緯が気になるものの、中間すでにCW2本消化しており今週は中京対策として坂の感覚を植え付けたと前向きに捉えることもできる。しっかり加速ラップを踏めたのは好感。

先週のローズSで激走したセキトバイーストと同じ四位厩舎という不気味さ。プラス中京芝2200m戦3勝のレッドバリエンテが半兄というあたりも気になり、押さえておきます。

朝日杯FS・4着、そして京都新聞杯勝ちと実績で頭ひとつ抜けている感のあるジューンテイクですが、併せ馬での反応がいまひとつでいかにも先を見据えた仕上げのよう。中京で2勝しており、能力の高さであっさり勝たれても不思議はありませんが、無印としました。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「神戸新聞杯」最終結論>

◎15 メイショウタバル
○7 ヴィレム
▲2 バッデレイト
☆6 メリオーレム
△12 ウエストナウ
△5 オールセインツ
△3 ゴージョニーゴー

【単勝】15(1点)
【馬連】15=7,2,6,12,5,3(6点)
【3連複/フォーメ】15,7,2=15,7,2,6=15,7,2,6,12,5,3(22点)
【3連単/フォーメ】15,7,2→15,7,2,6→15,7,2,6,12,5,3(45点)


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