まだまだ続く重賞レース。その最後を飾るのが、チャンピオンズカップの前哨戦みやこSです。

早速、予想へと移りたいところですが、昨日予告していたとおり、夏競馬の条件戦を勝利した注目3歳馬のその後、残り3頭について書きたいと思います。


・コンクシェル　8月19日　不知火特別（小倉芝1800ｍ、2勝クラス）1着→9月17日　ローズS（阪神芝、GII）12着→10月15日　秋華賞（京都芝2000ｍ、GI）18着

1勝クラス、2勝クラスをともに5馬身差で圧勝し、この夏、最大の惑星として注目していたコンクシェル。しかし、今年の3歳牝馬で本当の上がり馬だったのはローズSを制したマスクトディーヴァで、このレースで折り合いを欠いたコンクシェルは道中で落鉄もしており12着。スタートが上手くいかなかった秋華賞は、なんと18着に敗れてしまいました。

ただ、条件戦の勝ち方を見る限り、これが本来の実力ではないはず。追い込んで2着に好走したアネモネSの例もありますが、やはりスピードを活かして逃げるスタイルが最も合っているのではないでしょうか。

まだ3勝クラスに出走できる身とはいえ、そこは通過点として、マイル前後の重賞で躍動する姿を見たい一頭です。


・テーオーグランビル　8月27日　五頭連峰特別（新潟芝1600ｍ、2勝クラス）1着→10月22日　三年坂S（京都芝外1600ｍ、3勝クラス）6着

リー産駒の外国産馬テーオーグランビルは、新潟、阪神、新潟と、すべて芝のマイル戦に出走して3戦3勝。およそ2ヶ月の間隔を開けて三年坂Sに出走しました。

しかし、直線入口とゴール前150ｍ地点で2度前が塞がってしまい、結果は6着。前走から10kgの馬体増も、ひょっとすると少し重かったかもしれません。
また、2走前の阪神も勝つには勝ちましたが、左回りのほうが走りはスムーズに見えました。ただ、得意の新潟は来春まで開催がないため、同じ左回りの東京でどういった走りをしてくれるか、一度見てみたいと思います。

無論、来年の関屋記念や、来年の谷川岳Sが例年どおり新潟1600ｍでおこなわれ、そこに出走した際は積極的に狙いたい馬。もっといえば、この路線の頂点に位置する安田記念で見たい一頭であり、今後も左回りのマイル戦で活躍を期待しています。


・サーマルソアリング　7月23日　3歳以上1勝クラス（中京ダート1800ｍ）1着→9月23日　3歳以上2勝クラス（中山ダート1800ｍ）1着→10月8日　トルマリンS（京都ダート1800ｍ、3勝クラス）1着

そして、最後はダートの注目馬としてサーマルソアリングを挙げました。

こちらは秋に入ってから2戦してともに快勝。ダートでの成績を3戦3勝としました。が、1勝クラスを勝った時点で、将来大物になりそうなのは明白。この馬を挙げていたからといって、ドヤ顔はできませんね（笑）。

今後はオープンでの戦いとなりますが、ダートの牝馬限定重賞やオープンはJRAになく、ダートグレード競走を中心としたローテーションになるでしょうか。
また、この路線は昨日のJBCレディスクラシックを圧勝したアイコンテーラーが頂点に君臨し、同馬もまたダートではほとんど底を見せていない超のつく強豪です。ただ、ポテンシャルからしてサーマルソアリングも決して劣らないはず。ドゥラメンテ産駒同士の対決が今から本当に楽しみで、でも来年のJBCまで見たくないような……。グランブリッジやアーテルアストレアも含め、ダートの牝馬路線はかなり盛り上がってきそうです。

ということで、2回にわたって5頭のその後を振り返りました。

GIの開催がないとはいえ、2歳新馬戦とともに、3歳の上がり馬を見つけるのも夏競馬の楽しみ。新たな「推し」を見つけることで、夏競馬だけでなく秋競馬もこれまで以上に楽しくなるかもしれません。

それでは予想に。

今回は、みやこSの過去5年（2018年は施行なし。2017年と2019年からの4年間）を深掘り調査。好走傾向から重視できそうな指標を探し、本命馬を見つけます。

（1）馬齢
（2）前走上がり
（3）前走枠順
（4）前走レース
（5）生月
（6）キャリア
（7）父の系統
（8）前走斤量

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記8項目。まずは（1）。馬齢です。
ダート重賞らしく3、4歳馬が［1-0-0-22/23］と、苦戦しているみやこS。一方、5から7歳馬で、前走の出走頭数が今回と同じか、前走のほうが多かった馬。なおかつ、前走9番人気以内だと［3-3-4-9/19］。勝率15.8％、複勝率52.6％。単勝回収率593％、複勝回収率292％。該当馬の半数以上が好走していました。

