競馬サロン
2024/06/22 18:00
宝塚記念2024 最終結論【血統】京都替わりはまさに僥倖! ドウデュースを逆転するのはこの馬だ!
≪今週の動画・宝塚記念≫
▼京都開催が追い風になる馬を狙い撃つ!
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18358/0/111
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
例年ハイレベルになる宝塚記念DAYの新馬戦。今年も評判馬エリキングや、サリオスやサラキアの近親サラコスティが出走。恐らくこの2頭の一騎打ちなオッズになるのではなかろうかと。
エリキングはサドラーとダンジグが入るキズナ産駒なのでゆくゆくはバスラットレオンやパラレルヴィジョン的なマイラーなのかもしれませんが、2歳夏なので1800mもまだ問題ないでしょう。宝塚記念当日の新馬戦×川田騎手×中内田厩舎というパターンはダノンプレミアムと同じパターンなので、厩舎としても気合いが入っていそうです。
サラコスティはエピファネイア×ディープにドイツの名門牝系・Sラインなので完成は古馬になってからでしょうが、逆に言えばこのタイミングである程度のパフォーマンスを示せるようなら今後がかなり楽しみです。
他にもポッドエルマーやシークなど少頭数ながらメンバーが揃った感じがするので、今年もチェック必須な新馬戦になることは間違いないでしょう。
さてさてこの記事では、日曜日の京都メイン・宝塚記念の最終結論をつらつらと。
■過去のレース傾向
月曜展望でも書いたように、改修後の京都外回り芝2200mは父ディープインパクト系、特に京都芝重賞を勝ったディープ系産駒の仔が強い。ディープインパクト直仔はもちろんのこと、キズナやサトノダイヤモンドなどがそれにあたる。
京都の芝重賞は基本的に外回りが舞台になるので、3角過ぎの下り坂からしっかりと脚を使える特徴を父から受け継いだ馬が強いと言えそうだ。
その一方で、父キングマンボ系は以前に比べて成績が下降気味。改修前は勝率10%超、複勝率28.6%だったのに対し、改修後は勝率6%弱、複勝率は20%を切る格好になっている。エリザベス女王杯をロードカナロア産駒のブレイディヴェーグが制していて、一概に苦手と断定するのもどうかと思うが、期待度という点では以前より低くなっているのかも。
このあたりは改修により路盤が固まり切っておらず、スタミナを要する状況が続いているのが影響しているのかもしれない。どこまでいってもキングマンボ系の本質はマイラー質なスピードなので。そして今年は雨中での開催が濃厚。さらにスタミナを要する状況になりそうなのは頭に置いておきたい。
■各馬の個別検討
▼ジャスティンパレス
名繁殖牝馬たる母パレスルーマーは、ジャスティンパレスの他にベルモントSなどを制したパレスマリスやステイヤーズSを制したアイアンバローズなどを送り出した。スタミナ豊富な産駒を送り出すのが特徴で、母に入るロベルトやエルバジェのスタミナを良く伝えるようだ。
ディープ産駒ながらスパッと切れる感じはなく、どちらかと言えばノシノシ感のあるタフな末脚が持ち味という感じ。ルメール騎手も1週前追い切りのあと「瞬発力がないのでラスト500メートルでポジションを上げたほうがいい」というコメントを出していたように、一瞬の加速力というより長い直線で惰性で勢いに乗って最後まで脚を使うような競馬の方がベターだろう。
なので小回りでのギアチェンジ勝負より長い直線での末脚比べの方が得意。今年の宝塚記念が京都の外回りなのは間違いなくプラスになる。
前走のドバイSCは大箱での一戦ながら、スローペースのギアチェンジ勝負になったのが響いた。急激にラップの上がったラスト400-200mの区間でモタついたのが敗因で、決して脚が上がっての敗戦ではない。実際、ゴール板を過ぎてからリバティアイランドを交わしているし。
「スパッとは切れないけど息の長い末脚」というのはディープというより、母父のロイヤルアンセムに由来するヌレイエフ的な末脚という感じがする。古い例えで恐縮だがフラガラッハとかハクサンルドルフ的な“タフな馬場で映える斬れ”というイメージだ。
梅雨時で上がりのかかる馬場、そして京都とは言え路盤がまだ固まり切っていない状況というのもヌレイエフ的な末脚に合っているはず。大箱に替わる今回、有馬記念でドウデュースにつけられた1馬身ちょっとの差は十分に逆転可能と見る。
▼ドウデュース
ご存じ最強世代の日本ダービー馬で昨年の有馬記念勝ち馬。ファン投票1位のスターホースである。
