競馬サロン

2023/11/10 18:30
【武蔵野S】 今週も新星誕生か 前走初ダートで一変したペースセッティング
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先週のJBC4競走から続く、競馬ファンにとって至高の10日間。京都ジャンプSを合わせると、今週末は重賞が5レースもおこなわれ、フィナーレを飾るのがGIエリザベス女王杯です。
早速、予想へと移りたいところですが、まずはいつもどおり先週の振り返りを。
今回予想する武蔵野Sがダートの重賞ということで、先週おこなわれたJBC、その中でもスプリントとクラシックを取り上げたいと思います。
まずはJBCスプリント。勝ったのは3番人気の5歳馬イグナイターでした。
レースは、スタートで前年の覇者ダンシングプリンスが落馬する波乱の幕開け。一方、前は僅かに好スタートを切ったジャスティンを二の脚が速かったギシギシが交わして逃げるも、3コーナーに入る直前で、今度はラプタスが先頭に立つ展開。
他、イグナイター、モズメイメイ、バスラットレオンなど6頭が先団を形成し、昨年2着のリュウノユキナは中団。圧倒的人気のリメイクは、後ろから5頭目に位置していました。
前半600m通過は、34秒4と速い流れ。その後、3、4コーナー中間でリュウノユキナとリメイクが先団との差を詰め、10頭ほどが固まって迎えた直線。
粘るラプタスにイグナイターが並びかけ、残り200mで単独先頭。リュウノユキナとリメイク、ジャスティンが必死にこれを追いますが、イグナイターの末脚は衰えず、最後は笹川翼騎手のガッツポーズとともに1着でゴールイン。1馬身1/2差2着にリメイクが入り、さらに3/4馬身差でリュウノユキナが続きました。
ここまで交流重賞3勝のイグナイターは、5度目の挑戦で待望のGI初制覇。兵庫所属馬としても記念すべきGI初制覇となり、管理する新子雅司調教師はもちろん、騎乗した大井の笹川翼騎手にとってもGI初制覇となりました。また、2013年の勝ち馬エスポワールシチーとの父仔制覇も達成されました。
兵庫所属馬としては、過去にオオエライジンや、新子調教師が管理していたタガノジンガロが大井競馬場で悲劇に見舞われていただけに、両馬の無念を晴らす、悲願を果たすという意味でも、なおさら意義のある勝利となりました。
特に、レース後のインタビューで、新子調教師が「最後はジンガロの一押しもあったと思うんですけど……」と、涙を堪えながらお話しされていたところはぐっとくる場面でしたし、笹川翼騎手の「兵庫の皆さんやりました!」も良かったですね。
また、この日の園田は14時50分発走の8レースで終了。以降は、競馬場をあげての応援となったわけですが、大井競馬場ではゴール後「ササガワコール」も起こっていたよう。今回のハイライトといえば、このシーンだったでしょう。
一方、大井競馬場では今開催直前に砂の全面入れ替えがあり、レースの結果を左右するポイントとなりました。ただ、今回導入されたオーストラリア産の砂は、既に船橋やイグナイターの地元・園田で使用されており、イグナイターの陣営が出走に踏み切った理由の一つともいわれています。
この前後におこなわれたJBCレディスクラシックやクラシックもそうですが、結果的には、中団から後方でレースを進めた馬にとって厳しい展開に。それでも、リメイクはこれ以上ない競馬をしましたし、リュウノユキナもカラ馬と接触する不利がありながら3着。他、3コーナーに入る直前で前が詰まって躓き、9着に敗れたケイアイドリーも次走は見直せるのではないでしょうか。
ということで、ここまでがJBCスプリントの振り返りでした。JBCクラシックについては、スペースの都合上、明日、福島記念の予想コラムで振り返りたいと思います。
それでは予想に。
今回は、武蔵野Sの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。
(1)斤量の増減
(2)前走人気
(3)前走3コーナーの位置取り
(4)前走枠順
(5)前走馬体重
(6)毛色
(7)前走上がり
(8)父の系統
近年の傾向から重視できそうな指標は、上記8項目。その中で(1)は斤量の増減です。
武蔵野Sは、前走から斤量が減る馬の好走率が高いレース。そのうち、今回4から8枠に入り、なおかつ母父がネイティヴダンサー系以外の種牡馬であれば[3-3-2-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率270%、複勝回収率327%。該当馬の半数以上が好走していました。
(2)は前走人気について。
前走、上位人気に推されて惜敗した馬を買いたい当レース。具体的には、前走5番人気以内、かつ前走勝ち馬から0秒6差以内の惜敗を喫した馬が[4-3-1-6/14]。勝率28.6%、複勝率57.1%。単勝回収率306%、複勝回収率211%。(1)と同じ好走率でした。
続いては(3)。前走3コーナーの位置取り別成績。
東京競馬場の長い直線を使っておこなわれる武蔵野S。ダート戦にしては珍しく、差し、追込み馬が台頭しやすいレースです。今回「どの馬が中団以下に位置するか」は、スタートしてみないことには分かりませんが、当レースの場合、前走の位置取りがヒントになります。