次は（2）。前走の上がり。
前走上がり3位以内の馬が好成績を収めているみやこS。その中でも、前走4コーナーで5番手以下に位置していた馬は［3-3-2-6/14］。勝率21.4％、複勝率57.1％。単勝回収率250％、複勝回収率232％。（1）を上回る好走率でした。

（3）は、前走の枠順について。
どういうわけか、前走3枠か4枠に入っていた馬がやたらと強い当レース。その中でも、前走の馬体重が490kg以上だと［5-2-0-5/12］。勝率41.7％、複勝率58.3％。単勝回収率1074％、複勝回収率295％。好走率が高いだけでなく、勝ち切っている点も魅力です。

（4）は、前走レース。
近年のみやこSは、前走太秦S組とシリウスS組が好調。その中でも、母父がロイヤルチャージャー系種牡馬、もしくはニアークティック系種牡馬だと［4-2-1-5/12］。勝率33.3％、複勝率58.3％。単勝回収率1048％、複勝回収率345％。（3）と同レベルの好走率です。

折り返しの（5）は生月について。
またまたどういうわけかで恐縮ですが、4月生まれの好走率が高い当レース。中でも前走時、馬体重の増減がマイナス3kgからプラス3kg以外だった馬は［1-3-2-4/10］。勝率10.0％、複勝率60.0％。単勝回収率31％、複勝回収率172％。素晴らしい成績でした。

続いて、（6）はキャリアについて。
（1）とやや重なりますが、みやこSはベテラン勢が意地を見せるレース。キャリア21戦以上で、前走勝ち馬から0秒5差以内の負けを喫した馬は［3-1-3-2/9］。勝率33.3％、複勝率77.8％。単勝回収率280％、複勝回収率290％。サンプルは決して多くないものの、凄まじい成績です。

（7）は、父の系統。
ナスルーラ系種牡馬の産駒が好調な当レース。とりわけ、前走から中8週以内の間隔で出走してきた馬は［3-1-1-3/8］。勝率37.5％、複勝率62.5％。単勝回収率1530％、複勝回収率382％。昨年のサンライズホープの一発が効いているものの、それがなくても単複の回収率は200％を悠々と超えています。

そして最後は（8）。前走の斤量。
前走、重い斤量を背負った実績馬がさすがの強さを発揮している当レース。とりわけ、前走重賞かオープンで57.5kg以上を背負った馬は［2-2-1-3/8］。勝率25.0％、複勝率62.5％。単勝回収率276％、複勝回収率321％。こちらもサンプルは多くありませんが、好走率は6割を超えていました。

これらの8つの指標を踏まえて、印と買い目を下記のとおりとします。

◎8　 マリオロード
○3　 タイセイドレフォン
▲14　ウィリアムバローズ
☆4　 サンライズホープ
△7　 メイクアリープ
△12　ペプチドナイル
△11　メイショウカズサ
△5　 ゲンパチルシファー
△9　 ワールドタキオン
△10　ホウオウルーレット
△13　エナハツホ
△16　アイオライト

【買い目】

・単勝　8
・馬単マルチ　8＝3、4、5、7、9、10、11、12、13、14、16　計22点
・ワイド　8→3、4、5、7、9、10、11、12、13、14、16　計11点
・3連複ボックス　3、4、8、14　計4点

本命候補は、3項目に合致したタイセイドレフォン、サンライズホープ、マリオロード、ウィリアムバローズの4頭。8つも見てきたのに候補が4頭もいるとはトホホ……で、非常に難しい選択になりますが、前にいきたそうな馬が多いメンバー構成。そこで乱戦を期待し、マリオロードを本命としました。

3勝クラスを卒業後、オープンで3戦してまだ3着内がないマリオロード。ただ、それぞれ見せ場を作っており、とりわけ前走は勝ち馬にこそ及ばなかったものの、上がり最速で追込み、2、3着馬とはアタマ、クビ差の接戦でした。

また、2、3勝クラスを勝利したときはそれぞれ9、10番人気でしたが、母ヤマトマリオンも単勝102倍で東海Sを勝利と、過小評価されがちな血統。サンプルが少なく上記指標にはあげられなかったものの、前走太秦Sで上がり3位以内は、当レースで［3-1-0-1/5］と好成績を収めており、「世界一の馬」と同じ4歳のキタサンブラック産駒が、今週はダート重賞制覇に挑みます。

馬券はマリオロードの単勝と、印をつけた馬への馬単マルチ、ワイド。さらに、本命候補となった4頭の3連複ボックスを買います。

一方で気になるのは、4戦4勝のセラフィックコールや、5戦4勝のアスクドゥラメンテがノーマークになったこと。ただ、毎週のようにたくさん印をつけている私もこれ以上は打てず、やむを得ません。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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