4角での機動力だけで勝負を決めた昨年の京都記念&有馬記念がそうだったように、内回りコースにおける反応の良さが武器となる同馬にとって、直線の長い京都外回りでの代替開催は歓迎できる材料ではないが、とはいえ適性以前の脚力という点ではメンバー最上位。
本命までは至らないが重い印は打つべき存在だろう。
▼ブローザホーン
初めてのG1挑戦だった天皇賞・春で2着に好走した同馬。ハビタットを引くエピファネイア産駒とあって直線平坦コースは大の得意。この馬も京都での代替開催は歓迎のクチだろう。実際に京都コースで馬券を外したのは、心房細動で競走を中止した京都大賞典だけだ。
父母方に入るキャンペンガールの持つオリオールに母父デュランダルの母サワヤカプリンセスからアリシドンを合わせたスタミナ強化パターンで、距離はもう少しあっても良さそうに見えるが、とはいえタフな梅雨時のレースであれば十分に対応できるはず。
前走は先行馬が1着、3着、イン差し馬が4着、5着に来る徹底的なイン有利の状況のなか、直線では唯一外から脚を伸ばした。勝ったテーオーロイヤルとは決定的な差があったとはいえ、この馬自身もロスを考えれば十分に強い競馬だった。
そして全くの楽勝だった烏丸Sをはじめ、馬場が悪化すればするほど力を発揮できるタイプ。好走条件は揃いに揃った感がある。
▼ソールオリエンス
悩める昨年の皐月賞馬だが、大箱に替わる今回は変身がありそう。確かに中山の2000mで京成杯と皐月賞を勝っているものの、いずれも外をブン回しての勝利であり、コーナリング性能、小脚性能で勝ったレースではない。
ここ数戦は連に絡めず精彩を欠いているが、古馬相手だった3戦はいずれも内回りコースが舞台だった。苦手な条件でのレースだったと割り切れば、ノーカウントにもできるだろう。
さらに血統表を見てみると、サクラバクシンオーと牝系からプリンスリーギフトを引いており、6×7のクロスが発生する格好に。これは京都替わりを考えるうえで間違いなくプラスになる。
外を回す競馬しかできないためそれがハマる馬場になるかどうかが鍵を握るものの、日曜日の天気を見るかぎり、馬場が向く可能性もあろう。
4歳世代=弱いというイメージが定着しつつあるのでまず間違いなく人気を落とすはず。しかしながら、近走は適性外の条件を走っていただけだと考えれば、一発大駆けに期待する余地はあるはずだ。
■宝塚記念の最終結論
◎2 ジャスティンパレス
○4 ドウデュース
▲12ブローザホーン
☆9 ソールオリエンス
△5 ディープボンド
△10ローシャムパーク
△7 プラダリア
【3連複/フォーメ】2=4,12,9=4,12,9,5,10,7(12点)
【3連単/フォーメ】2→4,12,9→4,12,9,5,10,7(15点)
ジャスティンパレスの戴冠にベットする。得意の大箱かつ下り坂で勢いに乗れる京都の外回りならドウデュースとの機動力の差を埋められると判断した。
正直、最終週の内枠はあまり歓迎できる要素ではないが、ルメールに枠は関係ないというのを昨秋のGIでイヤというほど見せつけられてきただけにここは目を瞑って。ドゥレッツァの菊花賞とか何度見てもたまげるもんね。
ドウデュースは京都芝2200mでどうかという感もあるものの、地力を踏まえると○より下には評価を落とせず。大箱でどんな競馬をするかイメージし辛いところはあるが、4角ではある程度のポジションまで進出するのではなかろうか。
▲ブローザホーンはチャンス到来の感。2強を除いて最も勝利に近いのはこの馬では。うっかりスタミナを要する消耗戦になるようだと、いよいよ菅原明騎手&吉岡厩舎の初GIタイトルが現実味を帯びてくる。
一発があるなら☆ソールオリエンス。京都外回り替わりなら怒首領蜂ばりの大復活があり得る。無欲の大外一気がハマればワンチャンス。武史、勝ちにいかなくてもええんやで。
父キングマンボ系の4頭はまとめて無印に。印上位が人気サイドである以上、あれもこれもとは買えず、どこかで線を引く必要があったので。仮に1頭買うとすればシュトルーヴェ。ベラジオオペラは小回り向きのアイドリームドアドリーム一族なので、ここは下げるのが呼吸と見ている。
馬券はジャスティンパレスから2列目に○▲☆を置いた3連複&3連単フォーメーションで。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・宝塚記念】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【馬体診断・宝塚記念】馬体アナリスト・伊藤
【調教診断・宝塚記念】調教ライター・西村武輝
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