具体的には、前走ダートかつ重馬場以外のレースで、3コーナー7番手以下に位置していた関西馬。さらに、キャリア16戦から30戦の馬が[3-3-2-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率237%、複勝回収率346%。(1)(2)と同じ好走率でした。
一方、関東馬は、他に条件をつけなくても[0-1-0-17/18]。厳しい結果に終わっています。
(4)は、前走の枠順です。
前走、外枠に入った馬の健闘が目立つ当レース。前走7、8枠からスタートした馬に美浦所属騎手が騎乗し、ブリンカー不使用。さらに、父がニアークティック系種牡馬かネイティヴダンサー系種牡馬であれば[2-3-1-4/10]。勝率20.0%、複勝率60.0%。単勝回収率318%、複勝回収率228%。(3)と同様、非常に複雑な条件ですが、素晴らしい成績。
また、前走2枠からスタートした馬は、特に条件をつけなくても[1-1-1-3/6]。勝率16.7%、複勝率50.0%。単勝回収率100%、複勝回収率201%。サンプルは少ないものの、該当馬の半数が好走しています。
折り返しの(5)は前走馬体重。ここは2パターン紹介します。
まず、前走馬体重が490kg未満の馬。こちらは2月か5月生まれで、前走距離が1600m、1700m、2000mのいずれかであれば[1-4-1-4/10]。勝率10.0%、複勝率60.0%。単勝回収率66%、複勝回収率271%。
一方、前走520kg以上540kg未満の大型馬も負けておらず、こちらは3、4月生まれ。なおかつ、前走からの間隔が中4週以上であれば[3-0-1-3/7]。勝率42.9%、複勝率57.1%。単勝回収率474%、複勝回収率445%。該当馬の半数以上が好走し、勝ち切っている点は魅力です。
続いて(6)は毛色です。
どういうわけか、武蔵野Sは黒鹿毛と芦毛の好走率が高く、なおかつ馬齢が5歳か6歳であれば[1-2-2-4/9]。勝率11.1%、複勝率55.6%。単勝回収率73%、複勝回収率412%。複穴が出ています。
(7)は前走上がり。
ピンポイント過ぎるだろ!と、突っ込まれそうですが、武蔵野Sは前走上がり2位の関西馬が[1-1-2-3/7]。勝率14.3%、複勝率57.1%。単勝回収率85%、複勝回収率474%。これまた該当馬の半数以上が好走し、なおかつ複穴が出ていました。
そして最後は(8)。父の系統です。
(4)で少し触れた父の系統。ただ、近年の当レースで勝率と好走率が最も高いのは、(4)で触れなかったロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒たちです。その中でも、前走と同じ騎手が騎乗する馬は[3-0-1-3/7]。勝率42.9%、複勝率57.1%。単勝回収率200%、複勝回収率141%。これまた、好走率は5割を超えていました。
これら8つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。
◎16 ペースセッティング
○15 カテドラル
▲10 ケイアイシェルビー
☆7 タイセイサムソン
△6 ライラボンド
△14 ヴァルツァーシャル
△5 セキフウ
△3 ドライスタウト
△1 ペリエール
△9 マルモリスペシャル
△8 ヘリオス
△2 ベルダーイメル
【買い目】
・単勝 16
・馬単マルチ 16=1、2、3、5、6、7、8、9、10、14、15 計22点
・ワイド 16→1、2、3、5、6、7、8、9、10、14、15 計11点
・3連複ボックス 6、7、10、15、16 計10点
本命候補は、2項目に合致した5頭(6、7、10、15、16番)。その中で、ペースセッティングを本命としました。
前走の桂川Sが、デビュー以来、初のダート戦だったペースセッティング。ややスタートで出負けしたものの、芝からダートに入るとあっという間に挽回して先行集団に取り付き、最後は後続を4馬身も突き放す完勝でした。
この、4馬身という着差に関しては、今回とメンバーレベルがまるで異なるため参考にならないかもしれません。ただ、4コーナー2番手からメンバー中2位の上がりをマークした点は評価できるポイント。1ハロン延長を克服できるかが課題になりそうですが、このコースで有利な外枠を引いたことはプラスに働くでしょう。
また、これは私の勝手な思いですが、ペースセッティングを本命にするのは、京王杯2歳S、ファルコンSに続いて3度目。過去2回は外れているだけに、今回こそは「3度目の正直」となって的中に繋がって欲しいところ。古馬が強いダート路線ですが、みやこSを勝利したセラフィックコールに続き、今週も新星誕生となるか注目です。
馬券は、ペースセッティングの単勝と同馬からの馬単マルチ、ワイド。さらに、2項目に該当した5頭の3連複ボックスを買います。
気になるところでは、(6)に該当したものの、あまりに印が多くなりすぎるため、今回が初ダートのステラヴェローチェはノーマークに(1頭増えようが関係ない気もしますが)。
また、GI馬レッドルゼルと、GI2着の実績があるタガノビューティーは1項目も該当せず、こちらも無印となりました。この2頭で決まったら目も当てられませんが、いかにもありそうな組み合わせです……。
それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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